ブログみよみよ日記

2013年 12月 防災・安全対策特別委員会

引用元:金沢市議会議事録

平成25年 12月 防災・安全対策特別委員会
          防災・安全対策特別委員会記録
1.日時       平成25年12月20日(金)
2.開議時間     開会 午前9時32分~閉会 午前10時43分
3.場所       第2委員会室
4.出席委員(8名)
           野本正人委員長、高 芳晴副委員長
           源野和清、広田美代、宮崎雅人、
           松村理治、安達 前、田中展郎の各委員
5.欠席委員(0名)
6.参考人等     中日本高速道路株式会社
            金沢支社保全・サービス事業部保全チーム担当リーダー
            森山守氏
           同支社金沢保全・サービスセンター総務企画担当課長
            (企画) 大橋由紀雄氏
           同センター総務企画担当(企画) 近藤智子氏
7.事務局出席者   橋高議事グループ長、喜多主任
8.審査事件等    別紙のとおり
9.議事の経過等   以下のとおり
 委員長の開議挨拶に引き続き、所管事務の調査として、参考人の中日本高速道路株式会社金沢支社保全・サービス事業部保全チーム担当リーダーの森山守氏からNEXCO中日本百年道路計画(長寿命化計画)について説明を受けた後、質問応答を行った。その後、当委員会の今後の活動について協議した後、次回の委員会開催日時を決定し、閉会した。
△[所管事務の調査]
  ・NEXCO中日本百年道路計画(長寿命化計画)について   ・・・・・・・・・中日本高速道路株式会社金沢支社保全・サービス事業部                   保全チーム担当リーダー 森山 守氏
1.背景  標題をNEXCO中日本百年道路計画としたが、国交省の長寿命化計画のことを我々は百年道路計画と称している。  アメリカでは、1930年にニューディール政策により高速道路や道路構造物を多くつくったが、以後80年間十分な維持管理をしなかったため、道路が荒れてきた。オイルショックがあり、維持管理への投資ができなかったという事情がある。  日本とアメリカの関係を見ると、アメリカでは1921年から1935年にかけて高速道路が多くつくられ、日本では1951年以降、特に東京オリンピックや大阪万博が開催された高度成長期に多くつくられ、30年程度後を追うような形で日本もアメリカと同じような状況を迎えることになる。  アメリカの事例に学び、今の時期に効率的な維持管理を行うことにより、ライフサイクルコストの低減を図ることが我々技術者に求められている。荒廃するアメリカから何を学ぶべきか。建設ラッシュで建設された道路に経年劣化が起きることは予想できた。劣化した道路の点検、補修を的確に行うことにより、道路の維持管理のコストを抑える必要がある。今、日本は景気が低迷しており、予算にも限りがある。橋梁を点検する技術者にも限りがある。市役所を含め、日本全体に維持管理の仕組みづくりができていない。適切な時期に道路や構造物への一定程度の投資が必要であり、長いスパンで見て、なおかつ短いスパンで考えながら、今後の維持管理に備えていく必要がある。  では、どのような形で維持管理をしていけばよいか。橋をかけかえるには、つくった金額の2倍ほどの費用がかかる。橋をかけかえ、あるいは新たにつくることは大変である。しかし、メンテナンスを行うことにより投資を抑えることは可能である。大きな金額をかけるのではなく、少ない金額を徐々にかけながら構造物を守っていくのが今の時代の流れである。  国交省の予防保全の取り組みだが、目的として、国民に対する安全・安心の保障、安全で信頼性のある道路網の確保、補修費用の適正化・最少化、構造物の長寿命化が挙げられている。10年使えるものを20年、30年使っていくという考えである。その背景としては、落橋などの深刻な問題が国民の生命を脅かすこと、構造物の劣化による交通規制による社会生活の制限--橋が規制されるとダンプが走れなくなったり、迂回しなければならなくなったりということ、また、大規模改良や更新には大きな予算が伴うが、それらを未然に防ぐことができることが挙げられる。そのような理由から、まず橋梁点検のシステム化を進め、点検と診断による信頼性のある維持管理を行っていく。また、技術は発展しているので、一層の発展を奨励し、今後のコストを下げていく。さらに、技術基盤を整備していく。加えて、それらをデータベース化して共有することが求められている。  今、直轄国道では、5年に1回の頻度で橋梁点検を実施している。そのうち40%程度で損傷が見つかり、5年以内に補修するように求められているのが実態である。一方、地方自治体では、2007年時点では10%程度の組織でしか橋梁点検を実施していなかった。今、社会インフラの整備を進める基金による国交省からの交付金を活用して橋梁点検を順次実施していると思うが、小さな市町村ではほとんど手をつけていないところもある。2012年には約90%の組織で橋梁点検が実施されるようになったが、なかなか進捗していないのが実態である。その理由としては、予算が十分でないこと、橋梁点検の必要性を十分に財政当局に説明できなかったこと、橋梁点検を補助する仕組みがないことのほか、橋梁点検には専門の技術者に加え、手引やノウハウが必要であり、ただ点検しただけではだめだということが挙げられる。さらに、点検は外部委託するが、外部に委託できるような環境が十分に整っていない。また、橋梁点検の結果を外部に説明できる技術者がいないことも挙げられる。  このようなことから、政府は財政補助と技術補助を行うとともに、事後保全から予防保全への転換を図っている。事後保全は壊れたら直すというものだが、予防保全は壊れる前に処置するというものである。こういった国の動きの中で、NEXCOとしては前もってこれらの課題を解決するためにある程度の対策を施している。  必要となるのはアセットマネジメントである。金沢市では、金沢市の資産をどのようにマネジメントして、仕組みづくりから予防保全までをどのように進めていくか、市民への説明も踏まえた仕組みづくりが必要となる。私たちには、点検の実施から予算までを国民に説明できるような形で進めることが求められている。
2.中日本高速道路の保全サービス体制  私ども保全・サービス事業の業務だが、金沢支社管内で現在301キロメートルの道路を管理している。北陸道の木之本インターから朝日インターまで、東海北陸道の小矢部砺波ジャンクションから白川郷インターまでである。地図を見ると、縦、横を結ぶような形となっている。この301キロメートルを、敦賀、福井、金沢、富山の4保全・サービスセンターで管理している。  管理数量としては、橋梁では、北陸道で約450橋、東海北陸道で約40橋の計約500橋を管理している。その他、トンネル、盛り土、切り土の管理も行っている。  管理のための組織は、トップに支社長、次に副支社長がおり、その下に4部の構成である。総務企画部、私が所属している保全・サービス事業部、環境・技術管理部と関連事業部の4部である。総務企画部は文字どおり総務企画を、関連事業部はSA、PAの運営を所管している。保全・サービス事業部には、企画統括チーム、道路・不動産管理チーム、料金チーム、保全チーム、施設チームのほか、道路管制センターがある。そのほかに4保全・サービスセンターがある。4部、13チーム、4保全・サービスセンターの組織構成である。  金沢支社の管理する道路の通行台数等だが、管理延長はさきに触れたとおり301キロメートルで、平成24年度は1日平均約10万台の通行がある。料金収入は年間約415億円である。ETCの利用率は約90%と高い。億台キロメートル当たり約6.4件の死傷事故率となっている。エリアの売り上げは約167億円、営業エリア数は35施設である。  北陸へどこからお客様が来ているかだが、新潟県からが約5%、関東からが約3%、長野県からが約1%、中京からが約11%、関西からが約10%で、その他は福井、石川、富山の北陸3県の交通量が大半を占めている。
3.日常の保全管理の取組み  私どもの日常の点検から管理までの仕組みだが、点検から補修計画に至るPDCA手法の流れがある。まず、道路の点検をする。目視、たたき点検などにより、路面上、のり面、橋梁、トンネル、設備関係等を点検し、損傷を発見した場合は仮判定を行う。どの程度の損傷なのか仮判定を行い、私ども監督員が報告を受ける。監督員は、緊急に直す必要のあるものなのか、あるいはまだ大丈夫なのか判定し、それを記録して、その結果に基づいて補修計画を策定し、施工計画を立てて工事を発注していくという流れである。例えば、緊急性のあるものについては、すぐ対応しなくてはならないので、緊急作業を行うことになる。舗装、防護柵、のり面、橋梁等の補修の計画を立て、補修を行い、その結果を反映させてPDCAサイクルを回しながら補修と計画を行っていくという流れである。また、それとは別に、草刈りや清掃等の維持修繕業務を行っている。  NEXCO中日本では、点検要領を整備している。昭和43年8月に岐阜県で集中豪雨に起因する土石流により走行中の観光バスが流される事故があり、多くの死傷者を出した。その事故を受け、土石流災害を重視した当時の建設省から、区域外も含めた道路の点検の徹底についての通達が出ている。建設省の通達を受け、翌9月に当時のJHは、道路の災害による事故防止の強化について、排水系統の点検、整備、清掃等の実施を初めとする5項目の強化事項を指示した。そして、翌昭和44年1月22日に道路修繕要領が制定された。それをバージョンアップしたのが、昭和60年3月に制定された点検の手引きであり、私どもが行う点検のもとになっている。  では、点検業務はどのような形でやるか。安全で快適な走行空間を確保し、お客様への被害を未然に防止することが基本である。そのために私どもは、土木系点検として、毎日行う日常の点検、道路をより詳細にチェックする点検とそれをもとにした検討、道路保全管理の3つの業務を行っている。日常点検は、黄色いパトロールカーに乗って車上から高速道路に異常がないかをチェックするものである。道路詳細点検は、橋の下などに行き、たたきながら、あるいはさわりながら点検するものである。道路保全管理業務は、遠望目視等で異常がないかを点検するもの、災害時の対応、工事を発注した際の現場管理の3つで構成されている。  点検の頻度だが、初期点検は、新設の構造物の供用開始前に初期クラックがないか、あるいは変状がないか点検するものである。日常点検は、北陸道では2週に4日行っている。定期点検には、基本点検と詳細点検がある。基本点検は、事務所全員で高速道路を見守る点検であり、年に1回以上行っている。詳細点検は、国交省に合わせて5年に1回行っている。臨時点検には、緊急点検と特別点検がある。緊急点検は、豪雨などの災害があった場合に必要に応じてその都度行っている。特別点検は、日常点検や詳細点検の補完や維持管理計画を策定するなどの目的で、必要に応じて実施される。  点検体制だが、NEXCOを含むグループ会社で行うものとエンジ業務で行うものとに区分される。構造物ごとに、どういう点検をするかを定めている。  点検業務の流れだが、初期点検を実施して、その結果を反映してPDCAサイクルを回していく。点検が実施され、点検員により、E、AA、A、B、OK、Cのいずれかに一次判定される。Eは、第三者に被害が及ぶような最も緊急的なものである。AAも緊急的なものである。AとBは、将来何か異常がありそうだというものである。このような判定を行い、監督員に報告して、その都度チェックする仕組みである。この段階は、まだ一次判定である。  次に、それらに基づき、保全・サービスセンターの中で日常点検、定期点検のデータを持ち寄り、そのデータが妥当かどうかを判断し、最終的な判定を下すこととなる。これを約2カ月に1回必ず繰り返すこととしている。  点検結果は、そのままにしておくのではなく、次の点検に反映させる必要がある。そのため、長期点検計画と単年度の計画に区分する。長期的な視野で見るものと短期的な視野で見るものに分類して、計画を立てて、翌年の点検計画に生かしていく。同じ点検をやっていくとロスが出てくる。
4.橋梁の保全管理と百年道路計画の取組み  では、この点検の結果をどのように工事等に生かしていくか。ASR--アルカリ骨材反応は、コンクリートの中に入っている石が膨張することによりコンクリートにひびが入るものだが、能登にはそういう構造物が多い。金沢市でも一部あると思う。また、海からの塩水による塩害は、構造物に悪影響を及ぼす。北陸道の橋梁は、30年以上経過したものが約90%と大半を占める。また、東海北陸道は新しく、古いものと新しいものをあわせて管理しなければならない状況である。  橋梁の損傷率は、経年に伴い高くなる傾向にある。補修を行うことにより、この率が下がってくる。鉄橋とコンクリート橋のいずれも、床版の損傷が多くなっている。  このような道路の管理の仕組みとして、私どもは土木資産マネジメントシステムを構築している。これは、過去の調査や試験施工の結果を踏まえ、降雪などの北陸の地域特性に見合った点検、調査方法、補修工法のPDCAサイクル--最初は間違っていてもそれを直しながらよりよいものにしていくマネジメントシステムである。東海北陸道は、今のうちにわずかな維持管理費をかければミニマムに管理できることから、北陸道のデータを東海北陸道にフィードバックすることもあわせて行っている。このマネジメントシステムは、道路を資産として捉え、道路構造物の状態の把握と評価を客観的に行い、中長期的な資産の状態を予測するとともに、予算的制約のもとでいつどのような対策をどこに行うのが最適であるかを決定するものである。これまでは壊れたから直すという対処療法的なものであったが、これからは少ない維持管理費でできるだけ長くもたせるという予防保全的な管理を行い、点検、診断、補強、記録によるPDCAを回していくこととしている。  私どもの経営目標では、例えば橋梁が500橋あるとしたら、予算を考慮し、その予算の中で何橋をどれだけ直していくのか、そのためにはリスクはどれだけあるかを明確にする。そして、資産の状況を分析して、ランク分けをしていく。それを事業計画に落とし込み、長期のもの、中期のもの、短期のものに区分していく。  具体的には、まず維持管理計画に基づき点検して劣化を予測し、性能的に今の状態のランクづけをする。そして、ライフサイクルコストの観点から投資計画を策定して予算を確保するというサイクルを回していく。ただし、その中にリスクが必ずある。リスク評価と信頼性解析をリンクさせて適切な安全余裕につなげていく。これらがリンクしなければリスク管理はできない。難しいところだが、この点を考慮してリスクとマネジメントとメンテナンスを機能させながら管理している。  経営目標に基づき維持管理シナリオを設定しており、維持型、予防保全型、事後保全型の3つに大きく区分される。現在は、どうしても直さなくてはいけない段階なので事後保全型でやっているが、3年後には予防保全型に変わる。健全度グレードだが、Ⅰは何も問題ないレベル、Ⅱはちょっと悪いレベル、Ⅲは少し予算をかければいいレベル、Ⅳは直さなければいけないというレベルで、Ⅴになると、例えば橋の通行制限などをかけて補修や更新を行う大規模なものとなる。予防保全型では、グレードⅢ以上であってはいけない。Ⅳは事後保全型であり、絶対になくさなければならない。ⅢでもⅢのボリュームがかなりあるので、何%まで許容するかを経営目標として定めていく。  そして、それらを分類したものを長期、中期、短期の3つの計画に分けていく。長期計画では、橋の特性を考慮した管理の方針を決めるために50年の計画を立てる。中期計画では、点検から補修までの具体的な予算を確保するための5年の計画を立てる。短期計画では、工事をどのくらいの規模で発注していくかを精査して1年の計画を立てる。現在は、グレードⅢ以上が補修の対象となる。現在の保全率は56.7%だが、2年後には91%となるよう工事を発注しているところである。  塩害対策だが、海から飛んでくる塩分--飛来塩分によるものついては、グレードⅢ以上の橋を直していくこととしている。ある程度原因はわかっており、劣化の状況に応じた補修工法をとることになる。塩害は、人間の体に例えるとがんのようなものである。  アルカリ骨材反応(ASR)は、人間に例えると中性脂肪で肥満になっていくようなものである。コンクリート中の石の膨張によりコンクリートにひびが入るものであり、要領に補修方針を取りまとめて対策をとっている。  中性化は、アルカリでできているコンクリートが酸性でもアルカリ性でもなく、コンクリートをさびさせる中性化に変わっていくもので、これから対応を図っていかなければならない。  今一番ひどいのが、床版のポットホールであり、特に損傷が多い鋼橋を重点的に直している。  このような状況で、課題が出てくる。構造物に要求される性能と設計耐用年数、100年もたせるのか50年もたせるのか10年もたせるかによって投資する額が違ってくる。例えば長さが10メートルくらいで、1日に10台、20台しか走らない橋であれば、大型車が走れるような橋であっても、少し落として10トン車が通れるような橋にしておけばよいというように、橋に必要な要求性能と設計耐用年数はこれから個々に決めていく必要があるのではないかと思っている。それと地域の材料特性と劣化ポテンシャルの把握が必要となる。例えば、石川と富山と福井でも構造物の骨材が違うので、材料特性--劣化する曲線をはかっていかなければならない。それをちょっと間違えるだけで投資額が大きく違ってくる。また、性能設計と性能照査、技術開発と良好な施工、適切な維持管理(点検・対策)とモニタリング、加えてリスクマネジメントが必要になってくる。これらの課題を今最終的にまとめているところである。
5.点検・補修技術の継承等  点検・補修技術の継承に関する問題については、笹子トンネルの天井板崩落事故を受けたトンネル天井板の落下事故に関する調査・検討委員会、社会資本整備審議会道路分科会道路メンテナンス技術小委員会、高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会で議論され、それらをまとめて安全性向上に向けた取組みを公表し、安全性向上3カ年計画として取りまとめた中に網羅されている。  まず、安全を最優先とする企業文化を構築するため、安全への意識改革として--安全とは点検と思ってもらえばよいが、点検する人に安全を優先する経営方針の明確化と取り組み姿勢を浸透させている。具体的には、職場討議等を活発に行うとともに、経営陣の率先垂範により、安全意識の浸透を図っている。また、リスクを認識、共有できる文化の構築として、さまざまな取り組みを進めている。加えて組織の改革、現場体制の強化を進めるとともに、コミュニケーションの強化を図っている。  業務プロセスの見直しだが、PDCAサイクルの再構築に向け、道路事業全体を通して経年劣化や潜在的リスクに対応するため、建設も維持管理も関係なく、安全性向上、経年劣化に対する取り組みを進めている。また、事故や不具合の情報があればそれを蓄積、共有していく仕組みをつくり、以後の管理に反映していく。また、建設段階のものについては、長期的な安全性向上と維持管理をしやすい設計を目指していく。点検するにしても見えない箇所があるので、維持管理しやすい設計をしていくことは重要である。そのために、検査路や点検空間の確保が必要となる。例えば、ある構造物とある構造物の間に設計上コスト最適として設けられた50センチメートルの空間があり、その空間を通って点検しなくてはならないが、50センチメートルの空間に人が入れるわけがない。したがって、点検のための空間を確保するといったような具体的な点検の手段に配慮した設計を施すことが重要になってくる。加えて、経年劣化や潜在的なリスクに対応したマネジメント体制を確立する必要があり、維持管理段階のマネジメント体制の強化と経年劣化や潜在的リスクに対応した点検・補修業務を進めている。  その手段がさきに説明したPDCAである。5年、10年といったサイクルでPDCAサイクルを回しながら、その各段階でもPDCAを回すというような仕組みづくりをやっている。  北陸版維持管理マネジメントシステムの体系だが、点検から補修までのデータベース化、新材料や新技術の開発、地域特性を考慮したマニュアルの整備、PDCAサイクルが循環するシステム、管理目標の数値化を基礎としたブリッジマネジメントシステムを構築している。全体の仕組みができているので、合体する仕組みを最終的につくろうとしている。  維持管理の確実性や効率性を向上するため、点検の現状を踏まえ、最終的にあるべき姿を想像し、その実現のために、適切な点検の実施、非破壊検査の技術開発、監視技術の開発などが求められてくる。そういうものをどう具体化していくかが課題となってくる。  その一つの例として、性能照査型の維持管理のフローをつくっている。1橋1橋を個別に、傷んできたらどう傷んでいるかを国民に説明できるようにしていく。例えば、橋の安全率が1を切ってはいけないとしたら、この橋は1.1である、1.5であるというふうに状態を数値で示していく。0.9ではこの道路は通さないということを説明できるようにするためである。この橋はまだもつ、大丈夫と言葉で言われても、それを数値化しないと国民は理解しづらい。安全率のβという指標による数値化を来年の秋ぐらいにはできるよう進めている。  今やっている点検は、目視、打音、触手だが、これに加え、例えば赤外線やカメラなどを使う非破壊技術、4D-FEA解析--数値解析やコンピュータで構造物が安全かどうかを解析するものとマネジメントを組み合わせて点検技術業務を行い、最終的には監視技術と組み合わせて維持管理の確実性を上げていくことに取り組んでいる。  一つの手法として、FTA解析がある。例えば、ジェット機は、大きな部品からボルト1本といった細かい部品までさまざまな部品により構成されている。そして、故障が起きたときにどこを見ればよいかといった点検マニュアルを整備している。そういう仕組みを橋にも導入していくことで、橋を部位ごとに分け、変状していく傾向がおおよそわかってくるので、それをツリー状に分析していくことにより、点検の効率化につながり、維持管理費をかけなくてもよくなる。全部見ていたものが、ポイントだけ見ればよくなり、効率的になる。そのような分析手法の導入を進めている。  もう一つの手法は、先ほど説明した安全率である。橋が今どのような状態であるかを数値化して国民に示すことを進めている。資料の信頼設計の基本モデルの項目で、高速道路を走っている車の荷重と橋の強度のそれぞれをグラフ化しているが、このグラフが重なると落橋の危険性が高くなるので、重なり具合をお客様に示して、まだ大丈夫、あるいは変状を起こす確率が10%あるなどと数値化して説明するものである。  また、構造物の経年劣化や潜在的リスクに対応して業務プロセスを見直している。要領は、これまでは建設のためのものだったが、点検・補修に配慮し、道路上重量構造物の落下防止対策の実施など構造物の経年劣化や潜在的リスクに対応した要領・マニュアルに見直している。社内の部門を超えた情報の共有化の推進や各種調査検討委員会等も行っている。  点検技術の高度化を図るため、橋の状態をいち早くつかむために監視するモニタリングを行っている。モニタリングを行うことによって、現在どのような状態にあるかわかってくる。点検は5年に1回だが、これはリアルタイムで状態を把握でき、その点が異なる。モニタリングは、点検の補助に活用できる。例えば、この橋は状態が悪くなっているから早く対応しなければならない、この橋はまだ状態がいいから5年に1回ではなく6年に1回にしようというふうに補修時期や点検頻度を見直すことができる。点検コストも個別の橋の状況に見合ったものにしようという考えで、このようなモニタリングシステムを構築しようとしている。  また、社内の安全管理体制の強化、安全性向上有識者委員会への報告と検証を推進していく。  技術の伝承については、名古屋大学とタイアップし、N2U-BRIDGE--ニューブリッジという名古屋大学の研修施設に更新により撤去された橋などを設置し、研修の一環として利用している。橋などを点検する技術を向上させる、目で見て理解できるようにするための施設である。教育や研修、技術の継承、研究成果の検証などの目的でつくっている。若手技術者の質を上げ、点検する環境をつくっていこうとしている。  また、自ら考え安全を優先する人材の育成や社員のモチベーションの向上にも取り組んでいく。
6.高速道路資産の長期保全及び更新の在り方に関する委員会  高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会だが、この委員会は、東京大学大学院工学系研究科の藤野特任教授を委員長に、NEXCO3社、学識経験者により組織されている。高速道路の資産が膨大になり、その老朽化が進展していくことから、安全・安心の確保への対応を検討し、提言していくものである。ハード面では、大規模更新や大規模修繕をどのように進めていくかといったことなどを検討していく。これまでのように補修を繰り返すのではなく、大規模更新・大規模修繕を行うことによって延命化を図っていく。ただし、全てそうすればいいというものではなく、対象を厳選して進めていく。ソフト面では、第三者の被害防止や点検のあり方について検討していく。  日本の高速道路の現状、経過年数だが、供用延長ベースで、供用後30年以上が約4割あり、平成62年には供用後50年以上が約8割になり、経年劣化のリスクが増大していく。  橋を傷める大きな要因は、使用環境の変化である。大型車の交通量が伸び、かつ、大型車が大きく重くなってきており、問題となっている。車両制限令等違反取締隊による取り締まり対象車両の1割程度が総重量違反車両である。大型車の交通量が伸び、通行する大型車が重くなればなるほど橋は傷みやすくなる。従来の想定より3割程度橋の寿命が短くなっている。  橋は、車の走行だけでなく、塩害などの影響によっても傷むものである。飛来塩分または内在塩分の影響がある橋梁は、5割強の割合で健全度グレードがⅢ、Ⅳ、Ⅴのいずれかとなっている。凍結防止剤も悪影響を及ぼしている。  劣化が早く進んでいるため、これまでの部分的な補修から床版を取りかえるといった大規模な補修への転換を検討している。床版、桁等の橋梁の変状についても橋種ごとに分析を進めている。  さきに説明したように、経過年数の増大、使用環境の変化、維持管理上の問題、外的環境の変化、地盤材料の風化や劣化に伴う変状リスク、設計や施工基準類の変遷、明確な形で考慮しなかった変状リスク等を分析し、ランク分けした上で大規模更新・大規模修繕を進めていこうとしている。まだ中間答申の時点であり、今後は、対策の優先順位づけや対策時期の検討、更新実施における課題の整理を行い、来年3月までに最終的な提言を取りまとめる予定となっている。  概算ではあるが、3社合わせて、大規模更新に約2兆円、大規模修繕に約3.4兆円、合わせて約5.4兆円が必要になってくると考えられている。
△[質問応答] 
◆源野和清委員 ①道路の保全業務では、外部への委託を行っているが、内部で行うものと外部に委託するものとの区分の基準はあるのか。  ②名古屋大学と連携して人材育成を進めているとの説明があった。市役所では、人事異動により部署が変わることから専門性が養われないのではないかという懸念を抱いている。橋梁の維持管理に専門性のある職員が必要なのではないかと思うが、どう考えるか。
◎森山守氏 ①点検のデータを管理し、蓄積し、それを反映する業務についてはグループ会社を含めた内部で行っている。また、規制が必要となるような緊急性のある業務、清掃業務等も内部で行っている。SA、PAの管理も同様である。一方、舗装改良や橋の補修等の工事は、外注している。設計については、難しいものは外部に出し、内部で簡単にやれるものは内部でやっている。  ②人材育成は課題である。私どもの行っている研修や先ほど説明したニューブリッジには、石川・福井・富山の各県の職員の参加がある。研修は、年4回に分け、1回につき100人から200人を対象として行っており、市町村関係の方でも申し込みがあれば参加できるので、参加してもらえばと思う。ただ、一朝一夕で物になるものではない。点検には経験が必要となってくる。そういう面で、実際に損傷した橋があり、これが損傷だということがわかると理解が深まる。それが難しければ、点検での変状の状況を撮影した写真を用い、Aランク、Bランクというふうにランク分けした分類表のようなものを利用してスキルを上げていくことも考えられる。また、マニュアルや要領をつくることも効果的である。市町村では、国交省や県と内容的に多少異なっていていいと思うが、レベルに応じたマニュアルや要領をつくり、市として共通認識を持てるものにしておく必要がある。A君はこれはAだと言っても、B君はCだと言うかもしれないので、判定を合わせる基準となるものが必要になる。それがなければ、点検した結果が使えないことになる。
◆広田美代委員 外部委託の話があったが、内部で点検していると説明のあったものの中には、いわゆるファミリー企業が行うものも含まれるのか。
◎森山守氏 含まれている。
◆広田美代委員 昭和60年3月の点検の手引きを皮切りに要領等が制定され、今も使っているということだが、笹子トンネル事故を教訓にできた安全性向上3カ年計画のもとでの新たな点検体制はできてきているのか。
◎森山守氏 できている。点検の判定種別は変わらないが、誰がどうチェックするのかという責任の明確化、いつ誰がどうやるのかということ、それを第三者の目、違う部で見るということが大きな改定点である。それらを加えて最新のバージョンとしている。笹子トンネル事故を踏まえて、要領にも盛り込んでいる。答申がこの6月に出たので、組織内部の改革も含めて、おそらく来年には安全管理を含めたシステムとして、新しい要領ができると思う。
◆高芳晴副委員長 経営目標指標に関し、現在の事後保全型から3年後には予防保全型へという説明だったが、現状と将来的な目標を教えてほしい。
◎森山守氏 平成24年度末が56.7%で、100%になると完全な予防保全型になるが、平成27年度末の目標値は91.0%である。現在はおよそ半分が事後保全型である。健全度グレードがⅢのものとⅣのものとを合わせて91%なので、これらが全てⅡ以下になれば、残りの9%について、何年後に傷んでくるというふうに劣化を推定しながら補修できることになる。おそらく平成28年ぐらいには完全に予防保全型に変わってくる。
◆高芳晴副委員長 100%になるか。
◎森山守氏 400橋が次から次へ傷み、劣化曲線が大きくなる。健全度グレードがⅡであれば、ⅡのままⅢにならないよう保全しようとしているので、この橋は5年、この橋は10年大丈夫だということを推定して、早目に投資するのが予防保全である。ミニマムのメンテナンスとして、3年後を目指して進めている。
◆田中展郎委員 皆さんの道路維持管理に関するノウハウは大変なものである。県の職員は研修会に出ていて、市町の職員はほとんど出てないということだった。せっかくの機会なので出ればいい、そういう交流があったらいいと思いながら聞いていた。皆さんから見て、金沢市の点検技術やマニュアルの作成等のレベルはどのような状況か、率直な意見を聞かせてほしい。
◎森山守氏 金沢市に20年住んでおり、金沢大学や金沢工業大学の先生方と交流がある。県とは、一昨年ぐらいから担当者会議をやるごとに維持管理等について、また、私どもの持っている技術を使ってもらえるよう説明しているところである。  金沢市の点検、管理等についてコンサル等から話を聞くが、ほかの市町村に比べて悪くないレベルだと思っている。ただ、国交省の点検要領をそのままダウンロードして使っているような面はある。金沢市には金沢市に合ったものがあるはずなので、そういったものを取り込んでやっていくとよいと思う。例えば、市で技術職の職員の集まりがあるので講演してほしいといった依頼があれば、幾らでも伺い、説明させてもらう。それで市職員の技術力アップをサポートしたい。先ほどニューブリッジの話をしたが、名古屋まで行かなくても、私どもは以前に撤去した橋を北陸道の手取川橋の下に置いている。損傷した橋もあるので、そういうものを研修の材料として実地に見て、点検の技術を磨いている。機会があれば、NEXCO、国交省などとの垣根を越えて、お互いにスキルを磨き、レベルを上げていけばいいと思っている。
◆広田美代委員 昨今、道路、橋やトンネルというと、地震に対応できるのか、何か災害があったときにどうなるのかという不安がつきまとう。例えば志賀原発で事故が起きたときに、志賀町や羽咋市の人たちは道路で金沢に避難してくるが、道路が寸断されたら逃げられなくなる。何か災害が起きたときにはどれくらい耐えられるものなのか、また、耐えられないとすれば新しくしたほうがいいのか。
◎森山守氏 東日本大震災では、東北道での落橋はなく、路面の段差が少し生じた程度である。それは、耐震補強をしているからで、北陸道も耐震補強を100%完了している。したがって、橋が落ちることはない。ただ、盛り土と橋の境界には、どうしても段差が生じる。私どもの事業継続計画では、24時間で高速道路を緊急車両が走行でき、なおかつ3日後に一般のお客様を通すことを目標としている。何かあったときには、土のうなどで応急復旧するなどして、緊急車両は必ず通すようにする。高速道路は高速道路の、国道は国道の役割を果たせるようにする。国交省から県境をまたぐ高速道路と国道は必ず耐震補強を終えるよう指示があり、高速道路は耐震補強を終えている。
◆高芳晴副委員長 関越道で高速ツアーバスが構造物にぶつかった事故があった。同様の構造物を少しずつ改善しているかと思うが、長寿命化計画には影響があるか。
◎森山守氏 金沢支社では、同様の構造物の改善を100%終えている。類似のものがかなりあるが、2013年末で金沢保全管内の10カ所程度を除く九十何%が完了している。10カ所程度を来年5月か6月まで持ち越すが、その時点で全て完了する。また、関連する安全向上対策やガードレールの強化などを順次進めている。  安全にかかわることに関しては、長寿命化とは関係なく進めている。安全の確保は、私どもがやらなくてはいけない事項であり、維持管理費がかかろうが進めていく。
△[当委員会の今後の活動について]   平成26年1月に提言書の骨子案について、同年2月に提言書案について協議をすることとした。また、宮崎委員から委員会として空き家対策に関する条例案の作成の提案があり、次回の委員会で議論することとした。なお、次回の委員会開催日時は、平成26年1月15日(水)午前10時と決定した。
△[その他]   なし                                  以上

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