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2016年 11月 市民福祉常任委員会

引用元:金沢市議会議事録

          市民福祉常任委員会記録
1.開会日時     平成28年11月15日(火)
2.開議時間     開会 午前10時1分~閉会 午後0時20分
3.場所       第3委員会室
4.出席委員(8名) 源野和清委員長、松井 隆副委員長
           熊野盛夫、広田美代、下沢広伸、松村理治、
           小阪栄進、田中展郎の各委員
5.欠席委員(0名)
6.委員外議員(1名)高  誠議員
7.出席説明員    別紙のとおり
8.事務局出席者   山口調査係長、酒井主任
9.審査事件等    別紙のとおり
10.議事の経過等   以下のとおり
 委員長の開議挨拶に引き続き、報告事項の説明を受け、質問応答を行った後、その他の事項について質問応答を行った。その後、意見交換会について協議し、閉会した。

△[報告事項] 
・新金沢市男女共同参画推進行動計画の中間改定にかかる骨子(案)について
                 ・・・・・・・東田人権女性政策推進課長
 新金沢市男女共同参画推進行動計画の中間改定にかかる骨子(案)について報告する。市民局報告案件-1を見てほしい。
 現行の新金沢市男女共同参画推進行動計画は、計画期間を10年として平成25年4月に策定されたが、女性活躍推進法の成立や国の第4次男女共同参画基本計画の策定など、男女共同参画社会をめぐる情勢の変化や課題に対応し、より効果的な施策を展開するため、後期に向けた中間見直しを1年前倒しし、行動計画改定に着手することとした。
 改定後の後期の計画期間は、平成29年度から平成34年度までの6年間とする。基本理念は、金沢市男女共同参画推進条例の基本理念に基づき、男女が自立した人間として、あらゆる分野で生き生きと輝くことのできる社会の形成を、総合的かつ計画的に推進することである。この計画は、DV防止法に基づく市町村基本計画であることに加え、今回は新たに女性活躍推進法に基づく市町村推進計画として位置づけることとした。金沢市が目指す男女共同参画社会を「男女が共に、家庭や地域、職場等に支えられながら、多様な生き方や働き方を実現できる、豊かで活力あふれる社会」としたいと考えている。
 施策体系についてA3の体系図にて説明する。今回は、中間改定であるため、現行の基本目標は変更せず、課題等を見直した。新たな課題や重点を設定し、それがどの法に基づく課題であるかを明確にするために、丸印は女性活躍推進法、星印はDV防止法に基づく課題であることを表示した。各課題には、それぞれの課題に取り組む施策の方向を示している。重点課題は5つあり、基本目標Ⅰでは男女共同参画の視点に立った働き方の見直し、基本目標Ⅱでは方針の立案・決定過程への女性の参画の拡大、基本目標Ⅲでは職業生活における女性の活躍促進、基本目標Ⅳではワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の推進、基本目標Ⅴでは女性に対するあらゆる暴力の根絶取組の強化とした。重点課題や新たな課題に沿った施策の方向には、企業、団体等を対象に働き方改革を推進する事業、市民団体の育成や支援、日本女性会議金沢開催、労働相談窓口の充実、地域コミュニティーを生かした男女共同参画の推進などを挙げており、平成29年度以降に予算化したいと考えている。
 検討経過と今後の予定だが、これまでに男女共同参画に係る審議会と専門部会での検討に加え、eモニターでのアンケート調査を実施した。今後の予定だが、12月に骨子案についてパブリックコメントを実施し、市民からの意見の集約と回答を行い、来年3月に審議会から答申をもらい、4月に改定計画を策定する予定であり、男女共同参画のさらなる推進を目指して施策に取り組んでいきたい。
・民生委員・児童委員の一斉改選について・・・・・・・・・高柳福祉総務課長
 民生委員・児童委員の一斉改選について報告する。福祉局報告案件-1を見てほしい。
 民生委員・児童委員については、本年12月1日をもって3年に一度の改選が全国一斉に行われる。本市の民生委員等の配置基準等だが、民生委員・児童委員は994名を定数としており、今回の改選を機に27名増員している。主任児童委員については、前回と同数の111名を定数としている。年齢要件だが、民生委員については、新任の場合は原則69歳未満、再任の場合は75歳未満としており、国基準よりも新任の年齢基準を下げている。主任児童委員については、新任の場合は国基準と同じだが、再任の場合は逆に高くしている。これらはいずれも将来にわたって積極的な活動を続けてもらうためである。資料の候補者については、各地区の推薦準備会における選任の後、社会福祉審議会での審査等を経て、市から厚生労働大臣に推薦した現時点での数値である。人数は、民生委員等と主任児童委員を合わせて、定数に対して11名足りない状況であり、引き続き各地区の推薦準備会において選考してもらい、推薦があれば順次委嘱を行っていきたい。新任と再任の別だが、民生委員は約3割、主任児童委員は約4分の1が新任である。男女別だが、民生委員は約6割、主任児童委員は約8割が女性である。平均年齢だが、前回よりも約1歳上がっている。来月1日に各地区の民生委員・児童委員協議会の代表者に集まってもらい、市長から委嘱状等の伝達を行う予定である。
・第3期金沢市ひとり親家庭等自立促進計画の骨子(案)について
                    ・・・・・・・・高柳福祉総務課長
 第3期金沢市ひとり親家庭等自立促進計画の骨子(案)について報告する。福祉局報告案件-2を見てほしい。
 計画の趣旨だが、現行の計画が今年度末終了することから、第3期計画を策定するものであり、計画の期間を平成29年度からの5年間とし、母子及び父子並びに寡婦福祉法に規定する自立促進計画に位置づけるものである。
 計画の体系だが、新しい基本目標を「ひとり親家庭の親と子が安心して自分らしく暮らせるまちへ」とし、ひとり親家庭を一くくりとして捉えるのではなく、親と子がそれぞれ安心して自分自身を失わずに生きていけることを願った目標とした。基本的な方向について、前回一つの柱となっていた子育て支援と生活支援を切り離して6つの柱としている。子ども・子育て支援の充実では、ひとり親家庭の子どもの半数以上が貧困の状況にあることから、貧困対策も念頭に置いて単に子育て支援とせずに、子どもの視点に立ち、子どもの成長を保障する支援という意味も持たせている。施策の方向性並びに主な施策の展開では、保育所の優先入所などさまざまな子育て支援の充実とともに、中学生に大学生のボランティアが勉強を教える学習支援ボランティア事業など子ども自身への支援を盛り込むこととしている。就業支援の充実では、パソコンや簿記など就職に有利な技能修得を行う就業支援講習会のほか、看護師や介護福祉士などの養成学校に通う際に支給する高等職業訓練促進給付金など、能力向上や雇用の確保等に関する施策を盛り込んでいる。その他の基本的な方向として、生活支援の充実や経済的支援の推進、養育費確保の推進、相談体制・情報提供の充実を掲げている。今後の予定だが、12月にパブリックコメントを行い、その結果を踏まえながら来年3月に新たな計画を策定することとしている。
・介護予防・日常生活支援総合事業の実施について・・・・・高村介護保険課長
 介護予防・日常生活支援総合事業の実施について報告する。福祉局報告案件-3を見てほしい。
 報告内容については、去る11日、介護保険運営協議会において、協議会委員の中から市民代表となる公募委員や町連、老人連合会、サービス提供事業者、学識経験者で構成する専門部会で検討した結果について了承を得たものである。
 介護予防・日常生活支援総合事業について参考資料に基づき説明する。総合事業の利用者は、要支援1、2の認定者及び要支援・要介護状態になるおそれがあると判断された65歳以上の方である。総合事業では、保険給付サービスのうち要支援1、2の認定者が利用している訪問介護、通所介護を総合事業へ移行し、現行サービスに加えて多様な主体--例えば専門職や住民ボランティアなどによるサービス提供も可能とするものである。また地域支援事業の短期間の運動機能向上などの二次予防事業についても総合事業に移行し、要支援1、2の認定者や要支援相当となる方が選択することが可能となり選択肢を広げるものである。サービス類型については、国が示す総合事業の類型であり、本市においては事業の円滑な移行を図るため、既存事業の有効活用を基本としている。訪問型サービスの提供体制では、サービスの区分を現行の訪問介護相当と多様なサービス主体に分け、サービス種別では多様なサービス主体について訪問型サービスAからDに分けている。訪問型サービスAについては、現行の訪問介護に比べて人員基準を緩和して報酬単価を引き下げるもので、ヘルパー等の資格がなくても一定の研修者であれば従事できることとする。訪問型サービスCは有資格者による栄養改善に係る短期集中サービスである。サービス提供の考え方について、身体介護が必要または認知症の症状があれば現行の訪問介護を利用してもらうこととなるが、掃除や買い物など生活援助のみのサービス利用の場合は訪問型サービスAを利用してもらう。短期集中サービスの訪問型サービスCは栄養改善を図るものであり、二次予防事業で既に実施している事業の移行を考えている。通所型サービスの提供体制だが、サービスの種別やサービス内容等については訪問型サービスと基本的に同様となっている。サービス提供の考え方だが、入浴介助が必要または認知症の症状があるなど介護を要する場合は現行の通所介護を、介護度が軽く運動中心のサービスを受ける場合は通所型サービスAを利用してもらう。短期集中サービスの通所型サービスCでは、訪問型サービスと同様に既に実施している口腔機能向上、また運動機能向上を図る二次予防事業の移行を考えている。
 総合事業への移行時期について、明年4月となっているが、要支援1、2の方の総合事業への切りかえについては、該当者が4,000人を超えており、一度にケアプランを策定するのに十分な時間がないことから、平成29年度中の要支援認定更新時に切りかえていくことを基本とする。サービス利用のフローについて、例えば要支援認定申請を行う場合、まずは地域包括支援センターに相談して認定申請書を提出してもらい、要支援と認定された後にはケアマネジメントにより必要に応じて介護予防給付や総合事業を利用してもらうこととなる。要支援になるおそれのある方については認定申請せずに、基本チェックリストによる判定を行い、要支援相当となる場合は市に申請し、事業対象者として認定され、介護予防ケアマネジメントにより総合事業を利用してもらうこととなる。総合事業におけるフローだが、例えば要支援者、事業対象者ともに訪問型もしくは通所型サービスを利用する場合、入浴介助等の身体介護が必要であれば現行相当のサービスを、必要なければ緩和した基準のサービスを利用してもらう。なお、65歳以上の全ての高齢者は、一般介護予防事業のサービスを利用することができる。
 基準緩和型サービス(サービスA)の報酬単価及び基準について説明する。先ほど説明したとおり、基準緩和型サービスについては、訪問型・通所型ともに介護度が軽い方が従前と同等のサービスを以前より少ない負担で受けられるよう設定している。報酬単価は、訪問型・通所型ともに現行相当の80%とし、基本報酬とは別に加算するものは、サービスを提供する際に対象とすることとする。訪問型サービスAについては、生活援助のみのサービスを提供するものであり、従前と同等のサービスを受けられることを念頭に人員基準を検討した結果、管理者については常勤まで求めないほか、従事者についてもヘルパーの資格がなくても市が指定する研修を修了すれば従事できることとし、現行との経費を比較したところ現行相当の80%となったところである。報酬については、現行の報酬に8掛けした単価を設定しているほか、加算についても初回加算や介護職員処遇改善加算を算定することとしている。通所型サービスAについても、介護度が軽く、入浴や食事等の介助などの身体介護を要せず、運動を中心にサービスを受ける方を想定し、訪問型サービスと同様の考え方で人員基準を検討した。管理者については常勤まで求めず、介護度が重い方に対応した生活相談員や機能訓練指導員、看護職員を配置しなくてもよいこととした。従事者についても利用者が15人を超える場合は利用者1人につき0.1以上と緩和することで、現行との経費を比較したところ現行相当の80%で対応できると確認した。報酬体系については、訪問型サービスと同様に現行の報酬に8掛けしたものとしたほか、加算についても訪問型サービスと同様の考え方となっている。
 市民向け、事業者向け説明について、専門部会においても制度が複雑なため説明等を十分行うよう意見があったことから、丁寧な説明を行うこととしたい。まず事業者に対する説明会を今月25日、29日に開催するほか、市民に対しては日常生活圏域ごとで説明会を行うこととしており、来月5日の森本市民センターを皮切りに来年1月末までに市内19カ所で行うこととしている。また、要支援認定者に対しては、地域包括支援センターの職員がおおむね3カ月に一度訪問する際に制度説明するほか、来年1月末に制度改正の案内を送付することとしている。さらに、総合事業の背景や目的、人員基準等についてのパブリックコメントを今月17日から来月16日まで実施することとしている。
・「行方不明高齢者等捜索活動連携に関する協定」の締結について
                      ・・・・・・細井長寿福祉課長
 「行方不明高齢者等捜索活動連携に関する協定」の締結について報告する。福祉局報告案件-4を見てほしい。
 高齢者が住みなれた地域で健やかに安心して暮らせるまちづくりを進めるため、平成21年度に市と地域包括支援センターによる認知症高齢者の捜索に係る仕組みである金沢市みつけてネットを開始し、平成26年度には生活協同組合と、平成27年度にはコンビニエンスストアと高齢者の見守りに関する協定を締結し、高齢者の見守りや捜索に係る取り組みを行ってきた。このたび、市内3つの社会福祉法人と地域貢献について相談していく中で、認知症高齢者が行方不明となった場合に捜索隊をつくり早期に協力したいとの申し出があったことから、市と各法人の間で行方不明高齢者の情報提供に関する協定を11月9日に締結した。
 協定の内容は、行方不明高齢者の家族等からの捜索依頼と情報提供の同意により、捜索に必要な行方不明高齢者の情報を市と法人の間で相互に提供するとともに、各法人はそれぞれの責任において捜索隊を編成し、捜索を行うことを規定している。今後、他の社会福祉法人等からも申し出があれば同様の協定を締結することとし、認知症高齢者やその家族への支援を一層強化していきたい。
・平成29年度保育所・認定こども園の利用申込状況について
                   ・・・・・・西尾こども政策推進課長
 平成29年度保育所・認定こども園の利用申し込み状況について報告する。福祉局報告案件-5を見てほしい。
 今年度も10月の1カ月間を1次申し込みの受け付け期間として、市内71の保育所と来年度に移行を予定している48の認定こども園、合計119施設で利用申し込みが行われた。119施設の中には、来年度に幼稚園から認定こども園に移行する4つの幼稚園を含んでいる。申し込み児童数は1万3,499名、利用定員は1万3,249名であり、差し引きで250名、63施設で定員超過となった。利用定員を超える分だが、各施設で面積基準等を満たす範囲内で年度当初定員の15%までの弾力的な受け入れが可能となる。このルールによって、市全体では1万4,567名までが利用可能となり、申し込み児童数に対してあと1,068名の受け入れが可能となる。今後、保育士の確保数などを各施設に確認しながら弾力運用によって利用調整を進めて、来年1月下旬をめどに申し込みのあった保護者に施設利用の内定結果を送付する予定である。希望する施設に内定しなかった場合には、2次申し込み受け付け期間を2月1日から10日まで設けることとしており、その期間中に空きのある施設に再度申し込んでもらうこととなる。なお、参考として昨年度の申し込み状況を掲載している。
・社会福祉法人制度改革の施行について・・・・・・・・甘池福祉指導監査課長
 社会福祉法人制度改革の施行について報告する。福祉局報告案件-6を見てほしい。
 平成28年3月31日に社会福祉法等の一部を改正する法律が公布され、平成29年4月1日より施行となっている。今回の改正は社会福祉法人制度の創設以来初めて大幅な運営組織の見直しが行われるものである。
 改正の目的は、少子高齢化等により地域福祉の課題が複雑かつ多様化する中にあって、社会福祉法人の公益性や非営利性を確保する観点から制度を見直し、国民に対する説明責任を果たすとともに、地域社会に貢献する法人のあり方を改めて徹底することである。
 制度改革の主な内容は4点である。1点目は、全ての社会福祉法人に対して評議員会の設置を義務化したことである。法人運営における牽制機能を強化する観点から、評議員に公正、中立な立場の人材を選任し、評議員会では理事等の選任及び解任、決算の承認などに関する議決権をもって理事会による法人運営を監督する役割を担うこととなる。2点目は、一定規模以上の社会福祉法人に対して会計監査人の導入を義務化したことである。法人内の監事以外の公認会計士などによる会計監査の実施により、財務会計に係るチェック体制の充実を図るものである。3点目は、再投下可能な財産を持つ社会福祉法人に対して社会福祉充実計画の作成を義務化したことである。保有する財産から必要な財産を控除した上で一定の残額が生じる場合には、既存事業の充実や新たな取り組みに有効活用するための計画を作成することとした。計画の策定に当たっては、公認会計士や地域の意見を聞く必要があるほか、所轄庁である金沢市が計画を承認することとなる。4点目は、定款、重要規程、決算書類等について一般向けの公表を義務化したことである。法人運営の透明性を確保するため、誰もが全国の社会福祉法人の情報を閲覧できるよう国がインターネットを活用した財務諸表等開示システムを整備し、平成29年度から運用を開始するものである。
 来年4月に向けた作業工程について説明する。国では、9月27日から10月26日まで実施されたパブリックコメントの結果を踏まえ、改正法の運用について定めた政省令が先週公布されたところである。今後、本年度末までの間に社会福祉法人において、準備作業として定款の変更、評議員選任・解任委員会の設置及び新評議員の選任、さらに必要な法人については会計監査人の選任、また財務諸表等開示システムの運用開始に向けたデータの入力のほか、平成28年度決算見込みにおける再投下可能な財産残額の確認と、残額が発生する場合の社会福祉充実計画作成の準備を行う必要がある。
 本市の対応だが、所轄する社会福祉法人への迅速かつ的確な情報提供や、質問、相談等に対する助言、指導など行政として各法人への一定の支援が必要と考え、所要の対応を図っているところである。金沢市が所轄する社会福祉法人は現在116法人であり、これまでの対応として、必要な情報の収集や整理、市のホームページ等を通じた関連情報の発信に努めており、8月9日には本市主催で制度改革に関する説明会を開催した。来年4月の見直しに向けて準備期間も限られてきたことから、今後は、法人向けに政省令で定めた改正法の運用に関する詳細な情報の提供や財務諸表等開示システムの入力、操作に関する指導や支援を行うとともに、社会福祉充実計画の作成に必要な地域の意見を聴取するための仕組みを構築していく。また、来年1月ごろには各法人における準備作業の進捗状況調査を実施し、準備作業がおくれている法人に対して重点的な指導、支援を行うことも考えている。福祉局全体として、来年4月までに本市が所轄する全ての社会福祉法人において遺漏なく今回の制度改革への対応が完了するよう取り組んでいくほか、翌年度以降、社会福祉法人の運営基準も大きく変更されることから、引き続き適正な法人運営が確保されるよう指導監査を徹底していく。
・金沢市における在宅医療と介護サービスに係る連携の推進について
                    ・・・・・・・・山森健康政策課長
 金沢市における在宅医療と介護サービスに係る連携の推進について報告する。保健局報告案件-1を見てほしい。
 高齢化の進行に伴い、今後、在宅で療養する高齢者の増加が見込まれ、住みなれた場所で療養しながら安心して生活できる体制づくりが求められている。在宅医療と介護の連携事業は、介護保険法の地域支援事業として位置づけられており、市町村が主体となり、医療と介護サービス提供者の連携がより推進されるよう取り組むこととされている。
 平成28年度の取り組みについてだが、在宅医療と介護サービス提供者の連携を推進するための相談支援窓口となる連携支援センターの開設に向けて、4月に金沢総合健康センター内に準備室を設置した。在宅医療と介護の連携に関しては、さまざまな職種との意見交換会を開催して支援センターの役割や機能を検討してきた。情報共有システムとしてICTを用いた金沢市医師会のハートネットホスピタルの利用促進を働きかけたほか、市内4つの医療連携グループによるさまざまな職種合同の研修や市民向け講演会、医療、介護関係者を対象にした講演会を開催するなど、医療、介護関係者の研修と住民に対する在宅医療の推進に関する普及啓発に努めている。また、在宅生活を支えるため、市が担う1次救急などの医療体制に関する在宅医療等推進計画を今年度中に策定する予定である。
 金沢市在宅医療・介護連携支援センター(仮称)についてだが、先月21日に開催した在宅医療・介護連携推進協議会において、今年度の取り組みを報告するとともに、本市に設置予定の在宅医療・介護連携支援センターの役割、機能について意見をもらい金沢市在宅医療・介護連携支援センター(仮称)の設置案を策定したところである。このセンターは、地域の医療と介護の連携を推進するための在宅医療サービスの相談窓口として、公益財団法人金沢総合センター内に設置するものである。機能と役割は4項目あり、1つ目の在宅医療・介護連携に関する相談支援だが、相談窓口で相談できる者は医療や福祉、介護関係者であり、受け付け時間は月曜日から金曜日までの午前9時から午後5時まで、相談方法は電話、面接、電子メールを想定している。相談支援内容だが、医療と介護の連携に関するさまざまな相談を受け付け、互いの連携が円滑になるよう助言するほか、在宅医療や介護サービスに関する必要な情報提供を行っていく。2つ目のICTを用いた情報共有の推進だが、サービス利用者にかかわるさまざまな職種の方の情報共有の手段として、市医師会及び在宅医療連携グループかなざわICTネットの協力を得ながら、ICTを活用した情報共有の推進を行う。3つ目の在宅医療・介護連携に関する研修等の実施だが、金沢市全域を対象とする研修等を行うほか、みとりや在宅医療の理解を深めるための普及啓発を推進していく。4つ目の関係機関とのネットワークを構築だが、多様な職種間での顔の見える関係づくりを推進するため、介護サービス事業者や市医師会などの関係機関とそれぞれの活動状況を共有する情報交換会等を定期的に開催し、良好な協力関係を構築する。体制だが、センター長1名のほか、コーディネーター2名を新たに配置し、事務職を含め合計5名とする予定である。スケジュールだが、センターの開設時期は平成29年秋ごろと予定している。今後、この設置案をもとに、関係機関と連絡を密にしながら具体的な事業計画の作成に取り組んでいく。

△[報告事項に対する質問応答] 

◆広田美代委員 総合事業について聞く。
 ①基準緩和型の報酬単価については、利用者の負担は緩和される一方、経営的には厳しくなると言われている。ヘルパーの資格がなくても従事できるよう人員基準を緩和して、報酬単価を現行相当の8割にしたと思うが、詳細な根拠を聞く。
 ②基準緩和型には、どのような事業者が参入すると想定しているのか。

◎高村介護保険課長 ①報酬単価については、市民や事業者の代表等から成る介護保険運営協議会の部会で議論してきた。利用者側は安いほうがよいが、事業者側は高いほうがよいため、さまざまな協議を重ねてきた。その中で、管理者や従事者、訪問事業責任者などについては、国が介護労働賃金の実態調査を行っており、その結果に当てはめて基本的な報酬単価を算定した。
 ②今後、参入してくる事業者だが、まずは既に訪問介護や通所介護サービスを提供している事業者が既存のサービスと合わせる形で参入してくると想定している。

◆広田美代委員 財源の削減を目的に総合事業が始まっているので、自治体は人員基準を落とすなどの苦渋の選択を迫られており、本当にひどい内容になっていると思う。来年度から実施されるので、まずは既存事業者の参入を予想しているとのことだが、ほかの自治体では新たな基準緩和型だけを狙って参入して抱え込んでしまう事例もあると聞いており、その辺は注視してもらいたい。既存のサービスと一体で行う場合、報酬単価が下がることでサービスの質も落ちるのではないかという点で非常に心配である。また、先週の運営協議会において、市が指定する研修を修了した認定ヘルパーの賃金については、現行のヘルパーよりも下がる可能性があると指摘され、今でさえ介護職の給料が少なくてなり手がいないのに、さらに低い賃金で働く認定ヘルパーは生活できるのかとの質問があった。基準緩和型サービスに従事する者でも一人で生活できるだけの給料を与えるべきであり、また経営の困難に乗じて現在働いている者の給料が下がることのないよう市として対応すべきと思うが、どうか。

◎高村介護保険課長 委員指摘のとおりだと思っている。基準緩和型の報酬単価は現行相当の8割となるが、既存事業者が従前のサービスと合わせて行う場合、市からは一体として事業者に支払うこととなる。賃金については、現状も事業者が定めているが、最低賃金を守る義務がある。先行自治体でも、現行相当の60%台から80%台の報酬単価としているが、今のところ委員指摘の問題は生じていないと聞いている。賃金の多寡を指摘する権限はないが、サービスの質を保つことは、保険者として必要不可欠だと考えていることから、さまざまな形で相談に乗っていきたいし、サービスの質が保てるようフォローアップ研修も必要と考えている。

◆広田美代委員 最低賃金を守るのはどの世界でも当たり前であり、その基準で考えると本当に低レベルな議論になってしまう。その職業だけで生活でき、若い人であれば結婚や子育てができるよう国に財源の保障を求めてほしい。
 認定ヘルパーは新たに介護職として認められることとなるが、介護現場からは介護は専門職であり家事代行ではないとの声が全国的に上がっている。市が行う研修において、その辺はどう留意しているのか。

◎高村介護保険課長 研修の内容を検討するに当たり、専門部会での議論だけでなくヘルパーとも意見交換してきた。研修ではヘルパーの資格を取得する場合と同様に、単に掃除や洗濯などの生活援助だけでなく、自立支援や個人情報保護の問題、記録の作成などの視点が必要と考えている。これらの視点を研修に盛り込み、サービスの質が保てるようにしていきたい。

◆広田美代委員 現場の声を受けて、研修の内容を吟味したと受けとめるが、介護予防や自立支援、そしてその人らしい生活の質の向上という点でも研修してほしい。たった2日間だけの研修では貧弱だと思うので、研修日数と内容の充実を求めておきたい。
 利用者側からも心配の声が上がっている。資料にフローが示されたが、今度から要支援、要介護の認定を受けずに基本チェックリストだけで判定できるようになる。そうすると、本人は介護認定を受けるつもりだったが、基本チェックリストだけで済まされてしまう懸念があるし、既にそのように対応している自治体もあると聞いている。相談の際には、認定の有無について本人の選択が可能になるよう現場に徹底する必要があると思うが、どうか。

◎高村介護保険課長 要支援等の認定をするか、基本チェックリストで対応するかは、地域包括支援センターでの相談を通して決めることとなる。その際には利用者や家族の方とも協議するので委員指摘のような状況にはならないと考えている。

◆広田美代委員 ぜひ利用者や家族の選択を第一に考えるよう現場に徹底してもらいたい。
 要支援等の認定もしくは基本チェックリストによって事業対象者となった場合、ケアプランをつくってサービスを選ぶこととなるが、既に運営審議会の資料では、基準緩和型でよいと思われる人数が出ていて驚いた。客観的に見れば基準緩和型でよいと思われる場合でも、これまで担当してきたヘルパーから引き続きサービスを行ったほうがよいとの意見が出たり、本人が入浴介助を希望する場合もあるかもしれないので、サービスを選ぶ段階においてもさまざまな選択が保証される仕組みにしてもらいたい。まだ事業が始まっていないのに、既に一部の地域包括支援センターでは、ケアマネジャーにプランが返されるようなことがあると聞いている。いま一度選択の自由と現場の声を重視してほしいが、どうか。

◎高村介護保険課長 現時点では、地域包括支援センターやケアマネジャーに対しても、十分な説明をしていない。総合事業の方向性については、今月25日からの説明会の中で丁寧に説明していきたい。

◆広田美代委員 ぜひ丁寧な説明をお願いする。最近、介護相談を通して40歳から介護保険料を払うことやサービスは65歳から受けられるなど介護保険制度自体を知らない人が多いと感じた。その中で、要支援サービスが地域独自サービスに移行すると言われても、まだぴんとこない状況だと思うので、市民や地域、現場へしっかり説明してほしい。また、これからパブリックコメントを行うのであれば、このまま導入してよいかの判断も含めてしっかり意見を聞いてほしい。
 保育所・認定こども園の利用申し込み状況について聞く。63施設で250名が超過している状況については、弾力運用により4月には解消されるとのことだが、これは地域や個人的な希望を考慮せずに、需要と供給の数だけで予測したものである。定員超過施設それぞれで見た場合、弾力運用でも対応できない施設が出てくると思うが、どうか。

◎西尾こども政策推進課長 定員超過施設については、今後、利用調整に入っていくので、現時点で個々の保育所等の申し込み状況について答えることはできない。地区単位の申し込み状況だが、南部地区で424人、北部地区で237人が超過しており、この2地区で申し込み数が大きくふえている。施設数では、東部地区で14施設、南部地区と西部地区でそれぞれ12施設となっており、このうちのいくつかの施設は弾力運用でも入所できない状況になってくる。その施設については、2次募集の際に1次調整後にできた空き施設を案内して調整していく予定であり、昨年も調整を通して全ての希望者が入所することができた。

◆広田美代委員 弾力運用は規制緩和なので本当はしてほしくないが、来年度のことであり、すぐに施設を増設するのは無理なので、申し込み者に対してきめ細かい対応をお願いする。
 社会福祉法人制度改革の施行について聞く。国会でもかなり議論になったが、多数の意見により平成28年3月に国会を通過して、平成29年4月から施行することとなっている。国会の議論の中では、内部留保がある一部の社会福祉法人を捉まえて地域公益活動を義務づける仕組みをつくったと思うが、厚生労働省の調査によると全国で1万9,000以上の社会福祉法人がある中、運転資金から見て7割が客観的に運営困難となっている状況がある。金沢市においても、本当に小規模の社会福祉法人が多い。その中で、報告にあったような公認会計士による会計監査やインターネットでの公開、地域貢献活動の実施などは、さらなる負担を押しつけるものであり、その点を踏まえて衆議院と参議院のどちらでも多くの附帯決議がついている。決議の中では、人材確保等の支援を求めているが、市として具体的にどう対応していくのか。

◎甘池福祉指導監査課長 社会福祉法人の指導監督業務については、地方自治法に基づき国からの法定受託事務となっている。今回の制度改革に際して、各社会福祉法人の負担に対する経費の補助等は考えていないと聞いている。金沢市としても、独自に経費的な支援を行うことは考えておらず、あくまでも情報提供など側面的な支援をしっかりしていきたい。

◆広田美代委員 財政的な支援がないことはわかっているが、附帯決議がある以上、市としても努力すべきと思うので、ぜひしっかり寄り添って対応してもらいたい。きのう規模の小さい社会福祉法人に幾つか連絡したところ、改革への対応を全くしていないような状況だったので、忙しい中で対応するのは大変だと感じた。福祉指導監査課も6名だけの小さな課なので、改革に向けて職員の増員も検討してほしい。

◆小阪栄進委員 社会福祉法人制度改革について聞く。これまでは理事会が法人の経営などの方向性を決めていたと思うが、今回の改革により評議員会に大きな権限が移譲されると聞いている。現場からは法人の経営が厳しくなる、あるいはなかなか物事を決められなくなるとの声を聞いているが、市としてそのような声にどう対応していくのか。

◎甘池福祉指導監査課長 これまで理事会が唯一の議決機関としてさまざまな重要事項の決定を行っていたが、公正性が保たれないとのことで、外部の評議員による評議員会を設置した上で、理事等の選任及び解任や決算の承認などの権限を限定的に持たせることとした。理事会と評議員会の2つの議決機関が牽制しながら適正な法人運営を実施していくための改革であり、現時点で運営に支障が出るとの声は聞いていない。

◆小阪栄進委員 改革移行に向けた作業を行う余裕がないというのが本音だと思う。従来、理事会は6名、評議員は7名だったと思うが、多くの法人では理事と評議員を兼ねるなどのやりくりをしている。学識経験者や弁護士等の公平中立な人材を選任するとあるが、はっきり言って小規模の社会福祉法人では難しい。今も理事や評議員の多くはボランティアで、手当はもちろん出ないので、評議員のなり手不足という問題が出てくると思う。このような制度ができた以上、受け入れていくべきだと思うが、小規模の社会福祉法人から相談があった場合、どう対応していくのか。

◎甘池福祉指導監査課長 資料にある評議員の人材については、あくまで例示であり、地域福祉関係者には地域の民生委員や社会福祉協議会などの仕事に従事する方を想定している。本市では民生委員・児童委員協議会や地区の社会福祉協議会などに対して、制度改革に当たって人材確保等の相談があった際には協力してほしいと依頼している。また社会福祉法人に対しては、人材が探せない場合は、市に相談してほしいと伝えている。

◆小阪栄進委員 小規模の社会福祉法人では、来年の2月や3月時点で混乱すると思うので、その際には個別対応をお願いする。
 作業工程の中に、評議員選任・解任委員会の設置とあるが、どのような組織になるのか。

◎甘池福祉指導監査課長 新たな評議員については、中立性を確保する観点から法人以外の外部有識者が入った委員会において選任等をしなければならない。評議員選任・解任委員会は、3名以上の委員で構成され、少なくとも1名は外部の委員とする必要がある。また、法人の監事や一般職員が委員となることは可能だが、理事が委員となることは禁止されている。

◆小阪栄進委員 繰り返しになるが、ぜひ小規模の社会福祉法人に対しては、温かい指導をしてほしい。

◆下沢広伸委員 民生委員・児童委員の一斉改選について聞く。改選のたびに話題になるが、全国的になり手がおらず地域では困っている。民生委員のみならず、さまざまな役員に関係すると思うが、12月という時期に改選することは難しいのではとの意見を聞いている。全国一斉の改選となるが、改選時期に対して何か配慮しているのか。

◎高柳福祉総務課長 委員指摘のとおり全国一斉改選となり、本市だけで変えることはできない。国でも年度の途中、また年末の時期での改選に対してさまざまな議論がされているが、方針は示されていない。本市では、地区の民生委員・児童委員協議会、地区社協、公民館、町会、婦人会等、地域団体の代表者によって構成される推薦準備会を各地区で設置して候補者を探しているほか、事務手続などの説明を前回よりも約3カ月前倒しで行うなどの配慮を行っている。

◆下沢広伸委員 ①推薦準備会は地域で活動している方で構成されており、最終的には町会長や公民館の関係者が民生委員になることが多い。改選に際して、今地域で携わっている役目が終われば民生委員になってもよいという方もいるので、全国一斉だが改選時期を考えてもらいたい。現時点でも、定数に対して11名足りない状況なので、年度単位という運用を考えてもらいたいが、どうか。
 ②高齢化社会の進展により、民生委員の見回りの対象世帯がふえることが予想されるが、見回り対象の年齢を少し考える必要がある。元気なので見回りは結構という方もいるので、その辺を考慮することで対象世帯が減っていき、民生委員の負担も軽減されると思うが、どうか。

◎高柳福祉総務課長 ①委員指摘のとおり、地域の役職等が年度単位で変わるため民生委員のなり手が不足する側面はあると思うが、国の仕組みであり悩ましいところである。また、本市の場合、年齢要件を国基準より下げて、2期、3期と続けてもらい質の高い活動をしてもらいたいと思っており、民生委員がすぐに変わる点も非常に悩ましいと考えている。
 ②定数に対する充足率について、前回の改選時は全国の中核市平均が97.3%である一方、本市は99.5%であり、地域福祉が浸透していることに感謝しているが、なり手不足のことを考えると定数についても考えていかなければならない。現在おおむね200世帯に1名としているが、例えば駅西地区など世帯数がふえている地域だけでなく、まちなか地域や中山間地域など世帯数は減っているが高齢化率が高い地域でも定数をふやすなど地域の実情に応じて対応している。見回りの軽減について、民生委員の大きな役割として、毎年65歳になった方の訪問調査をしており、その際に元気なので訪問は結構と言われることもあるが、いつどうなるかわからないので民生委員が把握するという意味でも訪問は必要だと考えている。民生委員に対しては、高齢者や子ども、生活困窮者などにかかわる調査や書類の配布、手続上の証明事務などの業務を依頼しているので、その辺の業務の省力化や効率化を図っていきたい。

◆下沢広伸委員 民生委員は、福祉に関する地域の協力という点で、本当にありがたいし感謝している。ただ、なり手が少なくなっており、地域からの選任に苦労しているので、ぜひその辺の協議をしてほしい。
 ひとり親家庭等自立促進計画に係る就学援助制度について聞く。特に私立大学を受験する場合、受かったからすぐに入学金を払う必要があるが、事務手続に時間がかかって間に合わないことがあるので、できれば受験前に入学金等を準備できる対応をしてほしいとの声を聞く。所管がまたがると思うので、これから計画を詰めていく中で、改めて学習支援や就学支援に力を入れてもらいたいが、どうか。

◎高柳福祉総務課長 子ども・子育て支援の中で、学習支援は非常に大事だと認識している。貧困の連鎖を防ぐ観点から、学習の習慣づけのほか、高等教育機関への進学などの権利の保障は大事である。金沢市における学習支援だが、学習支援ボランティアとして中学生を対象に大学生を派遣しているほか、生活支援課所管で中学生を対象として、松ヶ枝福祉館で生活困窮世帯への学習支援教室を行っている。学習支援教室では、高校生でも通うことを想定して枠を広げているが、中学生を対象としており、委員指摘の高校生への支援については、制度として持っていない。中学生までの義務教育期間を対象にしており、今回の子どもの貧困対策、ひとり親への支援については、中学生や小学校高学年などへの施策を行っている。大学進学などへの対応については、参考として今後考えていきたい。

◆田中展郎委員 民生委員について聞く。下沢委員も指摘したが、高齢化によって民生委員のなり手がない現実がある。仕事も、配布物だけでなく見守り活動などで難しくなってきたと感じている。さらに、個人情報保護の問題などが、民生委員のなり手不足に拍車をかけており、各町会が弱っている。2期、3期と長く従事してもらうためには、現状を把握した上で、民生委員がどういうものか丁寧に説明する必要があると思うが、その辺の体制について聞く。

◎高柳福祉総務課長 民生委員だが、今回の一斉改選では、前回に比べて新任の割合が少しふえており、研修や技能の伝達などが非常に重要だと考えている。今回の改選の後、12月に新任の民生委員・児童委員を対象とした集合研修にて基本的な手続や法制度等を説明するほか、フォローアップ研修等も行う予定である。また、社会福祉協議会、民生委員児童委員協議会に委託して、毎年さまざまなテーマで研修を行っている。指摘のあった民生委員の見守りについては、高齢者や児童虐待など市役所職員よりも広範囲に及んでおり、研修そのものが重荷になってはいけないと思っている。各地区の民生委員児童委員協議会のほか、金沢市民生委員児童委員協議会との連携を深めて、民生委員等からさまざまなニーズを捉えていきたい。

◆田中展郎委員 ぜひ民生委員への研修をしっかり行ってほしい。民生委員の配置基準については、国の基準等に照らして区割りしていると思うが、何年かに一度変えることはできるのか。以前も提案したことがあるが、金沢市には公民館や町会などしっかりした体制があるので、町会単位などで民生委員を割り振ることはできないのか。

◎高柳福祉総務課長 定数については、金沢市民生委員の定数を定める条例に基づきおおむね200世帯ごとに1人となっている。地区については、設置が義務づけられている地区の民生委員児童委員協議会が範囲を決めている。おおむね200世帯に1人という定数と54地区のバランスをとりながら担当地区が決まっている状況であり、町会単位にした場合、この基準に合わないこともある。まちなかや郊外、中山間地域によって、それぞれ事情が違っており、各地区から定数等を見直したいとの相談があれば個別に対応していきたい。

◆田中展郎委員 地域の住民から、あの民生委員はどの範囲を担当しているのかと聞かれることがあるので、町会という顔見知りが多い範囲にすればいろんな相談ができると思う。地区割り等については、弾力的に考えてもらいたい。
 保育園等の利用申し込み状況について聞く。弾力運用によって、利用申し込み者全員が入れるということだが、金沢市は待機児童ゼロとの認識でよいのか。

◎西尾こども政策推進課長 保育所の入所については、国の通知により保育室等の最低基準を満たしていれば認可定員を超えた弾力的な運用が可能である。本市では、この通知に基づく弾力運用を認めており、平成29年度は現行の定員数で対応できるが、区画整理が進んでいる東部や西部などの地区において、利用調整が困難な状況が今後も続くのであれば、子ども・子育て審議会に諮りながら施設の新設も検討していかなければならない。ただし、国の試算では、平成29年度が保育需要のピークであり、今後は少子化の影響から保育ニーズが減る見込みもあるので、このあたりも分析して慎重に進めていきたい。

◆田中展郎委員 弾力運用で調整する際にも、職場や住んでいる場所の事情によりさまざまなニーズが出てくると思うが、ぜひ丁寧な対応をお願いする。地区ごとに利用者の偏りがあるようなので、今後はそれぞれの地域の事情に応じて施設整備も必要だと思うので、その辺も考えてもらいたい。
 保育所の利用状況を考えた際、保育士の充足率も大切だと思うが、保育士は確保できているのか。

◎西尾こども政策推進課長 保育士の確保については施設側でも苦労していると聞いている。今年度、年度途中の入所が、見込みより少なくなっているのは、保育士の確保ができずに新たに児童を受け入れられない事情がある。保育士の処遇改善については、新制度が始まる前から臨時特例事業を2年前倒しで実施しているが、離職が多く、なかなか定着しない状況が続いている。来年度、国は保育士の給与を2%上げる方針を打ち出しており、金沢市も動向を見ながら、処遇改善に努めていきたい。また、県が今年度始めたマッチング事業にも期待しているところである。

◆田中展郎委員 保育士が確保できないから児童を受け入れられないというのは残念である。引き続き保育士の処遇改善に努めて、保育士を確保して金沢が保育のまちになるよう要望しておく。

◆松村理治委員 民生委員の改選に関して聞く。駅西の住民から民生委員2名のなり手がいないという相談があり、苦肉の策としてその地区の町会長夫妻に依頼しようとしたところ、市から夫婦で民生委員になることはできないとの説明を受けた。地域では大変困っており、欠員にしておくよりも夫婦でも民生委員になってもらえればよいと思うが、どうか。

◎高柳福祉総務課長 民生委員一人ずつに担当地区が決まっており、その担当地区に住んでいる方になってもらうこととなっている。一つの担当地区に民生委員が2人いて、そのうち1人が別の地区を担当することはできないという意味で答えたと思う。

◆松村理治委員 そういう規定があることは知らなかった。その地区においては、当面の間は町会長夫妻に民生委員になってもらい、引き続きなり手を探したいとの要望があるので、対応をお願いしたい。
 田中委員や下沢委員も指摘していたが、消防隊員も民生委員も地域で請け負っており、地域としてはなり手を探してお願いしなければならない。国・県・市が決めたことを全て地域でできるかというとそんな時代ではない。例えばPTAの地区委員等では、子どものいない町会でも選出しなければならないが、そのような無理なお願いを地域にしているとの観点を忘れてほしくない。民生委員も給料を出してあげてもよいくらいの仕事をしているので、適切な指導と感謝の思いを伝えてほしい。いつまでに委員を選出してほしいなどと簡単に依頼できる時代でないことを把握しながら対応してもらいたい。

◆熊野盛夫委員 行方不明高齢者等捜索活動連携に関する協定について聞く。今回協定を結んだ社会福祉法人は、事案が発生した際に、捜索協力隊を編成して捜索に協力するとのことだが、社会福祉法人も多くの高齢者を抱える中で、具体的にどのような協力を想定しているのか。

◎細井長寿福祉課長 入居者の世話をしている職員が外に出て捜索に協力することはできないので、一般の事務職員やケアマネジャーなどに施設の周辺を捜索してもらう体制を想定している。デイサービス等を運営している法人においては、利用者の送迎の合間などに捜索に協力してもらうことを想定している。

△[その他に対する質問応答] 

◆松村理治委員 以前、災害時における障害者等の救助に関して台帳の整備をしていると聞いたが、現状を聞く。

◎細井長寿福祉課長 法律の改正により、現在は避難行動要支援者名簿として、各地区の自主防災組織の長のほか、民生委員、消防分団等に配付している。

◆松村理治委員 個人情報保護の観点から、地域での名簿作成が困難だった。名簿の提出を拒否した場合、もし災害になっても助けることができないことになるが、実際には台帳自体が活用されていないのではと疑問に思っていた。地域では自主防災組織を立ち上げて、きめ細かな訓練等を毎年開催しているが、今後は台帳の存在を周知した上で、記載されている方の救助等も含めて対応してもらいたい。

◆広田美代委員 ことしも学童保育の待機児童が問題となっている。関係者からは、来年度の申し込みを既に断っているとも聞いているが、現状を把握しているのか。

◎西尾こども政策推進課長 金沢市の放課後児童クラブは、市が委託料を払い、各地区の社会福祉協議会や社会福祉法人に運営してもらっており、利用に係る申し込みの受け付け期間や利用調整、保育料、開所時間については、各クラブの運営委員会の中で決めている。平成29年度の申し込み状況だが、一部の施設で10月から受け付けを開始している。保育所と同様に年明けに利用調整が終わる見込みであり、現時点では正確な状況は把握できていない。

◆広田美代委員 市で運営していないと言いたいのだと思うが、新制度になって市町村の責任が明確になっているので、その点を重視してほしい。さきの本会議でも待機児童の調査を随時行っていくとの答弁があったので、ある程度状況を把握できていると思った。一部の施設で申し込みを開始したならば、数カ所であっても現状を把握してもらいたい。大勢の子どもが待機児童となっており、何か手を打たなければならない場合もあるので迅速に対応してほしい。昨年、大きな施設なので受け入れたら事故やけがが起こるかもしれないが、そのようなことが起こっても文句を言わないと約束できるなら受け入れると言った施設もあると聞いている。そのような事態にならないよう早目に対応してほしいし、一億総活躍と言っても内容がついてこなければ意味がない。
 ①今年度における学童保育の待機児童の現状を聞く。
 ②保育士のなり手不足に関して、さきの議会で新たな拡充制度ができてゼロ歳児及び1歳児の受け入れがしやすくなったと思うが、進捗状況を聞く。

◎西尾こども政策推進課長 ①今年度は利用調整の結果、22施設で105人の待機児童が発生した。7月末に調査したところ、8施設で53人にまで減っており、今後も定期的に調査を実施していきたい。待機児童が105人発生した理由だが、自宅に元気な祖父母がいる場合は、原則申し込めないため受け付け後に却下したケースがほとんどである。今年度、各施設には利用申し込み時点で要件を確認するよう依頼しているので、このようなケースはなくなると考えている。また、地域的な偏在は完全には解消しないが、新たに4施設ふえている。今後も70人を超える施設については、移転に係る家賃補助などの支援を通して施設整備を強化していきたい。
 ②9月補正を受けて、10月1日に保育士の配置基準を変更したが、11月1日までの1カ月間で入所児童数は212人、そのうちゼロ歳児、1歳児は156人で4分の3を占めている。11月1日のゼロ歳児、1歳児の入所は41人で昨年の30人から大幅にふえており、今回の配置基準の見直しによってこの年齢児の受け入れが拡大したものと考えている。

◆広田美代委員 保育士のなり手がいないとのことだが、40時間対応の保育士をゼロ歳児や1歳児に充てた保育所はあるのか。

◎西尾こども政策推進課長 9月定例月議会では、40時間対応の保育士配置と保育士を雇用してゼロ歳児、1歳児を受け入れる施策に係る予算を計上した。どこの施設でも、これまで0.1を上乗せすることで保育の現場を回しており、その保育士をいきなりゼロ歳児、1歳児の受け入れに回すことは、労働条件の悪化になるとの観点から、基本的に40時間対応の保育士を引き続き配置している状況である。そのような中、新たに保育士を確保できたところでは、面積要件が許す場合にゼロ歳児を受け入れているが、なかなか保育士が見つかっておらず、基本的には40時間対応の保育士を配置しつつ、新たな保育士を探している状況である。

◆広田美代委員 保育士が見つからず、9月補正予算に係る施策がなかなか使われない状況があることがわかった。保育士を確保するためには、処遇改善が必要なので、国の動きを待たずに市として取り組んでもらいたい。
 国民健康保険について聞く。先月は保険証の切りかえ時期であり、普通の保険証のほか短期保険証も同時に切りかえられたが、該当世帯数を聞く。

◎小林医療保険課長 有効期間が6カ月と短い短期保険証については、3,734世帯に発行した。そのうち郵送交付は2,567世帯、窓口交付は1,167世帯である。

◆広田美代委員 窓口交付世帯は郵送交付世帯とどう違うのか。

◎小林医療保険課長 直近6カ月以内に保険料の納付が全くない世帯は原則窓口で交付し、6カ月以内に少しでも納付があれば郵送で交付している。

◆広田美代委員 滞納期間で線引きしているとのことだが、問題が複数起こっているので検証しておきたい。10月の中旬に3歳と5カ月の子どもがいる若い夫婦から相談を受けたが、短期保険証が窓口交付だったので受け取りに行った際、滞納額の半分を払わないと保険証は渡せないと言われて保険証をもらわずに帰ったとのことである。子どもたちは風邪気味で社会福祉協議会などと相談の上、無料低額診療を実施している病院に行き、そこで保険証がないことがわかった。この件に関して問題が2つある。1点目は、保険証を窓口に取りに行ったのに渡してもらえなかったことである。厚生労働省の通知によると、保険証はあくまでも接触の機会を持つためのものであり、滞納整理の人質のように使うものでなく、保険証は速やかに渡さなければならなかった。2点目は、18歳未満の子どもには窓口にとめ置くことなく無条件に保険証を届けることが国会でも確認され、厚生労働省から通知も出ていることである。この2点に鑑みて、本市の対応はどうだったのか、局長に聞く。

◎越田保健局長 大変迷惑をかけた。国民健康保険証の中に短期証と資格証があり、資格証は短期証を発行してもなお保険料を納めてもらえない場合に発行するが、国の規定で18歳未満の子どもには速やかに送ることや、窓口などでとめ置きをしない規定がある。一方、短期証の取り扱いは、自治体によって対応がばらばらだと見受けられるので、今回の指摘を機会に窓口対応の統一化を図るための内規をつくることを考えている。また、窓口応対では、気持ちが大事であり、市役所まで来てくれた方に対して、体のぐあいはどうですかとか病院に行きますかなどのマニュアルにはない温かい声かけが必要だと再認識している。

◆広田美代委員 短期証について、資格証の取り扱いに準じて18歳未満の場合は速やかに交付するほか、窓口でとめ置くことはしないとの認識でよいか。

◎越田保健局長 その方向で検討していきたい。異動等により職員はかわっていくが、課内で対応を統一していく必要性があると認識しているので、窓口応対だけでなく電話応対や訪問等においても徹底していきたい。

◆広田美代委員 この間、何度も指摘しており、しつこいようだが、人の命にかかわる問題なので、ぜひ対応を統一してほしい。2人の子どもの治療に当たった医師から、3歳の子はせきをしていたが元気だったが、5カ月の子はせきと鼻水で母乳の飲みが悪くなっていて悪化すると命にかかわるところだったとのコメントをもらっている。貧困対策チームができたが、滞納を理由に保険証を取り上げられ、我が子を病院に連れていけなかった現実がある。無料低額診療での診察の結果、命を失いかけていた状況を目の当たりにした親の気持ちをぜひわかってもらいたいし、子どもが命を落とす寸前だったことを認識して、貧困対策チームが形骸化しないよう、あらゆる観点で対応してもらいたい。

◆松井隆副委員長 情報の共有に関して要望する。当委員会は、市民の生活に寄り添う委員会であり、市民の声を大事にして答えを導いていくことが大切である。その観点から、市民の声を聞く機会を奪わないでほしいと要望したい。特に、各課で主催しているフォーラムなどの開催については、しっかり委員に周知してもらいたい。ある市民から、近日に開催されるフォーラムを知らなかったことで叱られたので、これらのフォーラムも市民とのかかわりを持つ大事な機会だと認識して、情報の共有化を徹底してほしい。

△[意見交換会について] 
 意見交換会について、当日の進行や次第、報告資料等、会場レイアウトについて協議したほか、当日は午後6時30分までに会場に集合することを確認した。
                                 以上

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