ブログみよみよ日記

2017年 7月 都市交通特別委員会

引用元:金沢市議会議事録

平成29年  7月 都市交通特別委員会

          都市交通特別委員会記録
1 開会日時     平成29年7月31日(月曜日)
2 開議時間     開会 午後1時~閉会 午後2時9分
3 場所       第3委員会室
4 出席委員(10名) 野本正人委員長、上田雅大副委員長
           熊野盛夫、広田美代、喜多浩一、小林 誠、森 一敏、
           宮崎雅人、松井純一、高村佳伸の各委員
5 欠席委員(0名)
6.参考人      金沢大学理工研究域環境デザイン学系 高山純一氏
7.事務局出席者   八木主査、松田主任
8.審査事件等    別紙のとおり
9.議事の経過等   以下のとおり
 委員長の開議挨拶に引き続き、市民からの委員会傍聴許可申請について協議し、これを許可した。次に、都市交通に関する調査として参考人として招致した金沢大学理工研究域環境デザイン学系の高山純一氏から金沢市の公共交通の現状と新しい交通システム導入の意義に関する意見を聞いた後、質問応答を行った。その後、次回の委員会について及び委員会視察について協議し、閉会した。
(1)都市内交通に関する調査
・金沢市の公共交通の現状と新しい交通システム導入の意義について
        ・・・・・金沢大学理工研究域環境デザイン学系 高山純一氏
 きょうの資料は交通政策課から提供されたものを活用するので、どこかで見たとの感想が出てくるかと思うが、了承願いたい。
 まず、金沢市人口ビジョンの資料だが、2020年くらいがちょうど人口のピークとなり、2040年、2060年と人口が減少する予測である。全国各地域で人口は減るが、高齢者の比率がふえ、まちづくりや地域を維持していくための課題の一つになると言われている。金沢でも高齢者比率はどんどん上がっていき、生産人口比率が下がっていくことでまちの活力の低下を招くと思う。一方で、最近は車の性能が上がり、安全意識も随分向上しているので、事故そのものは減ってきており、死亡者数も全国で4,000人前後だったと思う。第1次交通戦争と呼ばれた昭和46年には1万6,000人以上が、第2次交通戦争と呼ばれた昭和60年代には1万2,000人以上が交通事故で亡くなっている。それに比べれば4分の1、第2次から見ても3分の1以下に減っている。そのような状況だが、いかんせん高齢者が起こす事故や高齢者が巻き込まれる事故の割合はかなり高くなっている。石川県全体で見ても、全国に先駆けて私が平成5年くらいに交通事故分析を行った時点で既に高齢者の死亡事故は5割を超えていたと記憶している。そういう意味では、これからますますこの課題が続くと思う。
 左の図は、金沢都市圏で過去に行った交通パーソントリップ調査の結果である。交通手段別にどれくらいのトリップがあるのか、金沢都市圏全体でどれくらいの移動、交通があるのかを示したものである。昭和49年、昭和59年、平成7年、平成19年度と約10年おきに実施してきている。平成19年から約10年たっているが、ここのところ余りパーソントリップ調査をしようという機運はなく、この調査が途切れてしまうのではないかと少し残念である。資料を見ると、昭和49年ごろは都市圏内の徒歩での移動と自動車の移動にそれほど大差はなかったが、徒歩が大きく減り、逆に自動車は2倍以上にふえていて、完全に車社会に移行してしまった。それと同時にバスが減っている。鉄道はそんなに変化はないが、バスの利用者が、市内と郊外を合わせて見ても全体として大分下がっている。ただ、ありがたいことに新幹線の開業以降、あるいはその少し前から公共交通が大事であると随分言ってきたこともあって微増しているが、鉄道は横ばいで余りふえていない。
 金沢は、皆さん承知のように非常に中心性のあるまちである。まちなかと呼ばれるところに業務や商業の中心がある。最近は郊外に少し移転しているが、それでもほとんど郊外からまちの中心部に向けて放射線状にバス路線網ができ上がっていて、郊外から都心へ向けて、ほとんど乗りかえせずに利用する。ただし、郊外から郊外へ移動しようとすると都心で乗りかえないといけない課題も一方である。下のグラフは、緑が平日、青が土曜、赤が祝祭日のおくれ時間をあらわしたものである。自動車交通でもまちなかが随分すいてきた。一時期に比べて渋滞は少なくなったが、それでも時間的に見る限り、金沢駅から松任方面、松任方面から金沢駅の日中におくれ時間が出る。もちろん土日、平日によって少し違いがあるが、金沢駅から向かう松任方面では土曜日の夕方に一番おくれが出る。都心部の渋滞がこのような結果を招いている。逆に、松任方面から金沢駅方面でも土曜日の夕方午後5時から7時くらいの時間帯で渋滞が見られる課題も残っている。
 こういうことがあって、これまで金沢交通戦略あるいは第2次金沢交通戦略の中で、今後の金沢の都市計画を含めた交通計画は全体としてどうあるべきなのかをいろいろ検討している。これが新金沢交通戦略として約10年前にまとめたもので、一番大きな特徴は、ゾーンごとに交通戦略を考えた点にある。金沢市域をまちなかゾーン、内・中環状ゾーン、外環状ゾーン、郊外ゾーンと大きく4つのゾーンに分けて、それぞれのゾーンごとに交通のあり方を検討した。具体的に言うと、例えば、まちなかゾーンは公共交通中心の歩いて暮らせるまちを目指す交通戦略として、車がなくても暮らせることを目指した戦略になっている。当然のことながら、外環状ゾーンは、公共交通優先だが、車との併用を考え、パーク・アンド・ライド等も視野に入れた戦略になっている。こういうゾーンごとの交通戦略以外に、ゾーン間をどうするか、市全体として取り組まないといけない課題、さらに言うと富山、福井、東京、中京、関西という広域的な交通の確保も大事であることから、そこをどうするか。二次交通も含めて、全体をまとめてこれまで戦略を進めてきた。目標が達成できたところ、達成が厳しいところ、全然達成できてないところについて、マル、バツ、三角で評価した結果をまとめた。
 今後のまちづくりを考える上で、集約都市形成計画--全国的には立地適正化計画と呼んでいる計画の中でまちづくりを進めていくことになる。これは概念図だが、都市機能を集約するところと、居住を誘導する地区に分けて、居住を誘導したり、都市機能を誘導するというまちづくりの方針になっている。これと交通のネットワーク--公共交通網形成計画とセットで今後のまちづくりを進めていくことが国の方針であり、金沢市の方針にもなっている。公共交通網形成計画については、まだきちんとした形でつくり上げていないわけだが、その前提となる基本的な公共交通の考え方については、隣で描いた新しい交通システムの導入計画、検討計画の中で、新幹線があり鉄道があり、そこの都心軸上に新しい交通システムを入れたいという計画になっている。言ってみれば、先ほどの放射線状の公共交通が充実したところを公共交通重要路線と呼んでいるが、公共交通重要路線を中心として、その周辺に居住を誘導する。まちなかの都心エリアや駅を中心としたところを地域拠点と呼んでいるが、こういうところに都市機能をある程度誘導するとの考え方である。
 こうすることによって、これまでの車中心の生活スタイルから、できれば公共交通に乗りかえてもらうとよいが、全ては難しいので、少しでも公共交通を利用してもらうとの考え方である。そうすれば、今まで渋滞していたものが少しは緩和するし、公共交通の利便性や、サービスレベルも上がる。それによって、好循環--正のスパイラルをぐるぐる回し、よりよいまちづくりを進めたいというのが基本的な考え方になっている。もちろん現状で、先ほど言ったように公共交通のサービスレベル--運行本数、料金、定時性の問題、速達性の問題に、全てが満足できるかというとなかなかそうはいかないが、それでもなるべく確保できるような施策を進めたいというものになる。そうすることによって、環境にも優しい、健康にも優しい、事故の危険性も減るの三方よしにしたいとのことである。言ってみれば、最初にライフスタイルを変える。要は車から公共交通に移動手段をシフトすることによって交通事故の減少効果が見られるということである。
 資料に少しショッキングなことを書いているが、これまでの統計的に言えば、一生のうち3分の2くらいの人は人身事故を起こす危険性がある。もちろん車の安全性能がどんどん上がるので、これからはこんなことはないと思うが、現状ではこれくらいの危険性がある。もっと言うと、一生で考えれば100人に1人という、本当かと思うくらい高い確率で死亡事故を起こす危険性、あるいは逆に言うと交通事故で死ぬ危険性がある。これまでは1年間に約1万人が亡くなっていたわけであり、1億数千万人の中で1万人だから、ざっと言うと1万分の1の確率なので、100年生きるとすれば100分の1で、逆に言うと、今は死亡事故が4,000人くらいなので、300人に1人くらいかもしれないが、それでも非常に高い確率である。
 2番目は健康の面である。皆さん承知のように、歩くとメタボなどの生活習慣病にもよいと言われていて、それを調べた結果である。富山市で「おでかけ定期券」というものがあって、65歳以上の高齢者がおでかけ定期券を使って都心部へ出てくると、どんなに遠くても片道100円だったと思う。猪谷から出てくるとバスで1,000円くらいかかるが、それが100円になる。もちろん民間業者に100円にしろというわけではなく、差額900円は市が負担している。そうすることで医療費や介護費などが減れば、市としてトータルで考えるとメリットがあるという基本的な考え方で導入しているとのことである。もちろん高齢者がまちなかに出てきて、経済活動や消費をすることにより、還元される。
 それから、商業の活性化だが、富山市はダイレクトにLRTの環状線を入れた。それによって、消費がぐっと伸び、滞在時間もかなりふえると同時に、車ではないので、飲んで帰ろう、食べて帰ろうというついでの買い物や飲食が特にふえた。公共交通を充実させることによって、富山市ではこういう効果があらわれている。
 一方、車を持つコストについてだが、あるいは公共交通のタクシーやバスは高いとの意識はあるが、車はとても高いという意識を皆さん余り承知していないことが課題だと思う。車両価格100万円くらいのコンパクトカーでも、廃車するまでに車検やガソリンや税金を合わせると500万円ぐらいかかっていると、日本モビリティ・マネジメント会議で計算した結果だが、10年乗るのか15年乗るのかわからないが、それでもこれくらいかかるわけである。一方、公共交通で毎日往復1,000円かかるとして、ざっと1年間40万円と考えると10年で400万円になる。もちろん家族のことを考えれば違うかもしれないが、トータルとして考えるとそんなに公共交通が高いわけでもないと言えるのではないか。一方で、移動時間、バスの中で本を読むのは難しいかもしれないが、少なくとも電車であれば、座って本を読むなどほかのことで楽しむことができる。もちろん環境に対しては、自動車に比べて鉄道やバスであれば1人当たり移動するためのエネルギーは随分違う。
 こう考えると、これからのまちづくりの基本は、やはり公共交通ネットワークを構築するのが基本だろう。もちろん公共交通で市域全域を網羅することはなかなか厳しい問題なので、新交通戦略でまとめたように、エリアごとに公共交通のレベルを設定して、その上で公共交通と徒歩、公共交通と自転車、自動車と公共交通のうまい組み合わせでエリアごとに公共交通の利用促進をしていくことが大事である。もっと言うと、場所によっては車がなくても移動できる、生活できるとの環境をつくることも大事である。そうなれば、今は郊外に住んでいるが、将来的に都心の集合住宅に暮らすこともあり得るのかもしれない。今進めている集約都市形成計画に応じていろいろな都市機能や居住を決められたところに集約化することによってコンパクトなまちづくりを進めていく。
 そのためには、公共交通の軸になるようなものが要る。金沢では、新しい交通システムとして何らかの形の公共交通を入れようとして概念図を示しているわけである。もちろんこの中身については検討したが、今の段階では地上を走行する仕組みのものという漠然とした提案でとどまっているが、今後いろいろな仕組みや技術の進展に応じて新しい交通システムのあり方も変わってくると思っている。
 新しい交通システムを導入する意義を4つにまとめた。一番は、車から公共交通への転換の受け皿になり得るようなものを入れないといけないだろう。もちろんまちの魅力になったり定時性が保たれたりということは当然あるが、そういう新しい交通システムの導入を目指している。
 これまで新しい交通システム検討委員会の中では、大都市の幾つかで導入している事例があるミニ地下鉄やモノレールの検討、LRTとBRTのメリットやデメリットを含めて検討してきた。具体的に言うと、それぞれのシステムでは、例えば地下鉄だと、地上を走行しないので現状の交通に与える影響はほとんどない。ただし、建設コストが高いほか、地下と地上の移動の時間がかかるなど、いろいろな課題があり、金沢都市圏の人口規模では建設コストに見合う利便性は難しいのではないかとのこともあり、今のところ高架と地下は断念し、地上で検討している。もちろんLRTやBRTを入れることの課題は当然それぞれあるわけだが、今後、私は自動運転自動車も含めてARTと呼んでいるAdvanced Rapid Transitが将来開発されていけば、随分まちなかの雰囲気も変わると思っている。
 それぞれ4つのシステムに対して、まちづくりの観点、市民生活の観点、公共交通としての機能の観点を含めて、特徴、メリット、デメリットを整理している。もちろん導入空間の確保に課題があったり、自動車交通への影響に課題があるわけだが、概算ではあるが建設コスト等も入れながら検討してきた。
 自動車交通からの転換ということで考えれば、ミニ地下鉄にしろモノレールにしろLRTにしろ、BRTも路線限定にすれば、一番の課題は乗り継ぎを伴うことである。東京や大阪のように乗り継ぎ前提で交通システムが成り立っている都市ではないので、金沢人、北陸人全体では、一本で行きたいという考えが非常に強い。ここが金沢で路線を限定する仕組みを入れたときに一番大きな課題になるのではないかと思う。もちろん乗り継いだときの料金抵抗は当然あるわけで、乗り継がない料金と同じであれば料金に対する抵抗はないが、運行主体が変われば料金が変わって、倍とは言わなくても1.5倍くらいになってしまう可能性があるので、大きな課題かもしれない。
 それから、BRTにしろLRTにしろ、専用の軌道や走行路を導入することによって今使っている自動車空間が限定され、容量が減るので、それによる渋滞は避けられない。もっと言うと、自動車はその専用空間を避けて利用してもらわざるを得ないことが一番大きな影響なので、かなり自動車からLRTやBRTの新しい交通システムに転換してもらわないと、渋滞回避にはつながらない。
 そう考えると、今すぐに新しい交通システムの導入というわけにはなかなかいかないので、今から自動車からできるだけ公共交通機関に転換する意識やそういう素地をつくり上げていかないといけないだろう。その上で新しい交通システムを何らかの形で入れた場合に、そこに転換があり得ると思う。
 もちろんまだまだ検討しないといけないことはたくさんある。運行主体一つとっても、直営でやるのか--もちろん政令市等では交通局があり、そちらが運営しているところは地下鉄の場合が多いが、そういうふうに金沢も考えるのか、あるいは公設民営の形でやるのか、あるいは三セクのようなものをつくってその中でやるのかなどいろいろな考え方があるが、それも決めていかないといけない。少なくとも市だけではとてもできないので、県・市、周辺市町を含めて、一緒に検討していかないと難しいと思っている。
 コミュニティバスについては、まちなかでふらっとバスを運行している。平成8年からの2年ほど検討して、平成10年度からふらっとバスを導入したと思う。今は4路線もあるが、利用者が少しずつ減ってきている実態があるので、そういう意味では、その利用を維持することやふやすことが大事だと思う。利用者が減ってきている背景は、まちなかの高齢者が減っていることが一つあると思う。それと、以前は車を運転できない高齢者が多かったが、今は車を運転できる高齢者が多いので、ふらっとバスは面倒くさいから車で出かける人も多いと思う。その辺の意識づけやサービスレベルについては、多少検討の余地があると思っている。

△[質問応答] 

◆広田美代委員 交通とまちづくりの関係性についてだが、コンパクトシティーをどのように考えているのか。
 住んでいるところから歩ける範囲内で買い物も病院も行くことができて、公共的な用事も済ますことができるまちが理想的なコンパクトシティーだと私は思うが、金沢の実態は、大型ショッピングモールを郊外に配置して、道路もたくさんできて、結局周りに気軽に買い物できる小さいお店や病院が減ってしまい、高齢者はにっちもさっちもいかなくなっている。ふらっとバスという唯一の手段や車を手放さないことでやっていると思う。このようなまちづくりのままでいくと、幾ら都心だけにLRTやBRTという新交通を通したとしても、市民生活からは乖離するのではないかと思うが、その辺はどう考えているのか。

◎高山純一参考人 言われるとおり都心だけの公共交通を整備しても当然それだけでカバーできないので、都心軸と、先ほど課題だと言った乗りかえ拠点をきちんと整備していかないといけない。要はネットワークとして公共交通網をつくらないといけない。第2次金沢交通戦略では、都心軸上に基幹となる交通システムを入れるほかに公共交通重要路線として放射線状に、ある一定程度以上のサービスレベルのある公共交通路線を整備して、そこからさらにコミュニティバスが一番よいと思うが、フィーダー的な生活路線バスを入れて市域全体を網羅するという基本的な考え方になっている。
 もちろんサービスレベルには差がある。基幹となる都心軸上の仕組みとして何を入れるかは決めていないが、今のLRTのサービスレベルであれば5分間隔や4分間隔が限界と言われているし、BRTもそれに近いと思う。重要路線であれば1時間に数本程度のバス路線、生活路線バスであれば1時間に1本あればよいところで、そこまでは難しく、2時間に1本になるだろう。富山市はシビルミニマムとして1日2本と言っているが、金沢市としてサービスレベルを今後考えていけばよい話だと思う。
 公共交通網として、ネットワークとして歩いて300メートルで行ける位置にきちんとバス停を整備する。鉄道であれば歩いて500メートルと言われているので、それでカバーできるようなエリアに住んでもらうようにするのが今の立地適正化計画であり、金沢では集約都市形成計画、コンパクトシティーの考え方になっている。もちろん、都心だけではないが、先ほど言った都市機能をどこに集約化し、どうやって公共交通網とうまく組み合わせていくかを考えていかないと生活が成り立たない。一番の問題は、土地の値段の関係で大型店が幹線道路でアクセスできる郊外の便利なところにしか立地していないので、そういうものだけでは成り立たないだろう。これからは、駅の周辺では大型ショッピングセンターまではいかないが、コンビニが進化したようなものは成り立ってくると思う。そういうものをうまく誘致したり、複合施設の中でコンビニに少し毛が生えたものと診療所をセットにした施設を立地させることなどを考えていかないといけない。
 高齢者になると、ほとんど病院と買い物である。よっぽど元気なら別だが、70歳や75歳を超えてくると生活する上で最低限必要なことを、きちんとサポートできるような体制が必要だと思う。

◆広田美代委員 もちろんネットワークで交通を考える必要がある。先生の考えでは、高齢者は病院と買い物で毎日過ごしているという実態なので、それをどう保障していくかという視点からすると、7年後に新交通システムが決まらないと金沢の交通ネットワークは確立しないと言っているように聞こえるが、高齢者にとっては、あす、あさって生きるか死ぬかの問題である。だからこそ私はふらっとバスやコミュニティバスを充実してほしいという要望を出しているが、新交通システムが確立しないと交通ネットワークが成り立たないという根拠があるのか。

◎高山純一参考人 新交通システムにもいろいろな考え方があると私自身は思っている。激変するとなかなか大変である。工事期間の間はどうするのか。だから激変するのではなくて、ゆるゆると変わるようなものが私はよいと思う。現状から少しずつ変えていって、10年たったら変わったというのがよいと思っている。これからどんどん社会と自動車技術の発展によって可能性は出てくると思っている。国のSIP--自動運転自動車の会議の次世代交通システムワーキンググループに参加しているが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに合わせて国は自動運転バスを運行したいとのことで、予算を含めて相当な力を入れて、いろいろ頑張っている。そこに参画している自動車会社--トヨタやいすゞや国内の主要な大型自動車のメーカー、小型自動車のメーカー、デンソーなどの部品メーカーも参画しながら一生懸命、自動運転技術の開発と実験を繰り返してやっている。2020年までにはあと3年しかないので、かなり限定的な運用にはなると思うが、例えば2030年や2040年くらいになれば、かなりの部分で自動運転も実用化してくると思う。そうなれば、今のバスが連節バスみたいに大型化して、最初は路線限定など、走れるルートを限定するかもしれないが、そうしたバスを運行していくことになると考えている。昔、トヨタは自動運転を途中で諦めてしまったが、一時期システム開発を行っていた。あれをずっと続けていけば、もっと世界をリードできたのではないかと思う。車単独では1台で走るが、専用軌道か専用路線に集まってきたら、金魚のふんではないが、つながってはないがつながったような状況で走る仕組みも十分可能かと思う。

◆森一敏委員 ①今はとにかく地上走行の機種にまで絞ったと認識している。バス系と軌道系との類別になると思うが、両方とも専用走行空間という方式で考えたときに、コストの面を横に置いて、本来、新交通システムに持たせようとしている役割を考えたときに、軌道系とバス系で違いがあるのか。そこら辺はどのように考え、あるいは議論しているのか。
 ②新交通システムについての議論は、相当昔までさかのぼらないといけないかもしれないが、15年ほど前に一定の試算が行われたり、路線の構想が示された時期があった。それから15年、この新交通システムに向かっての歩みは進んだのか進んでいないのか。加速してきているのか、それほど進んでいないのか。その辺の受けとめはどうか。市民の感情や意識ももちろんあるわけだが、専門家の間での時間軸が変わってきたか変わってきてないか。その辺をどう受けとめているか。

◎高山純一参考人 ①端的に言うと、バス系と軌道系で考えたときに、大きく言うと違いがあるのかどうかとのことだが、専用空間をどうするかといったときには、今のバスシステムで考えると専用空間をとるのかとらないのかということになるが、LRTであれば基本的に専用空間をとらないと、まず成り立たないと思う。BRTの場合に、BRTとして完全に機能させるのであれば当然のことながら専用空間にしないといけない。走行空間にいろいろな交通が入り込むとラピッドにならないので、そういう意味では同じだと思う。ただ、BRTの場合とLRTの場合で、軌道法は明治時代にできた漢字片仮名まじりの法律だそうで、全部きちんと読んだことはないが、軌道系の中での規約が恐らくあって、バスとは少し違う運行システムの決まりごとがあるかもしれない。そういう意味では少し違うかもしれないが、専用空間を使うという意味ではどちらも同じだと思う。一番大きな違いは、今回検討会でいろいろ調査したことで明らかになったが、軌道を敷くときには地下に埋設物があるとだめで、埋設物が2.5メートル以下だったか、はっきりとした数値は覚えていないが、浅いところに埋設物があると、その上には軌道を敷けないとの決まりがあるそうだ。そうすると金沢の場合、国道157号の地下には埋設物がいっぱい入っており、それを避けながら軌道を敷かないといけない。もちろん今使っている地下埋設物を移設したり違うものに振りかえれば当然できるが、そうすると膨大な予算がかかるので、そういう意味では単純に線路を引けば軌道ができ上がるものではないというのが、今回いろいろ詳細に検討して出てきたわけで、そこが一番違う。専用空間をセンターに入れたり、脇に入れたり、片側に寄せたりと、LRTでもBRTでもいろいろな考え方があるが、専用空間の入れ方を検討する上で地下埋設物との関係で制約がいっぱいあることが今回の調査でわかった。
 ②15年前に継続審議的に棚上げになってしまってから議論がどうなっていたかというと、恐らく難しいという段階で、当時はまだ外環状道路が完全にできていたわけではないし、今のように都心軸上の自動車交通もそんなにすいていたわけでもないし、建設コストを考えたときになかなか厳しいので、即導入するのは難しかろうとのことで、継続審議的に詳細な議論を打ち切ったのが実態だと思う。それ以降、具体的に検討してきたかというと、この2年間検討するまでは、行政で検討することはほとんどなかったのかもしれない。ただ、新交通戦略や第2次交通戦略の中に出ているので、新しい交通システム--都心軸上の基幹交通システムを導入した形での検討は当然してきているのが実態だと思う。一番の課題は、市民の意識ではないか。市民として本当にそういうものを望んでいるのか、あるいは必要性を感じているのかがポイントで、どうしても要ると市民が思えば、どんな課題があっても入れるべきだろうし、入れられる可能性は出てくるが、市民が乗りかえをしないと不便になるとか、自動車で行きたいが渋滞しそうだと考えると、それなら今のままでよいのではないかとなってしまうと思う。将来のあるべき姿として、今ではない仕組みとしての新しい交通システムを入れるのであれば、市民、県民の全員がそういう姿を描いて、それもやむなしと我慢するところは我慢する。自分たちは、まちなかへ行くのであれば公共交通を利用して行く、パーク・アンド・ライドで行くという意識に変われば変わっていく。まちはどんどん成熟していくので、市民そのものも成熟しないといけないと思う。それがうまくいっているのがヨーロッパの小都市というか、大都市ではなくてもきちんとLRTが入っている都市だと思っている。いずれ日本もアメリカ型ではないヨーロッパ型のまちづくりを目指さないといけないと思うし、そうあるべきだと私は思っている。
(2)次回の委員会について
 8月28日午後1時から大阪産業大学工学部都市創造工学科教授波床正敏氏を参考人として招致することに決定した。
(3)委員会視察について
 10月11日から13日まで行うことに決定した。
                                 以上

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