2018年度の金沢市の保育園の入所調整状況についてご報告します。
ただし、地域別の細かい内容は7月の子ども子育て審議会であきらかになるので、全市的な状況についてです。
まずは、申し込みの仕方については、申し込み書類が該当と思われる世帯に配布され、申し込みをします。1次申し込みは10月、2次申し込みは2月です。
2018年度は以下のようなスケジュールでした。
そして、2018年度の調整結果が次の通りです。
1次申し込みで、内定がもらえず、再調整となった方が322名いらっしゃり、次の2次申込で、275名が再度申し込みをされ(1次から2次の間に転入をされた方など、1次申し込みしていなかった方も含む)、214名は内定があったものの、再調整となった方が61名いらっしゃった、という状況。
駅西・臨海地区と西部地区の1歳児を中心に入所先が決まらない状況で再調整は難航したそうです。61名中50名が1歳児です。
その後、決まらなかった61名の再々調整を行った結果、9名が特定施設の空き待ちとしています。
というのは、ぼんやり見た場合。
よくよく見てみると以下のように分析できました。(手書き部分)
つまり、1次申込で再調整になった322名はその後2パターンにわかれます。
①145名は2次申込で再チャレンジ ②177名は、2次申込をしない。
では、177名は保育所が必要なかったかというとそうではなく、「入所先未定」のまま推移している可能性があります。
わたしにメールをくださった方は、2次で申し込める場所は遠くの保育園しかなく、近隣の保育園のキャンセル待ちにかけて、今も取り組んでいるとのことです。
市に自ら相談にいき、なんとか対策をとった方もいるかもしれませんが、未だにキャンセルを待っていたり、探している方がいるのです。
2次申込で再調整となった61名については、お一人お一人市がご連絡をしてフォローアップされ、9名にしぼられるわけですが、その方々も特定の保育所を希望しているからと、待機児にはカウントされません。
よって実態は、177名+9名以上が、認可保育所に入れなくて困っている可能性があるということではないでしょうか。
さらに、内定前に申請を取り下げた120名についても、どうなっているのかわかりません。
そして「待機児童はなし」としているわけですが、これは希望する保育園に入れず未定となった子はカウントしなくてもよいとされているのであって、「この方々も待機児童に含めるべき」というのが私たちの見解です。
保育内容はもちろん、家から職場から近い、地域にあるなど理由にあった自由な選択ができてこその保育環境ではないでしょうか。大事な子どもを10時間近くあずけるわけですから、納得のいく選び方をして当然です。
しかし、いま、国の直轄事業ですすめられている企業型保育が増えてきました。
市はそちらをご案内したりもするそうです。
やはり規制緩和の発想で生まれた施設ですから、安全安心のことを考えれば、自治体としては認可保育園を基本に進めていくべきです。
そして、基本的には市もその方向を堅持しているのです。
市は、今後の対応として次のような計画を持っています。
(1)西部地区に認可保育所を新設 平成31年4月に開設予定、施設定員120名
(2)既存認可保育所・認定子ども園の増築・分園により、定員の増加を図る
(3)保育士確保のため、保育士養成校や保育関係団体と連携し、学生向けの保育施設見学会や、保育士の合流の場となるチャイルドケアワーカーカフェを実施する
としています。
認可保育所を基本にしていますし、あらたな増設に踏み切ったことは評価したいと思いますが、保育士のなり手不足も深刻です。
すでに統計ではあきらかなように、一般職種にくらべ賃金が低く将来が見通せないという不安から、夢をもって保育士を目指してきた若者も就職をあきらめています。思い切った保育士さんの賃金の引き上げが必要です。
また、さきほどの利用調整の結果の通り、ふるいにかけられた、実態をあきらかにしない限り、本当の金沢市の保育計画は立てられません。丁寧な実態把握とフォローアップを求めたいと思います。