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金沢市立病院のあり方検討会がもうすぐ提言を出します。

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以前お伝えした金沢市立病院のあり方検討会。
金沢市は、老朽化が進む同病院の再整備について、関係者を集めてあり方検討会なるものを2019年の8月から開いてきました。
その経過や議事録についてはこちらからご覧いただくことができます。

市立病院の今後のあり方検討会

8月から4回を開催し、その4回目(2019年11月25日)の議論の様子が、1月17日の委員会で報告されました。

市立病院のあり方検討会の審議経過についての報告

委員からの主な意見

・公立病院の責務として「災害医療」と「救急医療」引き続き担うべきではないか

・民間病院では対応できない感染症や結核医療など「不採算医療」についても、市民の安全安心の観点から担うべきではないか

・時期病院の適正規模を考慮したうえで、市南部や南部近郊地区で新たな適地を検討してはどうか

・医療ニーズの変化に合わせた柔軟な職員配置が可能となる「独立行政法人化」への移行を検討してはどうか

・今後進められる「医師の働き方改革」や「地域医療構想」と踏まえて、周辺病院との機能分化や連携強化を図りながら整備してはどうか など

※上記の「委員からの主な意見」は、検討会の議論を踏まえ、市側が出した「提言書(案)に沿ったものです。その資料も載せておきます。

金沢市立病院のあり方検討会の資料
金沢市立病院のあり方検討会の資料

 最初の委員会資料では、主な意見が5点ほど挙げてありますが、これらが提言書に盛り込まれる可能性が高いと考えられます。

私が1月17日の委員会で質問したことも含め、まとめました。

 最初のふたつは、もちろん公立病院としてやらなければならない責務です。
しかし、そのあとの ①現在地からの移転 ②独立行政法人化 ③地域医療構想を踏まえた機能分化や連携強化」は十分な議論と市民の合意が必要です。

①現在地からの移転

 移転と言っても病院近隣の患者さんのご意見も聞いていないし、本当に現地で建て替え不可能なのかという技術的な議論もしていません。もっと、市民の声を聴きながら具体的に議論すべきです。

②独立行政法人化 

 これについては議事録を読むとわかるように、自治体病院の運営の大変さ、人件費率の高さが強調され、導き出されたもので、経営改善のために行うような方向性です。
 しかし、独立行政法人化は、行政からを経営を完全に切り離し、職員も原則、非公務員化されると言います。経営優先の手法で、全国的には自治体病院の役割を失った事例もあります。
 市立病院側は「公立病院の人事だと単年度で経営に携わる事務職員の異動があるが、独法化だと事務職員の配置が柔軟にできる」などと言います。しかし、経営改善については方針や戦略が重要であり、人的な問題だけではありません。
 そもそも、公立病院は結核や地域医療の要となるなど、もうけが優先ではなく、市民のための医療が最優先のはずです。一般会計からの繰り入れは赤字の補填ではなくそうした意味があるのです。現状の経営形態で、市民の求める医療を追求することで、経営改善すべきではないでしょうか。もちろん、診療報酬の改悪や不採算医療への交付金の減額など、国も問題が根っこにあります。これは自治体としても声をあげていますので、わたしたちも市民と一緒に国へ声をあげていく必要があります。

③地域医療構想を踏まえた整備

 地域医療構想は、ご存知の通り、2025年までに各医療圏ごとにベッド数を削減しなさいといった厚生労働省のプランです。人口減少などを理由にベッドが余るからとしていますが、根底には医療費削減の狙いがあります。しかし、各地域、各病院は地域や住民の必要に応じた医療を提供しているわけで、そんな簡単なものではありません。
 昨年の9月に、厚生労働省は、公立・公的病院の分析対象の3割にあたる424病院が「統合再編の議論が必要」だとして実名を公表しましたが、各地、各病院から非難の声があがりました。
 その424病院の中に、金沢市立病院はあがりませんでしたが、少なからず地域医療構想の計画に寄与するよう求められていきます。しかし、まずは地域や市民が求める医療を基本にすべきで、国や県からコントロールされるべきではありません。

今後について

提言が1月29日にまとめられ、2月上旬には市長に提出されます。
3月議会ではそれを受けて市の方針が示され、さらなる検討会の設置予算が提案されるようです。完成は10年以内にということが報道されています。
具体化はこれからです。ぜひ、みなさんとともに、市民のための病院を存続するためにがんばりたいと思います。

質問と答弁の全文はこちらから

ー広田委員
市立病院の在り方検討会について伺っておきたいと思います。今まで4回やってこられて、1月29日に最後の検討会を行い提言書をまとめるということですが、4回目でだいたいまとまって主なご意見が出されたということだと思います。その中で、私も全部議事録を読ませていただきましたが、ここに書いてある5点について伺っていきたいと思いますが、主なご意見の中の上の2点、災害救急医療や不採算医療、これは公立病院として当然担うべきだと思うので、こうしたご意見が出て私はホッとしているところですが、下の3点についてはやはりもっと十分な議論が必要ですし、独立行政法人化という点については認めるわけにはいかないという立場です。いくつか伺いますが、議事録を拝見しましたが、独法化についてはやはり経営を良くするためというような流れの中で浮かび上がってきたものですが、具体的に本市の市立病院にとって独法化をするというときにどんなメリットが挙げられるのか、明らかにしてください。

-病院事務局次長

 現在のシステムは地方公営企業法全部適用ということで、市の組織とは一応独立していますが、やはり人事異動の面では同じ市の元ということで職員が定期的に異動するということになります。そうなりますと経営に関する知識とか医療に関する知識や経験が何年かして溜まった時点でまた他のところに異動するということがありますので、独法化になりますとそちらの方でプロパーといいますか病院の方で雇用されるということになり、ずっと病院の方で仕事をするということになりますと職務上蓄積された知識・経験というのはそのままずっと活かされていくことになりますので、そこが現在考えている独法化の利点です。

-広田委員

 今言われた職員の異動ということだけであれば、経営面はもっと皆さん方で知恵を絞ってやることは可能だと私は思うのです。独法化というのは、これまで全国で事例があるように、やはり市民のためになるのかというのが問われてきているのかと思うのですが、現状、全部適用で独立というふうにおっしゃっていますけれども、独法化というのはその次元を飛び越えて完全に事業を独立させるものとなり、なにより事業の効率化が優先されると。皆さま方もメリット・デメリット表を検討会の資料で付けていましたけれども、やはり完全な経営優先の戦略となります。そして職員が原則非公務員化されるという問題もあります。給与も人勧も適用されなくなるといったことがあります。なにより住民監査請求が及ばなくなるといった、住民のチェックすらできなくなるといった問題も指摘されています。また、全国では独法化して結局経営効率ばかり優先され、分娩を取りやめたとか病院自体廃止されてしまったとか、公的な役割を果たせなくなったという事例もご存知の通りすでに出ているわけです。なので安易に独法化するのではなく、私は公立病院、市直営のまま経営を改善するということをしていただきたいと思いますが、独法化についていかがでしょうか。

-病院事務局次長

 独法化につきましては第5回のあり方検討会の提言書でご意見があるかと思いますが、その提言書の内容は今後また病院の方と市の内部で検討して行きたいというふうに考えており、今決まったということではありませんので、今後検討していく材料となるもののひとつということでご理解をお願いいたします。

-広田委員

 まだ審議中だということもありますけれども、私はその議論の進め方を見ていて独法化とか経営効率優先みたいな方に流れているということをすごく感じました。そこで言っておきたいのが、そもそも公立病院の経営が大変なのは診療報酬の改悪、そして不採算部門たとえば結核病棟の交付金が減らされるなど、国の予算減らしや制度の改悪が根底にあるというのは共通の思いだと思うんです。それについては皆さんも全国自治体病院協議会などを通して国に改善を求めていると、これは決算委員会でもおっしゃっていることだと思いますが、そういうことを引き続き経営の面でも行っていただきたいということがひとつと、どんなに不採算でもやはり公立病院の役割を果たすということが第一命題としてありますので、そのために一般会計の補填をしているわけであり、決して赤字だから補填しているという見方ではないと私は考えます。なので、そういった点をぜひ委員のメンバーとも認識を共有していただいて、経営の点については考えていただきたいと。あと1回ですが、その点をもう一度皆さん方からご要望いただくように求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

-病院事務局長

 昨年から開催してきたあり方検討会ですが、今月末の第5回で最後に提言書という形でまとめるわけですけれども、当然委員のご指摘あったような不採算部門というのは公立病院で抱える以上は、その分についてはきちんと一般会計の繰り入れ対応してもらっているのですが、それ以外の民間病院と競合するところでは、やはり経営改善が必要だと考えています。あり方検討会の中では独法化を検討してはいかがかというご意見をいただきましたので、決まったわけではないのですが、経営効率化の観点というのはやはり公立病院であっても今後進めていかなければならない重要な視点だと考えており、そのためにも定期的に人事が異動する今の全適ではやはり民間病院との競合の中ではマイナス要素になりますので、きちっとノウハウの蓄積ができる事務強化の分野、それと目まぐるしく変わる医療環境に柔軟に迅速に対応するためには、やはり事務部門の強化というものが必要ですので、そういった観点ではやはり独法化の検討というのはしていかなければならないかなというふうに考えています。経営面に関しては、不採算部門に関してはきちっと一般会計で対応してもらって、それ以外の部分では経営効率化を図って更なる経営改善、そういうのは公立病院であっても進めていかなければならないと考えていますので、次回はそのあたりを提言書をとりまとめる中できちっと委員からご意見をいただいて詰めていきたいと思っています。

-広田委員

 本当に議事録を読んで悲しくなったのが、看護師の体制を7対1から10対1にすればどうかという話まで出てきているんですね。私も看護師をやっていた経験がある以上、これは絶対に認められないと思います。どんな思いで市立病院、他の病院もそうですけれども市民の安全を守るために日々医療をしているのかということをないがしろにしてこのような議論が進むのは本当に大変残念です。経営効率という立ち位置でばかり議論をされているからこうなるのであって、市民に求められる医療をする以上、医師・看護師がこのような体制で要るし、不採算部門を抱えている以上こうした現状があるのだということを、もう一度しっかり認識していただいて、やはり経営改善が必要だとおっしゃいますけれども、基本的なところをもう一度委員さんと共有していただいて、経営だけの取り組みにならないように議論を進めていただきたいと思います。

 移転についてですが、現地での建て替えは無理ということが新聞報道で出されていますが、仮に移転した場合、地域の患者さんへの影響も出るわけですから、そのことの調査や市民の声を聞くということがもちろん大前提となりますので、その点も忘れないでいただきたいと思います。

最後に、この提言を受けた後、どのような議論をされて議会に市長からの表明があるのか、時期的にはいつごろそういったことが表明されるのか、明らかにしてください。

-病院事務局長

 今月末に第5回が開かれまして、そこで提言書がまとまる予定です。それを受けて、おそらく来月になるとは思うのですが、あり方検討会の座長から市長あてに提言書を提出するということになると思います。そこで出されたいろいろな課題につきましては、今予算要求をしている段階でありますので、引き続き詰めていかなければならない課題がたくさんあります。それを深く議論するための調査期であるとか、この検討会を引き継ぐ新たな有識者会議、そういったことも予算要求の中で検討しながら必要な提起を要求するという流れになると思います。

-広田委員

 今のお話ですと、3月にこうやって進みますということではなくて、新たな会議を開くための予算要求がされるということだと思いますので、ぜひじっくり検討していただきたいと思いますし、市民の声を取り入れる形の検討会にしていただきたいということを最後に求めたいと思います。









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