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2月議会 最終討論

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2月議会の最終討論は大桑議員が行いました。

 わたしは、日本共産党市議員団を代表し、討論いたします。

わが会派は、上程された議案66件のうち、議案第62号、議案第64号、議案第69号、議案第70号、議案第72号、議案第74号、議案第75号、議案第76号、議案第83号、議案第84号、議案第87号、議案第89号、議案第92号、

議案第106号、議案第108号、議案第114号、議案第115号、及び

議案第123号の議案18件について反対します。その主な理由を述べます。

 今、本市が果たすべき役割は、何よりも新型コロナウイルス感染症対策を進め、住民の命と暮らし、営業を守ることです。にもかかわらず、今般編成された本市新年度予算は、市民生活を守り、本市の地域経済を振興していく上で重大な問題があるといわざるをえません。

 主な理由を述べます。

 第1に、市民のために税金が使われていないことです。

 金沢港建設事業費に当初予算と最終補正予算合わせて5.9億円が計上されています。大手企業であるコマツの工場を誘致するためとして大浜岸壁では大水深岸壁の事業が、又、クルーズ船誘致のためとして無量寺岸壁改良と施設整備などの事業が行われてきました。しかし、新型コロナウイルスの感染は終息が見通せず、クルーズ船誘致は困難な状況です。今年度は国県市と合わせて11億800万円となっています。このような巨額の税金投入は即刻やめるべきです。

また個人番号カード交付事業、いわゆるマイナンバーカードについては新年度予算では、交付事務費として1億9,500万円余りが計上されています。この事業の狙いは、政府が国民一人一人に生涯変わらない番号を付けて資産、医療、教育などの個人情報を一元化して、連携・活用しようとするものです。これ自体、プライバシー権侵害の危険を持つ重大な問題です。本市に於いて、マイナンバーカードの交付件数は、2月1日現在で39%の交付率です。政府は22年度末までにすべての国民にマイナンバーカードを行き渡らせることを目標とし、健康保険利用、マイナポイントなど、国民がカードを使わざるを得ない状況を作り出しています。国補正で、第2弾マイナポイント事業に1兆8730億円をつぎこむなど、多額の予算を投じていますが、コロナ禍で必要なところにまわすべきです。

こうしたなか政府は、新設されたデジタル庁に旗を振らせてさらなるデジタル化を推進しようとしていますが、高齢者や障害のある方々など、デジタルに対応できない住民が置き去りにされるのではないか、個人データが企業間での取引の対象とならないのか、個人情報がどこまで守れるのか、などといった問題が指摘されています。デジタル化を推進する内容には同意することはできず、今後、市民の目線に立ち、しっかりした検討が求められます。

城北市民運動公園整備事業の中で、市民サッカー場の再整備に係る事業費も問題です。

 現在地での改築予定が、敷地内にあるジュニアスポーツコートとクライフコートの敷地に移転新築するものです。

 事業費は、当初の75億円が80億円に増額となり、さらに、ジュニアスポーツコートとクライフコートなどの移転新築を含めると総額100億円規模となろうとしています。

 今回、大型映像音響システム整備事業として、4億2900万円の委託契約が提案されました。Jリーグの基準に従って整備されるとしていますが、既に県の西部緑地公園内にある陸上競技場ではこの大型映像音響システムが設置され、2万人規模の観客が収容できる施設として整備されています。ここでのJリーグの試合は可能となっています。巨額の費用を投じての市民サッカー場整備を、今しなければならないのか問われています。不要不急の事業ではないかとの立場から同意できません。

学校給食共同調理場についてです。

一日8千食の新たな共同調理場を泉本町に建設するとして事業費が計上されました。又、緑共同調理場の委託化を開始するとしています。

あたたかく、おいしい学校給食を提供する責任を行政が果たしていくうえで、学校給食は直営で、単独校方式を基本とする方向へ転換すべきと考えるものです。これとは逆行するもので同意できません。

 議案第64号、本市市街地再開発事業費特別会計については。

 本市金沢駅から武蔵までの区間を直線道路で結び、その道路沿いに5つの再開ビルを建設するとして事業が行われました。ところが、建設されたビルの保留床が売れ残り、その後、貸し付けを続けていますが、あいたままとなっています。その管理費等を一般会計から補填し続けています。従来からこの事業に反対しており、同意できません。

第2に、市民負担についてです。

議案第92号は玉川図書館および玉川こども図書館の駐車場利用者から駐車料金を徴収するというものです.

図書館は憲法で保障された、市民の知る権利や学習権のために設置されている文化施設であり、多くの市民が利用する公共施設です。読みたい本を探したり、資料を調べたりをしていれば、数時間滞在するということも珍しくありません。公共交通の整備が十分ではなく、障害を持っている方、お子さん連れの方など、事情があって車を使っている方などいらっしゃいます。市は年間3000万円の利用者負担を見込んでおり、図書館利用者から駐車料金を徴収することは認められません。駐車場の問題については利用者や市民の意見や工夫策を募り相談することを求めます。また、平和町児童館の建て替えに伴い本市が設置してきた児童図書館が廃止される提案には本市が継続して責任をもって運営していく事を求めます。

宿泊税についてです。いまだ、コロナ収束の見込みがたたない中、宿泊税は昨年度比13・4パーセント増の5億3000万円もの収入を見込んでいます。宿泊税は、小規模な宿泊業者にとっては、大きな負担です。宿泊料一泊1万円未満の業者には適用しないなど改善を求める要望が多く出されています。宿泊税は中止するなどの必要な改善を図ることを求めます。

 ごみ有料化は、コロナ禍でさらなる市民負担となっており、税金の二重取りです。中止を求めます。

介護保険料についてです。3年ごとに事業計画が策定され、令和4年度は2年目になります。基準となる保険料は月額6590円で介護保険制度が始まった当初に比べ2倍となり、年金生活者にとって重い負担となっています。特別会計は連続して黒字となり基金残高は、今年度末見込みで29億1800万円であり基金を使い、保険料の引き下げを行うべきです。

後期高齢者医療制度は、75歳以上の方を別枠の医療制度に押し付けるものであり、従来から反対の立場です。

 第3に、本市のガス事業・発電事業の譲渡が市民の理解と合意を得ないままに進められたことです。

100年にわたって、本市公営事業としてきたガス・発電事業譲渡についてです。

この4月1日民間企業の金沢エナジー(株)に売却するとして精算予算等が提案されました。この間、譲渡をめぐって、河川法違反の指摘、譲渡価格や本市出資比率の低さなど本市の責任を問う指摘、さらに、81名の職員を譲渡先企業へ退職派遣する計画などについて数々の問題が提起されてきました。市民の理解と合意がないまま強引に進められてきたことから一貫して批判してきました。

 今回、精算特別会計において、北陸電力との電力受給契約解除することで、その補償金13億5300万円を支北陸電力に支払うとの提案がされました。この間の経過について全く議会に報告はありませんでした。北陸電力との話し合いについて、会議録はないとして内容を明らかにしません。この補償金は、北陸電力に利便を図るものとして認めることはできません。

第4に、水道事業と工業用水道事業についてです。

 水道事業の新年度予算において、予定利益として10億348万円が計上されています。これは、県水受水契約と責任水量制の見直しによって、もたらされたものであり、市民に還元すべきです。昨年度コロナ禍のもとで、4ヶ月間の上下水道料金の基本料金の減免が実施されました。新年度においても、実施されるよう求めたいと思います。

工業用水道事業は、森本テクノパークにおける企業立地に伴い工業水道を供給するものです。企業立地のために造成された森本テクノパークは、今だ2割があいたままとなっており、工業用水道を利用しているのは、実質3社にすぎません。開発当時から使用料金は変わらず、会計の赤字を一般会計から補填続けています。事業の失敗のツケを市民に転嫁していることから同意できません。  

 第5に、職員定数と給与に関わる点です。職員定数については、ガス・発電事業の売却に伴うもので、企業局の削減が大きいですが、ガス・発電事業の売却については、市民の理解と合意が得られていません。また、保健師2名が増員されていますが、これで十分とは言えず、さらなる体制の強化が必要です。技能職などの退職者不補充方針により学校施設で校舎管理員4人、ごみ収集で5人共同が、削減されました。調理場の調理技士9人いずれも異動となっています。さらに民間委託が進められています。安易な民間委託は責任の所在が不鮮明となり、コストを重視するあまり、サービスの低下にもつながりかねません。あわせて、職員定数の削減により規模や業務の縮小、非正規職員などでの補充とならないよう求めておきたいと思います。又、技能職不補充の人事政策をやめるよう求めておきます。

職員の給与に関することです。今回の本条例改正は期末手当の支給割合を引き下げるというものです。

保健所・救急をはじめ多くの職員の奮闘に報いる給与でなければならず、厳しい人員体制のもとで、新型コロナ感染や頻発する自然災害への対応など、市民の命と暮らしを守るために奮闘する職員に一方的に支給減を押し付けるものです。これはさらには民間事業者にも波及して、コロナによって冷え込んでいる経済に対し、市民の消費を一層冷え込ませます。したがって給与引き下げには、同意できません。なお、会計年度任用職員の待遇改善は引き続き求めておきます。

請願14号「児童・生徒の健康と学習権を保障するために学校トイレに生理用品の設置を求める請願書」については、新日本婦人の会、中内てるこ支部長から出されたものです。本市議会女性議員でも取り組み、市民や関係団体の要望もあり、来年度は金沢市立中学校および工業高校の女子トイレに生理用品が設置されることが予算化されたことは、子どもと女性の権利を守るうえで大きな前進です。しかし、まだ一番規模の大きい小学校が除外されており、わが党は、小学校までこの取り組みが行き渡るよう求める立場から、この請願に賛成です。付託された文教消防常任委員会においては不採択となりましたがその決定に反対するものです。

陳情第16号は、「政務活動費の金沢市条例改正についての陳情書」で、市民オンブズマン石川の代表幹事から提出されました。政務活動費が、本来の目的に沿って、運用されるとともに、さらなる情報公開による透明性の確保や必要な改善が求められています。この陳情の趣旨を理解するものです。

よって、付託された議会運営委員会で、不採択となりましたが、その決定に反対するものです。

陳情第17号は、金沢市玉川図書館及び玉川子ども図書館駐車場を有料化しないよう求める陳情書で新日本婦人の会金沢支部の支部長、中内てるこさんから出されたものです。次代を担う子どもを守り育てる金沢市が、新しくなる玉川こども図書館、玉川図書館の駐車場を有料化するという提案は、大きな問題です。陳情趣旨にあるように、行政がやるべきは、市民が来館しやすくなるよう環境を整えることであり、市民の来館を妨げてはなりません。付託された文教消防常任委員会では一時不再議となりましたが、わが党は陳情そのものに賛成します。

 以上で反対討論を終わります。

そして、2月議会の賛否態度はこちらです。

2022年1月緊急議会&2月定例月議会の議員賛否態度

画像をクリックしてもとびます。

賛否態度1ページ目

わたしたちは、議案66件のうち18件に反対しており。理由も述べているのですが、賛成側はどなたも賛成討論をしませんでした。本来は理由をきちんと述べるべきと思います。

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