ブログみよみよ日記

2017年 6月 都市交通特別委員会

引用元:金沢市議会議事録

平成29年  6月 都市交通特別委員会

          都市交通特別委員会記録
1 開会日時     平成29年6月28日(水曜日)
2 開議時間     開会 午前10時~閉会 午前11時35分
3 場所       第3委員会室
4 出席委員(10名) 野本正人委員長、上田雅大副委員長
           熊野盛夫、広田美代、喜多浩一、小林 誠、森 一敏、
           宮崎雅人、松井純一、高村佳伸の各委員
5 欠席委員(0名)
6.出席説明員    平嶋都市政策局長、木谷都市整備局長、
           久保交通政策部長、松本交通政策課長、淵都市計画課長
7.事務局出席者   八木主査、松田主任
8.審査事件等    別紙のとおり
9.議事の経過等   以下のとおり
 委員長の開議挨拶に引き続き、都市交通に関する調査として執行部から説明を聴取した後、質問応答を行った。その後、次回の委員会について協議し、閉会した。
(1)都市内交通に関する調査
・交通によるまちづくりの実現に向けて~第2次金沢交通戦略の概要~
                       ・・・・・松本交通政策課長
 当特別委員会における調査項目が第2次金沢交通戦略の基本方針とほぼ合致するので、戦略をベースに説明する。
 初めに社会情勢の変化と交通について説明する。資料は現在の社会情勢を簡単に示したもので、全国的に少子高齢化、人口減少社会となっていて、金沢でも高齢者の割合が2015年の25%から2045年の33%へふえる一方で、15歳から65歳未満の生産年齢人口の割合が62%から52%まで減少する推計が出ている。また、高齢化の進行にあわせて高齢者が関係する痛ましい自動車事故が増加傾向にあり、平成27年の石川県内における交通死亡事故のうち実に72%が高齢者で、亡くなった46人の内33人が高齢者となっている。また、高齢者が第一当事者だった事故の割合が全体の41%で、少なくとも平成17年度以降では最も高い結果になっている。これらのことからも、自動車に過度に依存しないライフスタイルへの転換が必要になっていると思う。
 次に、交通手段の利用状況についてだが、平成19年度に実施されたパーソントリップ調査に基づいた図からは、自動車交通が増加している状況が読み取れるが、昭和49年に実施した第1回の調査からは、ほぼ倍以上となっている。また、自動車の分担率が約7割と非常に高い反面、徒歩や路線バスが減少している。ただ、平成23年ごろからバスや電車の利用者が下げどまり、一部若干だが増加している傾向も見られる。今後も公共交通の利便性向上などによって、利用者のさらなる増加を図りたいと考えている。
 公共交通の市内の状況だが、上の図は、まちなか方向へ向かう朝方のピーク時のバスの運行本数を色で示したもので、赤系の色が濃いほど運行本数が多く、バスは南部や東部、西部、北部から量的には確保できていることを示している。ただ、下の折れ線グラフが示すように、時間帯や路線によっては定時性がかなり損なわれていることも見える。特に南部方面から金沢駅に向かう路線では、朝夕を中心に20分以上おくれが出ているケースも読み取れる。特に幹線では量的なバスの本数やサービスは確保しているものの、定時性の向上など質の高さが求められていると考えている。
 次は、まちづくりと公共交通の方向性について示した図である。今後の人口減少・超高齢社会に対応できる都市基盤をつくっていくためには、土地利用と交通の両面から都市の使い方を見直す必要があると考えている。土地利用については、まちなかや公共交通の便利なところへ都市機能や居住を誘導していく集約都市形成計画を、交通の面では、これまでの歩行者と公共交通を優先としたまちづくりを進めるとともに、まちなかを都市の核として利便性の高い公共交通のネットワークを構築していく第2次金沢交通戦略の2つの計画を両輪に進めていく必要があると考えている。こうした公共交通のネットワークによって、まちに活力と元気を与えていくには何よりも公共交通をしっかりと支えていき、利用者の増加と利便性の向上といった正のスパイラルを推進していく必要がある。そのためには、公共交通の利便性の向上だけではなく、まちづくりと一体となったライフスタイルの転換を図っていくこともあわせて必要になってくる。
 公共交通を中心としたときの金沢のまちの全体のイメージだが、都心軸には公共交通ネットワークの幹となる新しい交通システムの導入を目指す。地域の生活拠点からまちなかへ向かう主要な路線を公共交通重要路線と位置づけて、定時性や速達性、運行頻度を高めていく。また、公共交通重要路線と郊外とのアクセスはマイカーと公共交通を組み合わせて利用することとし、幹線と接続運行するフィーダーバスやパーク・アンド・ライド駐車場、乗り継ぎ拠点の整備などによって、公共交通との連携強化を図るとともに、地域の特性に応じた生活交通の導入も進める。また、このことでJR、IR、北陸鉄道のそれぞれの鉄道線との接続が可能になって、金沢都市圏全体の広域交通ネットワークの強化にもつながると考えている。
 第2次金沢交通戦略は、こうした交通によるまちづくりの行動計画として、まちなかを核に「ネットワークでつなぐまちづくり」と、歩行者と公共交通優先のまちづくりを基本方針として策定され、平成34年度までを計画期間としている。第2次金沢交通戦略が目指す未来の姿は、過度に車に依存しない交通体系である。そのためには、公共交通の利便性の向上やパーク・アンド・ライドにより車から公共交通への転換を図っていく。また、まちなかも安心して楽しく回遊できるように歩行環境の整備や自転車によるまちなかの移動環境の向上も図る。誰もが使いやすい交通環境を目指し、全ての人にとって優しい公共交通とわかりやすい交通案内、交通結節機能の整備によって乗りかえもスムーズに行えるようにしなければならないと考えている。また、新しい交通システムの導入によって、金沢の競争力や魅力が高まり、隣県などとの活発な交流を目指す。
 この交通戦略では、新しい交通システムを幹とする公共交通ネットワークの再構築に向けて5つの基本方針を定めている。以下、この基本方針ごとに取り組む施策について触れていく。基本方針1、交通ネットワークの再構築として、1の新しい交通システムの導入に向けて交通実験などを通した条件整備を進めながら導入を目指す。2のバス路線の段階的再編については、公共交通重要路線を中心に、決まった時間に来るバスといった利便性の向上策や郊外部のバスネットワーク改善を目指す。3の鉄道線の石川線、浅野川線については、交通事業者や沿線市町と連携し、安全確保や利用促進に現在も取り組んでいて、今後も都心方向へのアクセス向上など充実を図る。4の金沢ふらっとバスの充実では、利用者からのニーズを反映したサービス向上に取り組み、地域の住民が支えるバスである意識の醸成により利用促進を図る。また、IRいしかわ鉄道についても、沿線住民や団体等とも連携し、利用促進に取り組む。
 次に、基本方針1のうちの新しい交通システムの導入とバス路線の段階的再編だが、新しい交通システムの導入については、昨年度、検討会から提言をもらっている。内容としては導入基本ルート、導入機種、導入に向けた環境整備の概要についてだが、それぞれ説明する。
 まず、導入基本ルートは金沢港から金沢駅、武蔵、香林坊を通って野町駅までとなっている。このルートは、公共交通重要路線のうちでも都心軸を通り、周辺市町を含めた公共交通ネットワークの幹線軸になり、都市のさらなる発展や広域ネットワークの一層の強化にも寄与するルートであることが理由である。また、今後の社会経済情勢に合わせて段階的に拡充することも考えられるとの提言をもらっている。
 導入機種については、地上走行方式が望ましいとの提言で、具体的な導入機種については引き続き検討が必要としていて、今回の検討会では、定時性、速達性、安全性、バリアフリー性、景観性などを考慮し、ミニ地下鉄、LRT、BRT、モノレールの4つの機種について比較検討した。その結果として、利用者の上下移動の有無などの利便性、費用面、景観面等を勘案し、地上における専用走行空間を有した十分な輸送能力を持つBRT及びLRTが適当であるとされた。その上で、導入機種については、今後の技術革新や先行自治体の状況、技術面、費用対効果等の面から慎重に判断することが適当となっている。
 提言の最後は、導入に向けた環境整備についてだが、公共交通の利用促進、導入空間の確保、自動車交通への影響、市民意識の醸成の4つを大きな課題として取り上げ、公共交通の利用を促進させながら導入環境を整えていくべきとしている。これらの課題解決に向けた施策の実施とともに、交通量や交通手段の利用動向等を継続的に調査する必要があるとしている。
 次に、新しい交通システムの導入に伴ってバス路線の再編が必要になるが、具体的な内容として次の3つが挙げられている。1つ目の公共交通重要路線の利便性向上としては、運行頻度の向上や定時性の確保に取り組むほか、郊外からまちなかへの定時性を高める快速バスの運行、バスと鉄道の乗り継ぎ抵抗を減らすための接続ダイヤの改善や待合環境の整備が挙げられる。また、バス路線再編のプログラムを策定し、実証実験を通じて利便性を向上させながら段階的に再編していく必要があると考えている。2つ目の郊外部のバスネットワークの改善だが、地域と公共交通重要路線をつなぐ生活路線の検討、構築や、住民提案型交通実験などによるバス路線の新設の検討のほか、現在も実施している郊外部における生活維持路線に対する支援も継続して必要になってくると考えている。3つ目の地域住民による移動手段の確保に対する支援として、地域住民が主体となって運行するコミュニティバスの運営に対する支援のほかに、タクシー等を活用した輸送サービスの提供などが考えられる。地域住民によるコミュニティバスは、大浦校下と川北地区、内川校下の2地区で運営しており、平成24年度と平成25年度にモデル事業として運行実験を行った後、平成26年度から本格運行している。それぞれ運行内容は資料記載のとおりだが、2地区の大きな違いとして、大浦校下と川北地区は定時運行だが、週に2日の運行となっている。一方で、内川校下は毎日運行しているが、定時は1本で残りはデマンド方式となっている。このように、地区による運営はそれぞれの住民が地区にふさわしい運行計画を策定して、地区の需要に合った運行が行えるところに大きなメリットがあると考えている。
 基本方針2、交通機能の連携強化についてだが、交通結節点の整備では、上屋、シェルター、ベンチ、案内装置のほか、駐輪場や駐車場などを整備する。パーク・アンド・ライドの推進について、駐車場の確保や利用促進に努める。バリアフリーの推進では、ノンステップバスの導入のほかに施設整備の段階で段差解消等のバリアフリー化を推進する。乗り継ぎ抵抗の軽減として、全国交通系ICカードの導入に向けて交通事業者と協議を進める。
 基本方針3、交通利用環境の向上についてだが、交通安全の充実では、スマートフォンなどICTを活用した交通案内や金沢駅での2次交通案内の充実などに取り組む。高齢者や障害のある人への移動支援として、シルバー定期券やメルシーキャブサービスの周知に努めて利用促進を図る。バス専用レーンの拡充の検討を進め、バスレーンの遵守や指導、啓発も実施していく。渋滞緩和策の実施では、金沢駅周辺渋滞緩和連絡協議会などの関係団体との連携強化や、駐車場案内システムによって金沢駅周辺や市中心部における渋滞緩和に取り組む。タクシーについては、客待ちの待機列による渋滞解消や利用環境を向上させるため、都心軸等において乗降環境の整備に取り組む。荷さばきについては、幹線道路に停車することで道路交通を阻害する場合が見られるので、その改善や荷さばきスペースの確保、整備に取り組む。
 基本方針4、歩行者と公共交通の優先についてだが、歩けるまちづくりの推進では、歩行回遊ルートの整備、通過交通の抑制などにより歩行環境の向上につながる事業に取り組む。自転車利用環境の向上では、自転車通行空間、駐輪場の整備、公共レンタサイクルまちのりの新たなポートの拡充、自転車の安全な利用の促進を今後も実施していく。まちなかへのマイカーの流入抑制のための公共交通利用者への優遇方策なども検討していきたいと考えている。駐車場では、住宅地での駐車場化を抑制するなどの土地利用と連携した駐車場配置の誘導を図っていく。公共交通の利用促進のため、今後も意識啓発などを積極的に行っていく。
 基本方針の5、広域・圏域交通による交流の推進については、北陸新幹線の金沢以西への開業による全線整備を推進していく。金沢駅の2次交通における輸送力の確保など交通結節機能の強化について取り組んでいく。金沢都市圏など広域の交通ネットワークの充実については、引き続き周辺自治体との連携を強化し、パーク・アンド・ライドの推進による交通の円滑化を進めるほか、公共交通の利用促進等を連携して実施する。金沢港の交通結節機能の強化では、金沢港と都心のアクセス向上などの検討を進める。
 広域・圏域交通による交流の推進のうち、金沢都市圏等の交通ネットワークの充実として、隣接市町の運営するコミュニティバスとの連携、高速バス等の広域的な2次交通手段の充実、石川線や浅野川線の機能強化と利用促進、IRいしかわ鉄道とJR北陸本線の利用促進にも取り組む。
 この戦略を進めていくに当たっては、行政だけでなく市民・企業、交通事業者の三者の連携、協働が必要になってくる。本市においては、行政、交通事業者を初め道路管理者や交通管理者、市民の代表等から構成された金沢市交通まちづくり協議会があるので、個々の施策ごとにその進捗状況等を確認することとしている。
・金沢市集約都市形成計画~持続的に成長する成熟都市を目指して~
                        ・・・・・淵都市計画課長
 金沢市集約都市形成計画の内容について説明する。
 金沢市は、長い歴史を持つ成熟期にある都市だが、人口減少や少子高齢化は健全な都市経営を進める上でさまざまな問題を引き起こすため、都市問題は、成人病にイメージが近いと言われている。そこで、金沢市という都市の成人病に関する健康診断をしてみたいと思う。
 診断その1は、人口はどのように減っていくのかだが、現在、金沢市には2つの方法による将来人口推計がある。1つは、赤色のグラフで示した金沢市人口ビジョンだが、この推計は、行政、民間を挙げて出生率の向上に努めることによる効果を見込んで算出された値となっている。もう一つは、青色の減少カーブとなったグラフで示した国立社会保障・人口問題研究所--通称社人研が提示したもので、特段の対策を行わない場合の推計値である。2015年の国勢調査の結果では、本市の人口は約46万6,000人と微増だったが、今後の人口減少は避けられない状況にある。2040年の両推計値には違いがあるが、実際にはこの間の人口で推移すると想定している。当面の人口は緩やかに減少することから、人口の減少が大きな影響を及ぼすのはもう少し先と考えられるが、将来に備えて今のうちから対策に着手することが必要との課題が浮かんでくる。
 診断その2、少子高齢化の進み方だが、高齢化率は2015年の25%から2060年には約40%と急激に進行する。下段の人口別の人口ピラミッドは社人研の推計人口をグラフ化したもので、一番右の2060年の女性は高齢になるほど人口が多いいびつな形になっており、高齢化の進行をわかりやすい形で理解することができる資料だと思う。このようにこれからの30年間は、高齢化が急激に進行して、高齢者の率はもちろんのこと、人数自体も増加していくため、高齢化への対応が喫緊の課題になることがわかる。
 診断その3、どんなふうに住んでいるかだが、DIDとは、1ヘクタール当たりに40人以上住んでいる人口集中地区と呼ばれる区域を言うが、金沢市のDIDは市街化区域の70%を占めている。地図では黄色から赤の暖色系の部分に相当するが、広く分布している状況がわかる。また、本市のDIDの平均人数は、近年、1ヘクタール当たり62人を維持していて、地方都市では比較的高い値となっている。2060年に約4分の1の人口が減ったとしても、人口密度で1ヘクタール当たり40人を下回るエリアはわずかであり、現在の市街地全体が都市的土地利用を継続できる水準にあることがわかる。診断としては、本市における人口減少は市街地全体で虫食い状に進行すると推測して、数十年先でも市街地の物理的な縮退はしないと考えている。このことから、現在の市街地を維持しつつも、どのような誘導が有効で必要なのかという課題が浮かんでくる。
 診断その4、移動の手段だが、グラフは金沢都市圏を対象としたパーソントリップ調査で、先ほど交通の説明にも出てきたものである。昭和49年から平成19年の変化を見ると、自動車だけが増加して、歩行者や二輪が大きく減少している状況にある。公共交通は下げどまりの傾向にあると言えるが、1割を割り込んでいる状況である。また、近年、高齢者の運転による重大事故が話題となっており、改めて移動のあり方を見直す機運も高まっている。診断としては、過度な自動車依存からの脱却が課題であって、その際、公共交通を充実させることが不可欠になると考えている。また、歩ける範囲で日常生活を送れるような都市構造にしていくことも大切な要素となる。どうすれば現状の公共交通が弱体していくという負の連鎖を断てるのか。そして、それを支える都市構造へどのように改善していくのかという課題が浮かび上がる。
 診断その5は、歩行圏域に生活利便施設はあるのかだが、表は、本市の生活利便施設のうち、医療、商業、金融、教育施設について、各施設がカバーしている人口と比率を示したものだが、高齢者の移動を考慮した300メートル圏域では、各施設の人口カバー率はおおむね4割を超えている状況である。500メートル圏域では七、八割、健常者を対象とした一番右の1キロメートル圏内では9割以上をカバーしている状況である。地区や施設の内容により濃淡はあるが、市街地全体としてかなりの水準で生活利便施設が立地し、歩ける範囲で日々の生活をカバーしていることがわかる。この立地は、人口密度との相関があって、今後もこれらの施設の立地を支えていくには人口密度の維持が有効との診断ができると思う。
 診断結果を総括するが、金沢市は、現在、入院や通院、服薬が必要なレベルではないが、少しでも早い段階から生活習慣を改善して、将来のリスクに耐えられる強い体、つまり都市構造をつくることが必要と言える状況にある。処方箋となる改善すべき生活習慣は、高齢化対策の視点からは医療や福祉施設の課題、運転免許返納などが挙げられるほか、過度な自動車依存から転換するための視点として公共交通の活性化、人口密度の維持や空き家の抑制を進めるために、これ以上の市街地の拡散を防止することがスタートになると言える。持続可能な都市構造をつくるためには、量的な成長から質的な成長に転換していくこと、都市の顔であり、ハレの場を受け持つ中心市街地の魅力向上を図ること、自動車に過度に依存しない生活スタイルへの転換を図ることが鍵を握る。このように金沢市における集約都市の推進は、市街地の縮退ではなく、都市の使い方のコンパクト化から進めるべきであると考えている。
 集約都市形成計画は、政策転換における不可欠なテーマとして、土地利用政策と交通政策の2つの計画が深くかかわってくるため、計画策定の背景と両計画の関係について紹介する。
 集約都市の考え方は、都市計画マスタープランが2009年に改定された折に既に提案していて、本計画策定はその具現化と言える。都市計画マスタープランの考え方をモデルで説明するが、現在、郊外に住んでいるほとんどの人は、好きな時間に好きな方向へマイカーを使って移動している。この移動は、自動車があってこそ可能となるものであって、自動車を使えない人に対して、公共交通を用いた移動を提供していくには、中心部との行き来を充実することが現実的な策となる。そこで、郊外と都心部を結ぶ公共交通重要路線の充実を図っていく。これに、ついの住みかとしての居住地の選択のために、現状の安い、広いという条件のほかに、自動車を使わない生活設計という理念や思いを普及させることによって、長期的な変化として公共交通の利便性を基準として、まちなかやその近郊、そして公共交通の重要路線沿いに居住の誘導を図っていくというものであり、その積み重ねとして、公共交通の便利な場所における人口密度の向上や維持を進めていこうというものである。
 これまでも土地利用政策と交通政策を両輪として運用すべく連携した計画策定が進められてきた。都市計画マスタープラン2009の策定の際には、先行して新金沢交通戦略が策定され、公共交通重要路線の考え方を導入しているが、今回の金沢市集約都市形成計画の策定においても、先んじて交通戦略を改定して、公共交通重要路線の見直しを行っている。
 図は、第2次金沢交通戦略で見直された公共交通重要路線の図面である。13のバス路線と4つの鉄道が位置づけられている。
 金沢市集約都市形成計画は、これまでの右肩上がりを前提としたまちづくりからかじを切り、金沢市の現状と課題に基づき、持続的な成長を可能にする都市構造の改善を図るための長期にわたる大きな方向性を提示することを目的としたものである。
 計画の対象区域は、主に市街化区域とし、対象期間は目標とする都市像の実現に2060年程度までの長期的な将来を見据えることが必要とのことから、まちの姿を展望する第1ステップとして2040年をこの計画の目標年次と設定している。量の確保から質の高い都市構造への転換を図るとともに、土地利用と交通の両面から生活スタイルを含めた都市の使い方を見直すといった、ソフトとハードの両輪を推進することによって、人口減少や高齢化が進んだ社会においても持続的に成長する成熟都市の実現を目指すものである。
 計画では、成熟都市を目指す上での将来像を「持続的な成長を支える『軸線強化型都市構造』への転換」とし、この実現に向けて、1から5の基本方針に基づいて都市構造の変革を図るとともに、これらの推進を通じて多様な移動手段を選択できるタウンライフへの転換を図っていこうとするものである。どれも重要な方針だが、地域のにぎわいと交流、地域コミュニティや暮らしの維持・充実については今後の市民生活に大変重要な視点になると認識している。
 次に、本計画に導入する区域の大きな枠組みについて説明する。軸線強化型都市構造への転換を図っていくため、現在の市街地を大きく3つに色分けしているが、一番下の図の黄色の範囲が市街地の範囲と捉えてほしい。まず、市街化区域において将来においても本市の居住の柱としていくことが必要なエリアとして居住誘導区域を設定する。この区域のイメージは、公共交通が便利なエリアと考えてほしい。これに重ねるように、都市施設を集めていくことで効果を発揮する区域として都市機能区域を設定する。わかりやすいイメージとしては、市内外から人が集まるような便利でにぎわいのあるエリアとなるが、この2つの誘導区域以外の市街化区域の部分を一般居住区域と設定した。ここは、自動車等の利用を前提としているが、これまで整備してきた都市基盤を生かして、今までどおりの暮らしを継続できるエリアと考えていて、現在の市街地や公共交通サービス水準を維持して生活環境を守っていくエリアになると考えている。
 区域の設定で重要な鍵となる歩ける範囲の考え方についてだが、本計画では、徒歩圏の基本を300メートルとしている。これは金沢市の高齢者の平均外出距離が481メートルという金沢大学の事例研究と、バスサービスハンドブックの統計から、300メートルは一般的な人の90%が抵抗なく歩くことができる圏域となっていることから、直線距離として300メートルを設定している。公共交通重要路線沿いでは、バス停間隔から半径300メートルが連続すると、この図面にあるようにほぼ帯としてつながることから、道路の両側300メートルずつを区域として設定することとした。なお、鉄道駅など複数の公共交通が結節する地域拠点については、一般的な駅の徒歩圏である500メートルを採用している。
 居住誘導区域の具体的な設定の考え方だが、居住誘導区域は公共交通が便利で自動車を使わない生活設計を立てやすいエリアであることから、周辺から路線が最も集まっていて公共交通の利便性が高く、定住促進策の柱ともなっている真ん中の濃い緑色で示すまちなか区域をまず位置づける。その次に、利便性の高いエリアとして、図面では黄緑色の部分の公共交通重要路線の両側300メートルの沿線を位置づける。この形が中心部から郊外に向けて軸状に延びていて、グローブのような形態になっていることから将来都市像に軸線強化型とネーミングしている。このほか、金沢市の歴史性の保全を目的に、歴史文化居住地域として、金石・大野地区を加えている。誘導区域以外の市街化区域を基本的に一般居住区域に設定しており、図面では黄色のエリアとなる。なお、工業専用地域や災害の危険性が高い区域などは居住に適さないエリアとして居住誘導及び一般居住の両区域から除外している。
 次に、都市機能誘導区域の設定の考え方だが、図の赤い部分である本市の顔となるまちなか区域と駅西地区の都心軸沿線をさまざまな機能の集積を図る都心拠点と位置づける。次に、主要な交通結節点となる地域拠点としてオレンジ色で示す西金沢駅、東金沢駅、森本駅の周辺を位置づける。紫色で表記した特定機能拠点については、金沢美術工芸大学や県立図書館の移転用地となる金沢大学工学部跡地など、現在、大規模な整備が明らかとなっている地区を位置づけている。また、本市独自の指定となるが、地域コミュニティーの核として既存商店街等を生活拠点と位置づけて、ヤマブキ色で表示している。
 立地適正化計画の仕組みとしての任意の指定だが、駐車場の立地をコントロールすることを目的とした駐車場配置適正化区域がある。金沢市では、平成20年に駐車場適正配置条例を制定し、まちなかの駐車場届け出制度や附置義務の緩和などを進めてきた。この取り組みを受けて、本計画では図の青色で示す条例で規定したまちなか駐車場区域を駐車場配置適正化区域として位置づけているが、駐車場整備計画の見直しを行う予定であり、これまでの取り組みと特措法に基づく仕組みの整合性などを合わせて検討する予定である。以上が集約都市形成計画で提示する各種区域などの概要となる。
 最後に、今後の取り組みについてだが、長期的なスパンで取り組む必要のある本計画の推進には、多岐にわたる分野との連携が必要となる。当面の主な取り組みとして、今年度予定している住宅政策のマスタープランとなる住生活基本計画の見直しにあわせて、住宅取得支援制度等について住宅政策との整合を図ることを予定している。交通政策については、新しい交通システムの導入やバス路線網の再編に伴う検討を継続すると聞いているので、この中で交通結節点等が明らかになれば地域拠点として本計画に反映していくし、駐車場整備に関しても本計画等の整合を確保していく予定である。そのほか、今年度から2カ年をかけて第3次になる都市計画マスタープランの見直しに入るが、本計画の指針を反映させるとともに、市民と意見交換を行いながら、本計画で対象外としていた市街化調整区域や中山間地に対するまちづくりの指針も検討していく予定である。なお、本計画はさまざまな検討や委員会などの過程を経て策定されたところだが、さらに多くの市民に理解を深めてもらうことが不可欠であると考えていて、これから引き続き周知活動を展開していく予定である。
   〔執行部席移動〕

△[説明に対する質疑応答] 

◆広田美代委員 交通システムだが、第2次金沢交通戦略を平成28年3月に出し、新しい交通システム検討委員会の提言も盛り込んで今の説明になったと見ている。検討委員会ではLRTかBRTか地下鉄かモノレールかという議論をしていたと思うが、今回、ARTという言葉が大きく出てきている。技術革新を待ち、状況を見きわめる方向性に変わったのかと受けとめており、そうなると周辺の状況も含めて本計画も変わってくると思うが、どのように受けとめればよいか。

◎久保交通政策部長 資料13枚目からスライドに新しい交通システム導入に関する提言書の概要を記載しているが、昨年度末にとりまとめた金沢市新しい交通システム検討委員会からの提言書の内容を簡単に示しているものである。ARTに移行しているのではないかとの指摘だが、概要にした過程でスライドにARTについて記載をしたのであり、昨年度の提言書から考え方は変わっていない。

◎平嶋都市政策局長 補足するが、第2次金沢交通戦略を策定した後に新交通システム導入に向けた検討会で専門的にいろいろな議論をしてもらって、ことし2月に提言をもらったものである。戦略を策定した後、新交通システムに向けた専門的な議論を行ってもらって、提言をもらったのであり、その提言に基づいて今年度からさまざまな交通実験を含めて取り組んでいくと理解してほしい。

◆広田美代委員 言葉不足だったかもしれないが、平成28年3月に戦略ができて、その後、検討会を開いて提言をもらったとの認識は同じである。そこであえて聞いたのだが、提言の中ではなどと書いてあるので、ARTという言葉は例えだと思うが、具体的に提言をもらって何が変わったのかをわかりやすく説明してほしい。

◎松本交通政策課長 提言の中にはARTという言葉が例示として出ているわけだが、例えばBRTのシステム自体が自動化することも検討しているとのことで、技術革新のわかりやすい一事例としてARTという言葉も載せている。少なくとも新交通システムは、その機種が何であろうと人口減少社会、高齢化社会において幹線軸として導入する必要があり、ネットワークに寄与するシステムとして、交通ネットワーク全体の構築につながる意味でも必要との考え方に変わりはない。

◆広田美代委員 新しい交通システム検討委員会が5回行われて、私も傍聴に行った。周辺の状況等を含め、LRT、BRTという言葉も文書上に出てこなくなったことからすれば、もう少ししっかり考えたいと少し方向性が変わったのではないかと思うが、導入機種について、どう変わったのか教えてほしい。

◎平嶋都市政策局長 提言の内容については既に示したとおりで、まず地上走行を基本としたシステムを導入するのがふさわしい、適切であるという趣旨の提言をもらったが、そうした趣旨の提言は今回が初めてである。もう一方で、導入に向けての今後の環境整備として、公共交通の利用促進、導入空間の確保、自動車交通への影響、市民意識の醸成と主に4つの項目について、鋭意取り組んでいくのが新しい交通システム導入の前提になるので、しっかりやっていってほしいという提言も受けている。それを受けて、予算も認められたので、今年度からさまざまな交通実験も含めて取り組んでいきたいと考えている。

◆広田美代委員 地上走行が確定したことと、環境整備について提言に盛り込まれたのだと思うが、少し基本的なことを聞く。この計画は、平成34年度までの7年間の計画だが、7年後はこの計画に基づいてどういうイメージになっていると考えているのか。

◎久保交通政策部長 第2次金沢交通戦略の計画期間を7年間としているのは、本市の重点計画の終了年度と合わせたためである。現時点で、もし新しい交通システムについて答えるなら、新しい交通システムについては導入に向けて着手することを重点計画で定めているので、目標としてはそういう形になっているとしか言えない。

◆広田美代委員 7年後は具体的に機種を選定して導入に向けて着手するタイミングと理解した。
 次に、都市整備に関してだが、少子高齢化は成人病ではなく政治病だと思っていて、その点で金沢市はまちづくりをどう進めるのかが問われていると思う。そこで、区域設定について聞くが、これは人口比でどういう割合になるのか、数字があれば教えてほしい。

◎淵都市計画課長 居住誘導区域の面積比だが、市街化区域の約43%を居住誘導区域に設定する予定であり、その居住誘導区域に入っている人口は、今のところ22万8,000人余りで、人口比では約54%となる。

◆広田美代委員 居住誘導区域以外の区域は何%ずつになるのか。

◎淵都市計画課長 都市機能誘導区域は居住誘導区域にかぶっており、それ以外のところが一般居住区域にほぼ該当することになるので、人口でいうと約19万人が一般居住区域にいることになる。

◆広田美代委員 都市整備はいわばまちづくりの観点で計画していて、その中に交通戦略があると私は捉えているが、結節点が確認できれば、そこから都市整備計画を進めるような説明だったと思っている。2つの局の連携の仕方がよくわからないが、今後の年次的な計画をどのように考えているのか。

◎木谷都市整備局長 交通政策と土地利用政策については、正直に言って数十年前は縦割りの色合いが強く、それぞれ別にやっていたと思っている。しかし、それでは都市がうまく回らないので、第1次金沢交通戦略のときから、都市計画マスタープランの改定のときにおいても、交通計画とセットで進めていくようにし、両局できちんと連携して計画を策定してきたと思っている。ただ、それぞれの計画において、現在テーマになっていることは微妙な違いがあり、集約計画は十年単位、半世紀単位という非常に長期的な期間を常に視野に入れなければいけない計画である一方で、交通計画は、直近の問題も常にたくさん抱えている計画だと思っている。それぞれの設定の年次は違っているが、両方をつなぐ核となる、例えば公共交通重要路線という路線の位置づけや、それに基づく人の定住の確保について、基本的な部分はきちんと整合性をとって両局で連携して進めてきたと思っているし、この先もその指針は堅持していきたい。ただ、繰り返しになるが、計画自体はそれぞれの持っている性格上、見直しの単位はそれぞれで違うが、そのたびに計画自体の見直しをするかどうかも含めて、2つの計画は常に連携をとってやっていきたい。

◆森一敏委員 交通政策については、当然、市民の意識が最終的に決め手になっていくと思うので、いろいろな実験をしながらフィードバックして、市民の疑問に答えていくことを繰り返していく必要があるし、こうしたアプローチは非常に説得力がある。一方の集約都市形成計画は、この計画がバックボーンにあり、住宅政策や交通政策、商業展開などいろいろなことに絡んで、それぞれ個別の施策があって、その中で具体的に動いていくのだろうと思うが、実際にこの計画に基づいて動いていく施策が何になるのか見えにくいと思う。そうした中で、集約都市形成計画の最後に、今後さまざまな施策を進めていくとして、「更なる周知の継続」を挙げているが、その意味するところについて聞く。

◎木谷都市整備局長 今年度の取り組みとしては、都市計画マスタープランというまちづくりの一番ベースになる計画の見直しに着手している。今回の見直しにあわせて、当然集約都市形成計画の考え方が非常に大切になるので、都市計画マスタープランの改定に際して地元を回って、まずはいろいろな意見を聞きたいと思っている。こうした調査段階において、集約都市形成の大きな考え方--要するに金沢市が数十年先にも、きちんとしたまちとしていくためにこの計画が必要だとの考え方もあわせて住民に説明して、時間をかけてでも集約都市形成計画の考え方を理解してもらいたいと思っている。

◆森一敏委員 具体的に市民生活に直接絡んでくる部分があると思うが、具体的にどういうものを想定しているのか。

◎木谷都市整備局長 現段階の集約都市形成計画において、具体的に政策としてかかわってくるものとして正式に位置づけたものはない。委員指摘のとおり、たくさんのジャンルがかかわってくる中で、庁内でもプロジェクトをつくって、各ジャンルにおいて、今後展開していかなければいけない方向性については、この計画で位置づけているが、これから先、本当に小さいものから大きいものまでを含めていろんな具体的な政策を積み上げていかなければいけないと思っている。この中には、もちろん公共交通全体のネットワークをきちんとつくり上げて、金沢市全体の公共交通の水準を上げていく取り組みも入ってくるし、そのほかで言うと平成10年度ぐらいからいろいろ進めてきた定住促進政策もその一つだが、やはりこの計画と整合性がとれる形での住宅政策として、今年度、検討を進めていき、個別の計画の中で改めて具体的な政策として市民に提示していきたい。したがって、今の段階で集約都市形成計画の周知を継続していく意味は、委員指摘のようにわかりやすく直結する政策の話ではなく、まずは金沢市がこの先進めていく大きな方針を理解してもらうことであり、その上に個別の政策が乗っかってくる形で進めていきたい。

◆森一敏委員 交通政策について幾つか聞く。
 ①地域住民によるコミュニティバスのあり方についてさまざまな意見が出ているが、この2つの事例は郊外部の最境界沿いと言ってもよい地域で運用しているもので、郊外地域の公共交通の不便さを改善していく手法として導入してきたと理解している。それが現在2地区にあることについて、どう評価していて、その評価に至った見解を聞く。
 ②公共交通のネットワークは政策の重要な視点である。二度現地へ行って聞いてきた中では、新潟市のBRTは相当苦戦しており、いろんな手直しをしている。その中の一番が乗り継ぎ抵抗であり、その辺は金沢市として学んでいくべき点があると思うが、どのように受けとめているか。

◎松本交通政策課長 ①郊外地区の住民主体で運行しているコミュニティバスの運営は、2地区からふえてはいないが、そのほかの地区からも相談としての話は聞いている。今年度は、補助算定額の内訳という細かな点だが、支援内容について一部変更しており、そういったところで2地区に関しては、運行実態に合わせた形で支援できるような手直しもしている。また、制度そのものの周知もまだまだ足りないと思っていて、今後、2地区以外にも相談等があれば積極的に地区に入って説明等もしていきたい。交通ネットワークにおける説明の中でも、郊外部における移動手段の確保や交通ネットワークを形成していく上で、この制度も重要な役割を担うと思っているので、2地区以外にもこの制度を広めていきたい。
 ②新潟市のBRTに関し、乗り継ぎ抵抗について若干課題があったとの指摘だが、交通システム導入の際に、バスの再編とあわせて乗り継ぎ拠点の整備をしながら乗り継ぎの抵抗感をいかに低減していくのかは、非常に重要な課題だと思っている。新潟市の場合は、一つ一つ課題を見つけながら段階的にバスダイヤの改善等も行っていると聞いているが、こうした事例も十分参考にしたい。通常考えられている乗り継ぎ抵抗は、場所の問題や施設の問題、料金システムだが、ICカードも重要になってくると思っている。そうした課題について、新潟市やその他の自治体の事例も研究しながら、導入の際は乗り継ぎ抵抗をできる限り低減する方法を検討したい。

◆喜多浩一委員 新聞、テレビ等でも第2次金沢交通戦略や新しい交通システムが取り上げられて市民に周知されており、いろいろな人から質問を受ける。そうした中で、この新しい交通システム導入における成功の可否は1点だけだと常々思っている。我々も含めて市民に対し、金沢港から野町駅の幹線軸に新しい交通システムがなぜ必要なのかという理由をもっと明確にわかりやすく説明することが、新しい交通システム導入に対し、一番重要なことだと思う。これがわからないと、単に金沢は道が狭いから新しい交通システムを導入するのはだめだ、そんなのは無理だ、LRTやBRTは当然無理だとの表面的な見た目だけの論議になってしまうと思う。今後、もっと金沢市から発信して、理由をどんどん説明していくべきだと思うが、この一番重要な柱をどう説明していくのか、理由も含めて局長に聞く。

◎平嶋都市政策局長 新しい交通システム検討委員会の提言や、検討委員会の委員から、人口減少時代になってきて、まちなかの中心市街地を含めた都心軸のさらなる振興、活性化はこれまで以上に大きな課題になってくる。そのときに、そこの住民がまちなかに出かけたい、何らかの共有した時間を過ごしたいと思ってもらえるようなまちづくりをしていくことは、これからの大きな課題になるとも言われている。その一つとして大きなポイントになるのは、新しい交通システムは単に利便性という話も当然あるが、まちへ出てきて新しい交通システムを利用し、まちなかで一定の時間を過ごしたいというまちを目指していくことが何よりも必要なのではないかという指摘もたくさんもらっていて、委員指摘のように新しい交通システムを一つの軸としてまちをつくっていくことが、これから大事な視点ではないかと思っている。先ほどから説明している第2次交通戦略や集約都市形成計画をあわせながら、総合的にまちをつくっていくために鋭意努力していきたい。

◆広田美代委員 新交通システムの機種の選定及び着手は7年後というのはわかったが、まちなかの市民も含めて郊外部の市民からは、ふらっとバスをふやしてほしい、ルートをふやしてほしいという声を一番よく聞くので、その周りのフィーダーバスなどを含めた議論は7年を待たずに先んじてやることも考えられるが、いかがか。

◎松本交通政策課長 郊外部の地域主体のコミュニティバスもネットワークを形成する上では一翼を担うと考えており、そういった郊外の部分については今も進めていこうと考えているところである。

◆広田美代委員 地域主体のコミュニティバスももちろんそうだが、基本方針1はふらっとバスの充実としている。市民の声を聞いていると、ふらっとバスの充実についても進めるべきだと思うし、ルートをふやしてほしいという声が本当に多ければ、前向きに取り組む可能性はあるのか。ないとしても、ぜひ検討してほしいが、いかがか。

◎久保交通政策部長 ふらっとバスについては、当初から中心市街地の活性化に資するものとして、導入ルート等についても1周の運行時間などを踏まえて設定しているところである。ふらっとバスの充実に関しては、小さいところかもしれないが、ふらっとバスに乗った際の案内に地元の子どもの声を使うなどの環境を整えてきているところである。そうしたさまざまな施策などを通じて、ふらっとバスの充実を図っていきたい。

◆広田美代委員 方針1にふらっとバスの名前が出てきているし、先ほどからLRTやBRTと言っているが、新交通のことがニュースで話題になるたびに寄せられるのは、本当にそれが必要なのかとの声、ふらっとバスこそふやしてほしいとの声、既存のバス路線の運賃を下げてほしいとの声である。新しい交通システム検討委員会では、そういうところが余り議論されずに導入機種の話ばかりで、提言がそちらに偏っていたと思うので、提言は出たが市民の声を聞くことが一番だから、そこら辺を再度聞いて進めるよう求めておきたい。

◆熊野盛夫委員 集約都市形成計画の説明の中で診断その1、総人口の推計として金沢市の人口ビジョンを説明していたが、丁寧な資料で人口プラス労働人口の減少も挙げられていた。金沢市では、この新しい交通システムについては長年いろいろ議論され、いろいろ交通実験等をしてきている。人口が減っていく今だからこそ公共交通が必要だという考え方もある中で、何よりも金沢市が持続可能な都市として存続していくための財政的な基盤についても、しっかりと見きわめていってほしいと思うが、その辺の現在の裏づけ、新交通に向けての財源はどうなっているのか。

◎平嶋都市政策局長 新交通システムそのものは、総合的な交通整備なので相当の費用がかかることはまず間違いない。先行事例もあるし、金沢を含めて全国で幾つかの自治体が検討している中で、従来から市としては国に対して、交通基盤整備における新交通システム導入に当たってのさまざまな支援の拡大、拡充について継続して要望しているし、それにあわせて長期的な視野で市に過度な負担がかからないシステムについても検討していく必要があると考えている。また、ARTという話も出ているように、技術が日々進歩している中で、数年先の状況によっては相当程度の経費の節減も想定できる中において、両にらみで比較検討していく必要性は十分あると考えている。

◆熊野盛夫委員 新交通システムのニュースが出るにつれて、市民から金沢市の財政状況で大丈夫なのかといった疑問の声も非常にたくさん出ているので、こうしたことも明らかにしながら進めていくことが大事であり、要望しておく。

◆宮崎雅人委員 幹線軸をどうしていくのか、ふらっとバスも課題との各委員の質問や執行部の答弁を聞いていたが、一番心配しているのは、海側幹線や山側幹線という新しい道路ができて、何年か後には確実に全部でき上がる。そうなると、道路沿いに住居が変わったり、大型の商店が移動したりするが、それが一番問題で、人の流れが郊外部からまちなかへ出て、また郊外部へ戻るような形になる。先ほどから都市計画マスタープランの見直しなども説明していたが、どれを先に考えていくのか全くわからない。私もいろいろなところを視察に行ったし、国交省の職員も何回か来ているが、何を言っても前向きな方向性がなく、単に審議会で出たことだけをどうするこうするという議論にしか思えない。その辺をもっとしっかりと確実に取り組んでいかなければ、よい形にならないと思う。北陸新幹線ができたが、金沢駅から海側まで直接入っていくルートは相変わらずないことなどを考えると、何が一番先で、どう取り組んでいくのか非常に疑問なので、その辺について聞く。

◎松本交通政策課長 山側環状道路の整備が進んでいたときの環状道路内での移動や、金沢港から金沢駅への交通手段についても、これまで実験等を行ったことはある。新幹線開業後の人の流れの違いもあると思うが、北陸鉄道が4月に金石から駅西まで直接結ぶ路線について一部運行を開始していて、平日に1日10便程度走らせている。利用動向等を事業者でも見ていると思うが、公共交通を充実させる意味でも、今後そうした移動手段が必要なところについてのニーズ等を注視していきたい。
(2)次回の委員会開催日時

○野本正人委員長 次回の委員会だが、参考人として有識者の意見を聞いてはどうかと検討しており、正副委員長としては金沢大学教授の高山純一氏にお願いしたいと考えている。高山氏は、第2次金沢交通戦略策定検討委員長、新しい交通システム検討委員長を務めており、コミュニティバスなどの2次、3次交通にも精通していることから、金沢市の現状を踏まえた調査項目に関する話を聞くことができると考えているが、いかがか。また、そのほか話を聞きたいという候補者がいれば聞く。

◆広田美代委員 高山教授は、検討委員会の委員長もしていたし、全体像を把握していると思うが、傍聴していた中では、県や北陸鉄道からは苦言が出ていて、提言どおりの話はなかった。そこら辺を懸念している人も呼んで話を聞いてはどうか。

◆喜多浩一委員 新たに提言もあると思うが、ほとんどの委員は高山先生の話を一度は聞いていると思う。先日、富山大学副学長の中川先生から聞いた話がよかったので、もう一度聞くことになる委員もいるが、全委員に聞いてもらったらよいのではないかと思う。また、関西大学に宇都宮先生という金沢にゆかりのある人もいると聞いており、こうした人にも話を聞いてはどうか。

◆森一敏委員 極めて現実的な課題をどうクリアしていけるのかという観点も必要な時期に来ていて、喜多委員が質問したように、新交通システムがどうしてこれから必要なのかを説明するのは本当に難しい課題で、日常において考えたこともない価値みたいなものに触れないと視野が広がっていかないと思っている。そういう意味で、宇都宮先生は、確か著作において、これからの時代の公共交通の便益がどういう広がりを持っているのかについて言及しており、私たちも一度改めて勉強していく必要があると思う。高山先生も同じような話はすると思うが、一度、宇都宮先生の話を聞いてみたいと思う。

○野本正人委員長 それでは、高山先生については、呼ぶことに反対の意見はないので、日程の調整をしたいと思う。先ほど、委員から出た数名の人については、正副委員長に一任してもらって、調整して呼ぶことができれば、話を聞くということでよいか。
   〔「はい」と呼ぶ者あり〕
 それでは、委員の日程を仮に聞いておき、候補者と日程等を調整し、決まり次第改めて、日程等を知らせる。
                                 以上

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