とうとう、安倍政権が強行している戦争立法が、国会で審議入りしました。
代表質問からはじまり、27日、28日と質問が続いています。
野党の質問、特に共産党の志位議員の質問から、この戦争立法がなにをもたらそうとし
ているのかが具体的に見えてきました。
志位議員の質問はこちらから→youtube 志位議員国会質疑
端的に言えば、第一に「自衛隊のみなさん、つまり日本の若者が海外で武力をもって
人の命を奪うか、自分が殺されるかということに直面するということ」です。
それは例えば、これまで「非戦闘地域で」とされてきた軍事支援の範囲が、「戦闘地
域で」に変わることからもあきらか。安倍首相の答弁では、「戦闘が起こっていない安
全なところ」とか、「起きたらすぐに引き返す」としていますが、それはつまり、「今
は起きていなくても起こる可能性がある」ということを示しているし、いざ戦闘が始ま
れば「引き返す間もなく武力での対応がはじまる」ことは素人でも想像がつきます。
そして、自衛隊がいくら後方支援だと主張しても、軍事の世界では「攻撃の標的」で
あることは国際的な判例からも常識です。
安倍首相は答弁の中で、何度も「自衛隊の安全を確保する」と言っていますが、軍事
支援など行かないことが最も安全であることはあきらかですし、そもそも憲法9条が、
「武力行使」を禁じているんですから、こういうことを想定できるこの法案は違憲だと
いうことになります。
そして、第二に「アメリカなどが起こす無法な戦争に参加する」ということ。
大量破壊兵器など見つからなかったイラク戦争についても、アメリカに対してなんの抗
議もしてこなかった日本。ポツダム宣言をちゃんと読んでないとし過去の日本の戦争の
過ちを見つめない安倍政権。このもとで集団的自衛権行使だと言って、政府の判断で他
国の戦争に参加すればどうなるか、それは歴史の過ちを繰り返すことに他なりません。
戦争で死ぬのは、なぜ戦争が起きているのかもわからない、普通にくらす貧しい一般市
民です。海外でその人たちを日本人が殺してしまったら、それは戦後70年封印してい
た憎しみの連鎖を復活させることになります。
だからこそ、憲法9条で世界の歯止めとなってきたのではないでしょうか。ていう
か、憲法9条がある限り集団的自衛権行使もしてはならないのでやっぱり違憲法案なの
ですよね。
今回志位議員は、アメリカで戦死よりも帰国後のPTSDから自殺に追い込まれる兵士が
多いこと、また日本でもアフガニスタン、イラク両戦争への派兵を経験した自衛隊員が
これまでに54名自殺に至っていることも紹介。戦地という異常な環境に身を置くこと
は、それだけで人間の精神を破壊することをまざまざと突き付けられる数字です。
石川県出身の鶴彬という川柳作家が日中戦争の時期に詠んだ歌があります。
「手と足をもいだ丸太にしてかえし」
どんなにきれいごとを並べてもこれが戦争の現実だということが凝縮されています。
鶴さんは、治安維持法の中、この歌を世に出した直後逮捕され獄死しました。
大義のない戦争はないし、戦争は憎しみしかうまない。
国同士で軍備を競ってもいたちごっこであることもあきらか。
経済的にもちつもたれつのアジア各国となぜ戦争する必要があるのか。
そして、
戦争でもうけるのは誰なのか、死ぬのは誰なのかもあきらか。
ここ最近で見ても、消費税増税や社会保障費削減の一方で軍事費増大。
この戦争立法の時期に、医療保険制度の改悪は通りましたし、マイナンバー制度も通り
ました。このままいけば、消費税も10%です。金沢市もごみ有料化します。
すでに「ほしがりません、勝つまでは」状態になっているのではないかということこそ
見抜かなくてはならないと考えるものです。
そして、さいごに。
人の生死に関わる、またとてつもない国の岐路にさしかかるこの国会審議中で
も、いつものくらしを送り続けるという、なんとも言えない違和感を感じています。
でも、やっぱり日々の生活をつくる行政・地方議会で議論を積み重ねることが、この国
をどうしたいのかということにつながると考え、精一杯ここでがんばりたいと思いま
す。