ブログみよみよ日記

保健師ふやそう!保健所の機能強化を!

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突然ですが、金沢市の人口や世帯数をご存知ですか?

現在、2020年8月1日時点で、
金沢市の人口・・・・46万2868人
金沢市の世帯数・・・20万7280世帯 です。

そして、今問題となっている新型コロナウイルスの金沢市内での感染者数は、8月17日時点で184名となっています。

疑いのある方がお電話する、帰国者接触者相談センターには多い4月のピークは、平均して250件/日、最大324件/日(金沢市保健所分)のご相談がありました。

この人口規模と感染者対応、相談対応にあたっているのが、金沢市では金沢市保健所であり、中でも保健師がその中心業務を担うことになります。

保健所の業務は次の通りです。

〇有症状者への対応(「帰国者・接触者相談センター」への電話を受けて)
 PCR検査の可否の確認(OKなら)→「帰国者・接触者外来(病院)への受診調整
〇PCR検査の実施と検体搬送(4月22日より、金沢市保健所試験検査課でも検査開始)
 医療機関・ホテルから収集→県保健環境センター、金沢市保健所、感染研、他
〇感染者(陽性者)等への対応
・行動歴、接触者等の調査(疫学調査)→入院勧告→入院調整(医療機関)
・感染者に係る施設等の消毒命令、濃厚接触者には2週間の健康観察(毎日電話)
〇感染者の搬送/移送(自宅→病院、病院→病院、病院→ホテル)
 職員が運転、医師/保健師が同乗 重症者は消防局の協力の下、救急車で搬送
〇ご遺体の対応
 死亡の連絡を受け、市内の医療機関へ納体袋を届ける
〇クラスターが起きればその対応

かなりの業務量ですが、人員体制はどうなっているのでしょうか。

金沢市保健所には、3つの課があります。
その中の「地域保健課」の「感染症対応係」が文字通り、こうした感染症の対応をする部署です。
この係の職員は、全部で8名であり、その内訳は保健師7名、看護師1名というものです。
実は保健所全体を見ても、保健師はこの地域保健課の7名(+管理職1名)しか配置されていません。

つまり、
46万人の人口規模と180を超える感染者、その何十倍の相談に応じる役割は、保健師で言えば7名しかいなかったということになります。

もちろんこの体制で対応できるはずはありませんので、応援体制がとられました。
4月ピーク時では、保健師については会計年度任用職員を7名増員
泉野、元町、駅西福祉健康センターと本庁から合わせて18名の保健師が応援
市役所から事務14名、搬送には消防OB(3名)が応援に入りました。

それでも、4月の残業は大変なことになりました。
「過労死ライン」とされる100時間を超える保健師や医師が10名。
最長では257時間の女性保健師でした。

なぜ、46万人もの人口規模に保健所がひとつ、保健師が7名だったのか。
その要因は、政治的背景にあります。

公衆衛生・医療を削減

1980年代以降、日本に輸入された新自由主義の路線が、社会のあらゆる分野から『ゆとり』を奪い、脆弱にしてしまいました。

医療では4~5月、首都圏など各地で「医療崩壊の瀬戸際」との訴えが相次いだ背景に、欧州に比べてICU(集中治療室)も、医師数も極めて少ない実態があることが明らかになりました。1980年代の『臨調行革』を起点として、長年にわたって医療費削減を強引に進めてきた結果です。

公衆衛生では、「業務効率化」や「地方分権改革」により全国の保健所数は1990年の850カ所から、2019年の472カ所へと激減しました。
法的には、1994年に「保健所法」が全面改悪され「地域保健法」となり、従来は人口10万人に1か所とされていた保健所が二次医療圏と一致するようにされてしまいました。

その中で、石川県はどうなったかというと、1996年当時11あった保健所が現在では5つとなっています。
石川県は、小松、七尾、山代、松任、津幡、羽咋、輪島、輪島(宇出津支所)、珠洲保健所の8か所が、以下の4つに統廃合されています。
金沢市は、中核市なので市の設置で、泉野保健所と元町保健所と駅西保健所の3つが統廃合されて、駅西に1か所。他都市は、県が設置主体となり以下のように統廃合されました。

〇金沢市が設置
・金沢市保健所(金沢市)


〇石川県が設置
・南加賀保健所(小松市、加賀市、能美市、能美郡)
・石川中央保健所(かほく市、白山市、野々市市、津幡町、内灘町)
・能登中部保健所(七尾市、羽咋市、志賀町、宝達志水町、中能登町)
・能登北部保健所(輪島市、珠洲市、穴水町、能登町)

金沢市も減りましたが、加賀や能登も広域な保健所となってしまったのです。

しかも職員も減らされ、保健師は各保健所に十数名配置されていましたが、数名となりました(金沢市)。

もともと保健所にいた保健師は、保健所から名前と業務内容が移り替わりできた「福祉健康(当時は福祉保健)センター」に多くが配置されました。

これで、住民が生まれてから死ぬまで、公衆衛生や健康の面で第1線で関わってきた保健所のあり方が大きく変わり、かつ感染症対応については最低限という体制になってしまったわけです。

もちろん、戦後の結核などの大流行は収まっているとは言えますが、それでも金沢市のひとつの保健所で多くの対応をしていたといいます。

1997年 金沢市結核登録数 131 金沢市衛生年報より

警察や消防もそうですが、なにかあったときに余裕をもって人々の命を守る役割があるのに保健所だけは減らされてしまったのです。


金沢の保健所がひとつに統廃合されるときに、わが金沢市議員団ではこのように当時の市長を問いただしています。

1996年 9月議会 森尾議員
「政府は全国の保健所の3分の1を削減する計画で、その実行が進められようとしています。この根拠となったのは地域保健法、これは羽田連立内閣当時の1994年6月にわが党以外の各党の賛成で成立したものです。しかし、保健所の削減計画の実行については、政令市、中核市でも慎重な対応となっています。それには理由があり、保健所と保健センターでは大きく制度と内容が異なるからです。第一に、保健所では所長は医師とするなど専門職の配置を義務付けていますが、保健センターにはその定めはありません。第二に、検診など対人保健サービスは保健所でも保健センターでも実施されますが、検便など対物サービスは保健所だけとなります。第三に、国は保健所に対する財政負担は通常3分の1としていますが、保健センターには予算の範囲で措置するとしています。(実際2018年度は国から1.9%のみ)
市長、市民の健康と命を守るうえで大切な保健所の削減を、国の言う通り、いや率先して進めるのですか。」
                (中略)
「本市行政改革大綱の中で、3保健所を1保健所および3地域保健センター(現福祉健康センター)に再編するとしている。人も予算も削ってなにが機能強化になるのですか?全国保健所所長会の佐藤章氏はこう述べている。「仮にこの全国に張り巡らされた保健所網がなく、医師である保健所所長が先頭に立っての臨機応変な諸活動がなかったなら、日本列島は新しいこの感染症(当時O157が発生していた)にじゅうりんされ、もっとひどい混乱がもたらされていただろう

答弁 山出市長
「1つの保健所、3つの保健センターへの移行、これは現在の保健所機能と福祉の連携強化を図るためのものでございます。法律の施行に基づくものでございます。より1層市民サービス向上につながると、このように考えております。」
「医師の体制について、1保健所、3福祉保健センターと体制が変わりましても、7人態勢は変わりません。人員を削る、そんなことは決してありませんことをはっきりと申しあげておきたいと思います。(現在、医師は4名で、泉野・元町福祉健康センターの所長は医師でなくなっている)

国も市も一緒になって、市民や議会への約束も反故にして進められてきた結果なのだということがよくわかります。

まとめ

というわけで、現状からしても、歴史的経緯からしても保健所の機能を再度強化し、保健師や専門職も増やしていく必要があるのではないでしょうか。

実は、8月1日から、保健所配置の保健師が2人定数で増員されています(それまでにも、会計年度任用職員で7人増員)。これはみなさんと声をあげてきた成果です。
しかし、実は金沢市の保健師数は中核市で比較しても人口比でワースト1。他都市から比べても少ないところからの出発なのでもっと増やす必要があります。

念のため付け加えると、応援に来ている福祉センターの保健師も4月から中止になっていた業務が今始まっていますし、それに加えてこの時期やる業務、そしてコロナの応援と大忙しです。

そもそも保健師は、公衆衛生だけでなく、人々が生まれてから亡くなるまで、命と健康、生活をあらゆる角度から総合的に対応できる存在です。
市全体として増やして、さまざまな部署でも活躍してほしいところです。

昔の保健師さんのイメージ、自転車に乗って地域や住民宅をまわる、そんな市民に身近な存在として地域に出かけられるように、増員をもとめます。
同時に、保健所が公衆衛生の司令塔となりうる、機能や体制の拡充を求めます。

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