市民のライフラインを民間の利益追求の題材にされれば、当然市民のためになるはずがないこと、この間いろいろな学者さんや専門の方のお話をお聴きし、議会での議論を通して改めて実感しました。
利益がどう生み出され、どこに行くか
公営から民営化しても、物的経費は変わらないので、利益をあげるには人的経費を減らすことになり、非正規や派遣の方が増え地元に納める税収や消費購買力が減ります。利益は本社である大都市に吸い上げられる可能性が大きい。長期的な行財政、地域経済にとってもいいことがないのです。
議会と市民の監視は及ばない
さらに、この地域ではガス事業の競争がほぼない中で資本力のある民間に委ねれば、新たな独占になりはしないでしょうか。今の金沢市企業局もある意味独占ですが、議会の議決が必須であり市民の監視が及んでいます。民営化すればその要がなくなるのです。
事故・災害時の保障はない
極めつけは、事故などの時、民営化していても行政が負担した事例も多数ある他、災害時は未知数です。しかも、民営化なのに金沢市が出資するとはどういうことを意味するのでしょうか。
公平公正に運営されるのか
金沢市は、民間なら多様なサービスや料金形態が選べると言いますが、スマホの料金プランを見ても分かるように複雑すぎて本当にお得か甚だ疑問ですし、どうしたって企業の利益が確保できるよう仕組まれていることでしょう。本来は公平に公正に安全に運営されていれば十分ですし、日本にはなかなかない福祉的な要素もほしいところです。
まちづくりの基盤を手放すのか
金沢市は、ガス、水力発電事業のほか、上下水道、工業用水と5つの事業をまとめて運営している稀な存在です。これはまちづくりやエネルギー計画の基盤にほかならず、大変重要です。手放すことは水道事業を再公営化している世界の傾向にも逆行します。
市民の、市民による、市民のための公営ガス・発電を守りましょう!