ブログみよみよ日記

2020年12月議会質問 広田みよ

画像をクリックすると、動画でみれます。


わたしは、日本共産党市議員団の一員として、以下質問いたします。

まずは、雇用とくらしを守る取り組みについてです。

「労働力調査」によれば、今年4月から9月の雇用者数は、コロナの影響が出る前の3月に比べて100万人以上も減っています。

リーマンショックの後にも雇用が減少しましたが、その減少幅は最高でも94万人。しかも、そこまでいくのに1年近くはかかりましたが、今回の減少は、大幅かつ急激です。

また、休業手当をもらっていれば、休業者として雇用者数にカウントされますが、推計値では200万人とも400万人とも言われます。この方々が今後失業者になれば深刻な事態です。

一方、石川県の労働力調査では、1月から3月平均とくらべ7月から9月平均は雇用者数は16,700人減少となり、休業者は、4月から6月平均では37,900名にものぼり、宿泊・飲食サービス業で特に多い状況です。

本市だけの数字はわかりませんが、コロナ特例で失業や収入減で利用できる緊急小口融資や総合支援資金、住居確保給付金などのセーフティーネットの利用が、本市では11月末でのべ6,314件にのぼっていることから、雇用と市民生活の深刻な実態はあきらかです。

深刻な市民の雇用とくらしを守る取り組みが必要です。

市民の声が通り、支援制度については、雇用調整助成金のコロナ特例や休業支援金について、年末までの期限を2月末まで延長することが決まりましたし、休業支援金は企業が休業と認めない場合でも支給すると確認もされています。

緊急小口資金と総合支援資金のコロナ特例も、年末から3月末まで延長し、住居確保給付金についても、最大9カ月から12カ月まで延長すると政府が方針を出しました。

まずはこうした重要な制度の延長や内容について、労使どちらにも徹底して周知したうえで、市長から「解雇・雇い止めではなく最善の策をとるよう」、メッセージを出してほしいと思いますがいかがですか。

-山野市長

 28番広田議員にお答えをいたします。

 まず、コロナ禍で雇用と暮らしを守る取り組みのことについて、様々な施策を打っているけれども市長としてのメッセージを出していくことが大切ではないかということです。国もそうですし、本市におきましても、事業活動の縮小を余儀なくされた中小企業に対し、国の雇用調整助成金に上乗せする助成金、離職した方を正社員として雇用した中小企業への奨励金制度などを創設し、雇用維持を支援しています。これらの支援制度につきましては、数度に渡る補正予算を編成し、コロナ禍における雇用対策等についてこの議会で議論をするということがひとつ市民に対するメッセージだというふうにも思っております。また私は記者会見を何度もさせていただいているところであります。その記者会見を通しても、報道のみなさんを通して多くの市民のみなさんにお伝えをさせていただいています。また市のホームページ、また私個人のホームページでも、私なりにわかりやすくしながらメッセージを発信してきているところでもあります。引き続き、様々な機会をとらまえまして、メッセージを発信していきたいというふうに思っています。

広田

また、年内で支援が途切れないようにするため、そして年末の倒産や失業に対応するため、年末年始は労働、生活、事業者向けの臨時の相談体制をとるべきですがいかがですか。

-高柳福祉局長

 コロナの影響につきまして、生活に困窮されている方に向けた年末年始の相談窓口についてお答えをいたします。年末年始における市民生活の経済的不安を解消するために、本年12月29日と30日の2日間、市役所の生活支援課におきまして年末生活相談窓口を開設いたしまして、生活保護や住居確保給付金などの各種支援の相談・申請受付などを行うこととしております。合わせまして金沢市社会福祉協議会におきましても、同じ日に緊急小口資金などの貸し付けの相談窓口を開設することとしておりまして、連携して相談支援にあたっていきたいと思っております。

-山田経済局長

 労働者や事業者に向けての臨時の相談窓口体制についての質問にお答えをいたします。セーフティーネット等の保証認定や制度融資に関する相談、国・県・市の各種給付金・助成金等に関する申請受付のほか、中小企業者の経営評価や起業支援に関する相談に対応しております中小企業・小規模事業者総合応援窓口につきましては、年末の金融機関の営業日と合わせまして、12月29日と30日の2日間開設をいたします。合わせて労働者や事業者からの雇用等に関する相談にも職員を配置し対応するということとしております。

広田

そして、生活保護制度について、厚労省があらたにリーフレットに明記した「生活保護の申請は国民の権利であり、ためらわずにご相談を」ということを市民に広く知らせてほしいと思いますがいかがですか。

―山野市長

「生活保護の申請は国民の権利である」という文、そのことを市民のみなさんに広く知らしめることが必要ではないかということでした。生活保護は憲法25条に規定する理念に基づき、「国が生活に困窮するすべての国民に対し必要な保護を行い、健康で文化的な生活を営むための権利を保障するもの」と認識しています。市としても、生活に困窮される方が生活保護の利用・相談をためらわずしていただけるために、ホームページ等様々な機会を通して周知をしていきたいと考えています。

広田

次に女性への影響についてです。

このコロナ禍の雇用問題は、非正規の割合が高く、宿泊や飲食サービス業に多く従事する女性に、大きな影響を与えています。

女性の雇用者数の減少は男性の2倍以上と大きくなり、石川でも、1月から3月平均にくらべ7月から9月平均は、雇用者数の減少が男性が2100人に対し、女性は14600人と7倍以上の減少であり、非正規も正規雇用も減っています。休業者についても女性が多くなっています。

わたしの実感でも、4月頃から女性の失業や生活についてのご相談が相次ぎました。

こうした雇用の問題を含め、コロナ下の女性への影響が深刻な問題を生み出しています。

女性の自殺の増加です。ことし7月以降、全国で自殺が増えており、特に女性が大幅に増加。10 月は全体で2158人のうち女性が851 人と、前年同月と比べ、男性も2割の増加率ですが、女性の増加率は 8 割にも上ります。

こうした状況を受け、先月19日、内閣府の「コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会」は緊急提言を出したところです。

結びには、今後、政府にあっては、自治体や民間企業等の協力を得ながら取組を進めていくことを期待するとし、これを受けて、内閣府特命担当大臣からも、この提言を参考に、大変な思いをされている女性を誰一人取り残さないよう御対応をと発言がありました。

統計上では、本市では顕著に女性の自殺が増加しているとは言えないようですが、お一人たりとも思いつめることのないよう、取り組むことが必要です。

以下提言の中身から伺います。

〇 ひとり親家庭への支援強化が求められています。

ひとり親世帯は非正規雇用が多く、コロナ禍で大きな影響を受けています。政府は先週、ひとり親家庭に年内に再度の支給を行うと表明しました。前回同様、児童扶養手当を受けていなくても、収入が大きく減った家庭も対象としています。年内にしっかり行き渡るように求めますし、各家庭の状況や悩みを抱えていないかお声かけするよう求めますがいかがですか。

―山野市長

女性への影響、特にひとり親家庭への臨時給付金のことについてお尋ねがございました。ひとり親世帯臨時特別給付金の再支給分につきましては、国の決定に従い速やかな対応を行いたいと考えています。また児童家庭相談室では日ごろからひとり親世帯の問い合わせなどに対応していますほか、子供ソーシャルワーカーの学校や保育施設などの訪問を通じて相談に応じており、引き続きしっかりと丁寧に対応をしてまいります。

広田

〇 DVや性暴力の増加・深刻化、予期せぬ妊娠の増加が懸念され、対策を早急に強化するとともに、感染拡大期においても可能な限り必要な機能を果たすこと、とあります。

本市では人権女性関連、福祉健康センターなどでご相談を受けているかと思いますが、感染拡大期にあっては保健所や事務手続きへの応援体制などもありますが、相談体制をしっかり確保するよう求めますが、いかがですか。

―山野市長

DV・性暴力・望まない妊娠等に対する相談体制のことについてですけれども、このコロナ禍におきましても通常業務に支障がないよう、体制を整えているところでありまして、DV・性暴力・望まない妊娠等に関する相談につきましてもしっかりとした相談体制を確保しているところであります。

広田

〇 休校・休園の判断において、女性・子供への影響に最大限配慮すること、とあります。

休校、休園、リモートワークの拡大により、自身や夫、子どもの在宅生活の広がりにより、食事の用意をはじめ家事の負担が急増したり、気の休まる時間や居場所がなくなったりして、女性が精神的に追い込まれています。わたしも、保育園自粛の際の状況について、在宅ワークだったお母さんから、「日中は食事の支度や子どものお世話とそれどころではなく、夜になって仕事をしていた、忙しすぎて当時のことが思い出せないくらいだ」と聞きました。

本市としてはどのような配慮をお考えでしょうか。

―山野市長

保育所・認定こども園・幼稚園等の休園において、女性・子供への影響に最大限配慮すべきであるということでありました。保育所等に通園する児童や職員が陽性となった場合、当初2週間程度の休園を要請していました。最新の知見等を踏まえ、現在では施設の消毒・濃厚接触者の調査に要する期間として1日ないし3日程度の休園要請に変更をしたところであります。再度の登園自粛、休園という可能性もなきにしもあらずでありますので、家庭と保育所等をつなぐ新たな仕組みとして、ICTを活用したオンライン保育の実証実験を行っているところであります。保護者や児童への影響が少しでも軽減されるよう、保育関係者と協議をしながら取り組みを進めているところであります。

広田

これらの問題は、これまでの構造的問題がコロナによって表面化したものです。女性に重圧がかかる日本社会の現状を変えるために行政、政治が積極的な役割を果たすことが必要です。

つぎにケアに手厚い社会にするために、保育園と学童保育について伺います。

保育園では、このコロナ禍で、エッセンシャルワーカーの保護者を支える側として保育士自身の子どもも休園や休校措置にもなりながらも、園を運営してきました。また、若い保護者が失業し就労に向けて取り組む様子や家庭のことにも寄り添う役割も果たしています。

しかし、72年前から変わっていない面積基準や配置基準の中で、通常でもぎりぎりのところ、コロナ禍で、子どもたち同士の距離を保ち、消毒や清掃を常に行うというのは、大変なものです。
当面続くコロナ禍のもとで、子どもたちにとって保護者にとって安全安心な保育が提供されるために、保育士の処遇改善および人的配置の見直しなどすべきと考えますがいかがですか?

―山野市長

保育士の処遇改善及び人的配置の見直しのことについてお尋ねがございました。コロナ禍で感染症対策の徹底を図りながら保育を継続的に実施していくため、マスク等の衛生用品の購入、勤務時間外に消毒等を行った場合の超過勤務手当などの経費を補助していますほか、登降園時における園児の受け渡しや消毒作業などに従事する保育支援者につきましても、市単独で国基準を上回る配置を行ったところであり、現在のところ新たな見直しまでは考えてはいません。

広田

放課後児童クラブ、いわゆる学童保育では、支援単位が1のまま40人どころか100名を超える子どもがひしめくクラブもあり、3密は避けられない状況です。

大規模くらぶの分割や、待機児解消のため、地域での増設が課題となっており、このコロナ禍でより緊急性が高まっています。

市は、担い手の確保のため、NPO法人と学校法人にも参入を認めるよう、この4月に運営要綱を変更しました。

しかし、これまで、現場のみなさんが運営委員会方式で大変苦労し、市に指導やアドバイスを求めても地域で工夫をと言われてきたことからすれば、突然打ち出された方向性とも言えます。市長、再度どのような議論であらたな法人に参入拡大を決めたのかあきらかにしてください。

―山野市長

放課後児童クラブのことについてお尋ねがございました。NPO法人、学校法人を設置者として加えたことについてお尋ねでございました。現在、本市では放課後児童クラブの利用につきまして待機児童が発生しており、児童クラブの拡充が急務となっています。児童クラブの分割や創設につきましてはこれまで、各校下にあります地区社会福祉協議会や、社会福祉法人が主体となり行ってきました。ただ、関係各方面からお聞きをしておりますと、既存の運営主体だけではなかなか十分な対応が難しいという地域も出てきましたので、運営主体を拡充したものであります。ただ、金沢市の放課後児童クラブは、これまでも地域のみなさんの意向を最大限尊重しながら取り組んできたところでありまして、この場合であったとしても地域のご理解をいただきながら進めていければというふうに思っております。

広田

現状では、本市の101施設はそのほとんどが民設民営です。しかし、市には子どもたちが安全安心にすごせるようにする責任があり、法律にも明記されています。

それなのに、待機児童の実態に対し、「子育て夢プラン」に示されている計画では、めざす確保量が少ないほか、望まれている小4生以上の入所継続が考慮されていません。

仮に、小学校3年生の入所児童がそのまま小6まで継続した場合、現状では8,009名の受け皿が必要です。しかし、実態は、小4生から大幅に入所児童数が減り、5,276名の利用です。夢プランのめざす確保量も2024年度に5,565名と289名しか増やされていません。そもそも、小1の時点でも入れない待機児数が何名いるのか正確に把握できていないのが実態です。

新たな生活様式にあわせるためにも、また待機児童が解消され、どの学年でも継続が可能なようにクラブ数を増やす必要があります。

民間に任せるのではなく、市として、待機児数を正確に把握し、増設の必要がある地域、クラブ数の目標などの整備計画をつくり、市有地の利用や公共施設を活用するなどして、設置を増やすよう求めますがいかがですか。

―山野市長

市有地・公共施設を活用したクラブ数を増やすべきというご提案をいただきました。本市の児童クラブは今ほど申しあげましたように各校下・地区の社会福祉協議会や社会福祉法人などが主体となって運営をしてきたということでもあります。心から私も感謝をしているところであります。今年度は新築・改築の補助限度額の引き上げ、増築に対する補助の新設など、支援強化を実施したところであります。今後とも、地域が主体となってクラブの創設・分割が促進されるように努めていきたいと考えています。

広田

つぎに、学童保育や保育園では慰労金の支給の対象にならなかったことに、現場から団体から批判の声が政府にも多く寄せられました。そこで、厚生労働省は、「児童福祉施設等における新型コロナウイルス感染症対策に係る支援事業」の第二次補正予算分で、「かかり増し経費等」として人件費も補助対象にしたところです。本市は保育園にこの補助金をあてるようですが、学童保育はどうなるのか明らかにしてください。現場にお話を伺ったところ、サービス残業で消毒や清掃をしているとのこと。本来はこの補助金をあてて対応するべきではないのか、見解を伺います。

―山野市長

支援員は慰労金の支給対象にならなかったと、そのことについとお尋ねがございました。本市では児童クラブの新型コロナ対策として、子ども・子育て支援交付金を活用しマスク等の衛生用品の購入に対する支援を行ってきているところであります。これまでも各クラブからは時間外手当に係る相談・要望等々を受けてこなかったところでもありますので、新型コロナウィルス感染症緊急包括支援事業につきましては予算化をしていないところであります。

広田

次に、世界人権デーのこの日、LGBTQへの取り組みについて伺います。

プライドハウス東京と認定NPO法人REBITが調査実施した、コロナ感染拡大の影響に関する緊急アンケートについて、ご存知でしょうか。コロナ禍の5月から6月にかけて、12歳から34歳のユースを対象に行ったものです。

結果の全体考察でこう書かれています。

1.LGBTQユースは普段から家族など同居者との生活において困難や孤独感を抱えている割合が高く、その背景には同居者の無理解が挙げられ、理解を促進していく必要がある。また、LGBTQにおいても、コロナ禍に暴力やDVの増加も想定され、セーフティーネットの構築が求められる。

2.あらゆる層と同じように、LGBTQユースやその世帯も、コロナ禍で経済的困難に直面し、貧困対策・経済対策に包括することが必要である。失業して、就職活動が必要だが、LGBT当事者であることがハードルになる場合もあり、就労支援が求められる。

3.感染した際、医療現場で同性パートナーが家族として扱われるか、入院時に自認する性で扱われるのか、アウティングの配慮など医療現場での対応や、トランスジェンダーの方などの定期通院が必要でもコロナ禍で通院しづらく健康悪化しているなど、医療現場での体制構築が必要である。

4.こうした悩みや困難を抱えているにも関わらず、コロナ禍でセクシャリティについて安心して話せる人や場が絶たれ、さらに不安が高まっており、居場所づくり、相談窓口が必要である。

そこで伺います。

LGBTQの方々はセクシャリティについて安心して話せるのか不安で、就労支援やDV相談、医療相談などがしにくい環境にあります。本市はまだ独自にそのような相談ができる窓口は開設できていません。金沢SDGs行動計画の「ミライシナリオ」では「LGBTフレンドリーなまちにする」と打ち出しました。今こそ、LGBTQ当事者や家族の相談に応える、専門家などを配置した相談窓口を設置するべきではありませんか。

―山野市長

LGBTQのことについてお尋ねがございました。性的指向や性自認により、社会生活の中で苦痛を感じておられる方々に対しては、人権尊重の観点から配慮が必要であると考えています。これまでも人権擁護委員による相談をはじめ、専門的な知見が必要となる場合には民営の性的マイノリティのための電話相談窓口を紹介するなどの対応をしてきており、コロナ禍にあっても様々な相談内容に丁寧に対応するように心がけてきました。

広田

次に、アンケート考察ではコロナ禍での医療アクセスが課題としてあげられました。

市内では、民間病院がLGBTについての配慮や知識を学んだという報道もありましたが、医療機関全体への浸透は進んでいるのでしょうか。まずは、市立病院が率先して行うべきと考えますが、入院時などに自認する性で扱われるのか、アウティングの配慮などがされているのか、同性パートナーが家族として扱われるのか、対応の現状について伺います。

―山野市長

 市立病院での取り組みについてであります。市立病院におきましても過去に何名かのLGBTQと思われる患者を受け入れたことがありますが、医療サービスの提供に当たっては医師・看護師が本人の要望を聞き取り、可能な限り配慮をしたことで何ら問題は生じなかったというふうに聞いているところであります。今後もLGBTQの方々へは個別対応を基本とし、安心して治療を受けていただけるよう、ひとりひとりの希望を尊重しながら丁寧に対応をしてまいります。

広田

同性同士のカップルを婚姻に相当する関係と認めるパートナーシップ制度は、性的マイノリティの困難全体の解消施策の要となり、「愛する人の一大事に付き添えないかもしれない」との悩みの種でもあった医療機関の対応改善の契機ともなっています。

2020年12月現在では60を超える自治体で施行され、パートナーシップ制度を利用しているカップルは1000組を超えています。市長、本市でも制度の創設を求めますがいかがですか。

―山野市長

 パートナーシップ制度のことについてお尋ねがございました。コロナ禍におきまして、広田議員もおっしゃいましたように家族の在り方・絆の大切さということが再認識されてきたところであります。今年になりまして金沢市はSDGs未来都市に選定をされました。これは金沢市が独自に金沢ミライシナリオを作って、その実行に向けて取り組んできたことが評価をいただいて、さらなる活動を期待されたものだというふうに思っています。その中にも、これも広田議員がお触れでしたけれども、「LGBTフレンドリーなまちにする」という目標を明確な文書にして掲げているところでもあります。その実現に向けまして、すでに60余りの自治体が先行してパートナーシップ制度に取り組んでおられますので、先行自治体の取り組みを参考にしながら制度設計を視野に導入について前向きに検討をしていきたいと考えています。

広田

さいごに、デジタル行政について伺います。

わが党は、住民の福祉増進に寄与するデジタル化が求められるという見解ですが、今の政府が推進するデジタル化は安倍政権以来の経済成長戦略の延長上で、国家目的や産業目的のためであり、住民の生活改善や地方自治を充実するうえで、課題があります。

今議会で、本市のさまざまな手続きがオンラインで可能となる条例案が出ています。

一方で、自治体の窓口業務は、手続きを受け付けるだけの仕事ではなく、住民の出生から死亡まで人生や生活の重要な場面で、市民と直接対面し、相談にのり、最善の行政サービスにつなげるという、役割を担っています。たとえば、妊娠手帳を交付する際は、母親や家族と保健師が対面し、祝福の言葉から始まり、予防接種や健診のご説明、そして、不安なことがあれば丁寧に相談にのる。相手の様子を観察しフォローアップの必要性も考える。そんな重要な役割、機会を奪うものであってはなりません。

そこで伺いますが、オンライン申請をまずは年度内におよそ100手続き、その後も広げるとしていますが、2000ある手続きのうち選び出す基準をあきらかにしてください。

―山野市長

デジタル行政、オンライン申請のことについてお尋ねがございました。今回、電子申請を拡大するにあたり、市民サービスの向上に資するよう、毎年100件以上の申請がある約300の手続きの洗い出し作業を行い、まずは市で対応可能な約100の手続きをオンライン化をしていきたいと考えています。現在国が書面等で申請を義務付けているもの、直接面談をし現状を確認する必要がある、約200の手続きにつきましては、国の法改正や事務の見直しと合わせ、また残りの約1700の手続きにつきましても、こうした考え方に沿って速やかにオンライン化をしていきたいというふうに思っています。

広田

また、最初はオフラインもオンラインもどちらでもと言いながら、オンラインだけになっていく可能性があります。現に、コロナ禍で死活がかかっている事業者に対し、持続化給付金や家賃支援給付金はオンラインのみの受付ですし、本市でも山間部や郊外の住民票などの自動交付機は廃止が決まり、コンビニでと言いますが、マイナンバーを持っていないと利用できない制約付きです。今回のオンライン申請もマイナンバーカードの所有者のみを対象にしたものなのでしょうか。

オンラインできる方だけ、マイナンバーを持っている方だけというやり方は、デジタル格差を広げるもので、行政のあり方として問題ですがいかがですか。

―山野市長

電子申請につきましては、市民サービスの向上を目的として拡大するものであり、これまでの窓口での申請についても継続していくものであります。オンラインでの手続きが難しいという方には、引き続き窓口での申請において丁寧に対応をしていくところであります。

広田

さらに、自治体戦略2040構想の報告では「行政のデジタル化」を進めることによって、現在の半分の職員で従前通りの仕事ができ、職員の負担も軽減されるかのように述べています。しかし、職員の削減は高齢者や障がいのある方など社会的弱者が行政サービスが受けにくくなり、すべての住民を対象とした行政が遠のいていくことになります。だれのための、なんのためのデジタル化なのか、問われています。今後、どのような考え方でデジタル化をすすめていかれるのか市長に伺い質問を終わります。

―山野市長

オンライン申請は住民福祉が第一だ、その視点を忘れてはいけないというご指摘でありました。私もまったく同感であります。多くの市民の皆さん方が電子申請によって24時間いつでもどこでも申請できる環境を作る、お仕事のお昼休みであったりだとか、夜お仕事が終わったあとであったりだとか、そんな場面でも電子申請をしていただける、そんな環境を作っていくことが大切だと思っています。また、市役所に訪問する必要がなくなることによって、特にこのコロナ禍におきましては不安払拭にも繋がっていくというふうにも思っています。市民の利便性もは高まってくると私は考えています。また職員にとっても同様であります。職員にとっても様々な手間ひまが割愛されることによって、また不特定多数の方とお会いする機会をできるだけ減らすことによって、このコロナ禍の中のメンタルにおいても大変意義がある、働き方改革にも繋がってくるんだというふうに思っています。さらにはRPA等のデジタル技術の活用、テレワークの事務処理が可能となることによって、職員の事務の効率化・働き方改革の推進につながり、その部分のエネルギーを他の行政サービスに回すことができることによって、私は市民サービスの向上、さらには職員の事務負担の軽減などにも繋がっていくものだというふうに思っています。

再質問

広田議員

 年末の相談窓口を開設していただくということで、市の職員さん大変だと思いますけれども、やはり自殺者数が伸びているこんなときですから、ぜひとも対応をよろしくお願いいたします。

 質問ですが、学童保育の整備計画というところについて答弁がなかったので、子育て夢プランにおける確保量だけでなく、地域ごとにどれだけ確保量が必要で児童クラブ数が必要かということをもっとしっかり盛り込んだ整備計画にすべきだという点で伺ったのですが、再度お願いします。

-高柳福祉局長

 児童クラブの計画につきましては、議員がおっしゃいましたとおり金沢子育て夢プランの方で市全体の必要数を見込んでいるところでございますけれども、やはり個々の状況・地域の状況、それから各クラブの思いなどいろいろございますので、市として一斉の計画は作っておりません。個々の地域と個別に丁寧な対応をしながらやっていきたいというふうに考えているところでございます。

-広田議員

 個々の地域でご相談になるんだと思うんですけれども、突如、参入拡大という方針が示されて、やはり市全体でどんな動きになっているのかということが私にもわからなくなってきています。ですから、先程市長が言ったのは「この特定の地域では今の担い手づくりが難しい」というお話がありましたけれども、それがどの地域なのかもよくわかりませんし、やはり地域毎に整備計画をしっかり表していただきたいというふうに求めておきたいと思います。

 もう一つ、LGBTについてはパートナーシップ制度を前向きにご検討いただけるということで大変進んだなと思いますが、やはり相談窓口の設置が合わせて必要だと重ねて申し上げたいと思います。本市に住んでいる方々の状況を掴むという上でも必要ですので、求めておきたいと思います。

-山野市長

 制度の中で検討させてください。

※実際は、一括して質問して、一括して答弁をもらう形ですが、便宜上、一問一答の形にしています。

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