統一地方選挙を前に、地元紙が連載をはじめました。
第1回目は、「議会はセレモニー?」と題して、執行部議案が否決されることがほとんど
ないことをとりあげ、第2回目は「議会にはシナリオがある?」と題し、議会質問があら
かじめ執行部と議員とで打ち合わせされているものなのではないか、ということなどがま
とめられています。
とりあげていただいた視点は市民にとって興味深いものではあると思いますが、地方議会
の役割やこれまで積み重ねてきたことをもっと大事に、むしろ市民に「議会で政治は変え
られる」ことをアピールしてほしいなと個人的には思います。
記者さんは、1年や長くても2年ほどで議会担当を離れるのでそこまで見抜くのはなかな
か難しいとは思いますが・・
わたしは4年間議員をしてきてこの問題に次のように考えます。
まず、第1回目の記事について。
たしかに、予算はほとんど否決されていません。
しかし、それは議員を十把一絡げに見ればという話であり、わたしたちの会派では毎議会
の予算や条例提案について、全てチェックし、問題のある点については質問し、委員会や
最終本会議で討論という形で反対を表明し、採決のときには起立しません。
記事には、「会派のベテランがイエスと言えばイエス」という議員の言葉が引用されてい
ますが、それは議会の資質ではなく、議員の資質です。
その議員を選んでいる方はもちろん、金沢市民のみなさんがそういった議員をどう考える
のか、問い直すことが必要です。
ちなみに、わたしたち共産党市議団以外が、予算に対し問題点を指摘し反対をしたという
のは見たことはありません。最終本会議ではわたしたちの会派しか討論には立ちません。
いつもそうです。
が、それは議会ではなく、それぞれの議員の資質が問われるのではないかということで
す。
第2回目の記事について。
たしかに、委員会や議会ではあらかじめ執行部とやりとりをします。
わたしたちの会派は、原稿を提出したりはしませんが、どういった趣旨の質問をするのか
は、執行部の方と事前にお話しします。
なぜなら、具体的な数値を聞く質問の場合は、突然聞かれても答えられず「後日再答弁」
となることを避けるからです。
また、内容的なことについても、わたしは議会質問を書いていてよくわかりますが、言葉
の並べ方ひとつで意味合いが変わるため、質問の角度だけは整理するということです。
こうした話題の際に、たまに誤解があるのが、「議会で意表を突いたうまい質問の仕方を
すれば、要望が実現するのではないのか」ということ。
そんなことはほとんどありえません。というか、あるほうがおかしい。
なぜなら、その一時の市長や執行部の判断で金沢市のみなさんからあずかっている大事な
税金を動かしてはいけないから。
じゃあ、「議会でなにも変わらないしおもしろくないじゃない」と思われるかもしれませ
んが、違います。
わたしは、まずは「執行部の考え方」を市民のみなさんにわかってもらうことが重要であ
ると考えます。
たとえば、わたしたちの会派も何十年と取り組んでいる「子どもの医療費助成制度」につ
いて言えば、「なぜ窓口で払う必要のない窓口無料に踏み切れないのか?」と聞いたとき
に、市長は「コンビニ受診が増える=一般的には大したこともないのに病院にかかる」と
答えたことがあります。
つまり、「手持ちのお金もいらず子どもを受診させることができるということ」につい
て、市長は「必要もないのに子どもを病院に連れて行くことが増える」という認識である
ことがわかるわけです。医療従事者ならわかることですが、必要のない受診なんて誰が判
断するのかできるのか、受診してみないとわからないし、軽症のうちに受診して重症化を
防ぐことが、お子さんの場合求められるのではないでしょうか。そして、保護者のみな
さんからの視点でいえば、みなさんお仕事でお忙しくて子どもを病院に連れていくのも大
変なのに、好んでむやみやたらに病院には行かないということ。
わたしはそう説明しながら、再質問の中で「コンビニ受診という言葉は使わないでくださ
い」と質し、市長も納得せざるを得ないということがありました。
執行部や市長の認識を市民の前にあきらかにする。
など、
議会でのこういったやりとりの積み重ねと、日頃の署名やみなさんのお声が結びつき、制
度の改善がされていくのです。
ですから、議会はセレモニーではなく、わたしは積み重ねのひとつひとつだど思い大事に
しています。
ただ、記事にあるように、議員さんによっては、手柄のための質問をしたり、執行部から
質問をもらったりということがあるとすれば、それは議員の資質、執行部のモラルの低さ
が問題なのであり、漠然と「議会」という表現で問題にしてほしくはありません。
一斉地方選挙は、「議員」を選ぶ選挙です。
その「議員」が「議会」を構成します。
ぜひ、市民の声を自分の力でまっすぐに届けることのできる「議員」をえらび、市民のみ
なさんにとってたのもしい「議会」になれることを願っています。
わたしは、その「議員」に選ばれてはずかしくないよう4年間がんばってきましたし、引
き続きがんばります!