質問の機会をえましたので、日本共産党金沢市議員団の一員として、以下数点にわたり質問をいたします。
1,介護保険制度について
最初は、介護保険制度改悪と総合事業についてです。
介護保険はめまぐるしい改悪が続いています。介護報酬の引き下げ、特養老人ホームの入所を要介護3以上に限定、介護の利用料を一定所得で2割負担にし、補足給付の要件を厳しくするなど、利用者にとっては保険料をおさめていながら、サービスを受けられない詐欺だという怒りが巻き起こり、事業者の経営も深刻になっています。
本市は、国からの防波堤となり市民を守ることが求められるにも関わらず、介護保険料は中核市で4番目に高く、保険外しと言われる総合事業をすすめました。
総合事業とは、地域包括ケアの一貫として、介護保険制度における要支援1,2の方のヘルパーとデイサービスを保険給付からはずし、自治体独自のサービスに移行するというものです。しかし予算については上限額が設定され、先行自治体では、要支援認定からの卒業型、規制緩和型、ボランティアやNPO任せなど、サービスの縮減、質の低下をまねくことは明らかです。
本市では現在要支援1,2の方はおよそ7500名、そのうちヘルパーの利用は1500名、デイサービスは3250名が利用しています。この方々の生活の質を守れるかが問われています。
本市でも総合事業の具体案が明らかにされましたが、現場や利用者からはすでに不安や問題を指摘する声があがっています。
指摘されている問題点について伺います。
本市が示している基準緩和型については、報酬単価を8割に設定、身体介護などサービスの中身を減らし、サービス提供者も13時間の講習さえ受ければよいというものです。
利用者にとっては、介護保険サービスが受けられなくなるだけでなく、安上がりなサービスへ誘導される可能性があります。サービスの縮減、質の低下、専門職ではない方がサービスを提供することで、本来の介護予防の力が発揮されない懸念がされていますが、市長の見解を伺います。
利用の仕組みも変わり、要支援認定をうけなくても、基本チェックリストで総合事業へふりわけることも可能となります。
本人やご家族、現場のケアマネが要支援、要介護の認定・更新を希望しているのに、認定を受けさせず介護保険制度から卒業いうことはあってはなりません。サービスの利用についても同様で、これまで通り本人やご家族の意向を尊重するべきですが、見解をあきらかにしてください。
さらに、事業所の経営への影響、労働者の給料の引き下げが危惧をされます。今でも介護士の賃金は低いとされているのに、さらに下がることは許されません。
また、運営審議会のメンバーからも指摘がありましたが、今求められている介護職の賃金アップとは逆行し、働く人が自立できないような賃金体系を本市自らがつくってよいのか、お考えをあきらかにしてください。
そもそも、これまでの介護保険制度改悪によってすでに事業所の経営が成り立たないという声も上がっています。
先日、市内の各地域デイサービスの施設長のみなさんから現状の報告、貴重なご意見をいただきました。地域デイサービスはもともと介護保険制度以前に本市の委託事業としてはじまり、介護保険制度の導入以降は民間と同じ扱いです。それでも、地域の支えはもちろん、施設については善隣館や公民館、また市の建物などを利用しているところもあります。それでも、経営が大変という窮状の訴えがほとんどでした。
地域を基盤にした善意の施設でさえも介護保険制度の改悪によって立ち行かないこの状況を市長はどのように受け止めていますか。
こうした現状を踏まえ、現在しめされた総合事業案についても、現場の意見を聴いて見直しが必要ですし、検討をされているボランティアやNPOなどがサービス提供を行うことは公的責任を投げ捨てるものでありやめるべきですがいかがですか。
そして、次なる改悪、要介護1,2の切り捨てや自己負担3割等は許されるものではありません。
介護保険制度の改悪は市民の生活を圧迫し、高齢化のすすんだ地方自治体を苦しめることもあきらかです。市長、国へ介護保険制度の改悪メニューを撤回するよう働きかけるべきですが、お考えをあきらかにしてください。
(市長)
介護保険制度のことについて何点かお尋ねがございました。
まず、基準緩和型サービスの導入についてですけれども、基準緩和型サービスは入浴介助など身体介護の必要のない方、認知症の症状が見られない方等を対象としており、本市が事業者に対し、サービスを提供するために必要な知識を有する人員の配置を求めることで、サービスの水準は確保できているというふうに考えています。
基本チェックリストの実施で、サービスの選択ができなくなるのではないか、という懸念をいただきました。総合事業が導入されましても、利用者が介護認定を受ける意思を示した場合、認定申請は可能であります。また、ケアマネージメントの過程で必要なサービスが決定されるため、利用者が従前と同様にサービスの選択を行うことが可能であります。
事業者の経営に影響があるのではないか、従業員の賃金の低下が心配だというご指摘がありました。基準緩和型サービスの報酬は、先行して事業を実施している他の中核市の動向をふまえ、配置される人員に応じ、国の示す平均賃金を基に算定をし、介護サービス事業者連絡会の訪問介護および通所介護の代表者と充分な意見交換を重ねて設定したものであります。なお、従業員の賃金についてですけれども、各事業者で決めるものでありまして、適正な賃金が支払われるよう、本市としても事業者説明会で要請をしているところであります。
地域デイサービスのことについてご心配をいただきました。私もこの何年か、毎年のように地域デイサービスに訪問をさせていただいています。責任者と私の時間が合えば、30分、40分、いろんな意見をお聞きをしているところです。たいへん厳しい経営状況であるということも認識しています。今回新たに導入される総合事業において、これまで培ってきた介護にかかるノウハウや地域住民とのつながりを生かし、基準緩和型サービスや今後導入を予定している住民主体のサービスへの参入についても、検討していただければと思っています。新たなサービスについてご不明な点があれば、ご相談をいただければと思っています。引き続き、私もさまざまな機会をとらまえて現場のご意見をお聞きをし、担当部署に伝え、どういう対応ができるかを考えていきたいと思います。
今、示されている総合事業について見直すべきではないか、制度改悪によるサービスBを導入すべきではない、というご意見でした。本市が明年4月から導入を予定している総合事業の内容は、介護事業者や地域包括支援センター等との協議を行いながら組み立てをし、加えて各サービスにおける人員や運営にかかる基準など事業者の指定基準について、現在パブリックコメントを実施し、その結果をしっかりと見きわめたいと考えています。総合事業は地域の実状に応じ、住民をはじめ多様な主体の参画によるサービスを充実することで、地域の支え合い体制の構築をはかり、要支援者等に対し効果的かつ効率的な支援を可能とすることをめざしています。ご指摘のサービスは、この主旨に沿った重要なサービスの一つと考えています。
要介護1・2の切り捨て、自己負担3割、そういう国の改悪は、市として撤回を求めるべきではないか、ということでした。制度改正につきましては、国で議論をされておりますので引き続き、私の立場とすれば、まずはその動向を注視してまいります。
2,子どもの貧困対策について
次は子どもの貧困対策についてです。
今年度設立された庁舎内の子どもの貧困対策チームについて先日、中間報告と今後の取り組みが市長へ報告されました。
その中で来年度から設置する予定の「相談窓口」について伺います。
この相談窓口はワンストップでその場ですべて相談にのり解決するものではなく、さまざまな視点で子どもを取り巻く世帯の貧困をとらえて各課への対応につなげ、情報を共有し連携するものと聴いています。
貧困対策チームとして相談の仕組みを具体化し連携をはかるというのは大変重要ですし、ぜひとも多くのご相談に対応し解決に結びつくことを期待します。
ここで改めて問いたいのは、行政や公務員のみなさんが市民にとってどうあるべきかということです。
本市は、平成18年、中核市ではじめて児童相談所が設けられた都市です。社会の複雑化・孤立化から弱い立場の子どもたちを守ろうと、他都市にさきがけて設置したことは本市の誇るべき財産です。それから10年、さまざまな困難を抱えた家庭の子どもたちにとって、最善策をともに悩みながら考え、対応されてきたのだと思います。わたしは、そうした市の取り組みを通じて本市としてなにを学び、今後、行政と自治体職員1人1人が子どもの貧困に向けてどう取り組むべきなのか、問われているように感じます。
やはり大事なのは、民間ではない自治体職員だからこその、市民の命と生活を守ることへの責任です。そして、あらゆる側面から市民を包括的に支援できる強みです。そのことを、ぜひ再認識して取り組んでいただきたいと思いますがいかがですか。
また、相談窓口は福祉総務課が担当するとしていますが、体制の充実や専門職の配置が必要ではないでしょうか。
ところで、子どもの貧困が生まれないためにどうするかを忘れてはなりません。
その点では、子どもの医療費については保護者の要望から、一部自己負担はありますが、中学3年生まで現物給付となりました。しかし、子どもの貧困に取り組む本市としては、やはり完全無料化し、他都市のように高3まで拡大すべきべきですがいかがですか。
教育の面では、お金がなくて学べないという権利侵害が起きないよう、力を尽くしていただきたい。
就学援助制度の入学準備金は、現在は入学式を大きく超えて8月の支給となり、制服が買えないと切実な声があがっています。全国的にも入学準備金制度をもうける動きが広がっており、県内でも6自治体が実施しています。
本市では、3月議会で森尾議員の求めにたいし、教育長は「入学前に支給されることが望ましいことから、入学前の支給について検討してまいりたい。」と答えています。その進捗状況はどうなっているでしょうか。今年度内にも実施できる可能性はあります。特に負担の大きい中学生にあっては今年度実施すべきですが、お考えをあきらかにしてください。
(市長)
子どもの貧困対策について、何点かお尋ねがございました。
児童相談所設置からこれまでの教訓としていること、そして一人ひとりの職員の心がまえのことについてですけれども、子どもたちの支援において施策の推進にスピード感が求められること、また現場におもむいて直に子どもたちの様子を見ることが重要であると感じています。公務員としての、職員としての責任を果たすためには、ご指摘いただきましたように、市民のいのちと健康を守るという強い意識を持ち、それぞれの専門性を高めることが必要です。一方、チームで取り組んでおりますので、部局の垣根を越えて持てる力を最大限に発揮し、子どもたちのことを第一に支援をつなげていきたいと考えています。
事務量が増えている職員の負担も大きいのではないか、というご心配をいただきました。福祉や教育の分野におけるマンパワーは、ご指摘のように重要だと考えています。関係部署の職員体制につきましては、引き続き充実に努めてまいります。
子ども医療費の無料化について、高校3年生まで、しかも完全無料化をめざすべきではないか、というご提案をいただきました。平成26年10月に中学3年生にまで、この枠を拡大いたしました。平成27年7月に助成方法を現物支給化したところであります。さらなる年齢の拡大は、今のところ考えてはいません。また適正な受診のためにも、一定の自己負担は必要と考えており、完全無料化することは考えてはいません。
(教育長)
就学援助制度の入学準備金についてのお尋ねでした。就学援助制度における新入学学童生徒への入学前支給につきましては、現在子どもの貧困対策チームにおきまして議論を行っているところです。実施には予算措置も必要になりますことから、明年度の予算編成の中で検討していきたいと考えています。
3,学童保育について
2015年度本格実施された子ども子育て新制度は、待機児や子育て不安の解消のために、消費税財源を活用して規制緩和など新たな仕組みが導入されました。
学童保育に係っては、市町村が実施主体となることが明確に定められました。
しかし、現場や保護者からの声では、待機児や施設・運営に係る問題など、さまざまな困難が拡がっています。
まずは待機児童の問題です。
全国学童保育連絡協議会が毎年5月に行っている調査では、支援単位数、入所児童数とも前年を上回り、「待機児童」は2324の自治体で1万5839人。本市の調査でも今年度当初、わかるだけでも105人と報告がありました。
来年度の申し込みでも、すでに断っている学童保育もあるなど、引き続き待機児童が出る可能性があります。
この状況について、現場や保護者のみなさんと、この間改善を求めてきましたが、本市ではどのように対応されてきたのか、待機児童をなくすよう求めますがいかがですか?
次は施設や運営に係る問題です。
先日、金沢市学童保育連絡協議会の指導員、保護者のみなさんたちが、市と懇談を行い、問題点が明らかとなりました。
まず、運営について本市の場合は、地域の運営委員会が担っている場合が多いのですが、地域によってはその主体が保護者にならざるを得ず、指導員の確保から、給料計算、施設探しまで一手に背負っており大変な現状であるという報告でした。
担当課長も実態を聴き、そこまで保護者が主体となりご苦労されているとは知らなかったと認識を示しましたが、その後実態を調査するなり、なにか手立てを考えているでしょうか、あきらかにしてください。
市として、困難を抱えた運営委員会への指導や助言をもちろん行うべきですし、実施主体は市なのですから、指導員の求人や確保、施設さがしなど、市の責任で行うべきですがいかがですか。
施設については、安全対策が喫緊の課題です。
先月、全国の研究集会に参加をし、熊本地震での経験を聴くことができました。
「新学期に入って間もなくの被災でした。地震は夜だったけれど、もし昼間だったら子どもたちを守れたかどうかわからない。玄関はかたむき使用はできないし、地形が変わり、通学路もがたがたで、登下校にはまだ引率が必要です。 保護者も子どもも不安定で、中には子どもだけを放課後留守番させておけないのと申し込む方もいます。」
改めて学童保育が安全で安心できる場所でなければならないと実感しました。
しかし、金沢市の学童保育の耐震化率は77%で、88施設中およそ20の施設が耐震化できていません。
耐震化率の向上のための予算を増やすことはもちろん、市が責任をもって安全な場所をさがし提供するということも必要ですが、見解をあきらかにしてください。
金沢市は、全国同様、もともと学童保育制度がない時代から、子どもたちの放課後の生活を保障するため、地域や保護者のみなさんが協力し民設民営の学童保育をつくりあげてきました。それが、地方自治体を、そして国を動かし制度を形作るまでに至ったのです。住民の要求からはじまったことが、社会の進歩に貢献するという、まさに、住民自治や地方自治の大事さを物語っています。
しかしながら今日、地域の高齢化や核家族化、保護者のみなさんの労働環境の厳しさなど政治を背景とした原因の中、民設民営のあり方が問われています。さらなる発展に向けて子どもたちの生活と安全のために力を尽くすことが求められますが、市長のお考えをあきらかにしてください。
(市長)
放課後児童クラブのことについて何点かお尋ねがございました。
児童数が70名を超えたクラブにおきましては、子どもの快適な環境のためにも、分割が進むよう施設整備の補助を増額するなど積極的な財政支援に努めており、今年度中に2つのクラブが増える見込みであります。今後も地域にご協力をいただきながら、地域のみなさんと一緒に受け皿拡大に努めるとともに、希望するクラブに入れなかった児童については、定期的に調査をし、待機状況の把握に努めてまいります。
市が、助言・指導はもちろん指導員の確保にまで乗り出すべきではないか、というご提案でした。金沢市の放課後児童クラブは、広田議員が仰っていただきましたように長い歴史の中で、住民主導の中で行われてきました。私はだからこそ、これだけ金沢市内に多くの児童クラブが広がってきている、そして子どもたちや保護者にとっても、児童クラブで働く方の顔が見える、そういう安心感が金沢の児童クラブの歴史的な特色であるというふうに思っていますし、私もそれは大切にしていきたいと思っています。一部では保護者の代表が運営を担っているということも認識をしているところです。それぞれの経緯や事情もあって今の形になったということも考慮をしながら、連携を密にしながら相談にのりながら、また市としてもできる限りの対応をしていくべきだと考えています。事業の継続性という観点からも、クラブの運営委員会が中心となり指導員や施設を確保し、事業を実施するように、連携して取り組んでまいりたいと考えています。これからも各クラブの事業が円滑に運営できるよう、市としてもできる限りの制度充実に努めてまいります。
児童クラブの耐震のことについてご心配をいただきました。耐震化は重要な課題だと思っています。昨年度からは施設の耐震改修に対する補助率と補助限度額を引上げるなど、財政支援に努めてきたところであります。各クラブは、地域の実状に応じ、さまざまな社会資源を活用して開設されたものであります。少しでも環境の良い施設に移ることができるよう、家賃補助の限度額も引上げたところであります。これまで以上に積極的に補助制度の活用を周知していきたいと思っています。
児童クラブのことの基本的な考え方ですけれども、くり返しになりますけれども広田議員が仰っていただいたように、金沢では住民自治の中で、これまで培ってきた歴史があります。私は大切な歴史だと思っています。一方、市としてもこれまで以上に積極的に関わっていかなければいけないという思いも強くしています。これまで以上に連携を密にしながら取り組んでいきたいと考えています。
4,男女共同参画の推進について
さいごに、男女共同参画の推進について伺います。
まず、性的指向・性的自認の多様性についてです。LGBTという言葉をご存知でしょうか?Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシャル、Tはトランスジェンダー。もっと包括的にSOGIとも言います。異性は異性を愛する、身体に沿った性自認が当たり前ではなく、日本では、13人に1人、左利きの方と同程度と推計される、いわゆる性的マイノリティが存在します。
国際的には長い歴史や努力の結果、国連決議において「性的指向や性的自認に係らず、人権が全ての人に平等に適用される」としており、さまざまな人権擁護の取り組みがはじまっています。
日本は遅れていますけども、2003年には「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が成立し、その翌年から一定の条件で、戸籍上の性別変更が可能となりました。最近では、超党派の国会議員による議員連盟がつくられています。
とくに大きな変化が進行しているのは地方政治です。
男女共同参画の計画文書に、「性的マイノリティ」などを明記するようになった自治体は、7県。政令市では30自治体。人権施策に関わる計画や方針への明記は石川県を含め34都道府県に達しています。
渋谷区や世田谷区を代表するパートナーシップ条例や大阪・淀川区の「LGBT支援宣言」など、具体的な取り組みも行われているところです。
命と人権を守り、多様性を尊重し、誰もがその人らしく生きられる社会の実現をすすめるため、性的マイノリティの人たちの理解促進と対応を本市においても急ぐことが求められていますが、市長の認識をうかがいます。
具体的な施策について伺います。 本市でも次期の男女共同参画推進行動計画改定案に、「性的指向と性同一性障害に関する理解の促進」という新規施策が加わりました。大変画期的なことですし、私も応援をしたい思いです。
今月6日からパブリックコメントが行われていますので、ぜひ当事者のみなさんはもちろん多くの方にご意見をいただくよう取り組んでいただくことを求めるとともに、これまで当事者のみなさんからいただいた具体的な提案をさせてください。
まずは、本市職員の理解促進についてです。 性的マイノリティについて正しく認識し、適切な助言・指導が行えるよう、職員全体の研修を行うことを求めますがいかがでしょうか。とくに市民の窓口職員はもちろんですし、市立病院など医療関係者については、命に係わる問題であり、相談窓口になる可能性の高い場所です。徹底して行っていただきたいと思いますがいかがですか。
2点目に、市の書類における不必要な性別欄の撤廃を進めるべきです。当事者は、「性別欄のある書類を提出したり、受け取ったりする際には周囲の目が気になる。窓口に行くこと自体に覚悟と緊張を強いられ、ためらってしまう。性別欄の削除は最も望んでいることのひとつ」です、と話します。
投票案内葉書、期日前投票の際に記入する宣誓書、住民票・戸籍・印鑑登録の各証明書交付申請書については性別欄がありませんが、市立図書館の貸し出しカードの申し込み用紙、印鑑登録証明書については、いまだ性別欄が残っています。しかし、それらについては200以上もの都市で削除され、図書館カードの申し込みに関しては、図書館協会のガイドラインの中で合理的配慮が必要とあります。印鑑登録証については、高岡・氷見・砺波・南砺がすでに10年以上も前に性別欄をなくしており、なんら支障はないとのこと。選挙の際の投票用紙引換券については、男女の色分けをなくしたり記号化する自治体が増えていますが、市はまだ記載が残っています。これらの改善を求めると同時に、この機会に、外郭団体を含め各部署の書類をチェックするべきですががいかがですか。
3点目に、教育現場でも重要で対策をもとめるものですが、児童生徒への対応について、どのような取り組みを行っているのか明らかにしてください。
他にもさまざまな分野で改善の余地があります。当事者の声を聴いて行政に取り入れていただきたいと思います。
さいごに、今回の男女共同参画推進行動計画改定案の中では、「女性に対する暴力への根絶」が重点施策となりました。暴力そのものの根絶もさることながら、被害にあった方に一刻も早いケアと支援を行うことが必要です。性暴力の被害者に対し、県にワンストップセンターの開設要望が出され検討がすすめられています。本市としても実現に向け、積極的に県に働きかけていくお考えはないか伺い質問を終わります。
(市長)
男女共同参画の推進についてご指摘がございました。性的指向や性同一性障害のことについてですけれども、私はそのことを理由に社会生活の中で苦痛を感じておられる方に対しましては、人権尊重の観点からさまざまな配慮が必要であると思っています。人権擁護をはかるため正しい知識の普及と理解が深まるよう努めてまいります。
窓口をあずかる市職員の研修のことについて、ご提案をいただきました。新任主査研修と採用後大卒4年目等の基本研修の中で、より高い人権感覚を身につけるための人権研修を実施しており、その中で性同一性障害や性的指向など人権に関わる問題についても啓発に努めているところであります。引き続きしっかりと研修の中で職員の意識を高めていきたいと思っています。
図書カード、印鑑登録、投票用紙等々について、不必要な性別欄の撤廃、さらには外郭団体を含めた全庁的な確認のことについてお尋ねがございました。本市では、人権尊重の立場から、性同一性障害の悩みを持つ方に配慮し、平成16年12月申請書等の性別記載欄の必要性について精査をし、法令等に定められている場合を除いて、市として判断できるものについては削除するなどの見直しを実施したところであります。それ以降に定められた申請書等につきましても、その方針を順守をしています。今後におきましても、これまで同様このことに留意をしてまいります。ご指摘の印鑑登録証明書や投票用紙引換券は、法令等の規定により記載を撤廃することは困難ではあります。ありますが、また図書館カードを作成する際の申請書につきましては、これまでもその記入を必須としておらず、ご理解をいただきたいと思っています。
県の取り組みについてお話をいただきました。国において、被害を訴えることを躊躇せずに必要な相談を受けられる性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップセンターについて、平成32年までに各都道府県に最低1ヶ所の設置を目標としており、このほど石川県においても来年度の設置に向けて検討を開始したとお聞きしています。本市としても県の動向を注視するとともに、女性相談支援室が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を有していることから、暴力の根絶をめざし、万が一、このような相談があれば相談者に寄り添いながら、その方の意思を尊重し適切な関係へとつなげるように支援をしてまいります。
(教育長)
男女共同参画の推進について、学校現場でどのような取り組みをしているのか、とのお尋ねでした。文部科学省からの性同一性障害にかかる児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等についての通知を受けて、人権教育推進会議を開催し、その対応について各学校の担当者に周知をしたところです。また、各学校におきましては、性同一性障害に関する理解を深めるために校内研修会を開催しています。今後とも人権教育の充実に努めてまいりたいと考えています。
(市立病院事務局長)
性的指向に関する市立病院での研修を徹底すべき、とのことでした。市立病院では、これまでも患者さんの人格の尊重を基本方針とし、配慮や注意すべきことなど、幅広くお聞きし、診察や治療に支障のない範囲で最大限応えています。今後とも患者さん一人ひとりの視点に立ったていねいな診療や説明を行うよう、ご指摘の性的指向等のテーマも取り上げるなど、病院内研修の充実に努めてまいります。
[再質問]
広田
介護保険総合事業の件ですけれども、B型への移行については否定をしなかった、進めていく、とのお答えでしたけれども、私は市民共同やボランティアを否定するものではありません。善隣館の中に集っている地域のみなさんのことも大変重要な役割だと思っています。だけれども地域デイサービスの説明会の中でも議論になりましたけれでも、あくまでボランティアさん・NPOは、プラスαとしてより介護を豊かにするために利用するものであり、総合事業で示しているボランティアさんの利用は、現在公的な責任のもとで専門の資格を持った人が行っていることを、専門とか質の保証とか度外視で、ぜんぶ丸投げするという、たいへん乱暴なやり方だという指摘を、現場から、介護の専門家から反対の声が上がっている状況です。
本来、地方自治体は市民のいのちと生活をまもるために、そうした規制緩和こそ食い止めるということも必要です。その責任を放棄する立場をとることは許されないと思いますし、その点から、やはりサービスBへの移行は進めないよう、再度求めておきたいと思います。
もう一つ、学童保育につきましては、まあ補助率、補助制度が拡充されたということはわかっておりますけれども、やはりそれでもお金の計算をすると予算が足りない‥で、保護者は忙しくて片手間に施設を探すということが困難であるからこそ、仕事でやってらっしゃる市の職員のみなさんにお願いをしたいと思います。
○性別欄の削除について補足
H16年の見直し結果
投票用紙の整理券
・H11年の議会質問を受け、H12年6月の衆議院・参議院選挙から、「女性がピンクで男性が水色」であったものを、男女とも同じ「もえぎ色」で施行。
投票所の事務従事者から「事務に支障あり」:との意見が多数あったため、検討。
・H22年3月の知事選挙で、女性はもえぎ色、男性は水色で施行。
現場から特段のご意見もないため、現在も同じ色を使用している。
数年前からは「男」「女」の文字も小さくしている。
・市立図書館貸出登録申し込み書
本会議の質問後、図書館館長とやりとりを行い、答弁では「申し込み書の性別欄は任意」ということだったが、実際は必須記入のような印象を与えるので、改善を求めました。