引用元:金沢市議会議事録
平成24年 3月 市民福祉常任委員会 市民福祉常任委員会記録 1 日時 平成24年3月16日(金) 2 開議時間 開会 午前10時21分~閉会 午後0時3分 3 場所 第3委員会室 4 出席委員(8名) 森 一敏委員長、下沢広伸副委員長、 高 芳晴、長坂星児、源野和清、広田美代、 新村誠一、上田 章の各委員 5 欠席委員(0名) 6 出席説明員 別紙のとおり 7 事務局出席者 藤家グループ長、納屋主任 8 審査事件等 別紙のとおり 9 議事の経過等 以下のとおり 委員長の開議あいさつに引き続き、議案審査付託表(一)により本委員会に付託された議案のうち福祉健康局所管分について執行部より説明を聴取し、質疑応答を行い、その後、委員長報告について協議し、閉会した。 | |
△[議案の説明] ・議案第36号についての説明・・・・・・・・・・・・・・西村福祉健康局長 議案第36号金沢市老人福祉センター条例の一部改正について説明する。議案書94ページを見てほしい。老人福祉センターの農園の使用について、市民農園との整合性を図り、水道料の実費負担相当分として1区画年間2,000円の使用料を新設するものである。 ・議案第37号についての説明・・・・・・・・・・・・・・西村福祉健康局長 議案第37号金沢市障害者施策推進協議会条例の一部改正について説明する。議案書96ページを見てほしい。障害者基本法の一部改正に伴い、本市の障害者施策推進協議会が審議会に格上げとなり、新たに障害者計画の施策の実施状況を監視する役割が追加されたことなどに伴い、改正を行うものである。 ・議案第38号についての説明・・・・・・・・・・・・・・西村福祉健康局長 議案第38号金沢市障害児通園施設条例の一部改正について説明する。議案書97ページを見てほしい。障害者自立支援法及び児童福祉法の一部改正に伴い、障害児通園施設ひまわり教室において実施してきた児童デイサービスが、新たに児童発達支援と放課後等デイサービスの事業として改編されることに伴うものである。なお、これまでは身体または知的障害のある児童を対象としていたが、発達障害を含む精神に障害のある児童も対象とすることとしている。 ・議案第39号についての説明・・・・・・・・・・・・・・西村福祉健康局長 議案第39号金沢市国民健康保険条例の一部改正について説明する。補足資料を見てほしい。平成24年度の保険料に係る所得割額の算定において、同年度から市民税の扶養控除が廃止あるいは縮小されることに伴い国民健康保険料も増加するため、特例として市民税の所得割額に対して調整控除を設けるものである。この調整控除額については、16歳未満では扶養親族1人につき2万1,300円、16歳以上19歳未満では扶養親族1人につき1万1,100円であり、政令の基準と同額である。この調整控除額の算定根拠については資料に記載のとおりだが、調整額とは、平成19年度に所得税から住民税へ税源移譲された際に控除額の差の調整のために設けられた既定の額である。なお、平成25年度からは賦課方式が扶養控除の影響を受けない旧ただし書き方式へ全国統一されるため、平成24年度分の保険料に限り適用となる。 ・議案第40号についての説明・・・・・・・・・・・・・・西村福祉健康局長 議案第40号金沢市介護保険条例の一部改正について説明する。議案書101ページを見てほしい。平成24年度から26年度までの介護保険料を定めるほか、介護保険法の一部改正に伴う関係規定を整備するための改正である。 ・議案第50号についての説明・・・・・・・・・・・・・・西村福祉健康局長 議案第50号金沢市生きがい情報作業センター条例の廃止について説明する。議案書119ページを見てほしい。生きがい情報作業センターとは、平成11年から学校の空き教室に設置してきたものであり、現在は金石中学校と泉中学校の2カ所に設置している。当初の目的は、ホームページづくりあるいはテープ起こしなどの情報通信を活用した作業を通して、高齢者や障害のある方の生きがい増進等を図ることであったが、近年、職場あるいは家庭にパソコンが普及し、こうした作業の依頼はなくなった。現在、この2カ所の実態は、高齢者などがインストラクターにスキルを習ったり楽しんだりする場所である千寿閣やパソコンサロンと同じような状況となっている。そこで、この条例を廃止してパソコンサロンとして位置づけるものである。ただし条例を廃止しても、この2カ所の利用者には全く影響はなく、これまでどおり利用できる。 ・議案第1号中本委員会所管分についての説明(福祉健康局) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・西村福祉健康局長 当初予算説明資料の1ページを見てほしい。まず、平成24年度の重点施策の概要を説明する。1点目、子育て支援の施策だが、子育ての喜びが実感できるまちの実現に向け、児童館や保育所、子育てサロンなどの従事者を「パパっ子倍増」指導者として養成するほか、予防接種助成の推進や私立保育所の創設、保育所、放課後児童クラブの耐震化を推進するなど、かなざわ子育て夢プラン2010の具現化に努めていく。2点目、お年寄りへの施策だが、お年寄りが安心して暮らせるまちを目指し、地域包括支援センターの機能、体制の強化や認知症情報センターの設置を初め、待機者の解消に向けた施設整備を推進するほか、介護保険施設等を福祉避難所に指定するなど、長寿安心プラン2012の具現化に努めていく。3点目、障害のある方への施策だが、障害のある方の就労支援のため、企業との連絡会を開催するほか、災害安全対策推進のため、施設の耐震工事や避難所の必需品整備を支援する一方、障害者虐待防止センターを設置するなど施策の推進を図っていく。4点目、地域福祉の推進だが、金沢市地域福祉計画2013を策定して、今後の地域福祉の方向性を提示し、新たな担い手等について検討していく。 2ページを見てほしい。5点目、健康づくりの施策だが、金沢健康プラン2013の策定、女性の健康づくりや受動喫煙防止対策の推進を初め、金沢市食育推進計画の具現化に取り組むほか、高齢者肺炎球菌ワクチンの接種助成を実施するなど、市民の健康づくりの推進に引き続き取り組んでいく。6点目だが、新型インフルエンザを初めとする感染症予防の推進、食中毒予防啓発など食の安全・安心対策の強化のほか、人と動物が共存できる地域社会の形成に向けた取り組みなど、市民が安全・安心な生活環境を確保できるよう努めていく。 3ページを見てほしい。組織と予算規模の概要を説明する。まず、組織だが、福祉健康局を福祉局と保健局に再編する。言うまでもなく福祉と保健は非常に密接なつながりがあるので、局が分かれても今までどおり連携をとっていきたい。また、衛生指導課と環境指導課の検査部門を統合し、保健所内に試験検査課を設置し、あわせて食肉衛生検査所を試験検査課内に設置する。職員だが、地方分権に伴う権限移譲などに対応して介護保険課で2名、障害福祉課及び福祉指導監査課で各1名、また、生活保護世帯の増加に対応して生活支援課で2名を増員する。次に、予算規模だが、一般会計と特別会計の合計額は、福祉局、保健局全体で約1,483億円余、今年度比2.9%の伸びとなっており、市予算全体の一般会計に占める割合は39.5%である。予算の増となる課についてだが、生活支援課は生活保護世帯の増加に伴うものであり、障害福祉課は福祉施設整備費補助やサービス利用の増加、医療保険課は国民健康保険費特別会計への繰り出しの増加に伴うものである。一方、予算の減となる課についてだが、福祉総務課は子ども手当の制度変更に伴うものである。 4ページを見てほしい。個別の予算内容について、新規事業を中心に主なものを説明する。地域福祉計画策定費だが、今後の地域福祉の方向性を示す計画を策定していく。 5ページ、善隣館地域連携力強化事業だが、モデル事業として第一善隣館で町家を活用した常設サロンを設置するための改修費等を助成するものである。高齢者等権利擁護窓口設置費だが、高齢者や障害のある方の権利擁護等に関する相談、支援を行うものであり、相談件数の増加に対応するため、専門職員1人を配置し体制の強化を図っていく。 8ページ、障害児施設給付費だが、国の制度改正に伴い障害児通所支援費又は障害児入所支援費へと変更になる。障害児を対象とした支援については、これまで施設については児童福祉法、事業については障害者自立支援法に基づき実施されていたが、4月から根拠規定が児童福祉法に一本化されることによるものである。障害福祉サービス等児童面談調査費だが、サービスの支給決定時に専門家による面談調査を実施するものである。 9ページ、障害福祉サービス等利用計画相談支援費だが、サービス利用者の利用計画作成費用を給付するものである。地域相談支援事業費だが、障害者支援施設や児童福祉施設等からの退所者に対して、地域に定着するための訓練や個別支援計画の作成に係る費用を支給するものである。障害者虐待防止支援強化費だが、虐待防止連絡会の開催や緊急一時保護を実施し、障害のある方に対する虐待防止体制の強化を図るものである。 10ページ、移動支援事業費の障害者等移動支援事業費だが、利用時間の拡充や新たなサービスを追加するものである。 14ページ、障害者雇用促進連絡会開催費だが、障害者雇用に積極的に取り組む市内企業との連絡会や雇用促進セミナーを開催して雇用の促進を図っていく。障害者就労活動支援事業費だが、就労支援団体アウトサイダー・アート・かなざわ(仮称)を新たに発足させるほか、インターネット美術館を開設して芸術的な才能を持つ知的障害のある方の創作活動を支援し、新たな就労支援策の確立を図るものである。 15ページ、障害者福祉避難所整備費だが、指定を受けた施設に対して備品購入の補助をするものである。社会福祉施設等耐震化等臨時特例事業費だが、障害者支援施設であるふじのき寮の老朽化に伴う耐震工事を補助するものである。 17ページ、高齢者福祉避難所整備費だが、避難所の必需品整備に対し補助するものである。 20ページ、養護老人ホーム建設事業費補助だが、老朽化の著しい向陽苑240床の改築計画の2年目であり、今年度の向陽苑木曳野120床に続き、来年度は向陽苑崎浦120床の改築を支援するものである。 23ページ、「パパっ子倍増」指導者養成講座開催費だが、父親の育児参加を促進するため、児童館や保育所、子育てサロンなどの従事者を対象として講座を開催し、スキルアップを図るとともに、地域での事業の充実を目指す。 25ページ、育英事業交付金は、低所得家庭の高校生に対して月額1万円の奨学金を支給するものだが、東日本大震災で被災して本市へ避難している高校生に対し、引き続き特例支給を行うものである。 26ページ、子どものための手当だが、24年6月分から新たに所得制限が導入されることとなっているが、現在、国会で審議中である。手当ての名称も含め、法案の動向に対応していく。児童扶養手当だが、24年4月分から国基準の改正により第1子の支給額が0.3%引き下げとなっている。児童虐待防止対策推進費のオレンジリボン×学生=アートのまちだが、児童虐待防止のシンボルであるオレンジリボンをデザインした電話相談案内カードを作成し、市内の小中学生全員に配布して、子ども専用相談ダイヤルなどを周知するものである。 27ページ、児童養護施設等における発達障害児等受入加算制度の創設だが、発達障害児等を児童養護施設などに入所させた際、施設においてきめ細かな個別ケアを行えるよう、措置費に本市単独で受け入れ加算を行うものである。保護児童自立支援費だが、施設退所後も継続的に支援が受けられるよう、施設職員による相談や援助等を充実するものである。情緒障害児短期治療施設研究事業費だが、発達障害や虐待経験等で情緒障害を有する子どもなどに対し、治療や援助を行う施設について研究するものである。 29ページ、保育所費である。まず、保育料については14年連続据え置きとした。市立保育所安全対策費だが、年次計画に基づき、大型遊具や地下タンクの改修などを整備するものである。 30ページ、私立保育所緊急整備費だが、安心こども基金を活用して、保育需要の高い駅西・臨海地区、東部地区において施設の新設を支援するほか、建てかえ及び耐震化を計画的に推進していく。 32ページ、こども総合相談センター幼児相談室職員費だが、発達障害児等の個別指導体制を強化するため、富樫の幼児相談室の保育士を1名増員するものである。幼児相談室運営費だが、相談室における指導内容の多様化に対応するため、専門指導員に新たに作業療法士を加えて体制の充実を図る。 33ページ、城北児童会館費だが、城北児童会館の果たす役割や効率的な運営など、今後のあり方について検討していく。児童館トランポリン整備充実費だが、地域で子どもがスポーツに親しめる環境を整えるため、地区児童館9館のトランポリンを更新する。 34ページ、施設整備費補助だが、大徳児童クラブの移転新築工事などを行う。運営委託費だが、鞍月児童館内に2つ目の児童クラブを新設するため、合計で80クラブとなる。児童クラブ耐震化推進費だが、耐震診断や設計に対する補助制度を創設するとともに、耐震建築物で活動ができるよう家賃補助の限度額を引き上げる。児童クラブ障害児受入事業費だが、障害のある個々の児童に応じた支援計画を作成して個別に指導し、あわせて指導員の資質向上を図るモデル事業を実施する。 35ページ、母子家庭等自立促進費だが、パソコン講習会の受講対象者に父子家庭を追加するほか、新たに弁護士による養育費専門相談を行う。母子家庭高等技能訓練促進事業費は、母子家庭の母の就業資格取得を支援するものだが、国の制度改正により、給付金の助成額や支給期間が変更となっている。 36ページ、ホームフレンド事業費だが、ひとり親家庭の子どもの話し相手や相談相手として、従来から大学生等のボランティアを派遣していたが、新たに学習支援もメニューに加えている。生活保護受給世帯の子どもの学業支援費だが、いわゆる貧困の連鎖を防止するため、生活保護受給世帯の中学生に対して学習支援を行う。法外援護費の夏季・歳末見舞金だが、支給対象の見直しを行い、夏季見舞金における在宅・入院分の生活保護受給世帯への支給を廃止する。一般経費の医療扶助適正化推進費だが、電子レセプトの活用による点検を強化するため、医療事務の知識や経験を有する専任職員を1人配置するものである。 ・議案第1号中本委員会所管分についての説明(健康推進部) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・川原健康推進部長 当初予算説明資料の37ページを見てほしい。健康づくり推進費の金沢健康プラン2013(仮称)策定費だが、現行の金沢健康プランの評価を行い、平成25年度からの新たな健康プランを策定する。女性の健康づくり具現化事業だが、金沢医科大学と連携して実施した女性の健康づくり検討会の提言を受け、ホームページなどによる情報発信やモデル事業として女性スタッフによる子宮がん検診などを行う費用である。受動喫煙防止対策費だが、多くの市民が利用する施設の管理者や業界団体への普及啓発を行うほか、講演会の開催、禁煙店舗認証等を行うものである。 38ページ、金沢総合健康センター費だが、金沢総合健康センターは、平成24年4月から公益財団法人に移行する。 40ページ、子育て支援医療助成費だが、昨年10月に入院は中学校3年生まで、通院は小学校3年生まで拡大しており、平成24年度は1年を通じた助成を行い、子育てを支援していく。 41ページ、健康情報システム費だが、住民基本台帳法改正に伴う外国人住民制度に対応するためシステムを改修するものである。 42ページ、前立腺がん検診だが、すこやか検診において隔年実施とし、対象年齢を75歳まで拡大するものである。肝炎ウイルス検診個別勧奨費は、無料受診券を個別送付し、受診勧奨を行うものだが、これも対象年齢を拡大する。すこやか検診用読影機器導入補助は、胃がん検診等のデジタル画像データの増加に伴い読影機器を増設するものである。 43ページ、子宮頸がん等ワクチン接種助成費だが、子宮頸がん、ヒブ、小児用肺炎球菌のワクチン接種費用の全額助成を継続する。また、接種率の向上を図るため、償還払い方式から助成券方式に変更する。対象年齢だが、子宮頸がんワクチン接種のうち高校2年生については、平成23年度中に初回接種を受けた方だけが対象となる。幼児期予防接種助成費だが、新たに生活保護受給者に対し予防接種費の全額助成を行う。また、水痘とおたふく風邪は従来1年度1回限りの助成としていたが、年度内の重複助成を可能とする。高齢者肺炎球菌ワクチン接種助成費だが、高齢者の健康を保持するため、新たに75歳以上の方を対象に1,000円の助成を行う。 44ページ、感染症予防費の感染症対策支援ネットワーク運営費だが、施設内における感染予防を強化するため、新たに運営委員による実地指導を行うとともに、高齢者施設を対象施設に追加する。 45ページ、小動物管理センター費のペット所有者モラル啓発推進費だが、ふんの放置禁止看板を各校下に配布し、ペット所有者のモラルを啓発するものである。ねこ侵入防止器貸出費だが、猫のふん尿被害等防止のため機器を増設し、町会や希望者に貸し出しを行う。 46ページ、食育普及啓発費だが、金沢市食育推進計画(第2次)に基づき、食育を考えるセミナー等を開催し、食育の普及啓発を推進するものである。特定給食施設・医療施設情報システム改修費だが、薬事法改正に伴い、平成25年4月より薬局の開設許可の事務が石川県から本市に移譲されることに対応するシステム改修費である。 47ページ、自殺予防対策費だが、早期の相談や支援など社会的な取り組みにより自殺を未然に防止するため、普及啓発活動やボランティアを育成するもので、金沢こころのマップ作成や、疾患別支援講座の開催等を行うものである。 48ページ、食中毒予防啓発費だが、食の安全安心に関するCMやポスターを作成し、食中毒の予防啓発を行うものである。 ・議案第9号についての説明・・・・・・・・・・・・・・西尾医療保険課長 議案第9号平成24年度金沢市国民健康保険費特別会計予算について説明する。当初予算説明資料の54ページを見てほしい。主な歳出予算の事業の改正点などについて説明する。1款1項1目一般管理費だが、平成25年度からの賦課方式の変更にあわせた国保新システムの導入費における債務負担の現計化分のほか、同じく25年度から開始するコンビニ収納の準備経費などを計上している。2款1項1目医療諸費だが、高齢化の進展に伴う医療費の増加により、対前年度当初予算比約33億円の増額を見込んでいる。 55ページ、共同事業拠出金は、高額医療分に係る保険料の平準化のために拠出するものである。後期高齢者支援金は、後期高齢者の医療費に対して各医療保険者が被保険者数に応じて負担するものだが、対前年度比約8億円増加している。同じく各医療保険者が負担する40歳から64歳までの介護保険第2号被保険者に係る介護納付金も約3億円増加している。第3款保健事業費だが、特定健康診査費のほか、特定保健指導費や脳ドック受診助成などの健康管理促進費を計上している。 56ページ、運営安定化推進費は、医療費の削減に向けてジェネリック医薬品利用促進費などを計上している。5款繰上充用金は、平成23年度の赤字額を補てんするため充当するものである。歳出合計は497億662万9,000円である。 57ページ、A3の資料を見てほしい。収支の概要及び保険料率の積算について説明する。歳出は、今説明した歳出状況をあらわしている。医療費等の伸びは3.57%だが、それ以上に後期高齢者医療制度支援金等と介護納付金が高い伸び率となっており、これらの負担金で約11億円増加している。歳入A欄だが、現行の保険料の料率で据え置き、繰入金については負担緩和特例繰入金としてこれまで繰り入れしてきた特定健診分のみを算入した場合の平成24年度の歳入である。歳入については、収支に大きな影響のある項目のみを説明する。保険料の小計は92億9,000万円余だが、個人所得の減により、対前年当初予算比で約9,000万円の減となっている。収納率は23年度決算見込みの88.83%と同率で見込んでいる。療養給付費等交付金、前期高齢者交付金、国・県支出金と交付金等は、医療費の伸びに合わせて積算している。繰入金だが、法定あるいは本市独自ルールによる一般会計から繰り入れ及び従来からの特定健診分のみを見込んでいる。歳入歳出差引不足補填収入は累積赤字額のことだが、現行料率と従来の繰り入れルールのままでは、平成24年度末の累積赤字額が特例繰り入れ前では約27億円まで拡大し危機的な状況となっており、国保財政の健全化のために、平成24年度に大幅な料率改定が避けられない状況となった。しかし、市民生活への影響に配慮して、一般会計から特別に約12億円繰り入れすることにより、料率改定を抑制したいと考えている。この12億円の特例繰入金の内訳だが、3月補正予算で約4.9億円、24年度当初予算で約3.1億円、今後の補正で約3.9億円である。この特例繰り入れと料金改定を行うと、歳入B欄の収支状況となる。これによって累積赤字額が13億9,000万円まで減少する。この後、24年度中の補正で約3.9億円を繰り入れることにより、24年度末には約10億円となり、結果として23年度末に発生した累積赤字額10億円と同水準にとどめ、累積赤字の拡大を防ぐ考えである。 次に保険料の改定について説明する。医療分だが、高齢者や低所得者層が多い国保被保険者に対して、経済状況を考慮し据え置くこととした。支援分だが、今年度の負担金が7.9億円ふえたことにより、この支援分に係る収支不足額が5.5億円生じる見込みとなった。これについても、市民生活の影響に配慮して、この収支不足の2分の1を特別に繰り入れすることにより、料金改定を2億6,000万円に抑制したものである。改定の内容については、支援分では均等割で月額210円、世帯平等割で200円、1人当たりの平均では月219円の増となる。介護分だが、介護納付金が2.9億円ふえたため、従来どおり収支の均衡を図るために不足分について改定する。改定の内容は、所得割で月1%、均等割で月額200円、世帯平等割で180円、1人当たりの平均では月334円の増となる。今回の改定によって、支援分、介護分合わせて約4億円の増額となるが、一般会計から特別に繰り入れすることで料率改定を極力抑制しており、理解してほしい。なお、現在、国では社会保障と税の一体改革において国保に対する支援が示されてはいるが、後期高齢者支援金と介護納付金と合わせて10.8億円の負担金がふえたことで、今回やむなく必要最低限の改定をした。今後も制度存続のため、国に対しては全国市長会などを通じて制度の抜本的改善を訴えていく。 58ページを見てほしい。今回の12億円の繰入金についてだが、単なる赤字の補てんではない。まず、旧障害老健医療費増分だが、これは老人保健制度に加入していた65歳以上の障害のある方が国保にとどまったため医療費が増加した分について23年度の補正で3億円、24年度当初で3.1億円繰り入れしている。次に、高度医療による医療費増分だが、金沢市は医療機関が充実している結果、医療費が高額となっており、この分に着目して繰り入れするものである。料率改定抑制分だが、今回、医療分と支援分について約2.6億円の料金改定をするが、それと同額分を市民生活に配慮し繰り入れするものである。財政安定化支援事業減額補填分は、交付税措置される財政安定化支援事業に対する分だが、国の指示率変更による減額分を一般会計から繰り入れするものである。 ・議案第10号についての説明・・・・・・・・・・・・・・西尾医療保険課長 議案第10号平成24年度金沢市後期高齢者医療費特別会計予算について説明する。当初予算説明資料の59ページを見てほしい。被保険者から徴収した保険料を石川県広域連合へ支出するための特別会計である。歳入だが、1款1項1目後期高齢者医療保険料は原則として県内一律の保険料の料率により、金沢市に住所のある後期高齢者医療制度加入者から徴収する保険料である。この保険料は、保険料負担金として広域連合に納付することとなる。平成20年度の制度創設以来、4年間据え置かれてきた保険料だが、高齢化の進展により加入者がふえ、医療費が増加したために今回やむなく改定するものであり、賦課限度額の引き上げとともに、今月末に開催される広域連合の連合議会において決定される見込みである。 60ページ、歳出だが、2款1項1目後期高齢者医療広域連合納付金は、石川県広域連合の共通運営経費に対する金沢市の事務負担分、また金沢市が徴収した保険料を広域連合に納付する保険料負担金、低所得者に対する保険料軽減相当額として納付する保険基盤安定拠出金などである。 ・議案第11号についての説明・・・・・・・・・・・・・・不破福祉総務課長 議案第11号平成24年度金沢市母子寡婦福祉資金貸付事業費特別会計予算について説明する。当初予算説明資料61ページを見てほしい。この特別会計は、母子及び寡婦の家庭に経済的自立への助成と児童福祉の増進のため行っている修学資金や生活資金など、合わせて12資金を管理している会計である。歳入だが、1款繰越金の6,000万円余は前年度までの貸付枠の剰余金が繰り越されたものである。2款諸収入3,900万円余は貸し付けを受けた方々から返してもらう元利収入金などである。合わせて歳入は約1億円となり、当該事業を運用できる見込みのため、新たに国庫支出金を請求する計画はない。歳出だが、1款民生費として、最近5カ年間の貸付実績に基づき、貸付資金として2,750万円を計上している。これにより、母子及び寡婦からの貸し付け需要に対応できると考えている。万が一当初の見込みの貸付資金が不足するようなことになれば、まず3款の予備費7,200万円余から充当する。さらに貸付原資が不足した場合として、2款公債費で一次借入金利子を10万円計上している。 ・議案第12号についての説明・・・・・・・・・・・・・・中村介護保険課長 議案第12号平成24年度金沢市介護保険費特別会計予算について説明する。当初予算説明資料62ページを見てほしい。会計規模は314億2,800万円余で、前年当初比2.7%増となっている。新規の事業や改正点を中心に説明する。歳入だが、介護保険給付費の財源は、その半分を国・県・市の公費で負担しており、残りの半分を40歳以上の方に負担してもらっている。これまでの3年間については、65歳以上の方が全体の20%を負担していたが、平成24年度から26年度の3年間は政令が改正されて21%の負担に引き上げられている。また、保険料を3年ごとに見直しており、平成24年度から26年度までの保険料は現行の基準月額4,750円を5,680円に改定したい。 71ページを見てほしい。保険料の積算基礎となる保険給付費等の見込みについて説明する。表は、第4期末の決算見込みと第5期の計画の数字との比較であり、来年度から団塊の世代が順次65歳に到達することから、高齢者人口が増加し、あわせて要介護認定者も増加するため、保険給付費もふえていくと見込んでいる。サービス給付費は次の3年間で130億5,800万円増加すると見込んでおり、認定者の増加、施設の充実、報酬改定などが増加の要因となっている。 施設の整備数についてだが、A欄は23年度末の整備数を示しており、B欄は次の3年間の整備数を示している。表の中ほど、地域密着型サービスを見てほしい。これまで本市においては、平成18年度に地域密着型サービスが創設されてから、市内19カ所の日常生活圏域ごとに国庫補助を入れながらグループホームや地域密着型介護老人福祉施設を順次整備してきている。次期プランにおいても、待機者の多い日常生活圏域ごとに認知症対応型共同生活介護、いわゆるグループホームを9カ所162人分、地域密着型介護老人福祉施設を5カ所145人分整備することとし、さらに介護老人福祉施設については待機者の解消を図るため、日常生活圏域にこだわらない広域型の施設を100人分整備することを計画している。また、介護老人保健施設を120人分整備することとし、全体として、第4期以上の施設整備量を計画に盛り込んでいる。 月額の保険料だが、現行の4,750円を次の3年間は5,680円としたい。次年度以降3年間の保険料の上昇を軽減するために、市の介護給付費準備基金約4億6,000万円と県の財政安定化基金約3,000万円を活用して、負担増を月額5,680円にとどめるものとなっている。また、所得の低い方の保険料負担を軽減するため、保険料段階の設定を現行の9段階から11段階に細分化している。具体的には現行の第3段階を国の政令改正にあわせて合計所得金額120万円で細分化するとともに、市独自に第2段階の方の上昇額が第3段階以上の方よりも小さくなるよう調整するとともに、所得の高い現行第9段階の方を合計所得金額800万円で細分化して、できるだけ各段階でなだらかな上昇となるよう調整した。なお、今回の月額930円の上昇分のうち、認定者の増加や報酬改定など国の制度改正による上昇分が800円程度あり、残り130円は施設整備や低所得者の負担軽減によるものである。 62ページを見てほしい。40歳から64歳までの保険料については、各医療保険に上乗せして徴収しているものである。一たん社会保険診療報酬支払基金に集めた後、3款の支払基金交付金として交付されるものである。2款国庫支出金と4款県支出金は、主に国、県の法定負担分である。なお、市の財政安定化基金は、24年度に限り保険料上昇緩和のため取り崩すものである。 64ページ、6款繰入金は、市の法定負担分のほか事務費繰入金などを計上している。また、介護給付費準備基金繰入金1億598万2,000円は、24年度における保険料不足分を基金から繰り入れるものである。 65ページ、歳出だが、一般管理費は、要介護認定事務費やシステム運用に係る経費であり、今後の申請件数の増加に対応するため、福祉サービス公社の認定調査職員1名を増員する。また、県からの権限移譲に対応するため、介護保険運営協議会内に新たに専門部会を設置することとしており、あわせて事業者に対して集団指導や個別研修を実施し、サービスの質の向上に努めていく。 66ページ、2款保険給付費は、前年当初比2.6%増となっている。今回の報酬改定により介護職員の処遇改善のための加算等が創設されたところである。 67ページ、3款地域支援事業費だが、もの忘れ予防事業は、事業の最終年度となっており、5年間実施したモデル事業の検証、総括を行うこととしている。 68ページ、包括的支援等事業費だが、主なものは、市内19カ所に設置した地域包括支援センターの運営経費であり、来年度、名称変更にあわせて委託料を見直し、機能強化を図るものである。各センターにはこれまで保健師、主任ケアマネジャー、社会福祉士が配置されていたが、各センターにさらに専門職であるケアマネジャー1名を増員するとともに、専門職の経験年数を評価し、虐待等の時間外対応に配慮することとした。あわせて高齢者実態把握などの事業を基本業務と位置づけ、新たに事務費を加算することとした。 69ページ、家族介護支援事業費だが、新たにゴールデンウイークや年末年始など、介護保険適用の宿泊サービスが満杯の時期に、保険外サービスとして小規模多機能型居宅介護事業所の空きベッドを利用したサービスを創設した。また、地域における認知症の方への対応を拡充するため、市内の精神科救急基幹病院に認知症情報センターを設置して、精神保健福祉士を配置し、地域と専門医をつなぐ機能を担ってもらうこととした。あわせて認知症の情報連絡会を開催し、専門医、地域包括支援センター職員、市担当者の意見交換に努めていく。また、新たに傾聴ボランティアの育成や介護相談員の拡充を図っていく。 | |
△[議案に対する質疑応答] | |
◆広田美代委員 国民健康保険について聞く。国の負担率の引き下げにより、何とか値上げを少なくしようと頑張っているとは思うが、今回保険料が引き上げとなり、市民に対する負担分は約4億円となるとのことである。そこで引き上げとなる世帯数と、直近の資格証明書の発行数を教えてほしい。 | |
◎西尾医療保険課長 保険料率の改定によって引き上げられる世帯数だが、今回は全世帯に係る応益割である均等割と平等割を引き上げることになるので、最高限度額に達している約4%以外の全世帯となる見込みである。また、資格証明書世帯だが、1月末時点では980世帯である。 | |
◆広田美代委員 40歳以上の方では年間6,646円の引き上げとなり、本当に大きな負担となる。本会議でも述べたが、やはり情報公開と市民に考えてもらう場が必要ではないかと思う。そこで、運営協議会の公開を要望したが、なぜ公開できないのか。 | |
◎西尾医療保険課長 本会議の答弁にもあったが、運営協議会は法に基づいて各保険者が設置しており、保険料率など重要な事項について諮問、答申することになっている。公開できない理由だが、今議会において、一般会計から12億円を繰り入れる提案をしているように、一般会計からの支援によって保険料の金額は大幅に変わってくるため、議決前に保険料の料率を公開するわけにはいかないと考えており、下半期の協議会を非公開とし、議会の議決を経て正式に一般会計からの支援が決まった段階で保険料率を公開している。また、市の情報公開条例においても、政策形成過程における審議については非公開とできるとされていることからも非公開としている。 | |
◆広田美代委員 全国的に非公開であるならば納得できるが、実際、広島市など、すべて公開している都市もあるため、今後も引き続き検討してほしい。 ①今回の保険料改定について、運営協議会でいろいろ議論があったと思うがそのとき挙げられた意見を教えてほしい。 ②運営協議会では、25年度の旧ただし書き方式について、どんな認識を持っているのか。 ③どのような方々で構成されているのか。 | |
◎西尾医療保険課長 ①事務局として今回の12億円の繰り入れを運営協議会でも説明した。その中で、国保は構造的に恒常的な赤字体質であり、やはり保険料だけでは運営できない、一般会計からの支援がなければ運営できないと理解してもらっており、一般会計からの12億円の支援については反対の意見はなく、全委員の了解を得た。 ②上半期の運営協議会の中で、法改正により25年度から旧ただし書き方式に移行することを説明した。その時点では、制度概要を簡単に説明しただけで、具体的な議論には入っていないが、今年度、運営協議会を2回から3回にふやし、12月をめどに経過措置の考え方などを中心に議論してもらう予定である。 ③被保険者代表委員として4名、保険医または薬剤師代表として医師会、歯科医師会、薬剤師会のいわゆる3師会から4名、また、公益代表として、農業委員会、栄養士会、ボランティア連絡協議会、公認会計士の代表が入っている。さらに健保組合などの被用者保険の代表が入っており、合計14名の委員で構成されている。 | |
◆広田美代委員 名立たる専門家や被保険者である市民も入っているのでいろんな意見が出ると思う。しかし国保の問題について議論を交わして、国に言っていく必要があるとするならば、運営協議会を市民にもっと広く公開して意見を寄せてもらうことも必要ではないかと思う。引き続き運営協議会の公開を検討してほしい。 ①介護保険について聞く。今回保険料改定で引き上げになるとのことだが、対象者数を教えてほしい。 ②指定居宅サービス事業者などの指定に係る事務や指定障害福祉サービス事業者などの指定に係る業務が県から権限移譲されることになるが、今後、市内のどのような施設を受け持つことになるのか、詳細に教えてほしい。 | |
◎中村介護保険課長 ①今回の保険料改定については、1号被保険者の保険料であり、24年度で10万300人の見込みである。 ②移譲される事業内容だが、県から居宅サービス事業所288事業所、介護保険施設29事業所が権限移譲される。従来、本市においては地域密着型サービスについては指定、指導、監督権限を有していたが、それがさらに拡大されるものである。 | |
◎松倉障害福祉課長 ②障害福祉サービスについては、まず社会福祉法人以外が経営する障害福祉サービス事業、例えば生活介護や自立訓練、就労移行支援などの就労関係の事業所、グループホームや相談支援の事業所など、84事業所192サービスである。また、社会福祉法人でも施設を有しない居宅介護事業所あるいは行動援護事業所、同行援護事業所等々22事業所があり、合計106事業所が移譲される。 | |
◎太村長寿福祉課長 ②長寿福祉課関連として、有料老人ホームの設置届け出処理及び指導、監督業務が移譲される。現在、市内に26施設あり、この施設の指導、監督についても移譲される予定である。 | |
◆広田美代委員 非常に多くのサービス、事業所が権限移譲されてくるが、本会議の答弁では4名の増員で対処するとのことであった。この間、事業所の指定取り消し事案などがあり、今後大変になってくると思うが、どのような考えで臨んでいくのか聞く。 | |
◎西村福祉健康局長 障害あるいは介護を含め、トータルで今のところ400ぐらいだが、毎年新規に100ぐらいずつふえてくる。これは相当な量になる。これまでも監査権限を明確に持っている福祉指導監査課と、介護保険課や障害福祉課など、いわゆる原課と組み合わせで指導を行っており、本市はその対象によって監査の実施を毎年、2年に1回、3年に1回という形で行ってきた。基本的にはこの方法でやっていきたい。報道されているような案件だが、対象件数がふえてくれば、そういう事案が出てくる可能性は当然高くなると思っている。いずれにしても、福祉部門の総力を挙げてきっちりと対応していきたい。 | |
◆新村誠一委員 ジェネリックについて、市立病院では思うほど効果がないようであった。今回の当初予算の新規施策で、ジェネリック医薬品利用促進費300万円が計上された。県内の自治体でも実施しているところが出てきたが、市全体として何か把握しているものがあれば教えてほしい。 | |
◎西尾医療保険課長 金沢市の国民健康保険で今回300万円の新規事業として差額通知事業を行う。市全体の数字はつかめないが、国保の状況を説明すると、11万人の被保険者のうち、今年度は4万人に対して、通常の医薬品を使った場合とジェネリックを使った場合の改定差額通知を出す予定である。これによって引き下げられる経費について、24年度は下半期に実施するので約半年分だが、国保では680万円の医薬品の削減効果を見込んでいる。 ジェネリックは生活習慣病、高血圧症、糖尿病などの患者が恒常的に使用する場合に効果があり、国保加入者には高齢者の方が多いことから、国保で利用促進を図るほうが効果は高いものと考えている。 | |
◆新村誠一委員 せっかく300万円かけるのだから、300万円以上のメリットがないとあまり効果がないと思う。国保の対象者4万人に対してまず啓発、普及し、また一般の人にも声をかけてほしい。何でもジェネリックにとは言えないが、特に国民健康保険は自分に返ってくるので、そういう啓発もあわせてやってほしいと思う。 ねこ侵入防止器貸出費の7万円だが、これはどのようなものか。 | |
◎野田衛生指導課長 ねこ侵入防止器は、先端から猫の嫌がる周波数の超音波が出て、地面に置くと約10メートル先まで、高さが1メートル弱まで届く。猫は非常に縄張り意識が強いことから、縄張りにこれを2台1セットで置く。すると自分の縄張りに行くと嫌な音がするとして、それをある程度繰り返せば猫が来なくなるという仕組みである。もともと22台、11セットを持っていて、これまで個人単位でまずは2週間、延長して最大1カ月の貸し出しを行っており、効果があれば自分で買ってもらっていたが、22年度に制度を開始してから春から秋ぐらいまですべて貸し出されている状態である。また、例えば町会単位でまとめてやりたいという要望もあったことから今回、町会専用のものを追加で購入することとした。 | |
◆新村誠一委員 その機械は幾らぐらいのものか。 | |
◎野田衛生指導課長 メーカーから直接買うため、大体1台6,500円から7,000円である。これを2台1セットで購入する。市販価格は1万3,000円から1万5,000円ぐらいである。 | |
◆新村誠一委員 ぽい捨て等防止条例と連携して、効果があるものであればもう少し台数をふやしてPRしてもいいと思う。また、できるだけ放し飼いにしないとか、野良猫にしないというような啓発も必要だと思う。機械を買っても切りがないので、できたらそういう啓発活動で盛り上げてほしい。 | |
◆源野和清委員 障害者の防災対策費について聞く。今回新たに障害者福祉避難所整備費が計上されており、対象施設は指定を受けた障害者福祉施設などとしているが、これは既存のものを指しているのか、または締結中の福祉避難所等も含んだ考え方なのか。 | |
◎松倉障害福祉課長 障害者の福祉避難所については、これから協定を結ぶために各施設と協議していきたいと思っており、個々の施設と協議しながら必要なものの購入を助成していきたい。 | |
◆源野和清委員 それを踏まえて、これから締結を進め、受入数を伸ばしていくことになるが、当初予算の200万円では不足しないか。 | |
◎松倉障害福祉課長 障害のある方の福祉避難所として、障害福祉入所施設、特別支援学校等合わせて13施設を想定している。これを3年計画で措置していきたいと思っており大丈夫かと思う。 | |
◆高芳晴委員 ①生活保護受給世帯への学業支援費350万円だが、何世帯を想定しているのか。 ②被保護世帯の夏季・歳末見舞金を廃止するとしているが、歳末はどうするのか。廃止になる世帯数とあわせて聞く。 ③自殺予防対策費だが、自殺者数がなかなか減らないと聞いている。新規施策としてどういうことを、どこで、だれがやるのか。 ④母子寡婦福祉資金について、借りた後なかなか返さないということをよく聞くが、本市でもそのようなことがあるのか。育英資金とあわせて聞く。 | |
◎岡生活支援課長 ①対象者は生活保護受給世帯の中学生であり、現在約60名である。世帯数は若干それよりも少なくなり、大体55世帯前後である。 ②夏季見舞金の被保護世帯の在宅・入院分の廃止であり、その影響は約2,900世帯、約850万円である。歳末見舞金だが、被保護世帯については既に廃止している。 | |
◎加藤健康総務課長 ③金額については精神保健対策費全体で271万6,000円であり、自殺対策予防費は、そのうちの140万円である。主な事業内容だが、まず自殺防止対策ネットワーク会議を今年度から立ち上げており、協力して金沢こころのマップを作成したい。それから、相談支援体制を協議するために今年度から顧問精神科医を置いており、統一的なキャンペーンもしている。また、今年度実施していた自殺に関する研修を市民公開講座に切りかえて、うつ病、統合失調症などの内容に分けて5回ほど開催したい。また、泉野福祉健康センターでは引きこもりの本人、家族のサロンをやっており、こういったものも含めて140万円である。 こころのマップについては、金沢市内に精神科、診療内科の病院等が約30あり、関連するこころの健康センターなどの施設が幾つかあるが、場所がわかりにくいことから、地図を作成し、裏面にはうつ病の症状や自殺を打ち明けられたときの対応など、ワンポイントのメモも入れたいと思っている。 | |
◎不破福祉総務課長 ④母子寡婦福祉資金についての滞納状況だが、平成22年度末現在で5,100万円余である。そのうち平成8年度に本市が中核市となり、県から移行した滞納額が約1,400万円ある。滞納額の半分以上は子どもの就学、あるいは就労時に貸す資金であり、現在、職員による滞納者宅への訪問、電話や文書でのお願いにより、子どもが成人して働きだしたら返してもらえるという状況であり、おくればせながら返ってくるというのが現状である。そのため時間はかかるが、これからも滞納者へはいろいろと指導していきたい。育英資金だが、これは貸与ではなくて給付であり、滞納はない。 | |
◆広田美代委員 自殺について聞く。金沢市の自殺防止のイベントやキャンペーンを見て感じることは、心に重点を置いていることである。もちろん精神病としてのうつ、統合失調症などの問題もあると思うが、今は、不況、リストラ、雇用問題など経済的な問題がかなり多いと言われている。統計的にあらわれていないが、私の身近でもそういう生活相談がふえているし、生命保険を残すために自殺する方が多くなってきている。そういう中で、最初は精神科の病院からかもしれないが、そこから経済的な相談につながっていったり、雇用の問題につながるかもしれない。そこで、生活支援や雇用の部門につなげていく取り組みをぜひ行ってほしい。所見を聞く。 | |
◎加藤健康総務課長 自殺の原因は、委員指摘のようにいろいろあると思っている。しかし健康総務課や現場の福祉健康センターが直接対応できるのは、どうしても精神疾患、特にうつ病であるが、雇用や経済状況などの問題も非常に多いため、関係者のネットワーク会議を開催している。これには庁内の関係各課である生活支援課や市民参画課等も入っている。それから税や保険の窓口でも、実は困っている、本当に死にたいということも聞くので、ネットワーク会議でいろんな情報を伝え合って、関係部署につなぐ機能を非常に重要視している。先ほど述べたマップについても、そのネットワーク会議を使って作成し、そういう連携のあり方も少し書き込めればと思っている。 | |
◎川原健康推進部長 一つ補足したい。今の話の逆になるかも知れないが、税の窓口や生活保護の窓口などの職員が、最近よく言われているゲートキーパーに対応する立場になることもあることから、相談者の心配などについて早目に相談するなど、そういう異常に気がつく、ゲートキーパーという意識を持ってもらうための啓発や研修もしていきたい。 | |
○森一敏委員長 自殺予防に関してだが、消防が救急で出動した際に、自殺を図っていたというケースが毎年相当数ある。幸いにして命をとりとめることができたという場合でも、また自殺衝動に駆られてしまうケースがあり、こことの連携は極めて重要なテーマではないかと以前指摘したことがある。あれから2年ほどたったと思うが、その後何かシステムとして前進しているのか、もしわかれば答弁してほしい。 | |
◎加藤健康総務課長 たしか本委員会でそういう質問があったと思っている。その辺の情報をきちっとダイレクトに入手することは、やはり事柄が事柄だけになかなか難しい。ただ、福祉健康センターでいろんな相談をやっているし、県のこころの健康センターには自殺未遂者の会という窓口があり、そういったものにつなげるように、消防サイドでチラシか何かを配っていると聞いたことがある。ネットワークでその辺も強化して、具体的に成果が上がるようなものにしていきたい。 | |
○森一敏委員長 全体の総括質疑の場があるので、それまでに少し現況の確認をしておいてほしい。 以上 |