引用元:金沢市議会議事録
平成29年 3月 市民福祉常任委員会
市民福祉常任委員会記録
1.開会日時 平成29年3月17日(金)
2.開議時間 開会 午前10時10分~閉会 午前11時45分
3.場所 第3委員会室
4.出席委員(8名) 源野和清委員長、松井 隆副委員長
熊野盛夫、広田美代、下沢広伸、松村理治、
小阪栄進、田中展郎の各委員
5.欠席委員(0名)
6.出席説明員 別紙のとおり
7.事務局出席者 山口調査係長、酒井主任
8.審査事件等 別紙のとおり
9.議事の経過等 以下のとおり
委員長の開議挨拶に引き続き、議案審査付託表(一)により本委員会に付託された議案のうち、市民局所管分について執行部より説明を聴取し、質疑応答を行い、閉会した。
△[議案の説明]
・議案第51号中、市民局所管分についての説明 ・・・・・・・・野島市民局長
議案第51号平成29年度金沢市一般会計予算中、市民局所管分について説明する。
市民局予算説明資料1ページを見てほしい。平成29年度市民局機構図だが、市民協働推進課、人権女性政策推進課、市民課の3課で構成し、市民協働推進課内に地域コミュニティ活性化推進室を設置することから1名の定員増となる。市民課ではマイナンバーカード交付、コンビニ交付の準備作業の終了に伴い1名の定員減となり、市民局全体での職員数の増減はない。
2ページ、平成29年度市民局課別当初予算一覧表(歳出)だが、市民局の一般会計予算の合計は24億3,749万2,000円、対前年度比25.08%の増で、一般会計に占める割合は1.44%である。
3ページ及び4ページ、重点施策だが、協働によるまちづくりの推進と食文化の振興、住みよいまちづくりの実現、女性活躍の推進、男女共同参画の推進、人権教育・啓発及びDV防止対策の推進、消費者教育の推進、市民生活を支える基盤づくりの7点としている。
5ページ、市民生活対策費の高齢者消費生活安心モデル事業費だが、福祉関係者等と連携して消費者問題の早期発見や解決を図る研修会を実施する。消費生活相談員資格取得費だが、職員が消費者安全法に定められた消費生活相談員の資格を取得するための研修会に参加するための経費である。
6ページ、消費生活啓発活動費だが、新たに若者向けに啓発冊子を作成して、入学時のガイダンス等で配布することで、若者の消費生活のトラブルの未然防止に努めるものである。
7ページ、町会関係費の金沢市町会連合会結成60周年記念事業費補助だが、これは平成29年度に金沢市町会連合会が結成60周年を迎えることから、記念誌の発行など記念事業の経費の一部を補助するものである。コミュニティ費のコミュニティ活動支援費だが、従来のコミュニティ活動に対する支援で、修繕の補助対象額を引き下げるとともに、新たにはっぴの購入を補助対象に加えた。地域コミュニティ活性化推進計画策定費だが、今回上程している地域コミュニティ活性化推進条例に基づいて推進計画を策定するためのものである。
8ページ、地域コミュニティ活性化モデル事業費だが、他の町会のモデルとなる加入促進や活性化を推進する先進的な取り組みを支援するもので、町会連合会の9ブロックからそれぞれ1団体を募集し、審査の上、採択事業を決定し、実施を支援するものである。市民協働推進費では、新たに協働に関する情報を掲載した広報誌を作成し、班回覧を通じて市民活動団体や市民協働の取り組みの普及啓発につなげるものである。
9ページ、市民活動サポートセンター開設準備費だが、地域団体や市民活動団体の連携等を支援するサポートセンターの開設準備会を設立するとともに、事業計画を策定し、市民活動団体等の育成支援を充実させるものである。また、市民活動団体のデータベースも構築していく。
10ページ、快適で美しいまちづくり推進費だが、ぽい捨て等防止重点区域に新たに旧観音町地区を追加し、快適で美しいまちづくりを推進する。学生のまち金沢推進費では、新たに大学生と高校生が協働して地域課題の解決策を発表するコミュニティデザイン事業を実施し、高校生に地域に対する関心を醸成していくとともに、金沢で大学生活を送る魅力を伝えることで、金沢の高等教育機関への進学の動機づけにつなげたいと考えている。
11ページ、地域コミュニティ活性化基金、地域コミュニティ活性化基金積立金だが、今回上程をしている地域コミュニティ活性化推進条例の制定に合わせて、市民活動推進基金を改編し、地域コミュニティ活性化基金を創設するものである。男女共同参画社会づくり推進費の女性活躍かなざわスタイル発信事業費だが、就職を希望している学生とともに女性の活躍と働き方を調査し、多様な女性活躍像を企業等に発信していくため、学生による企業の取材や学生自身の意識調査、発表会、交流会の開催などを行うものである。
13ページ、男女共同参画社会づくり推進事業費では、新たにかなざわ女性活躍推進会議を設置して、女性活躍推進に関する取り組みを効果的に実施するための協議を行っていく。女性相談支援事業費では、引き続き女性相談事業、DV相談支援事業を実施していく。
14ページ、DV防止対策費の中に、新たに若年層へのデートDV防止啓発活動費を設け、近年、顕在化している若年層のデートDVの防止に向けて、シンポジウムや相談窓口などの啓発事業を実施していく。金沢ボランティア大学校費だが、従来の福祉コースを再編し、新たに高齢者福祉コース、子ども福祉コースを設置することとしており、この中で教育プラザ富樫が設置しているファミリーサポートセンターの提供会員の育成にもつなげていきたいと考えている。また、ボランティア活動への参加を一層促進していくため、活動情報を紹介するコーナーを設置する。
18ページ、墓地費の内川墓地公園造成事業費だが、現在行っている第1工区の整備を継続していくとともに、平成28年度に整備した区画の貸し付けを開始する。奥卯辰山墓地公園整備事業費では、参道の一部について拡張工事を実施する。
19ページ、近江町交流プラザ費だが、「伝統的な食文化」普及推進費では、食育推進月間に合わせて実施している料理教室や講演会の中で、新たに加賀野菜などを使用して幼児期の食生活や摂食指導、食事相談などを実施する。
・議案第71号及び議案85号についての説明・・・・・・・・・・・野島市民局長
議案第71号金沢市における地域コミュニティの活性化の推進に関する条例制定と議案第85号金沢市における市民参加及び協働の推進に関する条例の一部改正についてをあわせて説明する。
配付した議案第71号の説明資料を見てほしい。金沢市における地域コミュニティの活性化の推進に関する条例--地域コミュニティ活性化条例は、平成28年12月の当委員会で骨子案の説明を行い、その後、条文の検討やパブリックコメントを経て条例案を作成した。条例制定の背景だが、金沢はコミュニティーのまちであり、長年にわたって培われてきた豊かな地域社会の土壌を次の世代に受け継いでいく必要がある。一方で、核家族化や少子・高齢化の進行などにより、地域活動に参加する人が減少するなど、地域のきずなの希薄化が懸念されている。福祉や環境、教育、防災といった今後の地域の重要課題の解決や住民同士の支え合いを進めるためには、地域コミュニティーの醸成と充実が不可欠であることから、条例案の提出に至った。提案の趣旨だが、地域におけるコミュニティーの充実と市民協働を総合的に推進し、良好な地域社会の維持及び形成に資するため、地域コミュニティーの活性化の推進についての基本理念、市、地域住民及び町会その他の地域団体並びに事業者の役割、基本的な施策等必要な事項を定めることとしている。
条例の構成だが、目的、基本理念、市、住民及び町会その他の地域団体、事業者それぞれの役割、基本的な施策等、地域コミュニティ活性化推進委員会等の5つで構成している。特徴的な規定についてだが、第3条の基本理念では市民活動団体等との連携及び調和を図りながら活性化の推進を行うこと、基本的な施策として第7条では活性化の総合的かつ計画的な推進のために地域コミュニティ活性化推進計画を策定すること、第14条では活性化の推進に関する技術的、財政的支援を行うことなどを規定している。市では、これまでも補助制度など地域コミュニティーを支援する施策を行っているが、この条例によりそれらの施策が関連づけられることとなる。
この条例は平成29年4月1日からの施行とするが、あわせて、従来あった集合住宅におけるコミュニティの組織の形成の促進に関する条例は廃止する。
次に、資料の2枚目の図を見てほしい。議案第85号金沢市における市民参加及び協働の推進に関する条例--協働推進条例と地域コミュニティ活性化推進条例との関係図である。大きな市民協働の枠組みとして協働推進条例があるが、資料左側の図に示したように現行の条例では、市民と市の関係を規定しており、個人や市民団体、町会がそれぞれ市の施策に市民参加することで協働を推進するという内容となっている。資料右側の図に示したように、大きな市民協働の枠組みの中に地域コミュニティ活性化推進条例を位置づけ、地域コミュニティーと市民活動団体等との連携、調和などにより大きな市民参加を得て、大きな協働につなげていくことを目指している。
次に、議案第85号の説明資料を見てほしい。協働推進条例は、平成17年に制定しており、パブリックコメントの実施や、審議会などへの市民参加の手続と協働の推進を規定している。この条例の制定から12年が経過し、市民活動団体や市民協働の取り組みの認知がこの間進んできたが、さらなる広がりを促すため、この条例の中に第15条として、新たに協働による市政の推進についての基本的姿勢を示す規定を追加した。また、条例全体の流れをわかりやすくするため、条文に第1章から第5章までのそれぞれ章名も付与した。さらに、地域コミュニティ活性化推進条例において、町会その他の地域団体、市民活動団体等の用語の意義を規定したことから、協働推進条例においてもあわせて文言の整理を行うとともに、第4条に第4項を追加し、相互の連携及び協力等についてを規定したことがこの条例の一部改正の内容である。
この条例も平成29年4月1日からの施行としている。
・議案第90号についての説明 ・・・・・・・・・・・・・・・・野島市民局長
議案書(1)125ページ、金沢市墓地条例の一部改正について説明する。先ほどの予算説明においても説明したが、内川墓地公園の平成28年度整備区画の貸し付けの開始に伴い、新たに3平方メートルの区画を貸し付ける。
改正の内容は、3平方メートルの区画の使用料--永代使用料を28万8,000円とするもので、墓地条例別表の芝生以外の区域欄に3平方メートルの金額を加えるもので、条例の施行は平成29年4月1日からとする。
△[議案に対する質疑応答]
◆広田美代委員 新たに地域コミュニティ活性化推進条例を制定し、平成17年制定の協働推進条例を一部改正するとのことだが、私は協働推進条例に第15条を追加し、用語の意義を整理すれば新しい条例は不要だと感じたが、どのように整理しているのか。また、最初にあった協働推進条例を見直すことから議論が始まったのか、それとも新しい条例を制定することで一部改正が必要となると判断したのか、議論の推移と、2つの条例の関係性について聞く。
◎東市民協働推進課長 条例の経緯だが、最初に地域コミュニティ活性化推進条例を制定したいという思いがあり、準備に取りかかった。地域コミュニティ活性化推進条例では、用語の意義として町会その他地域団体や、地域活動を定義しながら条文をつくっていたが、もともとあった協働推進条例にも似たような言葉が入っていることから、整理を行う必要が出てきた。2つの条例の関係性だが、市民参加の大きな枠組みとして協働推進条例があり、その中での地域コミュニティ活性化推進条例という形になるので、協働推進条例が基本法的な位置づけで、地域コミュニティ活性化推進条例は特別法という感じになる。また、協働推進条例では、市民参加の手続やパブリックコメント、審議会での公募委員の参加の手続の規定があり、その後、協働の規定が出てくるが、協働の部分の明確な定義がないことから新たに第15条を書き加え、協働推進条例という名称にマッチしたものにしたく、協働推進条例の一部改正もあわせて行うこととした。
◆広田美代委員 同じ条例であり、いまいち違いがわかりにくい。協働推進条例だけで事足りるのではないかと感じる。協働推進条例は、平成17年の議論を見ていると、パブリックコメントや、公募委員の参加により、市民参加を進める意味合いが強いと考えるが、新たな条例の制定によりもともとの条例の理念も薄れるし、似たような条例ができるとごちゃまぜになっているようでわかりにくい。条例の使い分けについて聞く。
◎東市民協働推進課長 協働推進条例の目的として、市政を含めた大きな市民参加があるが、市民参加には地域コミュニティーの活動への参加、市民活動団体への参加もある。地域コミュニティーへの参加に関係する条例として、集合住宅コミュニティ条例があるが、この条例は、アパート、マンションの居住者に、新たに町会をつくったり、既存の町会に参加してもらうことを促進するために制定された。制定当時は、アパート、マンションの住人の町会加入が喫緊の課題だったことから、集合住宅に限定した条例となったが、将来的には地域コミュニティー全体に係る条例も検討してほしいという意見もあった。また、これまでも市は地域コミュニティーに対する支援施策を予算措置で行ってきていることから、この際、きちんと条例を制定することで市として地域コミュニティーを支援していく姿勢を示したいと考え、今回提案した。
◆広田美代委員 市民参加と協働を一緒にするのは難しいと思う。協働推進条例は、市政への市民参加の色合いが強いと思うが、それを何となく新しいものとひもづけすると、市民団体や町会に入って意見を言わなければならないように見えてくる。議論の過程もよくわからないし、2つの条例を並べてみてもよくわからない。また、個人の市政への参加の呼びかけが薄れるようにも感じるので、注意が必要だと思う。協働推進条例では、審議会の設置を規定しているのか。
◎東市民協働推進課長 協働推進条例では、協働をすすめる市民会議を置いており、審議会ではない。
◆広田美代委員 その市民会議の役割は一旦終えることになるのか。何か形を変えていくのか。その市民会議の中心にいる人たちの意見はどのように聞いて、取りまとめに至っているのか。
◎東市民協働推進課長 協働をすすめる市民会議は、現在も活動しており、条例に基づく設置団体なので今後も活動してもらうことを考えている。協働をすすめる市民会議には、町会連合会や、市婦連、社会福祉協議会、既存の地域団体の代表、NPOや市民活動団体の代表、公募委員が入っている。地域コミュニティ活性化推進審議会では、恐らくもう少し人数を絞ることになると考えているが、協働をすすめる市民会議の委員と重複するメンバーがかなり出ると思う。イメージとしては、金沢市防災会議と金沢市国民保護協議会の例が類似しており、その2つは重複した委員がかなりいて、同じ日に会議を開催してそれぞれの審議を行っている。
◆広田美代委員 市民会議はどちらかというとNPOや市民団体の色合いが強くて、今後新しい条例の中で設置する審議会は地域関係の人が多く、重複する人も出てくるだろうという感じなのか。
◎東市民協働推進課長 別の人を選んでもらうのは各団体にも負担をかけるので、重複する委員はいると思っている。コミュニティ活性化推進条例の審議会の公募委員については、それほどたくさんの委員は要らないと思っており、人数的には絞られると思っている。
◆広田美代委員 地域コミュニティ活性化推進条例だが、町会の加入率が低いというところから制定に向けた議論が始まったと思う。骨子の説明のときに町会加入に関するアンケートをしたと聞いたが、町会に入らない一番多い理由は何だったのか。
◎東市民協働推進課長 時間帯が合わないことや、仕事や子育てに忙しいことが理由として多かったと思う。
◆広田美代委員 ライフスタイルの問題も考慮して地域コミュニティ活性化推進条例は運用してほしいが、どうか。
◎東市民協働推進課長 確かにいろいろな人がいろいろな生活をしており、町会活動に参加しにくい人はいると思う。条例の第5条では、住民はそれぞれが居住する区域の町会その他の地域団体の活動に参加するよう努めるとしており、無理やり入ることまでは求めていない。自分の住んでいる地域を皆さんでよくしてほしいというのが根底にあり、それぞれのライフスタイルに応じた参加をしてもらいたいと考えて条文をつくっている。
◆広田美代委員 町会となるとどうしても生活に密着するし、ごみ当番は絶対やるものとして回ってくる。市民活動とは異なり、町会には絶対入らなきゃいけないという印象だが、本来のコミュニティーのあり方をいま一度思い出して、運用すべきだと思うが、その点はいかがか。
◎野島市民局長 協働推進条例は、市民の市政への参画が行政のいろいろな場面でよりスムーズに行われることを目指しており、その仕組みを条例に位置づけることが制定当時の大きな課題だったと思う。当時の本市の地域コミュニティーの状況は、全国的に見ると、どちらかといえば活発に活動が行われていたと思う。しかし、地域の状況が少しずつ変化してきており、従来は地域で当たり前にできていたことが難しくなってきているところもある。地域においてさまざまな活動をしている団体と金沢市がさらに連携を密にしていかなければならないことを感じており、活性化推進条例を制定することとした。両方の条例はいずれもテーマが市民の行政各般の場面への参画であり、協働であるので、イメージは近いと思う。そのため、2つの条例の位置づけの整理を行った。市民のさまざまな活動をいかに行政が支えていくかが狙いであるので、今後もしっかり運用していきたいと考えている。
◆広田美代委員 協働推進条例に基づき、市民協働推進基金があるが、これの成り立ちと、今どのように生かされているのか聞く。
◎東市民協働推進課長 現在ある市民協働推進基金は、平成18年度にできた基金で、それまでは2つの基金があった。1つは美しいまちづくり市民運動推進基金で、これは石川国体を記念してまちを美しくする市民運動を推進するためにつくられたものである。もう一つが市民防災活動推進基金で、市民の防災活動を推進するためつくられた。美しいまちづくり市民運動推進基金は当時の市民参画課、それから市民防災活動推進基金は消防局で所管していた基金で、それを平成18年度に統合し、市民協働推進基金となった。その金額は3,520万円で、目的は市民活動の振興を図り、市民との協働による市政を推進するためとしており、消防局と市民協働推進課でその基金を使っている。消防局は、子ども女性防火委員会運営費の助成費に充当しており、市民協働推進課は、河川愛護デーの活動で草刈り機の替え刃を現物支給しているのと、町会や市民団体の皆さんが清掃活動を行うときに使用するごみ袋と軍手の購入費に充てている。現在の基金の額は2,900万円余りで、会計課が運用して発生した利子の分だけを今説明した2つの事業に充当している。金額として、市民協働推進課が1万3,000円ぐらい、消防局が七、八千円ぐらいとなっている。
◆広田美代委員 平成29年度には新たに3億7,000万円の地域コミュニティ活性化基金が創設され、その中身として28事業に使うとしているが、市民協働推進課の所管となる事業は何か。
◎東市民協働推進課長 市民協働推進課の所管部分として充当されるのは、地域コミュニティ活性化推進計画策定費の450万円と地域コミュニティ活性化モデル事業費の540万円、町会連合会60周年記念事業の補助費の200万円の3事業である。
◆広田美代委員 基金3億7,000万円のうち、今説明のあった3事業の予算の合計1,190万円が地域コミュニティーを所管する市民協働推進課の予算ということでよいか。基金の目的がコミュニティーの活性化なのに、基金の使い方として、市民協働推進課の額が少ないと感じる。地域コミュニティーの事業として、平成29年度にいろいろな事業があるが、なぜこの3事業だけが基金の対象となったのか。
◎東市民協働推進課長 基金の充当事業に関しては、財政当局で選別しており、ふさわしい事業に充当したと聞いている。一般会計の歳入については、総務常任委員会の所管であり、財源の充当先の詳細については財政課に聞いてほしい。
◆広田美代委員 コミュニティーを担当する課であるにもかかわらず、予算が少ないため不思議に思う。
この3つの事業は単年度で終わるのか、それとも続いていくのか。単年度で終わるなら次はどうなるのか聞く。
◎東市民協働推進課長 町会連合会60周年記念の補助は単年度で終わる。地域コミュニティ活性化推進計画の策定も平成29年度に行い、その後は10年又は5年ごとの見直しになると思う。活性化モデル事業費は、モデル事業を行いながら活性化推進計画の議論も行い、どのような形が地域コミュニティーの支援において一番ふさわしいかを探っていくため、この事業については形を変えて残っていくと思う。
◆松村理治委員 コミュニティ活動支援費のコミュニティ活動推進用具補助だが、太鼓、みこしの補助対象は10万円から5万円に引き下げ、山車も30万円から20万円に引き下げとなっているがどういう意味なのか。
◎東市民協働推進課長 太鼓や子どもみこしの修繕費はこれまで10万円以上を対象としていたが、補助の対象となる金額を5万円に引き下げ使いやすくした。同様に山車の修繕費も、30万円以上の修繕費が対象だったものを20万円以上に引き下げ使いやすくした。
◆松村理治委員 この補助金を活用して、西校下で太鼓の団体が立ち上がり、それから10年近く経過するが、金沢マラソンの応援にも参加してもらった。この補助は新規に太鼓を購入する場合にも対象になるのか。
◎東市民協働推進課長 コミュニティ活動推進用具の補助制度では、太鼓は修繕だけでなく購入費の補助もある。補助額は3分の1、上限は50万円となっているため、これを活用してほしい。また、大人や団体の太鼓の活動の場合は、自治総合センターの宝くじの補助事業がある。250万円まで全額補助されるため、大変人気があり、既に幾つかの地域が順番待ちをしている状況である。順番を待っていればもらえる可能性はある。
◆下沢広伸委員 協働の推進とコミュニティーの活性化についてだが、町会の人たちは今やっていることとこれからやることがわかりづらいと思う。現段階においてどのように計画を進めていくのか。また、この案件は、12月にこの委員会で説明があり、3月には条例制定と少し拙速過ぎると思うが、町会の人たちが懸念していることを網羅して事業は進められるのか。
◎東市民協働推進課長 活性化推進計画は、7月ぐらいから審議会を2回、専門部会を2回開催し、パブリックコメントも行って策定していきたい。内容についてはこれから検討していくが、これまでの施策を体系化していくことが必要だと考えており、地域特性にも対応していくことも含めて検討していきたい。また、現場の町会長へのアンケートなども行いたいと思っている。
◆下沢広伸委員 モデル事業において、例えば防災訓練を行う場合、1団体の事業で30万円という金額がよいのか、1ブロックで1団体とするのかなどいろいろな意見があると思う。モデル事業では柔軟な動きができるのか。
◎東市民協働推進課長 モデル事業については、今後町会連合会とも相談しながら、どのような形にしていくか検討したい。また、モデル事業は町連を対象に30万円としたが、参考にした京都市では町会単位まで対象にしており、その金額は七、八万円であった。どちらのやり方がよいのか、推進計画とモデル事業をやりながら検討していきたい。
◆下沢広伸委員 市民活動サポートセンターの開設準備についてだが、この市民活動団体は幾つあるのか。また、NPO、町連、婦人会など、いろいろな団体の活動があるが、市民活動団体の基準はあるのか。
◎東市民協働推進課長 市民活動サポートセンターだが、現在、金沢学生のまち市民交流館は市民活動団体の皆さんにも使ってもらっており、法人格を持つNPOを初め、法人格がない団体も登録すれば利用が可能である。市民活動サポートセンターについても、法人でないとだめという認識はなく、法人格がなくても使用してもらいたい。また、他都市にも市民活動サポートセンターはたくさんあるが、基本的にはNPOを対象にしているところが多い。本市の場合は、NPOだけでなく、町会や婦人会、地域コミュニティ団体にも使用してもらい、双方が連携、調和して活動するような施設にしたいと考えている。
◆小阪栄進委員 金沢の中心部の町会では高齢化で町会の運営そのものが危ぶまれているという声を聞く。80代の町会長はざらにおり、事業の説明文書が町会に届いても、よくわからないため町会長のところでとまっていることがある。このような事例も念頭において、協働によるまちづくりを推進してほしい。
また、町会役員の交代時期だが、1月と4月の両方あるが現在どのような状況となっているのか。
◎東市民協働推進課長 まちなか地域の町会役員の高齢化問題は認識している。本市の人口はまだ微増となっているが、町会の班数や人数は減少しているところもあると聞いている。そのような現状や、役員のあり方なども踏まえて活性化推進計画を進めていきたい。
町会役員の交代時期だが、現在も1月と4月の両方があると認識している。
◆小阪栄進委員 本市の予算執行からいえば4月から3月だと思うので、4月交代とするための緩やかな指導はできないのか。
◎東市民協働推進課長 私どもも統一できればよいと思うが、町会は地域の住民でつくる任意の団体であるため、市は指導や監督ができない立場にあるということを理解してほしい。
◆熊野盛夫委員 地域コミュニティ活性化推進条例の制定に向けたテーマは何か、局長に聞く。
◎野島市民局長 地域コミュニティーを大切にすること、市民の地域におけるさまざまな活動を大切にすること、それをしっかり行政として支援することの3点に尽きると思う。
◆熊野盛夫委員 横須賀市では、町会やPTA、そのほかのいろいろな団体を登録して、ごみの集団回収の活動を行っているが、今般の家庭ごみ有料化の中で資源回収に対する奨励金を倍にすることと、非常に関連していると思うがどうか。
◎野島市民局長 地域では、福祉や教育、環境、防災などさまざまな活動が展開されており、行政は幅広い範囲で地域の皆さんと手を携えて今日に至っている。条例を制定し、行政と地域の皆さんとの連携、協働を支援していきたい。
◆田中展郎委員 ごみのポイ捨ての問題だが、今回、ぽい捨て等防止重点区域として、旧観音町地区を追加することとしているが、追加の理由と、今後の方針を聞く。
◎東市民協働推進課長 旧観音町地区は、浅野川大橋の交番のところから観音院に向かって入っていく通りのことである。ひがし茶屋街は重点区域に指定しているが、その指定をするときに旧観音通りを入れるかどうかの議論があった。当時地元の皆さんとは、必要最小限の範囲での指定ということで旧観音通りは含めなかった。しかし、新幹線開業により、観光客が増加し、たばこの吸い殻のポイ捨てが原因と見られる自販機ごみ箱でのぼや騒ぎがあるなど問題が発生するようになった。そのため、地域からの要望もあり、東山の重点区域の拡大により対処したいと考えた。重点区域の範囲については、これから地元と調整していく。
◆田中展郎委員 ①グッドマナー宣言団体は、現在どのくらいあり、どのような活動をしているのか。
②マナーアップ実践校は、現在何校ぐらいあり、どのような活動をしているのか。
◎東市民協働推進課長 ①グッドマナー宣言団体だが、現在、町会等の地域団体が84、商店街が4、学校が4、スポーツの団体が3、企業が4、学生団体が1、その他団体が1の全部で101団体である。ただ、地道に活動している団体もあれば、休止に近い団体もあると思う。グッドマナー市民大会等の案内は全ての団体に送付して、活動を活性化してもらえるように取り組んでいきたい。
②マナーアップモデル校だが、平成28年度、29年度は鳴和中学校と鳴和中学校の通学区域に当たる浅野町小学校、夕日寺小学校、森山町小学校で取り組みを行っている。平成30年度以降もまた別の中学校とその通学区域の小学校に広げていきたい。過去には、高岡中学校が最初のモデル校となったが、現在も活動は続いているので今後も広げていきたい。
◆田中展郎委員 グッドマナー宣言団体はたくさんあり、本当に活動している団体を応援してほしいが、実態はどうなのか。
◎東市民協働推進課長 グッドマナー宣言団体に対しては、活動費や助成金は全く出していない。自主的に取り組んでもらい、宣言してもらうことで自覚してもらい活動してもらっている。団体はできる限りふやしていきたいと考えている。
◆広田美代委員 市民センターにおける監視カメラ、録音機の導入について、具体的に説明してほしい。
◎塚本市民課長 本庁においては、庁舎警備室等を設けて行政対象暴力に対応しているが、出先の市民センターについては、そのような対応は全くしていない。市民センター窓口では、いろいろ問題を起こす人がいるため、事前に防止する観点から予算を計上した。
◆広田美代委員 カメラを設置することで行政対象暴力を抑制するという意味か。
◎塚本市民課長 一義的な目的は、行政対象暴力の抑制であり、防犯カメラが作動している旨の表示も必要だと思っている。仮に、実際の暴力事件が発生し、刑事事件になった場合にはその証拠になり得ると思っている。
◆広田美代委員 録音機はどのように使用するのか。
◎塚本市民課長 録音機は、電話での暴力的な言葉を発する人との会話を録音したいと思っている。また、窓口においても、大声を出したり、おどし、脅迫的な発言をする人もいるので、場合によっては録音したいと考えている。
◆広田美代委員 電話の場合は事前に録音する案内があるのか。また、窓口では録音する旨を伝えるのか。
◎塚本市民課長 電話の録音については、ICレコーダーを電話に接続し、録音したいと思っている。窓口での録音については、録音することを宣言してから録音したいと思っている。
◆広田美代委員 全国的にも、受付でのやりとりにおける行政対象暴力が問題になっている面もあるが、一義的には一般の市民が来る場所なので、まずは市民を信頼した対応がまずは求められると思う。問題に至った事例を詳しく聞いてみると、最初から殴りかかったというわけではなく、例えば生活が大変なことを訴え相談している中で、気持ちの折り合いがつかず手が少し当たったことをもって、警備担当者が呼ばれて連れていかれたという事例も聞いている。市民の気持ちを聞き入れて、そういう行動に出ないように抑えるのも窓口担当者の務めだと思う。最初から録音、カメラ撮影となると、逆に最初から市民を信頼していないように思う。銀行とは違うのでもう少し熟慮したほうがよいと思う。そもそもの対応としてどのような議論があったのか。
◎塚本市民課長 市民課や市民センターは窓口業務であるので、市民に対してはさわやか応対を徹底している。これは毎年、業務の目標として掲げており、実際に職員はさわやか応対で市民に接しており、市民からはありがとうという言葉もたくさんもらっている。ただ、残念ながら行政対象暴力に至ってしまう事例も年に何件かある。そのような場合に、職員の安全も守らなければならないので、何らかの予防措置が必要だと思っている。また、市民センターではお金も扱っていることもあり、予防措置は必要である。
◆広田美代委員 さわやか応対をするのはもちろんだと思うが、それを通じて行政対象暴力に至らないように頑張ってほしいと思う。カメラと録音機が予防措置になるという考え方は誤りであり、窓口担当者の対応が重要だと思うがどうか。
◎塚本市民課長 窓口業務であるから、行政対象暴力に至らないような対応を極力することは大切であるが、そのような対応の中でもどうしても暴力に至ってしまう場合がある。カメラの撮影では防止にならないという話もあるが、一方で撮影中の表示を見ることにより暴力に至る気持ちを抑制する面もあると思う。また、実際暴力が起こった場合の証拠物件になる。録音や録画の情報を別のことに利用することは全く考えていない。データは一定期間になれば自動的に消去するシステムになっており、逆にこれを使って市民に対し威圧的な態度をとることは決してないので、理解してほしい。
◆松村理治委員 私は階段の踊り場で立ち話をしていたところ、突然、市民に怒鳴られたことがある。毅然と対応すべきである。
◆広田美代委員 職員にももちろん人権はあるが、市民を怒らせないようにどうすればよいか、極めて難しい対応なのだと思う。人権を持った人間同士の対応を心がけてほしい。
以上