金沢市で発生したはしかの流行が収束しました。
市からのコメント⇓⇓
平成29年4月10日に、金沢市内において、インドからの帰国者が麻しんに感染していることが判明して以来、計4名が発症しましたが、最後の患者が発生した4月24日以降、4週間新たな患者の発生がなかったことから、国の基準に基づき、5月22日をもって、流行が終息したと判断しました。
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報道へのお知らせ文書⇓⇓
しかし、これで終わったのではなく、これを機に、抗体のない可能性がある方はぜひ予防接種を受けてください。
そして、今回の件でさまざまな課題があったので、書き留めておきます。
①予防接種について
まずはインドから帰国した男性には抗体がなかった。つまり、はしかの流行国であるインドへ行かれるにも関わらず予防接種や抗体検査などをしていなかった可能性がある。
とすれば、旅行者や海外勤務の方への予防接種の啓発を金沢市はもっと行わなくてはならないし、トラベラーズワクチン対応の病院がどれほどあって、実態はどうなのか調査をする必要があるのではないか。
今回、1回接種の世代の知人から予防接種をしたいのだけど、「近所の病院はやっていないと言われて・・」という相談もあった。ワクチンが不足しているという病院もあるが、そもそも大人には接種をしていない(大人分のワクチンを用意していない)という病院もあうようだ。金沢市立である市立病院が受け付けていないことには驚いた。市民の命と健康を守るためにも公的な役割として門戸を広げるよう検討を求めたい。
②はしかが発生してからの保健所の対応について
発生してからというもの、医療機関や小さいお子さんをお持ちの保護者の方から、たくさんのご意見をいただいた。「小学校名をなぜ明かさないのか」それが一番多い声だった。
市は「プライバシー保護」とは言うが、結局2名の教員が感染してから、名前を公表せざるを得ないことになっている。そして、知らされていない医療機関に「小坂小学校ではしかが発生した。体調が悪いので診てほしい」と受診に来られた方もいたとの情報もある。
はしかは空気感染なので、もしこの時点で患者が感染していれば、なにも対策をとっていない医療機関の職員や患者さんが感染してしまう。
せめて、近隣の医療機関や学校関係などには知らせるとかいくらでも工夫の使用があったのではないだろうか。しかし、最近では車に乗って遠くの医療機関や買い物にも行く可能性はあるし、近隣だけとも言えないかもしれない。
そのあと、写真展に立ち寄ったことが、そのお店でバイトをしていた方の感染によってあきらかになった。こちらについても、やはり医療機関やそのお店に立ち寄った方の勤務先で混乱が見られたというご報告もあった。
緊急の研修会の中で、医師が初期対応について意見を言ったけれど、保健局長は「市に手落ちはない」というような答弁。市の職員もがんばっているのはわかるけれど、現場で実際に住民の命を守ろうと懸命に取り組んでいらっしゃる医療機関の方に対する態度ではない。真摯にご意見を聞いて、一丸となって感染拡大を食い止めようと呼びかけることが必要ではなかったか。
さいごに
私も、看護師・保健師の資格をもつ者として、改めて感染症の怖さを肌身で感じました。そして、その感染を食い止める責任は行政にあるし、また食い止める力があるのまた行政であることを実感しました。その中で、議会は市民や現場の声をしっかり聞いて、行政側に投げかけていく、正していく必要があります。今後の反省点を踏まえて、保健所と医療機関の情報共有のありかたや、プライバシーの問題などについても検討していきたいし、感染事例を少しでも減らすよう、市民が予防接種をしやすい環境整備(接種費用の補助や受け入れる病院の拡大など)についても要望など出していきたいと思います。
みなさまからもまたご意見をお寄せいただければ嬉しいです。