目次
6月19日 本会議において、一般質問を行いました。
1.米朝首脳会談と「働き方改革」について
(1)米朝首脳会談
広田
わたしは日本共産党市議員団の一員として、以下数点にわたり質問いたします。
質問に先立ち、昨日大阪北部を震源とした地震により、被害に遭われた方々に心より、お悔やみとお見舞いを申し上げます。
まずは、米朝首脳会談についてです。
アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長が、先週首脳会談を行いました。長年にわたり厳しく敵対してきたアメリカと北朝鮮が、初めて国のトップ同士の会談を行い、朝鮮半島の非核化と平和体制の構築をすすめ、両国関係を敵対から友好へと転換させるために努力することで合意したことに、わが党は心からの歓迎を表明したところです。
そこで、朝鮮半島の非核化と平和体制構築がすすめられようとする中、本市の平和都市宣言はますます大切だと考えます。
この宣言のなかで述べている核兵器廃絶に向け核兵器禁止条約を批准するように国に求めるとともに市長ご自身が、平和首長会議がすすめる「核兵器禁止条約の早期締結求める署名」に賛同するお考えはありませんか。
山野市長
8番広田議員にお答えをいたします。
米朝首脳会談につきまして、核兵器禁止条約の批准のことについてお尋ねがございました。人類が核兵器の廃絶を目指すべきことは、私も当然だというふうに思っています。ただ、国の方ではその批准をすることによって、核保有国と非保有国の溝が深まるのではないかという懸念があることによって、批准について慎重な姿勢を示しているというふうにお聞きをしています。私はその国の判断は一つの形式として理解できるものだというふうに思っています。本市も核兵器禁止条約の早期締結を求める署名活動に署名をすべきではないかということでした。お話がありましたように、核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現は人類共通の悲願であり、本市においては昭和60年、市議会において平和都市宣言を決議するとともに、平和首長会議にも加盟をしている(署名はしていない)ところであります。私としても、二度と戦争を起こしてはならない、そんな思いを強く持っていますし、今後とも平和の尊さ、戦争の悲惨さをしっかりと後世に伝えていかなければいけないと思っています。核兵器廃絶への思いも同感であります。ただその伝え方というものは、人によって様々であるというふうに考えています。
(2)「働き方改革」について
広田
次に「働き方改革」についてです。今国会で審議されている「働き方改革一括法案」は、残業時間の上限をひと月100時間未満として過労死ラインを合法化し、「高度プロフェッショナル制度」を含む「過労死促進・合法化」法案であることが明らかとなり、前提となるデータでねつ造や異常値が発覚、法案の根拠すら崩れ去っています。破綻があらわな法案を賛成多数で強行採決しようとする与党などの責任は重大です。「高プロ制度」は、労働時間規制を全面的に適用除外にし、年104日だけ休めば、24時間労働を48日間連続させても違法にならないとんでもない仕組みです。政府は「自分の裁量で自由に働ける制度」と説明しますが、事業者には労働時間を管理する義務もありません。若くして亡くなったNHK記者の佐戸さんについて上司は、「裁量労働で個人事業主のようなもの」と説明しましたが、実際、佐戸さんに裁量はなく、亡くなる直前の1か月間の休日は1日だけ。直前1か月の残業は209時間、その前月も188時間に達していました。
このような状況で、法律で規制を取っ払えば、仕事量が変わらない中、労働者にしわ寄せがくるのは明らか。報道では、労基署のベテラン監督官すら、高プロには「手出しできない」と懸念をしています。
長時間労働を真剣になくすなら、ILOの条約を批准し国内法を整備、残業時間の規制を月45時間に厳しく規制することが必要です。
労働者の命と健康を守るための労働時間規制をいっさい取り払う「高度プロフェッショナル制度」を含む「働き方改革一括法案」について、市民と市職員の労働環境を守る立場にある市長はどうお考えですか。
そこで、「金沢版働き方改革推進プラン」の策定にあたっては、本市の課題や雇用環境等の基礎調査を行うとしていますが、どのように行い、いつまでに公表する予定ですか。
そもそも、「金沢版働き方改革」は「労働生産性の向上や多様な人材の活躍を促進する」としていますが、市民が願う長時間残業の規制など、労働環境の整備を主眼におくべきですがいかがですか。
さらに、本市職員の残業実態も、昨年度3月には過労死ライン100時間を超える職員は20名にものぼっています。本市職員の命とくらしを守る市長として、市職員に対し、どんな取り組みを行うのか、あきらかにしてください。
山野市長
働き方改革について何点かお尋ねがございました。今回の法案についてどのように思っているかということですが、時間外労働の上限規制や、高度プロフェッショナル制度の創設などを内容とする働き方改革関連法案については現在参議院で審議中であります。これまで労使双方の立場から様々な議論がなされてきたものと認識をしております。本市においても働き方改革は重要な課題であり、引き続き国の動向を注視してまいります。金沢版働き方改革推進プランについてお尋ねがございました。まずは本市の特性や課題を明確にするため、雇用労働環境の基本的な情報の収集や分析を行う他、本市経済の動向や市内企業等における働き方改革の取り組みの現況などの調査を行うこととしており、本年秋頃を目途に公表をしていきたいというふうに思っています。労働生産性の向上、多様な人材の活躍促進に視点を置くのではなく、長時間労働の是正、労働環境の整備こそが大切ではないかというご指摘でありました。ご指摘のように有能な人材の確保や定着、あるいは労働意欲の向上など、労働生産性の向上につながるとともに、女性や高齢者など多様な人材の就業促進に、ご指摘のありましたような長時間労働の是正、労働環境の整備改善は必要なものだと思っています。今後、本市の特性や課題を踏まえた上で、プランの策定作業を進めてまいります。市職員に対してですけれども、これまでも各職場の状況を勘案しながら適正な人員の配置に努めてきたところであります。本年度は新たに職場の生産性向上に向け、働き方改革にかかる庁内ワーキングを設置し、モデル職場における具体的な業務改善方策の検討、ICTやAIの導入による業務効率化に向けた研究等を行っているところであり、合わせて業務の見直しなども進めることにより、長時間労働の是正に繋げていきたいと考えております。
2.市民生活の実態とくらしを守る施策について
広田
つぎに、市民生活の実態とくらしを守る施策についてです。
アベノミクスで国民のくらしは豊かにならず、実質賃金は16万円マイナス、家庭消費も22万円のマイナスです。非正規雇用が増え、格差と貧困が広がっています。
本市では、新幹線、観光、東京国立工芸館の移転など、巨額の予算がつぎ込まれていますが、どれも県外資本誘致の考え方であり、地元の中小企業や住民のくらしに光をあてたものではなく、市民からはくらしにくさを訴える声が聞こえてきます。自身の雇用や生計の先行きが見通せない中、人々は次の世代を生み育てようとはしません。まずは、足元の地域経済、福祉、教育を育てることを重要視する必要があるし、それが自治体の役割ではないでしょうか。観光や公共事業にばかり多額の予算を費やすのではなく、市民のくらしに直結した税金の使い方に見直す必要があるのではないでしょうか。
具体的に伺います。
税金の滞納を余儀なくされている市民がいますが、その実態はどうなっているでしょうか。
また、今年度から税金の滞納整理が強化されているようですが、その実態もあきらかにしてください。「生活がぎりぎりで払えない」という市民の生活実態に寄り添い、取り立てではなく相談を行うべきで、差し押さえを前提とした姿勢にならないよう求めますがいかがですか。
山野市長
税の徴収について、滞納整理のことについてお尋ねがございました。経済状況等により市税の一括納付が困難な方に対しましては、本年度から収入や支出、借入金などの生活状況を紙面により提出していただくこととし、その内容を確認をしながらお一人お一人に状況に応じて分割納付を認めるなど、きめ細やかな対応を取っているところであります。またこれまでも処分すべき財産がない場合、また差し押さえなどの滞納処分により著しい生活困窮に陥る恐れがある場合におきましては、滞納処分の執行の停止をするなど納税者の生活実態に応じた対応に努めてきているところであります。一方、税の公平性の確保の観点も、私は重要であると思っています。一定の財産を所有する方に対しては、法の規定に基づき滞納処分を行うこととなりますが、できうる限り丁寧な対応に努めてきているところであり、この点はご理解をいただきたいというふうに思っております。
広田
認可保育園の待機児については、本市は「待機児ゼロ」を強調しますが、それは厚生労働省の統計の取り方であり、希望する保育園に入れない実態が続いています。西部地区で新設が予定されていますが、希望する保育園の入所につながるものでしょうか。学童保育の待機児も深刻で、4年生以上は受け入れていない、という学童保育も少なくありません。全体の95クラブ中、3つのクラブが定員超過、分割の目安となっている70名越えが20か所もあります。分割や新設をしようにも、施設を探すのも保護者が中心で、なかなか困難です。指導員不足も深刻で、保護者が交代で指導員をしている、本末転倒な状況すら起きています。
一方、本市の「移住ポータルサイト」には、保育園について、「待機児童数はゼロ」、学童保育については「放課後、保護者が不在の家庭の小学生を預かり、働く保護者にとって安心できる環境が整っています。」とうたっていますが、実態は異なります。
希望する保育園、学童保育に入れるよう、市の責任で施設を確保すること。学童保育指導員は国で配置基準の緩和が検討もされていますが、とんでもありません。指導員、保育士とも抜本的な処遇改善を行い人を確保すべきですがいかがですか。
また、保育園の延長保育の利用料について、保護者にとって負担となる料金設定にするべきでないと考えますが、市としてはどう対応しているのでしょうか。
山野市長
保育所の待機児童の在り方についてお尋ねがありました。これまでも保育需要を見ながら施設整備に努めておりまして、今年度保育所1施設を新設することとしています。また新たなこども子育て支援事業計画の策定に向け、今年度ニーズ調査を実施をすることとしており、引き続き保育需要の把握と保育施設の適正配置に努めています。
放課後児童クラブの待機児童のことについてお尋ねがございました。本市の放課後児童クラブの運営は従来より、地域の方々が主体となって取り組んできていただいているところであり、本市としても地域の実情に合わせて支援をしてきているところであります。こうやって地域の皆さんが取り組んでいただいているからこそ、金沢市は中核市の中でも最も多くの児童クラブがあり、多くのこどもたちが通っているんではないかというふうに思っています。引き続きニーズの高い地域における必要な施設整備に対し支援をすることで、希望するこどもたちが利用できるように努めてまいります。
保育士や児童クラブの職員の処遇改善のことについてお尋ねがございました。保育士の処遇改善につきましては昨年度、技能や経験に応じた手当の新設による処遇改善を行ったところであります。また国からは明年度、保育士の賃金をさらに引き上げる方針が示されており、詳細が分かり次第しっかりと対応をしていきたいと考えています。
放課後児童クラブの職員確保のための処遇改善ですけれども、昨年度職員の賃金改善事業を実施をさせていただいたところであります。今年度はその地元負担を解消をしたところでありまして、今後も引き続き処遇改善につきましては研究を重ねていきたいと考えています。
延長保育の利用料についてお尋ねがございました。延長保育を実施するための必要な経費は、それぞれの保育所や認定こども園によって異なっております。各施設が実情に合わせて利用料を設定をしているところであります。利用料の他、延長時間などサービスの内容について、各施設が保護者に対し丁寧に説明をし、同意を得ることとなっておりまして、このことについて市として引き続き指導を重ねてまいります。
広田
つぎに、7月から本格実施となる「要援護者ごみ出しサポート事業」については、共助が受けられないか調査をするということですが、プライバシーや人権にもかかわるためやめるべきです。本人や家族が躊躇なく申請できる制度となるよう取り組むべきですがいかがですか。よって、申請や打ち合わせは市が直接行い、民生委員などの負担を増やすべきではありません。また、モデル事業ではなぜ2件しか申し込みがなかったのか、その教訓も踏まえ行うべきですがいかがですか。
さらに、介護や障がいなど専門的視点も必要なことから福祉施策として行うべきですがいかがですか。
山野市長
要援護者ごみ出しサポートのことについて何点かお尋ねがございました。プライバシー・人権のことであります。要介護1以上などの特定の要件を満たし、近隣住民等の協力をいろんな事情があって得ることができない、ごみ出しに困難を伴う世帯を対象とさせていただいていますことから、その確認のためには個人情報が記載された申請書等の提出や面談が必要不可欠であるということ、ここは是非広田議員、ご理解をいただきたいと思います。ただ申請者の個人情報保護の観点から、申請書等の厳正な保管管理を徹底するとともに、事業の実施に際しても可能な限りプライバシーに配慮をしているところであります。この事業を受ける際は、申請内容の確認や共助の有無、特にこの共助の有無につきましてはやはり地元の皆さんが一番ご存知かというふうに思います。その認定作業も必要でありますので、地域の実情に詳しい民生委員の方などの協力が不可欠であります。今後とも、現地調査等を実施する際には、民生委員の方の過度な負担とならないよう十分配慮して参ります。モデル事業のことですけれども、先行自治体の事例も参考にさせていただきながら、認定要件を要介護2以上とするなど、その要件を設定をしたところであります。そういうところから利用世帯が多くはなかったと考えています。そういう反省も踏まえながら、認定要件を要介護1以上と緩和をさせていただいたところであります。4月から地区社会福祉協議会・民生委員・児童委員協議会等の福祉関係団体や、町会連合会等の地域団体に周知を促し、この事業の利用促進に努めているところであります。所管のことについてお尋ねがございました。まず一義的にはこの事業は、家庭からごみステーションまでのゴミ出しを支援する事業でありますため、収集現場を所管する環境局が主体となって行っています。ただご心配のように、申請内容の確認、共助の有無などの認定作業につきましては、福祉局や福祉関係団体との十分な連携が欠かせないことから、これらの皆さんの協力も頂きながら事業の適切な運用に努めているところであります。
広田
つぎに、行政改革における行政評価によって福祉の予算が削られている点についてです。
この間、おふろの入浴券、長寿のお祝い金、見舞金など、金沢の福祉を象徴する予算が削られてい
ます。今年度は、配食サービスと歳末見舞金の予算が削られています。しかも担当課は継続を求め、市民行政評価でも明らかな見直しの議論はされていません。配食サービスについては、必要性があきらかとなるやりとりまでされています。このように、市民行政評価までおこない、結論ありきで、市民の命やくらしに関わる福祉制度を切り捨てるのはやめるよう求めますがいかがですか。
また、予算に行政評価の結果が反映されていても、私たち議員が気づけない状況があります。6月の行政改革推進委員会に報告を済ませてからでないと公開できない、と当局は言いますが、市民と議会に報告がない状態は正すべきで、早急に改めるよう求めますがいかがですか。
山野市長
行政評価のことについてお尋ねがございました。歳入に多くの伸びを期待できない一方、高齢化の進展等により社会保障費が増加する中にあって、既存の事業を適時適切見直していくことは国や地方自治体にとって必要不可欠なことであると思っています。仰せの福祉施策につきましても見直しをすることは避けることはできないと考えています。引き続き事業の必要性、費用対効果等を十分検証をしながら、適切な行政評価制度の運用に努めてまいります。この報告、市民行政評価の当初予算への反映状況を3月に発表すべきではないかということでした。市民行政評価の評価結果につきましては、市の施策を拘束するものではなく、各事業担当課では評価結果を十分勘案をした上で予算編成を通じてその反映に努めているところでありまして、その結果は予算案として議会に示されているところであります。市民行政評価の予算への反映状況につきましては、本市においては行政改革の取り組みを広く市民に周知をするため、6月の行政改革推進委員会で報告するとともに、市ホームページで公表をしているところであります。
3.宿泊税について
広田
宿泊税についてです。3月に条例が可決され、現在総務省で協議中とのことですが、未だ市民からは納得が得られていない状況です。
まずは課税の公平性について市長のお考えをお聞きします。
市長は、2万円以下の宿泊料には200円、2万円以上では500円、宿泊した方全員に一律とるということで、課税の公平だとおっしゃっています。
しかし、金額については、宿泊料2000円で200円とるのと、19999円で200円とるのとで、負担として公平とは言えません。
また、対象者については、修学旅行やスポーツ合宿等について、「別途支援措置を講ずる」としています。金額にしても対象者にしても、市長のいう負担の公平性が崩れるものではないですか。
さらに、その支援措置の内容と、予算はどこから捻出するのかあきらかにしてください。もし宿泊税の税収7億円からあてるのであれば本末転倒です。
さらに、市長はごみの有料化では負担の公平性を言い訳にし、低所得者などへの袋の配布などは行わないと言ってきたのに、宿泊税については、あっさり特別の支援措置を行うのは矛盾しませんか。
次に、この宿泊税は外来者だけでなく、市民にも新たな負担となるものです。
例えば、市の施設であるキゴ山ふれあい研修センターでは、シーツ代を含まないとすれば300円の宿泊料に200円の税を子どもたちにかけることにもなり得ます。公共の子どもたちが使う施設にも高い税負担です。あまりにも重い住民負担であり、日頃市税を払っている市民にとっては税の二重取りではありませんか。
次に、地域経済にとっても重大な問題があります。
宿泊税は事業者がとるものではないのに、宿泊料の額面が増えて見えます。よって、集客のための値下げ競争が起こるのではないか、事業者は心配をしています。「3990円の宿泊料でも、利益は、今でさえ700円、値下げ競争が起これば、200円は自分たちがかぶらなくてはならないかもしれないが、それでは経営が成り立たない」事業者は言います。宿泊業界の値下げ競争、経営悪化の懸念について、市長はどうお考えですか。
さいごに、進め方についてです。
先日の、市議会の意見交換会で、市民の怒りが噴出しました。
「2月に突然提案され、3月に決めるなんて拙速。」「市の説明会は、一方的に説明をするだけでこちらの意見や質問をする時間もない、最初から結論ありきではないか」「会計システムの改修で300万円かかることを知っていますか」など、たくさんのご意見が出ました。再度、現場のお声や実態調査を行い、検討しなおすべきですがいかがですか。
山野市長
宿泊税について何点かお尋ねがございました。本市では宿泊料金に関わらず、宿泊客の方が受ける行政サービスに変わりはないという考え方から、民泊を含むすべての宿泊施設の利用者の方に広く負担をお願いをするものであります。修学旅行等につきましては、当初の案では京都市と同様に課税免除ということも考えておりましたが、宿泊事業者団体からの要望、また先行自治体の事例等々も参考にしながら特別徴収義務者の負担を軽減するため、課税免除ではなく別途支援措置を講じることとした次第であります。なお支援制度の具体的な内容につきましては、来年度当初予算の中でお示しをしていきたいというふうに考えています。市民に課すのは二重取りではないかということでした。市民が市内の宿泊施設に泊まるケースというのは決して多くはないというふうに思っていますが、公平性の観点から先行自治体と同様の取り扱いをしていることをご理解を願いたいというふうに思っております。また市民税とは課税客体が異なりますことから、税の二重取りにはならず、仰せの教育施設等につきましても宿泊料金が免除されている場合には対象とはなりません。経営悪化に繋がるという懸念をもつ方がいらっしゃるということです。決してそういうことにならないように制度の内容、さらには使い道につきましてもわかりやすく周知を重ねていきたいというふうに思っております。宿泊税の導入につきましては一昨年の12月、定例月議会におきまして議会から提案もあり、それ以来本会議や所管の総務常任委員会でも何度も議論をさせていただいているところであります。そうした議論を得て、3月定例月会議において条例案を議決いただいたものであり、市長としてこの点を大変重く受け止めています。総務大臣の同意が得られたならば明年4月からの条例施行に向け、宿泊客に制度の周知を図ることはもちろん、特別徴収義務者となる宿泊事業者に対してもこれまで同様引き続き丁寧な説明を重ねてまいります。
4.学校の統廃合とまちづくりについて
広田
さいごに学校の統廃合とまちづくりについてです。
学校は、その地域の歴史と伝統、人間を育むアイデンティの源であり、災害の拠り所ともなる、なくてはならない存在です。その学校を、国の規模適正化方針や、財政上の効率化で、各地域で統廃合を行っていますが、その矛盾や統廃合先にありきの進め方に対し、疑問の声があがっています。
今回市長から、新竪町小学校と菊川町小学校、犀川小学校と東浅川小学校の統廃合について方針が出されました
新竪町小学校と菊川町小学校の統廃合について伺います。
聴けば、周辺の中学校の統合を行い、片方の空いた校舎を仮校舎とするというそれまでの案が突然かわり、新竪町小学校のグラウンドに仮設校舎を建てる案が保護者や地域に示されたのが、4月下旬から5月上旬とのこと。急ピッチで説明会が行われ、わずかひと月ちょっとで、議会に提案がされ、「地域の理解を得た」とするスピードについていけないという声が聞こえていますし、
グラウンドの代替案について、教育委員会に質問しても明確な返答がない、仮設校舎期間は最短で4年と聞くが本当にそうか、など不安の声も多く、すでに転校を考えている保護者もいるそうです。
不備な計画であり、まだまだ住民の疑問や不安が残っているのに、こんなに拙速にすすめなければならないのはなぜなのですか。
教育委員会は、新竪町小・菊川町小の両校とも耐震化がされていないということを強調しているようです。
しかし、これまでわが党なども耐震化を優先に求めてきたのに対し、統廃合を優先にすすめ安全対策を怠ってきたのは教育委員会であり、地域や保護者に今になって、耐震を理由に急がせるのには、納得できないという声があって当然です。教育委員会の耐震化を後回しにしたつけが、現在の子どもや保護者に苦渋の選択をさせ、子どもの教育環境にも影響が出ることについて、どうお考えですか。
市内で最も古かった森山小学校も、今は現在地で立て替えています。新竪町小学校や菊川町小学校も現地での建て替えはできなかったのか。あきらかにしてください。
さらに、進め方についても異論が出ています。PTAや地域の役員のみなさんが説明会を開催し、市は説明だけ、意見集約は役員のみなさん。つまり、住民が住民の意見をまとめる形になっているのが疑問だというものです。本来、学校の施設整備を提案し合意を得ていくのは、教育委員会に責任があるのに、PTAや地域の役員が、保護者や地域住民の意見を集約し、合意を得るために動かざるを得ないのはおかしいのではないでしょうか。
住民誰しも、役員には活動に対し感謝の思いを抱いていますが、役員のみなさんを保護者や住民の間に立たせることで、立場や関係性から、率直な議論がしにくい場面もあるはずですし、対立すら生みかねません。また、役員のみなさんに多大な負担がかかっています。
教育委員会が、直接保護者や住民に説明をし、意見や質問にも応じ、結論ありきではない丁寧な合意づくりを行うことが必要なのではないでしょうか。
さらに今回は、両校下でPTAのみなさんが、保護者全員にアンケートを行ったと聞いています。とても大事な判断材料ですが、その結果を教育委員会はどのように受け止めたのでしょうか。
さいごに、学校は、地域の文化センター的な役割も担うことから、なくなれば地域の過疎化が進む可能性すらあります。にも関わらず、建物の玉突きで計画がすすみ、子どもや教育、都市計画やまちづくりという視点がまるで抜けた構想が各地で提案されていることは重大です。中央地区への小将町中移設は、中央小学校、玉川子ども図書館の移転・建て替え計画に変貌してしまったように、今回も、中学校の合併ありきの計画で進んできたでことが、今の状況を生み出しています。まずは、子どもや教育、そして都市計画やまちづくりがどうあるべきか、その議論こそ地域のみなさんとともに行うべきと考えますがいかがですか。以上で質問を終わります。
山野市長
学校の統廃合のことについてお尋ねがございました。私が市長になって間もなく、新竪町校下の新年会に行きまして、すでに町連会長さんから統合のことについての問題提起がなされていました。私は菊川町小学校の関係者とも数年前からいろんなそういうご意見をお聞きしているところであります。皆さん真剣にご議論をいただき、なんといってもこどものことを最優先に考えながら慎重に議論を重ねて来られて、今回の提案だというふうに思っています。本市におきましても学校関係者や有識者から通学区域審議会に答申もいただき、しっかりと意見交換をしていることにご理解いただければと思います。
野口教育長
学校の統合などにつきまして何点かご質問がございました。
はじめに、今回の新竪町小学校と菊川町小学校の統合が拙速ではないかとのお尋ねでありましたが、今回の統合につきましては平成28年から時間をかけて地域や保護者の方々と丁寧に協議や意見交換を行ってきた中で今回、両校下で統合合意の結論となったものであり、決して拙速に進めてきたものではないと思っております。
次に、仮校舎を整備する新竪町小学校の教育環境についてお尋ねがございました。平成28年の通学区域審議会からの答申において、教育環境の充実のため統合の方針で示されたことを受け、地域との協議を重ねてきたものでございます。今般、両校下から統合の同意をいただいたことから、統合校の校舎として新竪町小学校の校舎を一部利用したうえで、不足する教室等を暫定的に整備することとしたものであり、可能な限り運動場の面積を確保していきたいと考えております。また2つの学校それぞれについて建替えができなかったのかというご質問がございました。新竪町小学校・菊川町小学校は統合を前提としていない森山町小学校とは異なり、通学区域審議会から児童の教育環境の充実のため統合を基本とするとの答申があったことから、両校下の地域や保護者の方々とこれまで協議を続けてきたところであります。