12月26日、市内の保育園の保育士や調理師、保護者のみなさんが、市長あてに、子育て支援や保育予算の増加を求める署名を提出しました。
3784名分もの署名を、デパート前やイベント時など集めたものだそうです。
以下が署名の実物です。
要望内容は、保育士ひとり当たりが受け持つ子どもの人数を減らすことや、保育所や幼稚園、学童保育などの職員の賃金引上げなど。給食費も含めて保育料を無償化し、保護者の負担を軽減することも求めたものです。
提出後、みなさんそれぞれの状況や思いを子ども政策推進課長に出されました。
ある保育園では、保護者のみなさんにアンケートを実施し、こうしてまとめられました。
現場からは、「子どもたちひとりひとりに見合った対応をしたいが、受け持ち基準が低すぎてできない」との声や、保育士の処遇については、「いまの本市の処遇改善の制度ではもらえる人ともらえない人の格差が出て困っている。全体の底上げを行ってほしい」という声など。
保護者からは、「保育の無償化はありがたいが、保育園がいっぱいになるのではないか。ただでさえ保育士が足りないのに大丈夫なのか。無償化のあかつきに給食費が自己負担になるのはおかしい」など。また、「保育無償化の財源が地方からもとなれば、これまでの保育予算にしわ寄せがいくのではないか、国にしっかり財源を求めてほしい」など。
また、学童保育についても「閉鎖する学童保育があると聞いている。学童保育に預けられなくて保育士をやめるのではないかという実態もある」との声。
保育士も子育て世帯の方が多く、金沢市の子育て施策が充実しないことによって、保育士の職を離れる危惧もでてきており、社会保障全体の充実が必要です。
担当課長からは、現場のみなさんの思いはよくわかる、と。
しかし、保育の無償化については、国からまだ通知もなく、給食が自己負担などと聞いて戸惑っているが、逆転現象が起きてはならない、と。
無償化の地方負担で、これまでの市独自の加配などがどうなるか、まだわからないようでしたが、これまでの保育の質の水準を守りたいという思いは伝わってきました。
地方自治体の職員は、現場と密接なだけに、その現状や保育関係者のご苦労もわかっています。国が無償化を無責任に地方へおしつけるようなことをしないよう、財源の負担を国へ求めると同時に、地方の保育の質の低下を招かないように注意が必要です。
学童保育については、内閣が指導員の配置基準の自由化を閣議決定したとかで許されません。これについても現場から声をあげる必要があります。
引き続き、保育園のみなさん、保護者のみなさんと保育園、学童保育をよくするため、また社会保障全体をよくするためにがんばります。