
①高市政権と経済対策について
高市政権と非核三原則について
-広田議員
質問の機会を得ましたので、日本共産党金沢市議員団の一員として以下質問いたします。
高市政権が発足し1カ月半ですが、次々にむき出しの対米従属、軍備拡張へ暴走する姿勢があらわになっています。軍事費のGDP比2%への引き上げとともに、安保3文書の改定を表明、「台湾有事」は「存立危機事態」と発言し、非核3原則の見直しにまで及んでいます。国会で高市首相は「非核三原則」堅持を明言せず、与党内で「持ち込ませず」の見直し検討が進められているとのことです。唯一の被爆国として、国会が全会一致で決議し、歴代内閣が「堅持する」と引き継いできた原則を一内閣の判断で変えることは許されません。そして市長、核兵器禁止を柱とする本市の平和都市宣言とも重大な矛盾を引き起こします。非核三原則は見直しではなく堅持し、法制化こそ求められますが市長の見解を伺います。
-村山市長
核兵器の廃絶と世界の恒久平和は、人類すべての願いであり、我々はその実現に向けて不断の努力をしていかなければならないと考えています。本市の平和都市宣言は、世界の人々と友好関係を深める中で恒久平和に貢献していくことを宣言したもので、今年は戦後80年、平和都市宣言40周年を記念して、8月にヒロシマ原爆・平和展を開催し、原爆による悲惨な状況や命の尊さを伝えてまいりました。引き続き、平和の尊さと戦争の悲惨さを伝える取り組みに重点を置いて周知・啓発を行っていきたいと存じます。
(広田所感)
この市長答弁は、現在自民党が進めている「非核三原則見直し」そのものについては触れずに、金沢市の「平和都市宣言」と今年行ったヒロシマ原爆・平和展のことを語っています。市長はもともと自民党から担がれて市長になっているので政府批判はできなません。ただ、平和都市宣言や加盟している平和首長会議との関係から「見直し」について肯定もできません。よって、このような答弁になったと考えられます。本当ははっきり「堅持が必要だ」とおっしゃってほしいですね。
市民のくらしと経済対策について
-広田議員
市民のくらしと経済対策についてです。物価はこの50カ月連続上昇し、実質賃金は下がり続け、2012年アベノミクス以降で見ると、年額34万6000円もの減少です。わが党は、ここに直接応える消費税減税、大幅賃上げに踏み出すことが、暮らしの危機や経済の行き詰まりを打開できると考えます。
一方、今審議されている国の補正予算案の一般会計総額は18兆3千億円とコロナ危機を除けば過去最大規模で、そのうち経済対策の17兆7千億円の中身は消費税減税を拒否し、「最低賃金1500円」目標さえ取り下げるなど、物価高から暮らしを守り経済を立て直すという太い柱がありません。
それどころか、軍事費のGDP比2%の2年前倒しを補正予算で行い11兆円規模となりました。さらに、「危機管理投資・成長投資」の名で6兆4千億円もの大企業支援が含まれています。まさに無責任な大軍拡、バラマキ財政であり、その財源も国債頼みです。これではインフレを加速させかねません。
さらに、医療や介護の自己負担を増やす議論も行われています。市長は今回の経済対策が国民のくらしのためになっていると考えるのか、あきらかにしてください。
-村山市長
先般取りまとめられた国の総合経済対策でありますが、電気料金・ガソリン代の引き下げ、食料品などの物価高騰対策に加え、賃金の引き上げ環境の整備、成長分野への投資、国土の強靭化といった、我が国の未来を見据えた多岐に渡る政策が盛り込まれており、一定の評価をしているところであります。
重点支援地方交付金の使い方について
-広田議員
その中で重点支援地方交付金についてです。本市では今議会中にその使い道が追加提案される予定です。わが会派は、国レベルでの消費税減税が最も効果的だと考えますが、地方に任されるのならば、その交付金は市民に最大限活用するため、事務経費も少なく、申請や購入など市民の負担もない、市民に広く影響のある活用方法を提案します。例えば、石川県がすでに2,3月の水道基本料金の減免を行うとしていますので、金沢市ではさらに4,5月までの延長や下水道部分をあわせて行うなど求めます。そして、白山市のように県の対象外となった世帯についても補うよう求めますがいかがですか。
-村山市長
自治体の独自財源となる重点支援地方交付金を活用し、食料品等の物価高騰の影響を強く受ける市民や事業者に対する支援策をできるだけ早く実施したいとの思いから、今議会中に市独自の物価高騰対策を追加提案したいと考えております。県の水道基本料金減免制度の活用も含め、取りまとめを急いでおり、財源に限りがある中で支援を必要とする市民に対し効果的な対策を講じていきたいと考えています。
②都市再生緊急整備について
-広田議員
次に、都市再生緊急整備について伺います。市民のくらしが大変な中、緊急整備については税金の減免をはじめさまざまな補助金などが制度化されています。また今予算ではプレーゴの解体費用も追加、さらに旧日銀跡地をめぐっては当初予定していない地下の活用などに多額の税金投入が見込まれます。これらが、市民のくらしや地域経済活性化につながるのか疑問のお声が寄せられています。
旧都ホテル跡地の開発について
-広田議員
旧都ホテル跡地の開発について伺います。報道によれば、9月21日、旧都ホテル跡地の開発について、近鉄不動産社長が金沢市内で馳知事、村山市長、岡田参院議員らに対し、日本海側で随一となる高さ約160mの官民複合ビルの開発構想を提案したとされています。最上階に展望フロア、上層階にホテル、中層にレジデンス、下層に公共スペースを配置するとのことです。
市長、報道では地元側は「文化観光施設を検討する」とし、すでに実務者による協議を開始していると今議会初日に述べられました。しかし、この事業はあくまで民間の開発です。公共施設やスペースを入れるというのはまさに寝耳に水です。そのような検討が行政や議会で議論された事実はありません。いったいどうなっているのでしょうか。また公共施設やスペースなど、具体的に開発者側から示されているのかもふくめ、明らかにしてください。
-村山市長
金沢都ホテル跡地につきまして、岡田直樹参議院議員が近鉄不動産と地元との間の橋渡しに汗をかいていただいており、9月には近鉄グループホールディングスの小林相談役と、近鉄不動産の倉橋社長に金沢市にお越しいただき、私は馳知事からのお誘いを受け、岡田直樹参議院議員と馳知事とともに同席をさせていただきました。この懇談の内容については相手のある話のため申し上げることはできませんが、地域整備方針に示した文化の奥深さを体感する文化観光の促進や、広域観光の拠点となる格調高い賑わいと魅力の創出など、まち全体の賑わいに資する多様な都市機能を備えた文化都市金沢にふさわしい複合ビルにしてほしいと考えております。
(広田所感)
いち民間企業に対し政治家(岡田直樹参議院議員)が橋渡しになっていると明らかにしていますが、これから税金の減免はじめ補助金などが使われる事業に携わる企業に対してそんな動きが許されるのでしょうか。さらに、馳知事からのお誘いで同席したというのはなにを意味しているのかわかりません。そして、「懇談の内容は相手のある話のため申し上げられない」っておかしくないですか。もし、報じられている通り、官民複合ビルだとしたらすでに市民や議会に関係してくるわけです。民間と民間の話合いではなく、片方は公なのです。このまま、非公開のまま議論がされて突然「公共施設入れます」という話になるとしたら、市民や議会どころか市役所ってなんですかという話になります。
-広田議員
市長、提案された手法は、最初から公共施設を組み込むスキームであり、開発側はマンション部分の売却益と自治体の負担を組み合わせることでリスクを減らすことができます。まさに開発側の利益のために、市民にとっては目的もない公共施設などが提案され、市民の税金が使われることは絶対に認められません。公共施設やスペースは入らないと明言していただくよう求めますがいかがですか。
-村山市長
金沢駅から片町に至る都心軸におきましては、金沢都ホテル跡地の開発だけでなく、老朽ビルの再整備等が課題となっております。そうした民間開発を促進していくため、都市再生緊急整備地域制度の活用を進めてきたものであります。近鉄不動産に対してはこれまで一貫して地域整備方針に沿った開発を求めておりますほか、9月に策定した都市再生特別地区の運用指針に沿って、地域整備方針との整合や都市再生への貢献などを個別に協議しているところであります。
(広田所感)
市長は公共施設やスペースが「入る」とも「入らない」とも言いませんでした。さいごの「都市再生への貢献」というのが、公共施設を入れてあげるという民間の「貢献」とでも言うのでしょうか。
規制緩和について
-広田議員
つぎに、規制緩和についてです。現在金沢駅前の高さ規制は60m、容積率は600%までとなっていますが、報道での提案は高さ160mです。高ければ高いほど、マンション部分などの売却益を増やすことができるので、大手民間企業を呼び込むための緩和と言えます。つまり、一部民間の利益と天秤に金沢市民が培ってきたまちづくりや景観を手放してよいのか問われています。高層建築物に対しては地震や火災の影響も心配されています。高さや容積率の規制緩和は行わないよう求めますがいかがですか。
金沢市民が守ってきた規制が緩和された建物に、市民の税金を使って大手資本の負担を減らす目的で公共施設が入るなどということは、絶対に認められません。見直しを求めます。
-村山市長
高度地区の規定を適用除外にする都市再生特別地区の決定権者は石川県であります。県とも連携を密にしながら、近鉄不動産と具体的な協議をすすめ、県と金沢の玄関口にふさわしい開発を誘導したいと考えています。
(広田所感)
金沢の玄関口にふさわしいのは高さ規制を守った建物です。
プレーゴの解体費支援について
-広田議員
プレーゴの解体費支援についてです。突然のプレーゴの閉鎖方針、それに至る前所有者との借地権契約の終了、土地購入者によるあらたな開発という一連の動きを見ると、地元が存続を望んでいた施設が都市再生緊急整備という呼び込み型事業によって終了を余儀なくされた結果ではないでしょうか。市長の見解を求めます。それにもかかわらず緊急整備支援の考え方だけを都合よく用い、本市が民間所有の建物の解体費7637万円のうち6360万円もの支援をするのはなぜなのか、あきらかにしてください。
-村山市長
プレーゴ用地につきましては、令和8年6月までの定期借地契約の満了が近づく中で、前所有者が入札により売却した後、新たな所有者が独自で開発する方針を示したことから、明年3月末でプレーゴの営業を終えるものであります。都市再生緊急整備地域の指定により大手資本が参入したという指摘はあたりません。
プレーゴを運営するTMOにつきましては、本市が50%を出資しているまちづくり会社であります。中心商店街の活性化を目的に様々な事業を展開し、まちなかの賑わい創出や回遊性向上のために重要な役割を担ってまいりました。プレーゴの整備にあたっては、国・県の補助に加え、本市も支援したほか、リニューアルの際にも本市が支援をしております。プレーゴの解体についても、TMOが本市のまちづくりに必要不可欠であることを踏まえ、今般、支援する予算をお諮りしているものであります。
(広田所感)
これまでも補助してきたとしますが、今回のような5/6を補助したことはこれまでにありません。
「TMOが本市のまちづくりに必要不可欠」というのが、経営を守るためということなのかどうか委員会でたしかめてみます。
③くらしに関わる予算について
-広田議員
都心軸緊急整備などの呼び込み型大型開発は見直し、市民のくらしに予算をまわすべきです。3点伺います。
能登半島地震被災者医療費・介護利用料の自己負担免除について
-広田議員
能登半島地震被災者医療費と介護利用料の自己負担の免除は、石川県だけが6月末で打ち切りました。振り返れば、国が補助を縮小し、県は継続の判断を市町に委ね、市町は他の保険者の動向を見て消極的な姿勢に終始しました。しかし、東日本大震災では、岩手県では医療費免除が10年間継続、宮城県ではいったん終了しましたが、住民の声を受けて再開した経緯があります。その際は国の財政支援の拡充が行われました。
市長、打ち切り後の保険医協会のアンケートでは、通院をやめたという被災者が多くいらっしゃいます。県内市町とともに県や国へ財政支援を求め、再開をするべきではありませんか。
-村山市長
能登半島地震の被災者にかかる医療費や介護利用料の自己負担金免除についてご質問いただきました。本市では国の財政支援の対象外であったこと、また被災者が多い能登の市町において免除を延長する動きがみられなかったということから、本年6月末をもって終了いたしました。国においてもこうした状況を踏まえて支援制度を9月末で終了したものであり、現状として本市として免除を再開することは考えておりません。
(広田所感)
県や国へ財政支援を求めることについて答弁がないです。
子どもの医療費助成について
-広田議員
子どもの医療費助成についてです。金沢市は通院の対象が18歳まで到達しておらず、窓口負担も残っている県内で唯一の自治体です。今では与野党双方の議員からこの是正を求める質問が行われています。以前確認したところ、年間4.8億円をあてれば他都市と同じ水準になります。市長は財源の問題をおっしゃいますが、本市決算の実質黒字は、ここ数年40億円台、昨年度はおよそ51億円であり、十分に実施可能と考えます。18歳まで完全無償化のご決断を求めますがいかがですか。
-村山市長
本市の子育て支援医療費助成について、その財源の確保が前提となりますことから、これまでも順次対象年齢の拡大等を行ってきております。今年度の当初予算では、少子化対策を最重要施策のひとつと位置付け、他都市における導入効果を踏まえ、3歳未満児の第2子保育料無償化を実施することといたしました。毎年限られた財源を有効に活用するため、施策の重点化を図っております。現時点で、子育て支援医療費助成の拡充は考えておりませんが、昨今の物価高騰の影響による子育て世帯の状況を見極めるとともに、その効果も見極めながら検討していきたいと考えています。
(広田所感)
これまでは「考えてない」で終わっていたが、「状況やその効果(どの効果だ?)を見極めながら検討したい」がつくようになりましたね。

2025年12月議会議会 広田作成資料
補聴器購入助成の創設について
-広田議員
次は加齢性難聴に対する補聴器の購入助成についてです。高齢者の命と生活を守り、認知症予防としても効果のある補聴器の購入助成について、全国市町村で制度の創設が広がり、11月10日時点で518にのぼることがあきらかとなりました。47都道府県でみると石川県を含む3県の市町のみが行っていない状況です。国の交付金を活用をしている自治体もあります。以前紹介した山形市では「保険者機能強化推進支援金」を活用し、総合的な支援を行っています。さらに今年度からは、難聴高齢者の啓発や早期対応が『介護保険者努力支援交付金』の評価指標に入り、推進されています。市長、金沢市が県内で先陣を切って助成を行いませんか。これまで研究するとしていますが、どこまで研究が進んだのか伺うとともに、実現を求めますがいかがですか。
-村山市長
加齢性難聴者を対象とした補聴器購入補助制度について、中核市の状況を確認したところ、補助制度を持っているのは62市中28市と半数に満たない状況であり、また全国的な課題であることから、全国市長会から国に対して制度の創設を要望しておりますが、引き続き国や他都市の動向等を注視しながら検討していきたいと考えております。
(広田所感)
市長の研究というのは、中核市で実施の数をかぞえやらない言い訳をつくることだけでしたか・・


2025年12月3日しんぶん赤旗より
④不登校施策について
-広田議員
さいごに不登校施策について伺います。
これまで不登校当事者の子どもや保護者のみなさんにお話しを伺ってきました。それぞれ状況はさまざまですが、共通するのは子どもの権利を尊重し、子どもも親も安心できる支援が必要だということ。そして過度の競争と管理をやめ、子どもを人間として大切にする学校に転換する必要があります。その視点に立ち、以下質問いたします。
学びの多様化学校と教育の転換について
-広田議員
まずは、学びの多様化学校についてです。11月5日、本市学びの多様化学校設置検討委員会から基本構想について答申が出されました。旧馬場小学校に設置することや対象児童、教育課程の骨子が含まれており、その実施設計が今補正予算に上程されています。議事録によれば、アンケート結果から導き出したキーワード「個々のニーズ」「自分のペース」「主体性」の3つをふまえ議論がされてきました。この大切な3つを重視した学校にするためにどのようなカリキュラムや施設にし、実施設計に落とし込んでいくのか、教育長、あきらかにしてください。
-野口教育長
学びの多様化学校につきましては、設置検討委員会からの基本構想の答申に基づき、個別スペースや集団スペースなどを設置するほか、オンライン授業等の整備を整えるなど、ひとりひとりが自分の居場所を見つけ、環境面と心理面で安全・安心を実感できる空間を整備することとしております。今後、実施設計を経たうえで、旧馬場小学校の施設改修を進めていく期間中におきまして、基本構想の趣旨を基本とし、教育委員会内部での検討を深め、個別のニーズを踏まえた金沢らしい学びの多様化学校独自の教育課程を編成していくことといたしております。
-広田議員
つぎに、公表されている最新の2023年度本市の不登校の小学生は498名、中学生は822名となっています。そのうち中学生を対象にするということですが、本市が当事者に実施したアンケート調査では「学びの多様化学校に通ってみたいか」という問いに、中学生で88名、その保護者では174名が肯定的な回答でした。教育長、このような規模で通学希望があった場合、誰もが入れるような定員数となるのでしょうか。対象基準や定員数などをあきらかにしてださい。あわせて昨年度の不登校児童生徒の人数を教えてください。
-堀場教育次長
学びの多様化学校設置検討委員会からの対象となる生徒につきましては、金沢市立小中学校に在籍し、原則前年度に30日以上の欠席がある生徒、欠席日数に限らず、自分のペースで取り組むことを望む生徒等から、学びの多様化学校での学習活動を希望する生徒とすること、との答申をいただいております。このことを基本に、まずは中学生から優先して受け入れを行い、定員数につきましては今後検討していくこととしております。なお、本市における令和6年度不登校児童生徒数は、小学校は468名、中学校は715名となっております。
(広田所感)
欠席日数に限らず希望者も対象になるかもしれないです。
-広田議員
定員数に限りがあるかもしれない。足りたとしても選択しないことももちろんあります。小学生については現状通りです。
であるならば教育長、今こそ既存の学校を多様化学校に近づける転換が必要ではないでしょうか。答申でも「学びの多様化学校は不登校児童生徒のためだけでなくすべての児童生徒のための学校にすべき。通常の学校と分離するのではなく、市内すべての学校を魅力ある学校にすることを期待する」としています。不登校の急増は、学校での競争と管理をエスカレートさせた第2次安倍政権とともに始まっています。国連の子どもの権利委員会から日本に対し、競争主義的な教育制度に関する懸念と勧告が出されていることもご存じかと思います。今回提案された学びの多様化学校は、少人数で授業時間数も少なく、子どもたちを主体とした学校です。全国の多様化学校では定期テストなどがないところもあります。
教育長。不登校対策を強調しながら、不登校を増やす教育政策を続けるのは道理がたちません。少人数で子どもが主体、学力テストもない、「競争と管理」を見直す政策転換をはかるべきですがいかがですか。
-野口教育長
学びの多様化学校設置検討委員会で議論されてきた考え方や理念は、既存の学校に反映できるのではないかとのお尋ねでございました。私もその通りだと思っております。学びの多様化学校設置検討委員会での議論の根幹は、不登校児童生徒の思いを十分に尊重しつつ、個々の状況に応じた柔軟な支援を行うことであり、整備を進めていく学びの多様化学校での教育環境やひとりひとりのニーズに応じた学びの計画作りなどは、これからの学校運営のモデルとなるものと考えており、学びの多様化学校での実践を本市の小中学校に反映させていきたいと考えております。
(広田所感)
少人数学級や学力テストをどうするかという話からは論点をずらしましたね。


2025年12月議会 広田作成資料
校内教育支援センターの配置拡充について
-広田議員
転換をはかるのと同時に、既存の取り組みについても拡充を求めます。校内教育支援センターは、中学校には支援員が一日配置されていますが、小学校は午前中のみです。早急に一日体制となるよう支援員を配置すべきですがいかがですか。
-野口教育長
昨年度からすべての中学校におきまして、支援員の増員と配置時間の拡充を図ってまいりました。登校時から下校時まで支援員による対応可能としたことで、校内教育支援センターに登校できるようになったなどの報告を受けており、これまで以上により多様な支援を行うことができたと捉えています。仰せの小学校における校内教育支援センター支援員の拡充につきましては、小学生は中学生と比べて部活動等がなく、学校滞在時間が短いなどの小学校の実情、また今後の不登校児童数の推移などを踏まえながら、今後支援体制の拡充が図られるように努めてまいりたいと考えております。
(広田所感)
部活動の時間も中学校では配置しているのでしょうか?
どちらにしても、小学生であっても午後も授業があるわけですし配置が必要でしょう。
オンライン授業の保障について
-広田議員
また、別室登校はしないけれどオンラインで授業に参加したい、つながっていたいというお声も多くいただきます。その場合はどの学校でも環境は整っているのでしょうか。また、どのような手続きで行うことが可能なのかあきらかにしてください。
-堀場教育次長
金沢市立小中学校におきましては、ウェブカメラなどのオンライン配信用機材が整備されており、児童生徒はひとり1台端末を使ってオンライン授業に参加できる環境が整っております。オンライン授業の実施にあたりましては、担任への申し出ののち、本人および保護者と面談し、必要な配慮事項を確認したうえで行っております。
(広田所感)
どの学校も、機材や環境は整っていることがあきらかになりました。担任への申し出が必要ですが、ご活用ください。
相談・支援の拡充について
-広田議員
次に、相談・支援の拡充についてです。学校教育センターや「そだち」が主に不登校の相談場所となっています。しかし原則、平日土曜の日中に限られるため、ひとり親の方や共働きが多い現状ではなかなか相談にも行けません。センターの体制を拡充し、日・祝日や夜間も対応できるよう求めますがいかがですか。
-堀場教育次長
教育プラザでは来所の面談相談につきましては、事前に予約があった場合には平日21時まで対応しているほか、年末年始を除き、平日は9時から21時、土日祝日は9時から17時の間、子どもに関わる様々な相談を相談職員が丁寧に聞き、一緒に考える電話相談を開設しており、現状ではこれ以上の延長までは考えておりません。
(広田所感)
来所の場合でも、事前予約がある場合は平日21時まで対応しています。
電話相談なら、平日は21時まで、土日祝日も17時までやっています。
-広田議員
そして現在は、保護者が自分で行動しないと支援が得られないのが実態です。しかし、お話を伺うと、子どもの不登校がはじまり混乱や不安、疲弊の中で自ら早期に相談に行くことはハードルが高いと考えます。部局や官民を超えてさまざまな専門職が、早期のうちに子どもと保護者に対し積極的に包括的に関われる仕組みの確立を求めますがいかがですか。
-野口教育長
学校が把握した時点で、学校と相談機関が連携して相談機関に連絡するなど、保護者が自ら連絡しなくても専門職が早期に積極的かつ包括的に保護者に働き掛ける仕組みが必要であるがいかがかとのご質問でありました。これまでも教育プラザでは教育支援センター「そだち」等の案内や、そこでの様々な相談機能等についてホームページで発信するとともに、パンフレットやリーフレット等を作成し、校長会議をはじめ不登校や教育相談の担当者会議等において説明をし、周知を図っております。保護者が子どもの不登校や登校しぶりについて、早い段階で専門家の相談に繋げていくために、支援を必要とされている保護者には学校から積極的に情報提供に取り組んでおります。今後もひとりでも多くの保護者に寄り添い、情報を届け、早期の相談に繋がるよう学校との連携を強化してまいります。
(広田所感)
情報提供にはとどまるものの、早期の相談につながるよう連携強化をするとしました。
-広田議員
さらに、言うまでもなく学校側の関りは重要です。しかし教員誰しもが専門的知識やスキルを持っているわけではなく、教員が疲弊している現状もあるのではないでしょうか。包括的支援は学校と支援をわけるのではなく、すべてが一体となって取り組むべきです。見解を求めます。
-野口教育長
学校のかかわりは十分ではあるが、教員は疲弊しており、包括的支援が必要であると思うがいかがかという質問でありました。不登校の児童生徒やその保護者に対し、家庭訪問や校内での個別の関わりなどを行っております。そうした学校や教員の役割はとても重要であると考えております。一方で、教員任せではなく相談機関や医療機関、地域社会、民間支援団体等の関係機関が相互に理解や連携をしながら、必要な支援を届け、繋ぐ包括的支援につきましては、大切なことと考えております。引き続き、教育プラザの相談機能が学校と保護者を支える役割を果たせるように、ひとりひとりに応じた多様な支援・相談に努めてまいりたいと考えております。
(広田所感)
包括的支援を行うとは言わないが、学校任せにせず関係機関と連携するということはおっしゃった。
保護者への就業、経済的支援について
-広田議員
保護者への就業・経済的支援についてです。
NPO法人キーデザインの調査では、不登校の子の保護者の4人に1人が離職しています。介護休業など制度のさらなる周知を求めます。さらに、経済的負担はさまざまです。離職による収入減だけでなく、フリースクールへの通所、お昼ごはんを家庭で用意しなければならないなど経済的負担が増えています。こうした経済的負担への支援の検討を求めますがいかがですか。
-野口教育長
令和4年度からフリースクールへの理解を促進するため、不登校民間支援団体等連絡会に参加しているフリースクールが行う親子体験教室やものづくり教室などの体験機会を創出する活動に対し支援を行っております。仰せの経済的支援につきましては、他都市の取り組み状況も踏まえ、今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。
教員の精神疾患による休職について
-広田議員
さいごに。この間教員も追いつめられてきました。教員の長時間労働が止まらず、精神疾患で病休となる教員も急増しています。子どもたちは「先生は忙しそうで話しにくい」と感じ、教員は「子どもと向き合う時間がない」と訴えています。子どもと教員の温かい触れ合いが減れば、学校は楽しくありません。根本的には教員定数を増やし、教員残業代ゼロ制度をやめ、教員の多忙化を解消することが重要ですし、本市の病休への対応も不可欠です。

2025年11月3日しんぶん赤旗より
そこで、本市の小中学校で、精神疾患による病気休職者および病気休暇をとっている教員の人数をあきらかにしてください。まずは復帰に向けてどのような取り組みをしているのか。さらに、その方々が復帰するまでは講師が代替えとして配置されると聞いていますが、すべて配置できているのか、するように求めますがあきらかにしてください。
-堀場教育次長
現時点で国・県において公表されている病気休職者の人数についてお答えいたします。令和5年度の病気休職者のうち、精神疾患により休職している教員は、小中学校で7名でございます。なお、病気休暇者の人数につきましては、国・県ともに公表されていないことから、お答えできないことをご理解いただきたいと思います。
精神疾患による病気休職者の職場復帰につきましては、石川県公立学校教職員職場復帰訓練実施要綱に基づき、休職開始から1年以内に対象者から復帰の申し出があり、その主治医が訓練可能と判断した場合、原則1か月間の職場復帰訓練を行っております。精神疾患以外の病気休職者及び病気休暇者の職場復帰につきましては、校長が対象者と面談し、必要に応じて主治医や家族とも連携を図り、業務の軽減等に十分配慮しながら安心して職場復帰できるよう努めております。
-野口教育長
病気休職者や病気休暇者が出た場合、その学校にはその教員が復帰するまでの間、代替えの講師が配置されることとなります。しかし、その教員が急な病気によって休む場合には、すぐに代替えの講師を見つけることができない場合もあり、早期に配置されるよう引き続き県教育委員会に対し要望してまいります。
(広田所感)
代替えの講師さんを見つけることができない場合もあるとあきらかになった。日頃からの十分な配置が必要ですし、精神疾患にならない教員の環境改善が必要です。
-広田議員
子どもも保護者も先生にとっても安心できる教育環境の転換を求め、質問を終わります。