
6月議会の最終日は、会派を代表して反対討論を行いました。
私は、日本共産党金沢市議員団を代表して今6月定例月議会に上程されました議案24件のうち、議案第1号の一部、議案第7号、議案第8号、議案第22号の計議案4件に反対です。
その主な理由を述べます。
今議会は、村山市長2期目最初の議会であり、未来共創計画策定後の2年間である前進期の評価を踏まえ、今補正予算とも連動し、追加・拡充を図った施策が提案されました。
しかしながら、その未来共創計画については、市民から厳しい評価が下されたのにも関わらず受け止めや見直しについてはこれまでの政策を進めるうえで都合がよいように解釈し施策の見直しや新規事業の予算化を行っており、市民の願いを実現するものとは言えません。
金沢市、金沢市民全体を見渡し、安全安心のまちづくりや物価高騰や中東情勢で苦境に立つ市民のくらし、中小事業者応援の施策を進めるべきであるにも関わらず、議案第1号の補正予算では、中東情勢を踏まえた対策も不十分でありながら、都心軸再興に大幅な予算を割いています。
およそ7億3千万円の武蔵が辻A地区市街地再開発事業への支援費です。これは都市再生緊急整備事業の一環として、民間主導で進められている事業です。60m級のビルが3棟、低層に商業施設、高層にはそれぞれマンション、ホテル、用途未定の施設が入る予定とされています。私は、本会議で民間大手企業の利益の最大化を目的にマンションやホテルばかりが増えるまちづくりでよいのかと質しましたが、金沢市はホテルやマンションの受け皿を増やしてきたことで、賑わいの創出や定住人口の増加に一定の貢献をしてきたとしか答えることができませんでした。さらに、これまでの市街地再開発のつけを市民の税金で補っている実態やプレーゴの土地が民間に買われてしまったことについての反省や総括もありません。
さらに本会議では、森本・富樫断層の存在に加え、都市計画審議会での決定を受けていないことも明らかとなりました。市民の命と安全が確保できるのでしょうか。また、3棟のうち1棟の上層部分は用途未定とされている中で、ITプラザ武蔵の権利変換についても明確でないなど、市民へのさらなる負担への懸念は拭えず、今後の事業費も見込めないことなどから賛成できません。
また、かねてから申し上げている金沢港建設事業費についてです。
今回の補正予算におよそ3億7千万円が計上されました。この事業は大手企業コマツが進出し、大型機械を輸出するために大浜ふ頭を大水深岸壁に改良する事業とクルーズ船を金沢港に呼び込むとして無量寺岸壁などの改良事業として進められてきました。
結果、全体事業費は2006年から2036年までの30年間で622億円となる予定であり、そのうち金沢市の負担は115億円にのぼります。一部大手企業のために巨額の税金を投入することには反対です。
その一方で、市民に必要な公共施設の廃止や業務の民間委託、PFIの導入等の効率化や予算の削減が進められています。
市民センターについては、駅西市民センターの混雑解消のため、広岡の企業局内に市民センターを設置するとのことです。その一方で、近江町交流プラザの市民センターの廃止は行政サービスの縮小であり反対です。
障害福祉サービス事業所に対する運営指導業務の一部に外部委託を導入することに反対です。障害福祉サービスの運営指導は、サービスの質の確保や不正請求の防止、虐待など不適切な事案防止に関わり、事業者への助言・改善指導など、いずれも利用者の権利を守るために行政が責任をもって担うべきものです。小規模で軽微な業務を委託するとしていますが、業務を外部に委ねれば、行政の知識や経験の蓄積がされず、将来の指導力が弱まることも懸念されます。本来は、必要な人員確保と体制強化をすすめるべきです。
次期LED防犯灯管理運営検討費については、町会の防犯灯をLEDに更新し維持管理を行うESCO事業について、来年度末で契約が完了することから、今後PFIの導入検討を行うものです。しかし、この間の資材高騰や電気代の値上げによって、ESCO事業の見通しは厳しい状況となっています。PFIではその影響をさらに受けることとなり、リスク分担によって結局は市民の税金でそのツケを賄う恐れがあることから反対です。
同様の状況は、議案第22号「公共施設LED照明導入推進事業」においても現れ、PFIによる事業が始まり1年半で1%以上も基準金利があがったため、リスク分担によって今回の補正予算で事業費を増額するものです。わが会派が指摘してきたPFIのリスクが顕在化しているもとで認められません。
さらに今予算では文化スポーツ施設利用料金あり方検討調査費が盛り込まれ、「市民割引制度」という表現で施設利用料の引き上げの可能性も否めない状況です。
文化施設については、博物館法においては入館料等に関する無料の原則があり、採算ベースや受益者負担の視点からの料金設定はふさわしくありません。また、金沢市には「金沢市における文化の人づくりの推進に関する条例」があり、市民が多様な文化を鑑賞・体験できる機会の充実を掲げています。金沢市スポーツ文化推進条例では、「市は、スポーツ文化を推進するための施策を総合的かつ計画的に策定する」「市民や事業者、スポーツ関係団体の意見を十分反映させる」とあり、施設利用料だけを取り上げて検討することもふさわしくありません。今後、庁内のワーキングチームでの調査・検討や行政経営プラン推進委員会からの意見聴取を行い進めるとしていますが、市民に開かれた審議形態ではありません。
以上のことから、あり方検討調査費については同意できません。市民や誰もが身近に文化やスポーツに親しみ、その発展に寄与できてこそ公立施設の存在意義があります。
市民の理解と合意が得られていない事業に反対です。
子ども未来拠点施設整備基本構想策定費についてです。
この間の南部地区教育・福祉施設再整備事業においては、幅広い市民の意見が十分に反映されてきたとは言えず、特に、教育プラザ富樫の再整備が建物の老朽化の有無で分離されることは、これまで培ってきた子育て支援の拠点として、機能の役割を後退させるものです。この基本構想は、教育プラザ富樫を分離移転整備する方針のもと策定されるものであり反対です。
環境エネルギーセンター再整備基本構想策定費についてです。現在、西部と東部の2か所ある環境エネルギーセンターを西部1か所体制にして、新しい施設を西部に建設する方向性が打ち出されました。本市がごみの有料化を導入する際の市民への説明や東部環境エネルギーセンターの延命化をすすめる方向性から大きく転換するものです。これまで、庁内での検討にとどまり、議会に詳細な説明がされてこなかったこともあり賛成できません。
議案第7号「金沢市本社機能立地促進のための金沢市税賦課徴収条例の特例を定める条例の一部改正」についてです。
金沢市内で本社機能の立地などに対し、税法上の優遇措置を行うもので、今回期間の延長が盛り込まれました。対象はいずれも大手企業に限られています。地域経済を支える地場の中小企業への支援拡充こそ求められており、議案に反対です。
議案第8号「金沢市児童福祉法に基づく児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例等の一部改正」についてです。障害児支援や医療的ケア児支援のための理学療法士等を活用すること自体は専門職が児童の保育・教育に関わるという点で同意はできます。しかし、多職種を保育士1名として換算することは保育士不足の対策として専門職への置き換えを進めることにつながりかねません。
また、あらたに主務保育教諭、主務養護教諭を設置することは、保育教諭間に上下関係を生むことになることや役割や責任が特定の教諭に集中することにもつながります。保育の質の向上には、保育士の確保や配置基準の改善が必要です。よって、この条例改正には反対です。
請願・陳情についてです。
請願第8号は「「防衛装備移転三原則」及びその運用指針を改定する閣議決定の撤回を求める」意見書の採択を求め、石川県平和委員会から提出されたものです。
高市政権は今年4月21日に「防衛装備移転三原則」とその運用指針の改訂を強行しました。これは国際紛争を助長する武器輸出は禁止するという、憲法9条に基づく国是を捨て去り、殺傷武器の輸出を全面的に解禁するというものです。
1976年三木内閣が「平和国家としての立場」「国際紛争の助長回避」を理由に宣言し、1981年の衆参本会議で武器輸出全面禁止を全会一致で決議し、国是としてきたものです。
今回の政府決定は、国会決議によって国是としてきた原則を、国会での議論もなく時の政権の一方的な決定で投げ捨てることは議会制民主主義を蹂躙するものです。
世界で無法な戦争が相次いでいる今こそ、日本は国際紛争を助長するのではなく、日本国憲法に基づく「平和国家」としての行動をとるべきです。よって、この請願に賛成します。
請願第9号「デジタル社会における『創造力』を育む教育体制整備に関する請願」についてです。
金沢市では、GIGAスクール構想に基づく1人1台端末の整備やデジタル教科書の導入に加え、「デジタル科」の新設や生成AIを活用した授業を進めています。
しかし、デジタル機器の活用が授業の質を高めるとは限りません。教育の本質は、教員の教材研究や子ども同士、教員との対話を通じた学びにあり、デジタルはあくまで補助的な手段であるべきです。また、近視やネット依存などの健康面への懸念や、思考力の低下を指摘する声もあります。
さらに、協働的な学びを充実させるためには、ICT機器の活用以上に教員の増員や少人数学級の実現が重要です。
生成AIについても、偽情報の拡散や安全性への懸念が指摘されており、EUでは厳格な規制や監視体制が整備されています。一方、日本では活用推進が先行しており、慎重な対応が求められます。
以上のことから、子どもの成長・発達と健康を最優先に考える立場から、デジタル教育を現状のまま推進する本請願には賛成できません。
陳情第35号「金沢市の子どもの医療費助成制度において通院についても18歳まで完全無料とするよう求める陳情」についてです。
子どもの医療費助成制度の自己負担をなくすことは、経済的な不安を抱くことなく安心して必要な医療を受けられる環境を保障し、受診控えを防ぐためにも重要です。県内の金沢以外の市町はすでに完全無償化を実現させています。本市も早急に行うことが必要です。よって、本陳情に賛成です。
陳情第36号「市役所駐車場利用料金の減免を求める陳情書」は、生活者目線で金沢方式を考える会から提出されました。
この陳情は、金沢市議会の本会議および委員会を市民が傍聴する際に、金沢市役所・美術館駐車場および第二本庁舎地下駐車場の利用料金について、無料または割引の措置を行うよう求めるものです。
市民の政治参加を促し、市民に開かれた議会にするため、必要な対応であり賛成です。
以上の陳情・請願について委員会での採決結果に反対です。
以上で討論を終わります。