経済環境常任委員会 意見交換会まとめ
先日、経済環境常任委員会と文教消防常任委員会の合同開催で意見交換会を行いました。テーマは、「金沢の文化の継承と発展について」と題し、専門家の方々をお呼びしてワークショップをしました。そこで出された意見や、反省点をまとめました。
〈ワークショップで出された意見〉
わたしたちのテーブルは主に、次のテーマで話し合った。
・ブランド力向上
・担い手支援
・産業化、販路拡大
・市民の購買力
それぞれの項目で話し合った内容は以下の通り。
・ブランド力向上
「銀座の金沢」については、ご意見が多く出た。
ビルの上層階の一角であり、目立たないということや、県のアンテナショップと間違われている実態があるということ。銀座全体がインバウンドが過ぎた中、どの店も苦戦をしているときに、もっとやり方に工夫が必要ではないかということ。ランチは盛況のようだが、販売のスペースは、たくさんの工芸品が雑多に陳列されているような印象。もっとスタイリッシュに行うことができないのか、などの意見。
マスメディアを使って、テレビやCMなどで工芸を取り上げてほしいという意見もあったが、それをするとずっと続けていく必要があり、やはり日常的に市民に根付いた環境を整える必要があるのではないか、という意見もあった。
・担い手支援
卯辰山工芸工房の現研修生と卒業生がいて、工芸工房の中身やよさを聴くことができた。ひとり立ちするための手厚い補助が充実しているとのことだった。お二人とも県外ご出身なのだが、金沢を選んだ理由は、京都など都会で学ぶ選択肢もあったが、作家が非常に多く埋もれてしまう可能性もあり、いい意味でまだ人の少ない金沢を選んだとのこと。しかし、ここでずっと作品づくりを続けるかは環境や気候次第である、とのことであった。そして、金沢にいる作家さんは、みなさん生活が大変でぎりぎりのところでやっているとのこと。
地元の工芸店の方からは、市民に工芸工房の存在がよく知られていないので、子どものころから見学などしてもらいたい、という意見があった。
・産業化、販路拡大
売れるものと作家がつくりたいものが違うということが出された。
・市民の購買力
工芸品を販売する方からは、「格差社会」という言葉が出され、富裕層しか買えないという実態を話していただいた。しかも、その富裕層が顧客にならなくてはむずかしいとのこと。他のグループの発表で「パトロン」の文字があったが、作家もそういう方を見つけなくては自立していけないという難しさがあるとのこと。
百貨店の方が発表の時、市民が加賀友禅を買うときに市が補助金を出してほしい、というような案を出されていたが、工芸が生活に根差せない一旦は市民の懐事情が大きく影響していると実感した。
・その他
ディスカッションの時間が少ない。もっとじっくりお互いの話を聴きたかった、というお声があった。
〈他のグループの発表を聴いて、重要だと思ったもの〉
・漆芸と九谷は学校があるが、加賀友禅の学校がない。若い人たちが学びたくても受け入れるところがない。
・そもそも金沢市民が工芸作品を使っているのか。
・支援策ができた時代背景も違うので、ひとつひとつ見直してもいい頃ではないか。
・作家さんから。メーカー、物産展、海外販路などプロとのつながりがほしい。
・作家は作品作りについては自分でがんばるしかないが、作家個人が解決できないことを市にはやってほしい。作品作りは、住んでいるところの草花などの自然や風景をモチーフにしたりする。まちづくりやまちなみの美しさを大事にしてほしい。緑をふやし、文化施設を維持してほしい。公園や広場はイベント仕様にしないでほしい。
→文化レベルや景観、自然を保つことの重要性
・工芸支援といっても、工芸のレベルは、安いお土産ものから一級品までさまざまであり一緒に扱うのはどうかと思う。
〈アンケートから〉
・一般市民がかやの外で、一般市民のための意見交換会になっていない。
→もちろん専門家も市民ではあるのだが、今回、一般市民がワークショップに参加できなかったことでかやの外だと感じたのであれば、今後見直す必要がある。
・ディスカッションの時間、やり方に改善が必要。