本日議会の最終日。市民のみなさんの行く末が決まる24年度予算の採択や
国へあげる意見書の採択が行われました。
わたしたちの会派は以下のように考え、予算に反対しました
団長の升さんが討論に立ちました
我が党は提案された諸議案の内、議案第1号、平成24年度金沢市一般会計予算をはじめ、
議案第3号、第5号、第9号、第10号、第12号、第16号、第25号、第27号、第28号、第30号、
第39号、第40号、第42号の各号及び請願第7号、第9号、第10号、陳情第4号についての
委員会採決結果に反対であることを表明します。
さて、昨年の3.11東日本大震災、原発事故によって、市民一人ひとりの生き方が問われ、
政治に向き合い、政治のあり方の根本を問う事態を迎えました。未曾有の体験は、国民の政治と
社会への見方・生き方の変化をもたらし、新しい政治への探求が始まっております。
東日本大震災の教訓からも、地方政治は、国の悪政の防波堤となってでも、住民の生命と
くらしを守り、安全・安心を確保することを最優先する政治をすすめること、それが政治に
かかわる者の責任であります。
山野市政にも当然の事ながら、それが問われました。そして新年度の予算がそうした市民の
思いと生活実態に本当に即した予算となっているかが問われたのであります。
市長は、今予算は、防災対策と新幹線開業を見据えて進めたとの事です。
最も安全・安心の施策、防災対策をより強化して地震や津波、原発、放射能汚染対策等を
なさろうとするなら、税金の使い方全体のみなおしこそ、すべきであったのです。
ところが、市長は新幹線開業に備えるとして、さかんに進められている大型開発事業、即ち、
金沢駅西広場の再整備や、駅武蔵北地区再開発事業、金沢港建設事業、海側環状線道路建設や、
北部直江、大河端、大友地区区画整理事業などを、積極的に推進し、まい進されております。
ここに多大な投資を行いながら、更に今回、新たに24億4,000万円をかけて河原市流通工業団地の
造成事業を進めようとされていますが、この時期に進めていく事には到底納得できません。
これら一連の大型開発公共事業は、前市長時代に継続中のものをそのまま引き継がれたものも
ありますが、市長はこれをやめることなく、一層力を入れておやりになっています。
コンパクトシティが叫ばれ、人口減少、大型公共事業や行財政運営のあり方が、そして何よりも
市民生活の窮状に応える政治が問われている時、それを見直すことなく、山野市長ご自身が
進めていこうとされることに、率直に言って市政刷新とは何なのか、市民の悲痛な生活の叫びが
届いているのかと問いたい思いです。市民に寄り添った市政を進めていこうとなさるなら、
新工業団地造成事業などは凍結する等をして、それこそ、深刻な市民生活の実情に応える
くらし安定を図ることに最優先されるべきであり、又、子育て支援に力を注ぎ全県最下位
クラスになっている子ども医療費助成制度の拡充などに当てるべきでした。
「払えない世帯が増え続けている」あまりにも高い国民健康保険料、耐え難い負担増となって
います。その上2倍にもなる介護保険料や、後期高齢者医療保険料の引き上げがどれ程に
市民生活を圧迫するか。市民の負担増は全体で14億円余にのぼりますが、一人ひとりの
高齢者の方にとっては生活が成り立っていかない事態になります。とりわけ、2年に1度の
後期高齢者医療保険料は、賦課限度額でみても、年間5万円も引き上げとなります。
その医療保険料は、新潟は、42,544円、福井は53,891円です。そしていずれの自治体も
今回の引き上げを見送っておりますが、本市は62,411円で新潟に比べて約2万円、福井に
比べて8,500円も高くなっているのです。まさしく高齢世帯は年金削減とのトリプルパンチ
となって襲ってきて、生活苦は必至です。これら一連の引き上げは見送ることが出来たと
考えますし、すべきであったと思います。更にこれまで、本市の法外援護制度で生活保護世帯等に
3,000円を支給していた夏季見舞金を、新年度より病院、施設入所者の方々のみに限定支給とし、
生活保護世帯2900世帯870万円をバッサリ切り捨て廃止しました。生活困窮世帯が増え続けている
中で、3,000円の支給を心待ちにしている方々への本市の今回の予算削減措置は余りにも
冷たい仕打ちと言わねばなりません。
ところで、石川県菓子工業組合所有の菓子文化会館取得についてですが、既にご承知の様に、
過去に「森八」の経営再建を図るとして、県の菓子工業組合へ売却の際、県、市、国が
5億8,000万円補助をしていたものですが、その当時も隣接する泉鏡花会館の文化施設と
共に尾張町界隈の賑わい等の為としておりました。今回又もや1億6,800万円で再取得する
というものですが、建物は既に46年を経過する耐震化のない老朽建物、底地については
依然と一部に、又国道側の敷地に森八の所有地がそのままとなっており、建物、土地とも
今後に新たな負担が生じること必至のものです。加えて、市当局はこの施設を美大の故柳宗理氏
の作品収蔵の場所とされるとのことですが、結局、展示ではなく蓄音器館の物品を含め、
収蔵庫機能ということです。菓子組合員の方々からの要望であるとはいえ、初めに取得ありきで、
今後の活用方針も不確かな中でのこうした物件の取得のあり方に問題があることを指摘しておきます。
次に議案第25号職員定数条例や、第27号職員の給与に関する条例の一部改正及び第28号特殊勤務手当に
関する条例提案がされております。政府は、真のムダはぶきにはメスをいれず、公務労働者への
人件費削減を強めております。公務員給与の引き下げによる影響は、学校・病院・社会福祉施設
など併せて626万人と言われ、これが更に民間の賃下げを助長させるもので、一層の景気の冷え込み
を政府自ら生み出すことになるもので、手当等を含め給与削減の一連のこうした動きは容認できません。
本市職員の定数も実質10人の削減となるものですが、市職員の非正規雇用が約1,000人近くと
なっている実態からして他自治体