引用元:金沢市議会議事録
平成25年 9月 防災・安全対策特別委員会 防災・安全対策特別委員会記録 1.日時 平成25年9月9日(金) 2.開議時間 開会 午前10時1分~閉会 午前11時35分 3.場所 第2委員会室 4.出席委員(8名) 野本正人委員長、高 芳晴副委員長 源野和清、広田美代、宮崎雅人、 松村理治、安達 前、田中展郎の各委員 5.欠席委員(0名) 6.出席説明員 別紙のとおり 7.事務局出席者 橋高議事グループ長、喜多主任 8.審査事件等 別紙のとおり 9.議事の経過等 以下のとおり 委員長の開議挨拶に引き続き、所管事務の調査として執行部より説明を受け、質問応答を行い、閉会した。 | |
△[報告事項] ・金沢市市有施設ストックマネジメント計画の策定作業状況・・・牧野営繕課長 資料番号1を見てほしい。金沢市市有施設ストックマネジメント計画は、市有施設のうち、企業局の施設と市営住宅を除いた建築物の長寿命化計画の策定に当たり、その施設保全のあり方などの基本方針を定めるものであり、本年度と次年度の2カ年間で策定する。現在、コンサルタントに業務委託して市有施設の現況調査や修繕履歴等の情報整理、維持管理上の課題の抽出などの作業を進めているところである。 また、施設の維持管理に関する専門的な意見を受け、ストックマネジメント計画策定の方向性を検討するため、金沢市市有施設ストックマネジメント計画策定検討委員会を設置し、資料がまとまり次第、順次検討会に諮ることとしている。この委員会は、建物施設の総合的な企画、管理、整備、活用に関する分野を専門とする金沢工業大学の円満教授、建物の省エネ対策や環境問題を専門とし、建築設備に関する造詣の深い金沢大学工学部の滝本教授、建築設計上の実務的な観点からの意見を受けるため、設計経験の豊富な一般社団法人石川県建築士事務所協会の細川副会長、また、市有施設は多種多様なので、特に再開発ビルなど市と民間が共同で整備した建物の一部に市有施設が入居している場合など、それの修繕工事に当たり建物全体を管理する組織との調整や留意点などの側面からも検討を必要とすることから池上都市整備局長、そして、インフラ整備を所管する部局から中田土木局長の5名の委員によって構成する。 今後の予定だが、本年10月下旬に第1回の委員会を開催し、施設の現状の分析と課題整理方法について検証してもらうこととしている。その後、平成26年1月に第2回委員会、平成26年の夏ごろと秋ごろにそれぞれ第3回、第4回の委員会を開催し、施設の用途別に応じた維持管理の方針、施設情報、維持管理情報を一元的に管理するシステムの検討、施設性能評価基準及び改修優先度判定基準の作成について審議し、平成26年度末にストックマネジメント計画を策定する予定としている。 ・金沢市橋梁長寿命化修繕計画・・・・・・・・・・・・・・中川道路管理課長 資料番号2を見てほしい。本市の管理する道路橋の急速な高齢化に備えて橋梁の長寿命化を図ることを目的とし、主に橋長15メートル以上の橋梁を対象に予防保全型の計画的な維持管理を実施するための橋梁長寿命化修繕計画を本年3月に策定した。計画対象の橋梁数は、計画策定時に本市が管理していた全橋梁1,388橋のうち、橋長15メートル以上の橋梁232橋と、橋長15メートル未満の橋梁のうち職員による点検で早急な修繕が必要と判断された7橋の合計239橋を計画対象としている。 現在、5%程度の架橋後50年以上の高齢橋梁が、20年後には36%に急増することから、将来的に修繕費やかけかえ費が増加し、市の財政を圧迫することが懸念されており、橋梁管理を事後保全型から予防保全型に移行し、長寿命化とコストの縮減を図るものである。橋梁の点検は、昨年度の計画策定時までに橋長15メートル以上の232橋の全橋と15メートル未満の重要な橋梁318橋を合わせた550橋を点検している。安全管理のため、基本的に橋長15メートル以上の橋はおおむね5年ごとに定期点検をし、その他の職員による簡易点検対象の橋梁は10年ごとに継続的に実施する。長寿命化修繕計画に基づき修繕工事を実施し、その後、点検による評価を行い、さらに方針を改善するマネジメントサイクルを徹底することとし、日常的な維持管理による予防保全へ取り組むこととする。 計画の内容だが、災害発生時に重要な役割を果たす緊急輸送道路や第三者に被害を及ぼす可能性の高い跨道橋、跨線橋などの重要な橋梁を高い健全度に保つなど、橋の重要度に応じたグルーピングを行って適切に管理する。また、橋梁の点検結果などを参考に劣化予測を行い、ライフサイクルコストが最小となるような補修時期、工法を採用することとし、予算の縮減を図る。さらに、橋梁の重要性や健全性などに基づいて修繕工事の優先順位を定め、予算に合わせ修繕工事を実施する。 長寿命化修繕計画の効果として、道路ネットワークの安全性と信頼性を確保しつつ、橋梁の長寿命化が図られ、維持管理コストを縮減でき、予算の平準化と計画的な修繕工事の実施が可能となる。なお、検討組織は庁内組織と平成20年度から平成24年度にわたり設置されていた学識者で構成される道路橋りょう等再生計画検討委員会で検討している。 ・ガス・上下水道施設の老朽化対策・・・・・・・・・・・長谷川維持管理課長 資料番号3、4、5を見てほしい。まず、老朽化対策の方針についてだが、1つ目に、適正な維持管理である。事故の未然防止及び迅速な対応を図るため、日ごろから点検、調査を行うとともに、24時間365日の維持管理体制を継続するものである。2つ目に、計画的な改築更新である。ガスの製造所、製圧所、水道の浄水場、基幹配水池、下水道の処理場、ポンプ場などの施設や、ガス、水道の管路については耐震改修を通して改築更新を計画的に実施する。下水道の管路については、布設年度の古い区域の管路から調査し、長寿命化計画に基づき対策が必要な管路の改築更新を計画的に実施する。 維持管理の状況だが、施設及び道路上の管路について、巡視点検や日常の運転管理における監視、ガス漏えい調査、漏水調査、空洞調査などの定期的な調査を継続的に行っている。また、港エネルギーセンター、末浄水場、下水道の3処理場や広岡庁舎において、夜間や休日も勤務する体制をとり、万全を期している。 改築更新の24年度末状況であるが、施設のうちガスの製造所、製圧所では、全て耐震化が完了している。浄水場では、末浄水場の緩速系施設を除き耐震化が完了している。また、基幹配水池8カ所のうち耐震化が必要な5カ所、さらに下水道の3処理場19施設のうち、耐震化が必要な14施設とポンプ場10カ所のうち耐震化が必要な3カ所について、順次、計画的に耐震化を実施する予定である。 管路だが、ガス管の総延長1,479キロメートルのうち、123キロメートルの耐震化が必要で、そのうちの22キロメートルについては、平成27年度までに完了する予定である。残りの101キロメートルについは、順次、計画的に耐震化を実施する予定である。1,356キロメートルが耐震化されており、耐震化率は92%である。また、水道管は総延長2,434キロメートルのうち、434キロメートルの耐震化が必要で、そのうちの29キロメートルについては平成35年度までに完了する予定である。残りの405キロメートルについては、順次、計画的に耐震化を実施する予定である。2,000キロメートルが耐震化されており、耐震化率は82%である。下水道管路については、総延長2,203キロメートルのうち、布設年度の最も古い金沢駅、片町など市内中心部である合流区域の全区域と、次に古い兼六園周辺の分流区域の管渠180キロメートルの調査が完了している。調査の結果、対策が必要とされた延長は14キロメートルで、そのうち対策が完了している本管延長は9キロメートルである。残り5キロメートルについては平成29年度の完了を予定している。 なお、合流区域404ヘクタールについては平成12年度から平成29年度まで、分流区域310ヘクタールについては平成25年度から平成29年度までを計画期間としている。また、平成29年度には次期計画を策定する予定である。 企業局では、今後とも適正な維持管理、計画的な改築更新を図り、管路の安全確保に努めたいと考えている。 ・問題空き家対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・詩丘危機管理課長 資料番号6を見てほしい。具体の説明に入る前に、空き家問題の全体について少し説明する。空き家問題の対策については、大きく分けて2通りあると考えている。1つ目は、空き家となる前に、あるいは空き家となったものはすぐに流動化させる、すなわち売る、貸すことで空き家の未然防止または有効活用を図るという対策である。2つ目は、空き家となったものを問題空き家、いわゆる周囲からこれは大変な問題であるというようなことになる前に、所有者に適正管理をさせるという対策である。いずれも基本的には所有者が対処すべき事柄だが、行政としてどこまでフォローすべきか、あるいはフォローできるかということである。そこで、近隣の住民に迷惑を及ぼす問題空き家となってしまったものへの対策、すなわち空き家を適正に管理してもらうという視点から説明する。 まず、市内における空き家の現状についてである。少子高齢化、核家族化の進行に伴い、中心市街地においては住環境の改善等が難しいこともあり、次の世代が郊外へ移り住み空洞化が進んだという経緯がある。また、中山間地の集落においても居住者の減少が進んでいる。こういったことから、本市においても全国的な動向である空き家の問題が増加している。これに伴い、適正管理されていない問題空き家も増加傾向にある。 資料に年度別の相談件数を記載している。平成22年度は46件だったが、平成24年度には95件と倍増している。相談の内容については、建物の損壊など危険性の高いものから、雑草の繁茂など多岐にわたっている。したがって、空き家問題と一言で言っても建物関係は建築指導課、雑草や樹木の繁茂などについては環境指導課、火災の発生のおそれなどは消防局、無施錠による侵入など犯罪につながるおそれのあるものやその他については危機管理課など対応する部署も多岐にわたる。 このような中、昨年度に庁内で検討会を開催し、各課の情報の共有と危機管理課における情報の一元管理を図ったところである。市民からの相談については、相談を受けた課においてその内容をしっかりと確認し、その課から各担当課に連絡する、いわゆるワンストップサービス体制を構築した。いろいろと相談に対応して感じたことは、地域のコミュニティーが弱体化していることが問題空き家の発生を防げない原因の一つではないかということである。地域の中での解決能力が弱っているため、行政に対応を求めてくる事例がふえている。問題空き家の所有者が判明しているような場合は、市から所有者へ適正管理を依頼することで解決する事例が大変多いということが挙げられる。また、相談を受け、本課の職員が現地に出向いたところ、隣りが随分長い間空き家になってしまったが、近所つき合いがなかったため、今どこにいるかわからないということだった。ところが、古くからその町に住んでいる方に聞くと、あそこの人は息子さんのところにいる、何々町に住んでいるという情報がすぐ入り、連絡すると、ああ、そうでしたか、すみません、すぐに対応しますというような事例もたくさんある。 こうしたことから、所有者に対して、空き家の近隣の方が迷惑していないかを意識してもらうこと、また、適正管理を呼びかけることが大事である。また、市民には、地域コミュニティーを強めてもらうようお願いすることも大事であると思っており、現在、パンフレットを作成しているところである。 空き家となった場合でも、家族に対して連絡をとれるような体制も大事であると思っている。法整備の必要については、従来から市長会を通じて国に働きかけているが、先般の新聞報道によると自民党において法整備の動きが具体化しているようなので、動向を十分注視していきたい。 ・空き家の流通促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・瀧本住宅政策課長 資料番号7を見てほしい。空き家対策においては空き家になる前、あるいはなった直後の対策が重要であると考えている。このため、平成22年7月より、まちなか住宅再生バンクを創設するとともに、まちなか空家活用促進補助金制度を設け、バンクに登録されている物件の内部改修費の2分の1、50万円を限度額とする助成を行い、住宅の流通促進を図っているところである。 まちなか住宅再生バンクだが、空き家、空き地、そして空き住戸--マンション、アパート系の住戸のことだが、これらについて登録することができる。ことし9月1日における累計は、登録数が197件、うち成約に至ったものが166件で、成約率は84.3%である。内部改修費補助の利用状況だが、空き家については平成22年7月からスタートしており、累計は15件、空き住戸については平成23年6月からスタートしており、累計は22件である。資料のチャート図は、まちなか住宅再生バンクと所有者と売買、購入の希望者との相関関係を図式化したものである。 空き家の流通促進の検討課題については、本年度に作成する新たな金沢市住生活基本計画の中で、作成検討委員会を立ち上げ、検討を進めているところだが、空き家については新たな物件の発掘とバンクへの登録の促進、ストックの利活用に向けての空き家の定期見回り、清掃等の適正管理を促進する仕組みの検討、そして、高齢、特に単身世帯の家屋の利活用の希望、要望の把握、さらには空き家の供給側と需要側の利活用をコーディネートする事業体の育成、支援を検討課題に挙げ、住生活基本計画の中で検討を進めていきたいと考えている。 ・老朽空き家の安全確保・・・・・・・・・・・・・・・・・松田建築指導課長 資料番号8を見てほしい。空き家の所有者が適正な管理を怠り、台風等の自然災害により屋根や外壁が飛散するおそれがある場合、建築指導課では所有者に対して空き家が危険な状態にならないよう建築基準法第8条の規定に基づき行政指導を行っている。同条では、建築物の所有者等は、その建築物の敷地、構造、建築設備を常時適法な状態に維持するよう努めなければならないと規定されている。 続いて、老朽空き家対応フローだが、近隣住民等から空き家に関する要望があった場合、建築指導課の職員がまず現状を確認する。その際には、危機管理課などの関係課と情報の共有化を図っている。その後、空き家のため現に住んでいないことから、戸籍や法務局の謄本などから所有者を調べる。所有者が亡くなっている場合は、戸籍から相続人を特定していく。所有者なり相続人が特定できた場合は、その方に対して適正な維持管理を指導しており、ほとんどの場合は修繕なり解体がされる。ただ、所有者が亡くなっていたり、相続人の方が住所異動をたびたび繰り返し、特定できない場合がある。このような場合、その物件については年に最低1回は定期的に状況を把握して、事態が悪くならないか見守っている。 最後に、建築物に関する空き家の相談件数だが、平成22、23、24年度と少しずつ件数はふえている。毎年度、その半数は所有者なり相続人が特定できて解決しているが、約半数は所有者なり相続人の方が特定できずに問題ある空き家として見守っているのが現状である。 ・空き家の管理及び対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・福島予防課長 火災予防の観点からの空き家の管理及び対応について、資料番号9を見てほしい。空き家の管理については、火災予防条例第24条第2項で、空き家の所有者または管理者は、当該空き家への侵入防止、周囲の延焼のおそれのある物件の除去その他火災予防上必要な措置を講じなければならないと規定されている。消防局では、春及び秋の火災予防運動実施要綱の推進事項として、空き家の管理の徹底について定め、各消防署では調査を実施し、放火火災防止対策の徹底を図っている。また、消防隊等が業務出向した際に、努めて空き家の現況を確認している。火災が発生した場合に社会的影響の大きい大規模建物については、消防用設備等の一部を設置・維持させて警戒を実施している。 次に、空き家の対応フローだが、近隣住民や町会などから通報でそういう要望が上がってきた際に、予防課あるいは各消防署で情報を共有して、消防署から現地調査に行く。火災予防上の危険があった場合、所有者等に対して指導し、その結果について、火災予防上の危険がなかった場合でも危機管理課へ連絡をする体制となっている。 最後に、各署における事務所、工場等であった空き家の数だが、中央消防署管内では31件、駅西消防署管内では131件、金石消防署管内では43件、合計で195件把握している。 ・まちなか再整備事業の推進・・・・・・・・・・・・・・浅川市街地再生課長 資料番号10を見てほしい。まず、この事業の目的だが、まちなかには狭隘な道路が多くあり、そして古い木造住宅が密集していることに加え、近年では先ほどから説明がある空き家や、さらに空き地なども増加しつつある。このため、歴史的なまち並みをできる限り保全しつつ、災害時の避難路や避難場所の確保、そして消防活動に役立つ防災機能の向上を図り、良好な住環境を形成して、安全で住みよいまちづくりを実現しようとするものである。事業の進め方だが、災害危険度判定調査により、重点的な対応が必要とされた地区などにおいて、住民と金沢市の協働によって再整備の計画を策定する。災害危険度判定調査とは、地震災害に対する危険の度合いを、延焼の危険度と避難の危険度であらわしたものである。そして、再整備の計画を策定した後に、金沢市における災害に強い都市整備の推進に関する条例に基づく協定を住民と金沢市が締結し、事業の実施に進む。事業の内容としては、防災道路や防災広場の整備、さらに防火水槽の設置などがある。 資料には、現在、事業を実施している地区について紹介している。1つ目は金石西地区であり、平成18年4月7日に協定を締結している。2つ目の横山町地区については、平成24年3月7日に協定を締結し、現在、事業を実施している。3つ目は、森山地区であるが、現在、計画策定中で今年度中の協定締結を目指している。参考として、協定はしていないが類似の事業として、武蔵地区も事業を実施している。 ・狭あい道路の拡幅整備モデル事業・・・・・・・・・・・・中川道路管理課長 資料番号11を見てほしい。事業の目的だが、市内には幅員4メートルに満たない道路、狭隘道路が数多く存在し、消防・救急活動などの防災面のほか、日照、通風など住環境の上でも大きな障害となっている。このような狭隘道路の解消を目指し、本市では対象地区を定めて、平成24年度から狭あい道路拡幅整備モデル事業として狭隘道路の拡幅整備を支援する制度をスタートしている。安心・安全な道路環境を創出し、災害に強いまちづくりを進めるため、市民の理解と協力のもと事業を進めている。 事業の内容だが、狭隘道路に面して建物等を建築する場合には、建築基準法により建築物の塀等の位置を道路中心線から2メートル以上後退させることが義務づけられているが、建築主等や土地所有者の協力により、後退用地や隅切り用地の提供があった場合に、用地提供、測量、分筆及び整備等に対して市が支援するものである。 事業の対象は、金沢市における災害に強い都市整備の推進に関する条例に基づく防災まちづくり協定を締結している金石西地区と横山町の2地区の狭隘道路のうち、金沢市が所有する道路沿いで後退用地や狭隘道路が交差する隅切り部の用地提供に協力が得られる箇所である。 支援内容は、防災まちづくり協定で定められている道路の位置づけにより若干違いがある。防災道路として位置づけられている道路沿線においては、中心線から2メートル後退する後退用地は市が買収するが、防災道路以外の路線では後退用地は寄附をしてもらうことを原則としている。ただし、隅切り用地の買収や測量・分筆、登記、後退用地における工作物の撤去、道路としての整備・管理については、防災道路、その他の道路いずれであっても市の支援対象としている。 事業の進捗状況だが、昨年度は金石西地区において隅切り用地1カ所と後退用地3カ所を確保して拡幅整備を実施している。今年度は、金石西地区と横山町地区において、それぞれ複数の地権者から事業協力の申し出があることから、測量、分筆作業を支援するとともに、今後、用地を確保して整備工事を進める予定である。 | |
△[報告事項に対する質問応答] | |
◆広田美代委員 笹子トンネルの事故をきっかけに、ストックマネジメント計画や橋梁、道路などの長寿命化計画を立てていると思うが、笹子トンネルの事故は、民間の手抜き工事だったのではないかという検証も一部見られる。 ①本市も、民間にかなり調査や修繕を委託していると思うが、民間委託の現状はどうなっているか。 ②既に調査を民間のコンサルタントに委託しているが、今後、ストックマネジメントや長寿命化計画の策定に当たって、情報の共有が重要だと思うが、その点についてどのように考えているか。 | |
◎牧野営繕課長 ①営繕課ではストックマネジメント計画の策定に当たり、コンサルタントに委託しているが、対象は607施設、約2,000棟ある。これらの調査に職員を従事させることが難しいため、コンサルタントに委託している。ただ、コンサルタントを指導、監督する職員と、コンサルタントとの細かな打ち合わせは毎週のように行っており、決して全てを民間に任せているということはない。また、長寿命化計画の作成に当たっても、同じように民間の力をかりたいと思っているが、それについても適切な打ち合わせを行いながら進めていきたい。 ②施設の維持管理上のシステムについては、営繕課だけではなく、庁内で共有できるようなものを考えている。 | |
◎中川道路管理課長 ①笹子トンネルの事故を受け、道路管理者として橋梁やトンネルといった主要な施設について調査を行っている。橋梁については、非常に専門的な知識も要るため、コンサルタントのノウハウを生かしながら調査をして、それに基づき計画の策定を進めている。トンネルについても、今年度に調査を実施するが、非常に重要な施設なので、コンサルタントのノウハウや知恵をかりながら進めたいと考えている。 ②情報共有化等については、その調査結果や計画の策定状況、中身などをホームページ等で公表していきたいと考えている。 | |
◆広田美代委員 民間が全てだめと言っているわけではないが、今後、国の方針ではレーザースキャナーを使った非破壊検査や、センサーやロボットとITを組み合わせた新しい維持管理手法など、最新鋭のものをどんどん用いなさいというような方針も組み込まれている中で、果たして今まで地域で頑張って公共事業を支えていた皆さんが活躍できるのか。 | |
◎牧野営繕課長 今ほどの指摘のレーザーによる点検とは、恐らく外壁の劣化状況等を調査するものと考える。残念ながら、本市ではそういう設備は持っていないので、そういう調査をするに当たっても、民間のノウハウをかりることが必要になると思う。地場のコンサルタントにそのような能力があるかどうかは、まだ把握していない。今後、そのような状況になったら、当然、地場のコンサルタントにどのような能力があるのかということも十分調査して、できる限り、対応したいと考えている。 | |
◆広田美代委員 専門の方に話を聞くと、石川県特有の劣化の仕方--潮風が多いので、風の強い日は電線に火花が散って、延焼するといったことなどもあるようである。そのような地域特有の影響もあるので、民間任せにせず、地域の業者のノウハウを市でもぜひ取り入れて、地域の特性に見合った計画を策定してほしい。 | |
◎牧野営繕課長 雪や風など北陸の特性はいろいろあり、それが施設の劣化にあらわれてくると予測している。現在、調査している建物の修繕履歴からその辺を読み解いて、金沢の地域特性に合った計画を探し出していきたい。 | |
◆広田美代委員 ストックマネジメント計画の策定において、施設の統廃合が関連してくるのではないか。もしそういう流れがあるとすれば、どこで合意形成していくのか。 | |
◎牧野営繕課長 施設の再配置、統廃合のことについての質問だが、営繕課では再配置計画を策定する予定はない。また、市として再配置計画を策定する予定があるかどうかは聞いていない。施設のハード面に着目して、長寿命化計画を策定しているが、その中でハード面の劣化が激しい部分を見きわめて、施設の管理者と具体的に調整し、更新時期の協議をしていくことになると考えている。 | |
◆源野和清委員 橋梁の管理維持コストの縮減については、今後60年間で334億円かかるところが171億円に削減できるということだが、その内訳として国の補助金と、市単独の費用の割合が幾らぐらいになるのか試算しているか。 | |
◎中川道路管理課長 現在、橋梁の長寿命化における修繕については、交付金制度の対象であり、補助率は55%である。その制度が続くならば、国の補助金、起債、市の単独費等が財源となるが、国の補助制度等が見直されることも考えられるので、その推移を見守りながら、国の補助制度を有効に活用していきたいと考えている。 | |
◆源野和清委員 ストックマネジメント計画の策定において、第4回の委員会で施設の性能評価基準及び改修優先度判定基準が作成される見込みだが、おおよそこの段階で対象となる全市有施設について、どれぐらい保全が必要なのか、また、コストが幾らかかるのかが見えてくると解釈してよいのか。 | |
◎牧野営繕課長 そのような計画をぜひ立てていきたいと思っている。ただ、ストックマネジメント計画は、その後の長寿命化計画において、どのようなコストがかかるかということを再度検討するためのものであり、長寿命化に向けた基本的な方向性を定めるものと理解してほしい。そのため、実際にコストが算出されるのは平成27年度以降になると思う。 | |
◆松村理治委員 ①昭和町に空き家がある。空き家になって七、八年近くたつと思われるが、その空き家に猫が10匹ほどいた。徘回し、においや鳴き声がうるさくて困るということで、担当課に対応してもらったが、また子猫をたくさん産んでしまった。 その持ち主は、今、入院している。奥さんは亡くなっており、子どもも身内もいない。しかし、親しくしていた中国人の女性がその家に入ってしまった。その前にももう1人中国人がいて、その人がその空き家をもらうということで、法的な手続はしてないが、中国人同士で渡さない、貸せということになっている。そこへ弁護士を入れて話をしているが、専門的なことになると、日本語がわからないといって逃げる、こんなでたらめな漫画みたいな話が実際に生じている。 町会長や隣家の方からも要望は受けるものの、一市議会議員の力では到底かなわない。非常に複雑な状況があり、行政として対応してほしいという要望である。 ②長田に、大野庄用水にかかった橋がある。その道路は農道で、周辺は工場跡地で開発行為により住宅がびっしり建って住宅街になっている。その橋梁は、非常に狭く、老朽化していて非常に危ない。過去には、周辺にそのような橋が他に2カ所あったが、ある市民の影響により、2カ所とも拡張してきれいになった。農道ではあるが、その近隣は住宅街で、通学路にもなっている。行政は農道なので町会の補助と生産組合で対応してほしいと言うが、1つの町会と生産組合が何百万円もかかる橋のかけかえは現実的に難しい。こういう問題も少し考えてほしい。 | |
◎詩丘危機管理課長 ①空き家問題の中で一番難しい問題だと思う。空き家といっても、すべて個人の財産であり、所有者はいるわけである。そこにどこまで市が関与できるかは、非常に難しい問題であるが、周りの方が迷惑しているという現状がある以上は、もう少し詳しく話を聞いて対処していきたいと思う。 | |
◎中川道路管理課長 ②農道橋については、難しい問題であると考えている。金沢市内に市道が約2,100キロメートルある一方、市道になれない農道も数多くあることは理解している。道路管理者とすれば、そういった市道にならないような私道等については整備補助制度があり、場所に応じて7割から8割の補助をしていて、それによる道路の整備をお願いしている。ただ、委員が指摘したように、特に橋については費用がかかる事業であり、なかなか地元だけで十分負担ができないという事情も理解している。そうした中で、こういったことについて直ちに答えることはできないが、研究する必要があると考えている。 | |
◆松村理治委員 農道橋について、話していることはよくわかるが、そういう橋が2つともきちっと拡張して整備されている。これはどういう根拠でしたのか、全部報告してほしい。 | |
◎中川道路管理課長 過去の経緯等を調べて報告したい。 | |
◆宮崎雅人委員 空き家関係のことで聞く。危機管理課、住宅政策課、建築指導課などで連携をしているのはよくわかったが、そうなる前にとめる方法があると思う。少子高齢化が進んで、こういう問題が起きているから、市民局や福祉局と連携をとって、そういう手だてを考えないといけない。 | |
◎詩丘危機管理課長 空き家になる前にしっかりとした対応をというのは、そのとおりだと思う。個人情報や、財産の件など法的に難しい問題がいろいろあるが、問題が起きる前に、市役所として把握することが大事だと思っている。市民課や福祉の部署とも、連携を検討していかなければいけないと思う。 先ほども説明したが、一番よく知っているのは周辺の方であり、地域の皆さんの力をぜひかりたいと思っている。そういう趣旨で、今回パンフレットをつくったので、地域の皆さんにもぜひ協力をお願いしたい。 | |
◆高芳晴副委員長 橋梁の点検について聞く。昨今、職員の削減等で、そういう技術を持った職員が非常に減っていると聞いているが、本市の現状、それから今後の対策、対応等について聞く。 | |
◎中川道路管理課長 橋梁については、非常に専門的な知識の要る分野であり、市としても、技術職員の能力を高めるために、国の研修会や橋梁に関係する研修に職員を派遣している。また、15メートル未満の橋梁については、主に土木局が中心となって点検を行っており、そういった職員で庁内における研修を行うとともに、現場で先輩職員と一緒に点検を行い、いろんな技術、ノウハウを伝承していく取り組みをしている。 | |
◆安達前委員 ①空き家対策は、それぞれの課にまたがっているが、どこが先頭になってやるのか。空き家SOSのような窓口が1つあって、そこへ相談、連絡すればそれぞれ対応できる体制が必要ではないかと思う。高齢化が進んでいくと、空き家率はまだまだ高くなり、いろんな地域で何とかしてほしいという要望や相談が当然出てくるだろうから、先んじてその入り口の対応や、連携できる体制をつくるべきではないかと感じた。きょうの話を聞くと、空き家のことについて聞きたいときは危機管理課が入り口だろうが、それぞれの課と連携がとれているかというと、恐らくそういう体制にはなっていないと思う。いろんな体制はつくっているが、その入り口を明確にしないと、いろんな意見が出て、ストップしてしまう。そういうことがないようにしてほしい。 ②金沢には消防車が入れないような細い道が結構ある。できるかどうかわからないが、例えば金石だけに消防バイクを置くなど、金沢は消防分団が充実しているから、そういうことも考える必要があるのではないか。 ③用水の上に建物が建っているところが結構あると思うが、市としてどこが把握しているのか。そういったところは水かさが上がると危険であり、その点検や早期対策ということも必要ではないか。 | |
◎詩丘危機管理課長 ①窓口対応がしっかりしないといけないということは認識しており、昨年度に庁内の検討会を開いた。対応しようと思うと危機管理課だけ、あるいは建築指導課だけでは対応できず、それぞれの課で対応せざるを得ない。ただ、市民からすると、市役所は1つであるということは承知しており、いわゆるたらい回しは絶対にあってはならないと思っている。そこで、受けた電話は必ず最後まで聞く。話を聞いて、すぐに担当課に回すのではなく、最後まで聞いた上で、担当課を判断してそこに仕事を依頼するという確認を庁内でしている。また、該当の建物については、地図情報システムを活用して、相談内容や市としての対応を履歴に残し、危機管理課で把握している。 | |
◎福島予防課長 ①これまで事務所や工場・倉庫だったものが空き家になっている場合は、所有者、管理者は割とはっきりとしており、年に2回、そういうところを立入検査しながら、維持管理に目を光らせている。これまで事務所等であったものに関しては、消防局予防課あるいは各消防署が窓口になると思っている。 ②旧市街地の中で道路が狭隘で木造建物が密集している場所は、特別消防対策区域という区分けをしている。そうした中で、それぞれのまちにおける火災防御の計画を、各消防分団とも協調しながら、個別に作成している。 また、東山ひがし、主計町、卯辰山麓、寺町台といった重要伝統的建造物群保存地区についても、その地区に合わせた火災防御計画を別個につくっている。それについては、地元の消防分団に計画を話しており、連携が図れる形になっている。 | |
◎松田建築指導課長 ③用水は内水整備課が管理している。用水の上に橋や建築物をつくる場合は、法定外公共物管理条例に基づいて許可が要る。内水整備課では法定外公共物として行為の許可を受けているものについては毎年、許可更新の際に申請書の提出を求めている。個別案件ごとに対応を求められる場合があるなら、建築行政と内水整備課で丁寧に対応していきたいと思っている。 | |
◆田中展郎委員 狭隘道路についてだが、1つの道路を広げるにしても、住民と金沢市が防災まちづくり協定を結ぶために多大な労力がかかる。結んだ後には、防災道路なら市がお金を出し、そうでなかったら寄附をしてもらう。寄附といっても、なかなか出さない。このままではまちなかから狭隘道路はなくならないのではないかと心配している。消防車が通れないとわかっていながら、なかなか広がらないのが現状だと思う。 危険であり、どうしても通さなければいけないというところがあるなら、行政が住民のところへ行って話をしたり、多少強制的に広げるようなことをしないと、狭隘道路はなくならないと思う。危ないと思ったらできるところから、また、要望があってできそうなところから広げていかないと、計画倒れでなかなか進まないのではないか。 | |
◎浅川市街地再生課長 個人の合意については思うように進まない部分がたくさんあり、協定を結んで、事業を実施していく中では課題が多いことは認識している。そういった中でも、防災まちづくり協定に基づいて、住民の合意のもとで道路をしっかり整備していきたい。それ以外の地区においてもそうした課題があるので、道路管理課と研究していきたいと思う。 | |
◆田中展郎委員 橋梁ではないが、地下道について聞く。疋田の地下道で、雨が降って車が水没したということがあった。10年や100年に一度ではなく、近年はゲリラ豪雨が日常茶飯事となっている。地下道を再点検して、老朽化や水はけの状況を確認する必要があると思うが、いかがか。 | |
◎中川道路管理課長 橋梁、トンネルに限らず、公共施設全般が老朽化してきている。地下道については、月に一度は電気系統の点検をし、さらに梅雨前には必ず状況を再確認しているが、昨今のゲリラ豪雨等に備えて、これまで以上に十分な点検をしなければいけないと思っている。いろんな施設の老朽化にあわせて、地下道等についても今まで以上の維持管理をするために、研究を重ねていきたいと思う。 | |
◆広田美代委員 委員の皆さんの意見から、公共施設やインフラ、空き家にしても住民の声が届いていることを感じた。ストックマネジメントや長寿命化、空き家や狭隘道路で、その方針を立てる段階で、住民との合意形成、参画というのも視野に入れて取り組んでほしい。 | |
◎牧野営繕課長 ストックマネジメント計画の策定に当たり、パブリックコメントその他について、今後、検討する中で必要であればそういうことも含めて考えたい。 | |
◆宮崎雅人委員 空き家の関係で、空き家になっても通常の電灯については、電力会社は撤去せず、ずっとつないでおく。危機管理課もそうだが、消防でも、ここは住むようなことはない、危険度からいったら電気を外さなければならないというところは早々に調べて外してほしい。漏電による火災も発生しているので、そういう面でも一回調べてほしい。企業局は恐らくガス、上下水道で処理をしていると思うが、対応をお願いする。 | |
◎詩丘危機管理課長 一般民家が空き家になったという状況を、市役所が把握できるかというと地域の皆さんの協力なしでは大変難しい。一般民家が空き家になったという情報は、ある程度の時間がたった段階で、危機管理課まで伝えてほしい。 | |
◎福島予防課長 事務所等の空き家において、実際に空き家であることを確認した際は、まず敷地内への侵入防止措置がされているか、それから、各出入り口が施錠されているか、窓等に破損している箇所はないか、屋外に可燃物を放置または存置してないか、ガス及び電気が遮断されているかを確認し、台帳管理をしている。 今のところ、通電している物件は、金沢大学工学部跡であり、火災報知設備だけ作動する。作動した際には警備会社が駆けつける。敷地内の消防用水も使用できる。また、巡回については、昼間は金沢大学の施設管理部が週に2回、夜間は、警備会社が毎日行っている。グラウンドについては、金沢商業高校が部活動で使っており、出入り口についてはバリケードと鎖で施錠している。 | |
◎長谷川維持管理課長 企業局における開閉栓については、利用者からの申し込みにより行っている。また、ガスでは毎月、水道では隔月の検針での状況や、料金の納入状況などいろんな形で情報を得て、メーターの引き揚げ等の対応をしている。 | |
△[次回の委員会について] 砺波市を10月18日(金)午後に視察することに決定 | |
△[その他] なし 以上 |