7、8、9日と、2泊三日で教育消防常任委員会の視察へ行ってきました。
今、兵庫県議の政務活動費の不正使用が問題となっていますが、これはちゃんとした
視察です^^;
工程と目的は、秋田市にて「防災・減災対策および中核市防災第5応援チームの取り組み
について」→青森・三戸市(さんのへし)「小中一貫教育について」視察するというもの
です。
まずは秋田市。
竿灯まつりやきりたんぽで有名なおよそ32万4千人の中核市です。
秋田市役所で担当課から防災分野のご説明をしていただきました。
特徴的なのは、秋田市災害対策基本条例というものをつくり、災害時に援護が必要な方々
の情報(個人情報)を地域の民生委員や自主防災組織が共有できるようにしていることで
す。個人情報なので行っていない自治体が多い現状です。そして、もしそのリストを地域
にわたされても責任をもって援護できるかわからないことから、受け取れない地域もある
そうです。いまは、受け取ってもらえた地域から誰が誰を援護するかなど具体的な計画を
立てているそうですが、なかなかむずかしいそうです。
これは、国が示している「共助」という、いざ災害になったら公的な援助は期待できない
ので、「地域の中で助け合いなさい」という発想から生まれたものです。
しかし、個人情報の管理が問われる事態ですから、手助けが必要な方がどこに住んでいる
のか把握するのが困難です。だから、地域に限って個人情報をわたすよというもの。
地域の高齢化や核家族化が進んでいることなどの社会的背景があり、必要な面もあります
が、本来なら個人情報を扱うことのできる公務員が今でいう民生委員さんのような業務
ができればそんな必要はないはずです。
職員が減らされ、公務員が地域の様子を見ることも、そしていざという時に対応できない
から個人情報わたすし地域でなんとかしてというのもあんまりです。
しかも、日中に災害が起きれば地域に残っているのは高齢の方が中心。
自分が逃げだすだけで精一杯なのではないでしょうか。
となり近所助け合うのは言うまでもなく当然のことですが、名簿をわたして誰が誰を援護
するとまで決めてしまうのは違うのではないでしょうか。
まずやるべきは、地域を管理できる職員を増やすこと、消防・救急職員の不足を補うこ
とではないでしょうか。
そのうえで、地域の防災計画・避難計画を地域任せではなく、自治体も一緒に取り組み
誰もが助けられる体制を模索していくことが求められると考えます。
夕食後に歩いてホテルへ戻る際、来月の竿灯まつりの練習をしていました^^
この竿灯まつりは地域ごとに出すらしく、地域のつながりの深い秋田ならではの取り組み
です。だからこそ、防災計画にも地域で助け合うことが強調されているのでしょう。
そして、第5応援チームについて。
中核市同市、災害が起きた際は助け合おうという協定です。
第5チームには、秋田、千葉県船橋、金沢、兵庫県西宮、和歌山、山口県下関、宮崎と
7つの都市が入っています。
その中で、秋田市は東日本大震災がまじかで起こり、たくさんの支援を行った経験があり
ますのでその経験を質問しました。
支援に行っても、被災自治体は受け入れる体制もないほど精一杯なので、支援側がテント
をもって自分たちのことは自分たちでしなければならないだろうということや、
原発事故で道路が封鎖されると辿り着くのも困難であるとのこと。
もし石川全体で災害が起きれば、日本海側から車で来る際、志賀原発の事故で道路が封鎖
されるかもしれないなと聴きながら思いました。
また結局は助け合いであり、国の責任はあいまいなのです・・
2日目は青森の三戸町へ。人口1万人の町です。
三戸は私の大好きな「11匹のねこ」の作者、馬場のぼるさんの故郷でした(^^)
ここでは小中一貫校(小学校・中学校がひとつの校舎で学び、4,3,2で9年間を
区切っている)
建物は改修、新築されて立派でしたが、9年間合体した教育が子どもにとってどうなの
か。塾のノウハウも入れて学力向上と受験対策で、豊かな成長が期待できるのか、など
疑問がふつふつ湧きました。
小中一貫教育を制度化するという方針が国から示されましたが、各自治体の行政は政治の
変遷の中で揺れ動いている感は否めません。
なぜなら、小中一貫教育がなぜ必要でこう期待する!
というような客観的でしっくり来る研究も、現場から求める声もないからです。
中1ギャップ(小6から中1から上がるときに不安を感じ不登校になったりする)
の解消には小中の連携で十分だと文科省の研究機関も言っています。
はっきりしてるのは効率化と統廃合できるのと教育前倒しして受験対策。
三戸は急激な少子化・人口減少という地域の実情もあり判断をしましたが、条件が異なる
金沢は今後の小中一貫教育をどう進めるのか。
いじめ、不登校、少子化を打開するためになにかせないかん!と新たなことをするより
も、まずは教員の人手不足や多忙の解消、施設の耐震化、子どもに寄り添う教育の追求な
どやることはまだまだあろうと思います。