引用元:金沢市議会議事録
平成26年 8月 教育消防常任委員会 教育消防常任委員会記録 1 開会日時 平成26年8月25日(月) 2 開議時間 開会 午前10時2分~閉会 午前11時00分 3 場所 第5委員会室 4 出席委員(8名) 小阪栄進委員長、喜多浩一副委員長 広田美代、宮崎雅人、福田太郎、清水邦彦、 角野恵美子、中西利雄の各委員 5 欠席委員(0名) 6 出席説明員 別紙のとおり 7 事務局出席者 小村議事調査課担当課長、河口主任 8 審査事件等 別紙のとおり 9 議事の経過等 以下のとおり 委員長の開議挨拶に引き続き、執行部から教員の不祥事について報告を受けた。その後、所管事務の調査として執行部より報告事項の説明を受け、質問応答を行った後、その他の事項について質問応答を行い、閉会した。 | |
△[報告] ・教員の不祥事について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・野口教育長 先般の教員の不祥事について報告とおわびを述べる。 8月7日に金沢市立中学校の教員が不祥事によって逮捕されるという事案が発生した。本市の教育に対する信用を大きく失墜させる事案であり、被害に遭われた方、生徒及び保護者、地域の方、そして市民の方に深くおわびする。今回の件を含め、この5年間で6人の教員が逮捕されており、極めて憂慮すべき事態と受けとめている。被害に遭った生徒の心のケアを第一に考えていきたい。本市教育委員会の対応だが、事件発生後の臨時校長会議において、不祥事の防止に向けて、服務規律徹底のため、教職員の校内研修、各学校での教職員との面談を実施することを指示した。 以上の件の詳細については、この後、担当の課長から報告させるが、教育委員会、また学校として、今後さらに身を引き締めて、金沢の未来を担う子どもたちのために教育活動に一層頑張っていきたい。 | |
△[報告事項] ・平成26年度市民防災訓練について・・・・・・・・・・・・・向危機管理課長 平成26年度市民防災訓練について報告する。 今年度は、8月31日日曜日に崎浦地区と花園地区で、9月14日日曜日に長坂台校下で市民防災訓練を実施する。参加対象町会数や世帯数、会場は、資料に記載のとおりで、花園地区は、訓練で使用する自衛隊のヘリコプターを展示するため訓練時間が30分長くなっている。 訓練概要は、震度6強の地震が午前7時30分に市内で発生した想定とし、同報防災無線等で対象地域に一斉伝達を行うもので、訓練内容は自主防災組織を中心に地域の実情に応じて企画運営するものである。危機管理課や消防局職員が4月から各地域に打ち合わせに入り、事前の訓練として町会ごとの図上訓練を行った。訓練当日には主に町会単位で一時避難場所である公園に集まって安否確認や被害状況の確認、消火、救助、救出などまちなか訓練を実施し、その後、拠点避難場所である小学校に参集して、避難所や自主防災本部の開設、災害伝言訓練や食糧供給訓練など避難所運営訓練を行う。 市民防災訓練では、毎年新たな課題をもって取り組んでおり、年々取り組み内容の充実を図っている。今年度は、特に3月に作成した避難所運営マニュアルをもとに避難所レイアウトを実施し、今後の避難所開設計画につなげる。また、自衛隊との連携強化を図るべく、初めて市の災害対策本部に職員を派遣してもらい、被災現場との情報収集伝達に取り組んでもらうほか、崎浦地区では車両を、花園地区ではヘリコプターを使用しての人員輸送訓練を実施し、長坂台校下では、入浴体験としての足湯の設置や応急対策としての架柱橋体験訓練を実施する。このような訓練を通して、地域防災力の強化と災害対策本部職員や地区支部要員の資質向上を図っていく。 ・平成27年度 新1年生を対象とした中学校学校選択制の実施について ・・・・・山田教育総務課長 平成27年度新1年生を対象とした中学校学校選択制の実施について報告する。 この制度は、通学区域の中学校への入学を基本としながら、保護者や本人の希望を聞き、通学区域外の中学校への入学を希望する場合に、一定の受け入れ枠の範囲内で希望の中学校へ入学できるようにするもので、通学区域の弾力化の一環として平成18年度から実施しているものである。 対象者は、金沢市内在住の来年度の新中学1年生で、選択できる範囲は、金沢市立中学校24校全てである。 別添の案内資料を見てほしい。各中学校の受け入れ枠は、これまでと同様40人とする。他の中学校を選択したことにより空きが生じた場合は、通学区域外からの希望者を受け入れる。 今後のスケジュールは、10月中旬に各小学校において説明等を行い、11月7日までに各小学校宛てに入学希望申請書を提出してもらう。通学区域の中学校を希望する場合は希望の中学校へ、通学区域外の中学校を希望する場合で、受け入れ枠を超えない場合は希望の中学校へ入学する。希望者が受け入れ枠を超えた場合は、公開抽せんを行い、抽せんに外れた場合は住所のある通学区域の中学校へ入学する。1月に入学指定通知書で結果を発送することになるが、受け入れ枠に入った者から国立、県立、私立中学校へ進学するなどの理由により辞退者が出た場合は、補欠繰り上げとする。これまでの実施状況については資料のとおりである。 ・教員の不祥事について(口頭報告)・・・・・・・・・・・濱野学校職員課長 教員の不祥事について口頭で報告する。 8月7日、金沢市立中学校の20歳代男性教諭が不祥事により逮捕される事件が発生した。被害に遭われた方、生徒、保護者、地域の方、市民に深くおわびする。教育委員会としては、子どもの心のケアを第一に、臨床心理士によるサポートなど相談体制を整え、学校と協力して生徒が円滑な学校生活を送れるようにすることが大切であると考えている。 各学校に対しては、事件発生後の臨時校長会議において、夏季休業中に再度、服務規律徹底の校内研修と、教職員との面談を実施することを指示した。今後、校長会議、学校訪問、研修会等において教職員の服務規律の徹底を繰り返し図るとともに、教育委員会と学校が一体となり、今まで以上に職務に励み、児童・生徒、保護者、市民の信頼回復に努めていきたい。 男性教諭は現在も勾留中であることから、警察の捜査の推移を注意し、可能な段階で本人から事情を聞き、事実関係を確認の上、厳正に対応していきたい。 ・Kanazawa English Camp 2014の開催について・・・・・・・西川学校指導課長 Kanazawa English Camp 2014の開催について報告する。 今年度、新規事業のKanazawa English Camp 2014の開催目的は、英語でのコミュニケーション体験を通じ、言語や異文化に対する理解を深め、国際感覚を磨くとともに、コミュニケーション能力を養うことである。期間は、8月28日、29日の2日間で、場所はキゴ山少年自然の家で行う。参加者は、小学校6年生30名、中学校で英語を指導するALT8名、小学校教諭6名、事務局6名である。8月5日に事前学習会を行い、キャンプで使う名札を作成し、キャンプで使用する英会話を学んだ。活動内容は、英語クイズに答えながらのキゴ山散策、金沢の名所等に関するクイズ、ALTの母国の遊び体験などである。今回の事業を通して、生きた英語を体験することで子どもたちにより一層英語に興味関心を持ってもらいたい。 ・ユネスコスクール中学生交流派遣事業の実施について・・・西川学校指導課長 ユネスコスクール中学生交流派遣事業の実施について報告する。 目的は、ユネスコスクール加盟校の中学生を気仙沼市に派遣し、気仙沼市中学生代表者会議や訪問中学校において、本市生徒会の取り組み事例の発表や地元中学生との交流を行い、その成果を本市中学校に発信するものである。 今回の派遣のきっかけは、平成23年12月に気仙沼市の中学生を招き、本市中学生会議を開催したことである。気仙沼市の中学生からの報告を踏まえ、自分たちが大切にしなければならないことについて一緒にグループ協議を行ったほか、本市中学校が作成した応援旗を贈呈することなどにより交流が始まった。また、気仙沼市は、本市同様ユネスコスクール加盟校が多く、この交流が本市ユネスコスクールの取り組みの充実にもつながると考えている。 期間は、8月19日から21日までの3日間、派遣生徒はユネスコスクール加盟中学校3校の7名で、全員2年生である。活動内容は、気仙沼市中学生代表者会議に出席し、「生徒会活動の活性化を目指して」というテーマのもと、本市の生徒会活動の発表や地元中学生との討議を行ったほか、気仙沼中学校を訪問し交流を深めた。この交流派遣の成果は、12月20日に開催予定の金沢市中学生会議にて報告し、全中学校に成果を発信する予定である。 ・蘇州図書館100周年記念式典金沢市訪問団派遣について ・・・・・廣田図書館総務課長 蘇州図書館100周年記念式典金沢市訪問団派遣について報告する。 目的は、友好提携交流の合意書の締結を初め、図書の相互寄贈や職員の訪問交流を行っている蘇州図書館がことし開館100周年を迎え、記念式典の招待を受けたため、訪問団を派遣し交流を図ることである。 日程だが、9月19日金曜日に金沢を出発し、20日土曜日に記念式典への参加、図書館の視察等を行う。また21日日曜日には意見交換会に参加し、22日月曜日に帰沢予定である。派遣職員は、越川生涯学習部長を団長に、東田海みらい図書館長など4名である。これまでの交流実績は、資料のとおりである。 ・平成26年度 海外教育派遣研修について・・・・・・・不破教育プラザ施設長 平成26年度海外教育派遣研修について報告する。 目的は、市立の小中学校の中堅教員を中心に、国際的な視野、理解を深め、教員の資質の向上を図ることである。平成16年度から実施し、当初は英語教育先進地の視察であったが、現在は中学校、小学校の教員も含めて広い分野で視察している。日程は、9月20日土曜日から24日水曜日までの4泊5日で、内容は、21日日曜日に旅順口区で歴史的遺産を視察し、22日月曜日から小中学校あるいは教育学院、大連工業大学等を視察、懇談する予定である。研修団員は、宮下教育次長を団長に、小学校、中学校の教員など合わせて6名である。この海外教育派遣研修は教職員の資質の向上の研修であるため、初任者あるいは10年経験者研修を中心に約300名へ実践報告を行う予定である。 ・平成26年 上半期火災・救急・救助概要について・・・・・・・小谷警防課長 平成26年上半期火災・救急・救助概要について報告する。 火災の状況についてだが、火災件数は47件で、前年に比べて5件の減、火災による死者数は3人で、負傷者数は6人となっている。死亡者は、いずれも女性の高齢者である。焼損面積は957平方メートル、損害額は7,625万4,000円である。主な出火原因は、1位がこんろの6件である。こんろの内訳は、てんぷら油の過熱発火、焼き肉店のロースター、ガステーブルの油脂に着火などである。次は、たばこが5件、放火、たき火がそれぞれ4件で、これらが出火原因のワースト3である。 救急業務の状況だが、救急出動件数は7,811件で前年に比べて310件の減、3.8%の減である。搬送人員は7,266人で、前年に比べて321人の減である。 救助業務の状況だが、救助出動件数は120件で前年に比べて3件の増、救助人員は53人で前年に比べて6人の増である。 ・平成26年 熱中症に係る救急搬送について(8月17日現在)・・小谷警防課長 平成26年熱中症に係る救急搬送について報告する。 月別搬送人数の表のうち、合計人数は各年の通年の数で、平成26年の合計は8月17日現在で82名である。この表には記載してないが、昨年の8月17日現在と比較して2名の増である。 年齢別搬送人数だが、平成26年では1歳から7歳未満の幼児が2名、7歳から18歳未満の少年が12名、18歳から65歳までの成年が35名である。また65歳以上の高齢者は33名で、全体の40.2%を占めており、昨年と同様、高齢者の発症比率が高くなっている。 発生場所及び原因別搬送人数だが、原因別では、作業中やスポーツをしているときに多く発生している。その他の内訳は、買い物途中や通勤通学中、散歩中、就寝中、お墓参りの途中など、原因は多岐にわたっている。 傷病程度別搬送人数だが、1日以上3週間未満の入院を要した中等症者が17名、病院で処置を受けたが入院の必要がなかった軽症者が65名であった。また重症者、死亡者はいなかった。 消防局では、各種救命講習の際に、熱中症の対策及び応急手当について追加で指導している。そのほか、消防局のホームページに予防法と応急手当ての方法について掲載しているほか、報道機関に対して熱中症対策、応急処置、手当ての方法などの情報提供を行い、注意を喚起している。また、119番通報を受信した消防指令センターでは、救急車の出動指令後、救急車が到着するまでの間、実施可能な応急処置について電話で指導を行っている。 | |
△[報告事項に対する質問応答] | |
◆広田美代委員 中学校教諭の逮捕の件だが、6人目の逮捕ということで非常に残念である。私たちも、教員も、教育委員会も気を引き締めていかなければならない。 ①生徒の心のケアに取り組んでいるという報告であった。保護者も相当なダメージを受けていると思うが、保護者の心のケアはどうなっているのか。 ②一部報道があったが、プライバシー保護についてはどのような対策を教育委員会として行っているのか。 | |
◎濱野学校職員課長 ①保護者の心のケアについては、子どもと一緒で教育プラザの臨床心理士がケアしている。 ②プライバシー保護については、子どもが特定できないように精いっぱい努力していきたい。 | |
◆広田美代委員 保護者の心のケアやプライバシー保護は適切に対応してほしい。 教員の不祥事の件については、今後、面談や聞き取り調査を行い、しっかり処分してほしいが、教員の心の悩みや鬱の増加を考慮すると、例えばストレスの高まり等によって自分では抑えられずに事件を起こすことも考えられる。教員の精神状態の把握や鬱状態に陥った教員へのケアが大事になると思うが、教員が悩みを相談できる場所及びタイミングはあるのか。教員の異変に気づく体制や仕組みはどうなっているのか。 | |
◎濱野学校職員課長 教員に対するメンタルヘルスは、市教委としても十分必要だと認識しており、4月の校長会において、教職員の相談体制の通知を出している。その中では、教職員のための心の健康相談室として、臨床心理士への相談対応、セクシャルハラスメントに対する相談窓口を設けているほか、県教育委員会においてはメンタルヘルスの相談窓口として、金沢市内の6カ所の医療機関を窓口に、いつでも相談できるような体制を整えている。 また、学校長を中心として管理職のためのメンタルヘルスのガイドブックを配布し、常日ごろからメンタルヘルスのチェック等も職員に対し行っている。日ごろの職員同士の会話や管理職による会話等で、小さな異変も見逃さないように指示している。 | |
◆角野恵美子委員 ①市民防災訓練の中の避難所運営訓練について聞く。先日、地元の校下で避難所運営マニュアルの説明会が行われたが、参加者は町会長を初め男性がほとんどだった。運営マニュアルの説明の中では、女性の視点や働きが大事であると言っていたが、実際には避難所運営や自主防災組織のメンバーのほとんどが男性であり、例えば各町会の女性の代表者などが一堂に会して自主防災組織が運営できればと思うがどうか。 ②各地で大きな土砂災害が起き、死亡者や行方不明者が多数出ており、本当に心苦しい思いである。石川県では、女性防災士の育成に力を入れていると聞いている。女性防災士の育成のあり方と、金沢市における女性防災士の人数について聞く。 | |
◎向危機管理課長 ①自主防災組織の活動への女性の参画だが、私どもが町会連合会に出席する場合にも、災害が男性役員のいない平日に起こることもあるため、避難所運営に女性の参画を進めてほしいと伝えている。また、婦人会でも、婦人会長や女性防災士が集まって研修会を行っており、こうした機会を通じて、ぜひ女性の参画を進めていきたい。 ②女性防災士については、昨年度から毎年度40名のコミュニティ防災士の育成を進めており、女性防災士の割合を3割以上とする目標を立てている。昨年度は40名のうち13名、今年度は40名のうち16名が女性で、目標を上回る形で進んでいる。現在、女性防災士は49名おり、今後も地域から女性防災士をさらに推薦するような取り組みを進めていきたい。 | |
◎野口教育長 女性防災士に関係してだが、昨年度から学校でも女性防災士を育成している。昨年度は5名、今年度は25名程度誕生する予定であり、合計約30名の女性防災士が教員の中から誕生することになっている。 | |
◆宮崎雅人委員 市民防災訓練に関連して聞く。 ①市民との意見交換会でも出た話として、大規模災害が起きた場合には、行政機関も対応が遅れるため、3日間は個人で対応しなければいけないが、十分に市民に伝わっていない。大規模災害が起きたときには自主防災組織や防災士だけでなく、市民の協力も必要である。今回の訓練でもしっかり広報しているのか。 ②今回行われる校下でも衛星電話が入っているが、訓練で衛星電話を活用しているのか。 | |
◎向危機管理課長 ①毎年、年間100回を超える出前講座の中で、市民には家庭内備蓄の大切さを話しているが、まだ十分伝わっていないところもあり、さらにしっかり周知していきたい。 ②今回の訓練において、衛星電話は地区支部要員が災害対策本部と逐次連絡をとり合うために使用するが、緊急時の使用方法など、訓練を通して確認している。 | |
◆宮崎雅人委員 各地区や各校下の学校にも避難時の備蓄品があると思うが、備蓄品の保管場所などを子どもへ伝達し、訓練や広報を行っているのか。 | |
◎西川学校指導課長 学校での備蓄品等の啓発活動についてだが、学校の中では、職員が備蓄品の保管場所を把握している。子どもへの指導については、今後検討していきたい。 | |
◆広田美代委員 救急業務の上半期実績で出動件数が310件減り、搬送人数も連動して321件減っているが、減った要因について教えてほしい。 | |
◎小谷警防課長 平成25年1月にインフルエンザによる発熱やノロウイルスによる救急搬送が多く、平成26年はその件数が減ったためだと分析している。 | |
△[その他に対する質問応答] | |
◆広田美代委員 広島の豪雨に伴う災害で避難勧告を出すのがおくれたとか、避難基準雨量に達していた地域に避難勧告を出さなかったということもあったが、本市で豪雨が降った場合に大雨警報が出されたまでと、出てから土砂災害に対して避難勧告や避難指示を出す仕組み及び基準はどうなっているのか、教えてほしい。 | |
◎向危機管理課長 金沢市では、大雨警報が出た際に、関係する職員が警戒体制をとっている。また昨年度、九州北部豪雨や紀伊半島豪雨など近年の大規模災害を教訓に、避難行動の基準という形で地域防災計画の風水害対策計画の見直しを行っている。 土砂災害警戒情報が出た際には、避難所の開設準備を行い、この後1時間の予測雨量が土砂災害発生危険基準を超えたときには災害時要援護者が避難するための避難準備情報を出すほか、実況雨量が土砂災害発生基準を超え、近隣で斜面のはらみや擁壁にクラック発生等が確認された際には避難勧告を発令し、あわせて避難所を開設することとなっている。ただし、こうした基準を持ちながらも、気象降雨状況や現地での状況等を総合的、客観的に判断し、早い段階で災害が発生すると認められる地域内居住者の避難を優先するように努めている。また、夜間などには避難すること自体もかなり危険を伴うため、自宅内で垂直避難するよう地域防災計画に明記し、迅速かつ的確な対応をとることとしている。 | |
◆広田美代委員 今回の広島の豪雨でも、垂直避難で命拾いした人もいたことから、悪条件が重なった際にも住民が避難できる対策を講じるなど、臨機応変に対応してほしい。また、国でも基準を見直す可能性があるが、その都度、関係機関と連携してほしい。 また、広島市の豪雨では避難勧告の問題などもあったが、もともと土砂災害危険区域ということでも課題があったと思う。そこで、日ごろの土砂災害に対する危険管理体制及び対応について聞く。 ①現時点で本市に土砂災害の警戒区域と特別区域が幾つあるのか。 ②日ごろからその区域における危機管理や予防対応、土砂災害訓練について教えてほしい。 | |
◎向危機管理課長 ①土砂災害警戒区域の指定は石川県が行っているが、本年3月末現在、土砂災害警戒区域のイエローゾーンについては495カ所、土砂災害特別警戒区域のレッドゾーンについては379カ所である。金沢市の指定数としては100%の状況である。この指定について、これまで22の地域で土砂災害ハザードマップを作成しており、今年度、残り8地域でハザードマップを作成することで、対象地域である30地域全てで土砂災害ハザードマップが完成することになる。ハザードマップは全戸配布し、住民に危険を呼びかけており、また毎年、梅雨の前や融雪時期の前に、土木局が中心となって定期パトロールすることで、危険箇所の確認を行っている。 ②土砂災害の避難訓練についてだが、平成22年度から行っており、今年度は夕日寺の校下で訓練を行った。 | |
◎小谷警防課長 ②消防の訓練についてだが、出水期に合わせて市の主催する水防訓練に常備消防と消防団がともに参加し、訓練を実施している。水防工法にもいろいろな工法があり、水防工法技術研修会で研修を進め、各所属に持ち帰り全職員に徹底する訓練を行っている。 危険箇所の把握については、水防会議、地域へのパトロール、急傾斜地の崖地パトロールなどに参加しながら全職員で確認している。 対策については、119番通報が入った際に、異常があった場合は、間髪入れずに緊急走行にて現場へ入り、地元の消防団とともに危険兆候の確認をし、目前急迫の危険がある場合は、その時点で避難を呼びかける。同時に、指令センターから市役所の危機管理課と土木局に連絡を入れ、現場急行を依頼する警戒体制をとっている。 | |
◆広田美代委員 新聞等によると、国交省の調査でも全国で52万5,000カ所余ある危険区域のうち区域指定しているのが約35万5,000カ所にとどまっているという報道があるが、金沢の場合は100%区域指定できているということで、残りのハザードマップの作成及び避難計画の作成、住民への周知を急いで行ってほしい。 しかしながら、金沢市で過去10年に避難勧告まで出した崖崩れが6回あるが、その6回はどれもが区域指定をしていなかった地域である。県や国交省が調査もしていない地域が崩れたという過去もあり、住民から、うちの地域も本当は危ないのではないかというような個別相談に対し、調査を行う必要があると考えるがどうか。 | |
◎向危機管理課長 直接的には土木局の所管だが、実際に裏山が心配だというような個別相談も年間60件ほどあり、対応を行っている。今後もしっかり対応していきたい。 | |
◆広田美代委員 既に区域指定している地域では、地元との連携が行われていると思うので、指定されていない危険な地域についても住民と相談の上、対応してほしい。 | |
◆角野恵美子委員 実際に土砂が崩れ、市道に木などが倒れ、危ない状態になった際に、地権者に対して危ないので何とかするよう指導できるのか。 | |
◎向危機管理課長 実際、土砂災害が起きたときに、さらに土砂が崩れそうだということが現実的には起きている。そうした場合、土木局では業者に依頼し、ブルーシートをかぶせるなど、応急処置を行っている。その後の市道については、直接的には土木局の所管であり詳細はわからない。 | |
◆宮崎雅人委員 今回の広島の災害を踏まえて、本市として今後、災害に対する対応をどのように見直していくのか。 | |
◎向危機管理課長 市内部でより一層の連携を図っていきたいと思う。基本的に自主防災組織は町会連合会であり、今後の取り組みとして、山側同士、海側同士といった同じ災害への対応が必要な町会連合会同士による意見交換の場を設置していく方針である。このような意見交換の場に我々も出向き、自助・共助・公助のさらなる体制強化を図っていきたい。 | |
◆広田美代委員 不登校についてだが、8月上旬に平成25年度学校基本調査の速報が発表された。新聞等で不登校が全国的にもふえており、石川県でもふえていることがクローズアップされている。金沢市の状況について数値を教えてほしい。 | |
◎西川学校指導課長 金沢市における不登校児童・生徒の現状だが、欠席30日以上の不登校児童・生徒については、昨年度と比較して小学校においては29名ふえて123名、中学校においては6名減少して347名である。小学校は大幅に増加し、中学校はわずかだが減少している現状である。 | |
◆広田美代委員 基本調査を発表した文部科学省の部署でも詳しい分析はしていないと電話での回答があったが、新聞報道によると、県の教育委員会の学校指導課の担当者が、増加要因を分析し適切な対策を実施したいとのことである。金沢市においてはどのように原因を分析し対応していくのか教えてほしい。 | |
◎西川学校指導課長 学校基本調査の結果による分析ではないが、本市独自での不登校状況の子どもたちへのアンケート調査の結果から見ると、小学校については、家庭の生活環境の急激な変化と親子関係をめぐる問題が大きな原因になっている。中学校については、いじめを除いたものだが、友人関係をめぐる問題と不安など情緒的混乱による2つが大きな原因である。 | |
◆広田美代委員 アンケート調査の結果で家庭の生活環境、親子関係、友人関係をめぐる問題が挙がってきたということだが、教員の子ども一人一人に対する細かな目配りが必要であり、教員の多忙を解消することが課題であると思う。7月末に中教審で、教職員の多忙化解消に向けた教職員配置の充実、処遇の確保が柱の一つに据えられたが、OECDの調査では、1週間当たりの教員の仕事時間が53.9時間と、調査に参加した国・地域の平均38.3時間をはるかに上回り、トップであるとの報道があった。現場の教員からも、学校で子どもにしっかり接することもできず、家庭に帰っても自分の子どもに接する時間もとれないほど忙しいと聞く。本市における教員の多忙化についてどのように調査しているのか教えてほしい。 | |
◎濱野学校指導課長 学校の職員の多忙化については、学校長が聞き取り等を行っている。また、前年度には教職員の時間外勤務等の調査も行っており、随時検討しているが、職員によっての偏りがあり、組織的な運用で多忙化を解消するよう学校長を通してお願いしている。 | |
◆中西利雄委員 ①この5年間で6名の教職員が不祥事を起こした。その都度、教育長が真摯に取り組んでいる姿を目にする。これまで金沢市教育委員会として県教育委員会に対し、中核市である金沢市に人事権を渡すよう再三再四要請していると聞いているが、現況がどうなっているのか聞く。 ②先般、県教育長と話をする機会があり、私からも教員の人事権は金沢市にと直訴した。県教育委員会が人事権を有している職員の不祥事が起きているにもかかわらず、金沢市教育長が矢面に立っているわけだが、県教育委員会から一切コメントが出てないことについてはどう考えているのか聞く。 | |
◎濱野学校指導課長 ①金沢市教育委員会には研修権が、また金沢市の設置する学校を含む監督権が学校長と教育委員会にある。人事権の移譲については、中核市教育長会議等で要望している。 ②県教委については、金沢市教育委員会から県教委に報告し、教員の処分等は県教委で行っている。 | |
◎野口教育長 ①人事権の移譲については、中核市教育長会議の中でも最重要課題であり、7月4日に東京で中核市の教育長が集まり、この問題について話し合いを持っている。毎年、中核市の教育長会議の中でプロジェクトチームをつくっているが、人事権の移譲が行われるまでこのプロジェクトはやめないという方向で進めている。今年度も文科省等に強く陳情しており、また全国都市教育長協議会においても、11月に会長等が文科省に要望することになっている。 | |
◆中西利雄委員 ぜひ頑張ってほしいし、このことについては議会も取り組んでおり、金沢市に人事権があれば、このような事件も起こらなかったかもしれないと思う。いろいろな場を通して教育長、教育委員会を含め、しっかり取り組んでほしいと思うが、不祥事が起きて県教育委員会から全くコメントが出ていないことについては、きっちりと県教育委員会にコメントを出すよう伝える姿勢が必要だと思う。 | |
◎野口教育長 今週の金曜日に県教育長と会う機会があるので、その折に伝えたい。 以上 |