ブログみよみよ日記

連合審査会テープ起こし①(ゴミ有料化部分)

先日の、連合審査会で行った、一問一答のテープ起こしができてまいりました。

まずは「ごみの有料化」についてのやりとり。

 

家庭ごみの有料化の検討について       

 

  • 広田

まずはじめに、家庭ごみの有料化の検討について伺います。

先般、第5期ごみ処理基本計画案が出され、「家庭ごみ有料化の導入を検討」という文字がその中に並びました。新聞などでもとりあげられ、市民からは「なぜ?」と驚きの声が寄せられています。

先日、総務常任委員会で森尾議員が取り上げたように、行政改革の一環であることも明らかとなりました。わたしたち日本共産党市議団は、ごみの有料化検討については、さまざまな問題があり反対です。

 

具体的に伺います。まず、ごみの有料化は税金の二重取りである、という点です。

みなさん、ご存じとは思いますが、家庭ゴミの処理サービスは「公共財」という性質をもち、その費用は「原則として市町村の税金で賄って行う」ということになっています。公共財として他には、道路や公園の建設・管理、外交、消防、警察なども当てはまります。そして、「地方自治法」で家庭ゴミの処理は、「市町村の自治事務」と位置付けられており、そのために税金が支出されています。ですから、さらに有料化して料金を徴収するというのは、税金の二重取りと言えます。その点はどうお考えですか?

 

◆市長

 私は、そうは思っていません。ごみの有料化はあくまでも、受益者負担の公平性の確保、またごみ処理費用の軽減による市税投入の減少、さらにはごみの発生抑制をめざし、導入を検討するものです。ご理解をください。

 

  • 広田

 市長は「税金の二重取りではない」とのお答えでした。しかしながら、そもそも、法的にごみの有料化は可能かどうかという問題があります。

 地方自治法228条1項によると、自治体が市民に手数料を徴収するためには、条例を定めなければなりません。つまり、ごみ処理に関する手数料が徴収できないのであれば、家庭ごみは有料化できないことになります。

 一方、地方自治法227条では、手数料に関して、「普通地方公共団体は、当該普通地方公共団体の事務で特定の者のためにするものにつき、手数料を徴収することができる」と規定しています。言いかえれば、「特定の者のためにする事務以外については手数料を徴収できない」という規定になっているのです。

 そこで確認ですが、家庭ごみの収集・運搬・処分は、「特定の一個人の要求に基づいた利益のために行う事務」ですか? 局長、お答えください。

◆環境局長

 ごみ処理につきましては市町村の責務ですが、一方で家庭ごみの処理を求める住民に対するサービスの提供でもあります。そのサービスに応じて住民から手数料を徴収することは、地方自治法に定める手数料の規定には抵触しないと考えております。この「特定のもの」ということについては、このケースについては非常に大多数になるわけですが、基本的には特定のものに対するサービスという考えでございます。

 

  • 広田

 地方自治体あらゆるところで、これが議論になっているわけですが、市民の意見をまだ聞かずして金沢市ではもう、「ごみの収集を特定の個人の要求に基づいた利益のために行う」という規定になっているわけですか? もう一度局長、法的にどうかをお答えください!一般論として。

 

◆環境局長

 このごみの有料化について、ちょうどこの規定に違反するのではないかということで、いくつかの自治体等で訴訟が行われています。その中で違法だという判決は出ておりませんので、国の方でも基本的には私が申し上げたような考え方をしておりまして、担当者は一般廃棄物有料化の手引きを作成して推進をしていますので、違法ではないという考え方でございます。

 

  • 広田

 今おっしゃられた環境省の手引きを、私も読ませていただきました。そして、その手引きの中に込められた歴史と経過をいろいろ調べましたけども、たいへん苦しいものがあると思います。私はやはり、誰もが出すごみについては、「特定の個人の要求に基づいた利益のために行う事務」では決してないと思います。さらに「市町村が処理しなければならない事務」であるからこそ、地方自治法第2条に定められ、それに要する費用を地方税として住民から徴収しているということになる。したがって地方自治法に基づけば、家庭ごみ収集運搬処分について手数料を取ることはできないということになる。それに対して、環境省がどうしても有料化を促したいということで、さまざまな反論をこの間、出したりひっこめたりして、最後に持ち出しているのが「市民が規定袋に入れて指定された場所に出せば、それで市町村の収集に対して要求を出したことになる。結果的に市民全員がそうしたとしても、それは市民全員が住民票交付を要求したのと同じこと」と苦しい理論を持ってきております。これは、実に強引な理論であり、改めて市長は地方自治法におけるごみ処理の事務について、どう認識しているのですか?

 

◆市長

 先程、管理局長が申し上げた通りです。

 

  • 広田

 たいへん議論が別れるところで、しっかりとみなさんで議論していかなければならないのですが、市長は本会議で金沢市の裁判のことをおっしゃられていましたね。金沢市の裁判でいうと、当時はごみ処理を市に依頼する旨の届け出を出した市民からのみ手数料を取っており、かつ個別収集であったことなど、条件が違います。しかも1審の判決の考え方は、「清掃事務は、法により市に課せられた義務であり、市の利益のためにする事務であるが、それだけでなく、他面では、市民にも市のごみ処理に協力すべき義務が課せられており、市民各自の利益のためにする事務でもあるから、市民から手数料を徴収できる」というおかしい論旨です。訳せば、市のおかげで協力できているのだから感謝し、かつお金までとろうというものです。

 ですからこの不思議な理屈により、環境省も、もう金沢市の判例は援用していませんよ。

 また金沢市のごみ有料化の歴史でおさえて置きたいのは、結局市民の反対で、当時の徳田市長は、有料化を廃止したんです。

 

 では、視点を変えてですね、「家庭ごみの有料化」は税金の二重取りであり、市民負担が増えることはあきらかです。私ども日本共産党市議団は加賀市に視察に行ってきました。

 加賀市は平成20年からこのごみ袋をつくり、50円で販売するという方法で、ごみの有料化を行っています。これがごみ袋です(ごみ袋しめす)。市長!今、金沢市内でごみ袋を買うといくらくらいかわかりますか。1枚10円、安いのを探せば5円というのもあります。よって、こういった袋を買うとなると、市民にとって5倍から10倍の負担です。

 しかも、やり方によってこの負担は、税金の負担能力のない「非課税世帯」にも新たな税負担を求めることになり、市民税負担の原則である累進課税制度を無視したやり方とも言えます。市民への負担、そして累進課税を無視したやり方であることについてどうお考えですか?

 

◆市長

 市民への負担ということに関しては、私は市民のみなさんにご理解をいただくべく、ていねいな説明会を重ねていきたいと思っています。本会議でも申し上げましたけれども、予算をお認めいただきましたならば、フォーラム等々開催を行っていきながら、市民のみなさんにご理解をいただきたいと思っています。その際には、成功事例なども提案をしながらご理解をいただきたいと思っています。

 

  • 広田

 市民はですね、今、消費税増税、物価高、年金引下げ、介護保険料の引上げ、本当にたいへんな生活をおくっています! 理解して負担を引き受けろ、といっても無理です! ぜひその点、もう一度お考えいただきたいですし、まず、そもそも今、他都市の検討を、事例をと言われましたけれども、有料化でごみの減量ができているというような事例で報告をされるのかと思いますが、果たして有料化でごみの減量化が本当にできているのかというのが問題となってきます。

ごみの減量については、条件の違うそれぞれの自治体であれこれ工夫して取り組んでいるのが実情ですが、本市でごみを「有料化」することによって、なぜゴミが減量されると考えているのですか。

 

◆市長

 さきほど来、申し上げていますように、先行自治体の例も参考にさせていただきました。また、多く市民、市民とおっしゃいますけれども、私共もこれまでにいろんな市民の方からのご意見をお聞きしているところです。より多くの市民のみなさんのご意見を聞く機会を作らさせていただいて、ご理解をいただくつもりです。

 

  • 広田

 ごみの減量化についてですが、これまで、さまざまな自治体で取り組んでいます。導入直後はたしかにショック療法のように減りますが、導入時は一時的に減量となるものの、その後効果は続かず、現在と同じ状態で推移するとの全国での経験があります。市民負担だけがのこり、減量にはつながらないということはあきらかです。環境省も、減量化が継続しているデータはあきらかにしていません。一度まちがったデータを載せちゃって撤回したこともあるというほど、これはきわめて難しい検証となっております。たとえ減った自治体があったとしても、本市のこの状況で減るかというとわからない、そんなあいまいな根拠で、すでにパブコメを経て、ごみの減量化と本来市の施策として努力するべきことを放棄し、有料化で済ませようとするのは問題ではないでしょうか、それよりも私はもっと着実に根拠をもって減らせる取り組みを進めるべきだと考えます。

 すでに環境局では、ごみ減量化推進室まで設けて、ごみの減量化や資源化にこれまでもとりくんできましたし、新たな取り組みも来年度の中で行うと予算書にも載っています。

 

 具体的に伺います。燃やすごみを減らすための取りくみについてですが、古紙などの集団回収については、たしかにその機会がへり回収率も減っています。集団回収の機会を失った市民が普通のごみステーションに出してしまうということも見受けられます。そうすると、これは燃やされてしまうわけです。そこで、今年度は調査を行い、来年度からあらたな試作を提案されていますよね。どのような施策ですか?

 

◆環境局長

 集団回収についてお答えいたします。確かに減少しております。その状況をふまえて、集団回収実施団体に対し、回収回数を増やすよう依頼していくとともに、あらかじめ集団回収の予定日が把握できるよう、団体ごとの年間回収計画につきまして、本市広報等で周知をしていきたいと考えています。また、回収車両が不足している団体については、車両貸出しを行い回収の増加をめざしていきたいと考えています。

 

  • 広田

 たしか民間との連携といった取り組みもあったかと思いますが、また後でご紹介ください。

 そしてさらに、西部環境エネルギーセンターでの資源回収もあらたに予算化されていますよね。自己搬入について、休日だけでなく平日や夜間も行うとりくみであり、大変需要が高いのではないでしょうか。

 そして、私ここらへん大変期待をしていたんですが、「ストアくるステーション」について。スーパーさんにお願いをして資源回収置き場を設置してもらっている施策です。買い物ついでに資源をもって行けて一石二鳥で大変喜ばれていると聞いています。そして、ただいま6カ所ということですが、昨年の6月議会で、市長はこう言っていらっしゃいます。「資源ごみ回収箇所のことですけれど、現在7か所のスーパーで、資源ごみを回収するストアくるステーションを設置している。これに加え今年度は南部地区を中心に4か所程度増設したい」これは市長、どうなりましたか?

 

◆環境局長

 ストアくるステーションについてですが、年間を通じ利用客が絶えず、スーパーからは集客効果もあり、市民からは歓迎されていると判断しています。ただ、今年度は南部方面で4ヶ所増設を目標としていましたが、残念ながら現在のところ協力していただける店舗が見つかっていませんで、今後はドラッグストアなどとも交渉を進め、広く協力店舗の確保に努めていきたいと思っています。

 

  • 広田

 市長!市長にお答えいただきたかったのですが…市長が本会議で自ら述べたことです。

南部地域に4ヶ所、私は市長のお住まいの地域で、すごいなと思って期待をしていたのですが、自らが述べたことも果たせずに、市民に負担をお願いするというのは困るんです!もっと先に実行することがあるのではないのでしょうか。計画から、有料化という言葉は、はずすべきです! 市長、いかがですか?

 

◆市長

 あの、南部地区のことについては局長が申し上げたとおりです。引き続き努力を重ねていくことによって、ご理解をいただければと思っています。また、有料化につきましては、

予算をお認めいただけましたならば、市民のご理解を得られるよう努力を重ねてまいります。

 

  • 広田

 もう一度言いますが、ごみ処理は地方自治体の仕事です。その過程で、減量化や資源化など環境に配慮するのも一義的に地方自治体の責任です。もちろん、市民も協力することはする。ですが、市町村として、まだやれることもやっていないで、そして、今あげた古紙の回収や自己搬入の拡大などこれからというところで、ごみの有料化検討を持ち出すのはナンセンスです。

 そして、わたしが重要だと思う取り組みについてです。ごみの量を減らすには、本質的には製造段階からごみにならないようにする工夫が求められます。その製造や販売過程から考えるというのが国際的通念であり、拡大生産責任制というものです。

 その考え方に準じて、2010年スーパーのレジ袋はごみを増やす要因だとして、廃止になりました。今ではマイバックが当たり前です。金沢市もその施策をすすめ、こんなにかわいらしい袋を美大生にデザインしてもらいました(マイバックしめす)。それが今度は、再びゴミとなるこんな袋を(ごみ袋しめす)わざわざ市民の負担である税金でつくりだそうとしているのが「ごみの有料化の実態」であり、私はとんでもないと考えます!

 

 そこで、金沢市でも製造や販売側に関する施策についても現状をお聴かせください。

 

◆環境政策課長

 私共のそういった活動の中で、ひとつ「環境にやさしい買い物推進店」の制度というのがあります。この制度については、スーパーマーケットや小売店などでのレジ袋の削減、簡易包装の推進、地産地消の奨励など、地球温暖化の防止や廃棄物の削減につながる取り組みを実践されている店舗を登録させていただき、その情報を市民の方にご提供することにより、売り手と買い手双方の意識啓発と行動の定着をはかるものです。そういった取り組みの中で今後ともレジ袋の削減、マイバッグの推進に努めてまいります。

 

  • 広田

 今の「環境にやさしい買い物推進店」、こんな制度もあるんだなと、私も最近知ったのですが、平成22年から何店舗、今年度に至るまで増えたんでしょうか?

 

◆環境政策課長

 この制度は、初年度の平成22年度に330店舗の登録をいただいています。そのあと、スーパー、コンビニの新たな登録、店舗再編などの増減がありまして、この4年間で2店舗の増となっています。

 

  • 広田

 お店の増減があったにせよ、4年間でたった2店舗。大学1年生が4年生になって卒業している間に2店舗しか増えていない。みなさんがやるべき仕事をここまでしか進めておらずに、なぜ有料化が言い出せるのかと、本当に不思議です。

そして、この負担の引き上げは家庭ごみだけではないのですよね。

 計画に、「事業系ごみ処理手数料の改定を検討」と書いてあります。事業系についても、本市として展開調査や、立ち入り指導、搬入規制などで厳しくする計画であると本会議でおっしゃっておられました。新幹線が来てせっかく日の目を見ようとしている、地元の商店や中小企業に手数料の引き上げという形で、新たな負担を押しつけるべきではありません。市長!いかがでしょうか。

 

◆市長

 ご理解をいただきたいのが、やはりごみを少しでも減らす努力をすることが大切だということです。そのことが、今、埋立て場の延命にもつながっていきます。埋立て場を作っていく際には、相当長い環境アセス、時間も費用もかかります。少しでも、延命していく時にも大切な施策であるということを、ご理解いただければと思いますし、そのことがわれわれの子どもや孫たちの世代に対する責任でもあるという立場から施策といたしました。

 

  • 広田

 市長ご自身で、4店舗増やすといって増やせなかった。環境にやさしい買い物推進店も、この4年で2店舗しか増やしていない。そんな現状で子どもや孫という前に、やるべきことがあるんではないでしょうか! 改めて家庭ゴミ有料化の検討、および事業系ごみ手数料の改定・検討はとりやめるべきと思いますが、いかがでしょうか!

 

◆市長

 あの、これまでも提案説明でも述べてまいりました。また、議会の議論でも述べてまいりました。そして今もこうして議論をさせていただいています。私共といたしましては、必要な施策だというお声の中で、議案として提案していただきました。ぜひ議会のみなさんにもご理解いただいて、市民のみなさんにていねいな説明を重ねていく中で、進めていければと考えています。

 

  • 広田

 最後にまとめますが、市民や中小零細企業にばかり負担を求めるのではなく、ごみ排出量の多い大手の企業などにこそ製造段階や排出時の指導を行うこと、そして、拡大生産責任の点で、製造段階でごみをつくらせないようご協力を求めていくことこそ、行政のあるべき姿だと。

 そして、ごみの有料化はそもそも地方自治法違反であり、税金の二重取りと言う市民に負担をもたらすもの、そして減量化の根拠とはなりえないということです。市民や事業者への協力、新たな回収法など、行政としての役割こそ果たすべきであるということです。

 

 最後に、先日行われた、パブリックコメントの中から市民のお声を紹介します。

「有料化はごみの収集を管理している町会の努力に逆行している」

「有料化でごみが減るとは考えられない。資源化するために必要な分別をすべきで、市民とよく話し合って、知恵を借りて減量化すべきだ」

 市長は、市民の中に飛び込むとしています。ぜひ、有料化ではなく減量化をどうするか市民と話し合う機会こそ設けていただきたい。有料化によるごみの減量化でなく、市民と行政が知恵と力を合わせてごみの減量化を行うことこそ求めて、次の質問にうつります。

 

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