わたしは、日本共産党市議員団の一人として、以下数点にわたり質問いたします。
1. ごみの有料化について
[広田]
まず最初に、「ごみの有料化について」です。
3月に策定されました金沢市ごみ処理基本計画にもとづき、本市では「ごみの有料化検討」を取り組みの第一の目玉としました。これを受け、5月、6月と2回の市民向けフォーラムが行われたところです。わたしも2回とも参加をし、市民のみなさんのお声、また環境局の説明を伺いました。 意見交換の中で多く出された、市民のみなさん、町会役員のみなさんのこれまでのご苦労や、環境局のみなさんの取り組みを聴くにつけ、金沢市は市民と行政とが互いに努力して、ごみの管理を行ってきたこと、また減量化や資源化についても町会連合会や校下婦人会、環境団体のみなさんを先頭に市の施策や制度などを設けてすすめてきたことが明らかとなり、行革を念頭においた「有料化をしてごみの減量化」という方針は、唐突であり、市民からも「減量化の議論こそ行ってほしい」と前向きな意見のほうが多い印象を受けました。 よって、有料化ありきの方針は見送り、まずは本市の現状と課題を市民と共有することが大切だと考えます。
1.1 本市のごみの現状
[広田]
まず、本市のごみの現状についてですが、金沢市が処理するごみには、市民のくらしの中から出る家庭ごみと事業者が出す事業系ごみがあります。一人当たりの量は、家庭系ゴミは減少傾向であり、中核市43市中8位と上位。事業系ごみは25年度から増加に転じてはいるものの、ここ10年で家庭系、事業系とも量は減り、全体で13%の減量を実現しています。これは、市民と行政との取り組みが実を結んだ結果だと考えますが、市長、いかがですか。
(市長・答弁)
広田議員のご指摘の通りだと、私も思っています。行政と市民が、しっかりと連携を取り合いながら行ってきたことが、ごみの減量化につながってきたことは、まちがいないと思っています。ここに来て、まちがいなく大きな成果を得ているところではありますが、私はさらなるごみの減量化、資源化、さらにはごみ処理負担の公平化、というものが、求められてきていると思っています。異常気象による大規模災害や、温室効果ガスの削減対策が待ったなしの状況を考えた場合、さらなる取り組みが大切になってくると思っています。 議員ご指摘のように、これからも行政と市民の連携をしっかり取りながら、やっていかなくてはいけない、だからこそ今回もていねいな説明会を重ねることによって、フォーラムを重ねることによって、ご理解をいただいていっしょにやっていきたいと思っています。
[広田]
市長は、市民と行政の取り組みが、実を結んだとお認めになりました。しかしながら、ていねいな説明とはいうものの、この2回のフォーラムは、家庭系も事業系もひとまとめにして、ごみが多いという印象を与える説明、有料化ありきで市民に意見を求めていくというものでした。 しかし、ごみ量が減っている経過は、市が公表しているデータを見ればあきらかですし、ごみ処理基本計画では家庭系は家庭系、事業系は事業系と分け、それぞれの課題と対策をあきらかにしています。
1.2 事業系ごみの課題
[広田]
ここではまず、増加に転じている事業系のごみの内訳と課題をあきらかにしてください。
(市長・答弁)
平成25年度に実施した「ごみ組成調査」というものがあります。再生可能な紙類は20%含まれていて、これを資源化していくことが、事業系ごみの課題であると考えています。今後は施設搬入時における、ごみを開ける展開検査を設定するなど、不適正な事業者への排出指導を強化してまいります。
[広田]
すでに課題と対策は、明らかです。そしてやはり、事業所も大きい事業所になればなるほど、ごみもたくさん出るというのも明らか。金沢市では、一定基準以上の大きな事業者に関しては、本市の「廃棄物の減量化および適正処理などに関する条例」で、事業者の責任を位置付け、減量計画の提出を求めており、26年度では、事業所412社中、現在の提出率は7割ほどと聞いています。計画を出していない企業に対し提出を徹底すべきだと考えますがいかがですか。
(市長・答弁)
減量化計画の提出ですけれども、平成25年度は85.6%の企業が提出しています。平成26年度は82.7%です。残念ながら2割弱の大規模事業者の指導が、これから大切であると思っています。これまでも、文書により提出を促す、また立ち入り指導を実施しているところですが、これからはさらに優良企業の取り組み事例を紹介するなど、より効果的な指導を行い、減量化や資源化への協力を、より積極的に働きかけていかなければいけないと思っています。
[広田]
本年度は、まだ提出を促している途中かとは思います。26年度は82.6%で終わってしまったという状況です。市長がおっしゃる通り、事業系ごみは、やはり事業者の責任で減量や資源化を行わなければなりません。計画の提出はもちろんですが、啓発・指導を行なうべきことを求めます。なお、この金沢市役所も大規模事業所のひとつであり、市長に責任が課せられています。 あわせて、本市は今回の計画の中で、事業系ごみ処理の手数料を引き上げることも検討しています。どのように進めるつもりでいるのか、あきらかにしてください。
(市長・答弁)
事業系ごみの処理手数料につきまして、実は消費税相当分の改定を除きまして、平成17年度から10年間据え置きのままとなっています。今後、負担の公平性の観点から、処理原価に対する手数料水準のあり方などの課題を整理してまいりたいと考えています。
[広田]
私もこれから事業者のみなさんに話を伺いたいと思っていますが、据え置いたといえども、事業者にとっては負担になるわけです。ぜひ、事業者とも話し合いの場をもつことを求め、次の質問にうつります。
1.3 家庭系ごみの課題
[広田]
次に家庭系ごみの課題については、量は減っているものの、統計上は資源化がすすんでいません。特に、容器包装プラスチックと古紙回収の減少が激しく、議論が必要です。 まず、容器包装プラスチックについてですが、平成21年まで11%あった家庭系の資源化率が25年度には8.6%にまで落ち込んでいます。 これは、H24年の西部環境エネルギーセンターの稼働による分別の変更が要因のひとつであることはあきらかです。それまで、埋め立てごみとしていた硬質プラスチックや汚れた容器包装プラスチックを、サーマルリサイクルすると言って、環境局のみなさんは日夜、各町会に説明にまわられ、市民の分別が徹底した結果です。4年近く経過した現時点で、資源化率の減少を前に、この事業をどう評価しこれからどうしていくのか、あきらかにしてください。
(市長・答弁)
ご指摘のように分別の変更に伴って、平成26年度は容器包装プラスチックが当初見込みより、約2500t増えました。市としては、それらが資源化されるように、さらなる分別の指導に取り組む必要があると考えています。またサーマルリサイクルという考え方ですけれども、これまで木くずなどは、埋立て場で処理されていましたが、西部環境エネルギーセンターにおいて、焼却するいわゆるサーマルリサイクルを行うことにより、年間発電量が約4倍増えました。また、埋立て場の延命化にもつながっていると考えています。
[広田]
事業評価としては、平成24年度の分別により、予想よりも容器包装プラスチックがご家庭から1500tも多く出されてしまったと。これは、明らかな対策の予測はずれということではないでしょうか。 私は平成24年、市の施策で分別が変更した折りに、町会のみなさんにお話を伺っていたところ、本当に日夜町会のみなさんが、どれが資源でどれが燃えるに移せばいいのかということを議論し、市に指導されれば写真を撮って、これは分別は燃えるにまわしてくださいと、そこまで徹底してやり尽くしたと聞いています。それでもって今回2500tも多くて、資源化率も減ってしまったというならば、これはやはり予測の失敗であり、事業の矛盾と言わざるを得ません。その点についてはいかがでしょうか。
(市長・答弁)
今後改めてていねいな説明をくり返すことによりまして、一番はじめ、冒頭におっしゃいましたように行政と市民が連携をしっかりしていくことによって、対応していくことが大切だと思っています。
[広田]
一度24年度から定着してしまった分別方法を変えるというのは、なかなか難しいですし、有料化以前にまずは、この議論、町会へのていねいな説明が必要だということが明らかとなりました。そしてもうひとつ、大きく減っているのが、古紙の集団回収です。これについても、市長自身が「少子化の影響もあると思う。協力世帯の減少や、ペーパーレス社会の進展によって紙類の量は少しづつ減っています。」と答弁もしています。古紙の回収をどうするのか対策をあきらかにしてください。
(市長・答弁)
あらかじめ集団回収の予定日が把握できるように、市のホームページ等で年間回収計画を掲載しているところです。今後の取り組みとしては、集団回収登録団体に対して、回収回数の増加について依頼をしていくとともに、回収車両が不足している団体には、車両貸出しを積極的に行うなど、回収量の増加に向けた市民共同の取り組みを一層推進してまいります。
[広田]
その他にも民間の古紙回収モデル事業もあると聞いておりますが、私は、この容器包装プラスチックのことで言いたいのは、施策や時代背景によって、資源回収の量が変わるということです。よって、市民個人の責任ではなく、本市の施策で資源化率を引き上げるべきと考えます。今、ご答弁ありました、今年度からはじまった古紙回収のモデル事業や西部環境エネルギーセンターの搬入できる条件拡充のような取り組みこそ積極的に行うべきです。 そして、資源化についてもうひとつ押さえておきたいこと。 それは市が報告している資源回収量は、あくまで、市の把握できる範囲の資源の話であり、民間へ流れたものは詳細には把握できません。民間の古紙回収業者、いわゆるちり紙交換が集めていくもの、最近増えているスーパー前の民間のステーションに出す古紙回収やペットボトル、容器包装などは、市の資源化率の計算には入っていません。 その数値を把握すればとっくに目標を達成しているのではないですか。そして、資源も計算のうえではごみですから、この量が把握できなければ、ごみが増えたのか減ったのかも比べることはできません。であれば、民間で集めたものを資源化率に加えられるよう市が関与するなり、数値だけでも把握するべきではないかと考えますがいかがですか。
(市長・答弁)
資源化率というものは、その率の出し方が地域や時代によってまちまちであってはいけないと思っています。この資源化率というのは、国が定めた基準で全国算定しているところであり、民間など別ルートで取り組まれているものは、この中には参入されないことになっています。ただ、民間の動きと連携することは大切だと思っています。社会全体での取り組みが大切であると思っていますので、今後ともしっかりと連携しながら官民一体となったリサイクルに取り組んでまいります。
[広田]
今、市長が言われた通り、この計算方法は国の示すやり方です。私は、京都に先日視察に行ってまいりましたが、京都は民間の古紙回収業者が非常に多いので、有料化した後の環境施策も、みなさんから有料化したお金を使って、民間をお知らせするという事業をしているんですね。だけど、民間に流した分は資源化に入ってきませんから、「あんまり資源化のことは気にしていません」と。ごみが減ればそれでいいというような説明も受けました。つまり私が思うのは、やはり地方の実情を考慮に入れないで、一律に計算させる国のやり方には疑問を抱かざるを得ないということです。しかし、とにもかくにも民間の集めた量を把握しなければ本当のごみの総量もわかりませんし、資源化率の実態もわからないというのが現状だということです。私その点では、やはり、ごみになってからの対策ではなく、ごみになる前の対策が必要であるということを言いたいと思います。
1.4 ごみの減量について
[広田]
次に、ごみの減量をどう考えるかという視点に立って質問をします。 市内スーパーでよく目にする光景にこういうのがあります。レジ計算が終わり、買ったものを袋につめる場所に、大概はごみ箱が置いてあり、野菜の葉っぱやレシートなどを捨てられるようになっています。そこに、個包装の例えばスープが入っていたであろう紙の箱やマーガリンの外側の箱なども捨ててあるわけです。 消費者である一般市民が家のごみを減らしているわけですが、その分スーパーが捨てているわけで、ごみが移動しただけに過ぎません。 つまり有料化したとして、指定袋に入らないというだけでごみの減量ととらえてしまえば、本当の環境施策とは言えません。先ほどの事例のようにすぐに捨ててもいいスープの箱やマーガリンの箱がそもそも生み出されないことが求められます。 計画の中でも本市自らが、こう述べています。 「「もの」が「ごみ」となる前段階から計画を進めていくことが大切である」こと、事業者に対して「製造から販売過程でのごみの減量、リサイクルのための取り組みを」と。 つまり、ごみの減量も、市民個人の責任だけではなく、大量生産・大量消費・過剰包装などを抑制する川上での対策が重要です。 ごみの減量のために、製造・販売段階での施策を金沢市の施策としても取り組み、国へも法整備をすすめるよう声をあげるべきですがいかがですか。
(市長・答弁)
従前に比べて、過剰な包装というのは減ってはいると言いながらも、議員ご指摘の実例も多く見られることも事実であります。これまでも本市は、全国都市清掃会議を通じて、国に対して法整備等について要望をしてきたところです。引き続きさまざまな機会をとらえ、国や関係団体に働きかけていかなければならないと思っています。一方、我々一消費者としても、そういう過剰包装されたものは、できるだけ購入しないということも大切ではないかと思います。業者にしてもビジネスで行っておりますので、よりお客様が手に取ってもらいやすい、買ってもらいやすい製品を作っていくことになりますので、我々も一消費者として、そのことに意識して取り組んでいくことも大切だと思っています。
[広田]
もちろん市民の協力が、不可欠であることは避けられません。 しかし、高齢化社会が進む中、たとえばヘルパーさんが買い物支援しているような高齢者であれば、現地へ行って物を見ることもできない、もうほんとに「食べるものを買ってきてください」と、そのような時代なんですね。なかなか、本当に環境に特化して生きていて、それをより分けられるという市民が、この時代なかなか難しいという現状もありますので、ぜひ法整備を国に強く求められるようお願いします。
1.5 まとめ
[広田]
私は最後に、ごみ袋の有料化という経済的圧力でごみを出させなくするという方法は、市がこれまで取り組み、またこれから取り組もうとする、細かい施策をほごにし、また、製造販売段階の責任から目をそらしてしまいかねない暴論ではないでしょうか。また民間に出される資源やごみが把握できない状況で、有料化の効果を見極めることは本来できないはずです。科学的に施策を行い、市民のくらしを守る立場の地方自治体が行うべきことではありません。 有料化の検討は中止するよう、最後に述べて次の質問にうつります。
2. 教育行政について
次に、教育行政についていくつか伺います。
2.1 学校の統廃合と耐震化をどうするのか
[広田]
まずは、耐震化と統廃合についてです。 今年は、国の第二期教育振興基本計画で示された通り、学校施設の耐震化完了を目標とした最終年度です。しかし報道では、今年の4月時点での全国の公立小中学校の耐震化は95%、倒壊の危険性が高い建物はまだ814棟残っていると報道がありました。ここ、石川では都道府県別で34番目と遅く、2017年度までに完了できないのは、本市のみであることもあきらかになりました。 本市には文科省から、耐震化を積極的に進めるよう促す書簡が市長に送付されたと聞いています。まずは、文科省からどのような書簡が届いたのかあきらかにしてください。
(市長・答弁)
子どもたちの安全を確保することは重要であり、できるだけ早期に耐震化が完了することを目標に、事業の前倒しを行うなど、一層積極的に取り組むように要請があったものです。
[広田]
では、本市の小中学校の耐震化の現状をあきらかにしてください。また、耐震化の方針も示されず残っている学校はどこなのか明らかにしてください。
(教育長・答弁)
現在の耐震化率は84.4%ですが、今年度、小中学校5校の校舎の耐震補強工事を行うとともに、鞍月小学校と紫錦台中学校の体育館改築工事が完了する予定であり、耐震化率は92.2%になる見込みです。加えて、泉中学校の校舎改築工事に着手する他、森山町小学校そして中央小学校芳斉分校についても、改築に向けた準備にとりかかることとしています。 残りは、新竪町小学校、菊川町小学校、大野町小学校の3校であり、すべて金沢市立小中学校の規模の適正化に関する懇話会から、統合を基本に検討化された学校であります。
[広田]
今、とりかかっているところや、耐震化の方針が示されていないところは、ほとんどが統廃合が話し合われているところです。市長! 国からの書簡通り、耐震化が遅れている現状があるのならば、統廃合を優先させるのではなく、耐震化こそすすめるべきと考えますがいかがですか。
(市長・答弁)
子どもたちの教育環境を整えていくことも、行政の大きな責任であると思っています。 学校規模の適正化、また学校施設の耐震化、ともに早期に解消しなければならない課題と考えています。引き続き教育委員会と連携をし、地域のみなさん方とよく話し合いをしながら取り組んでまいります。
[広田]
教育環境を整えること、地域の合意を得ることはもちろん大事です。先ほども市長がおっしゃったように、いつ災害が起こるかわからない今、子どもの命、住民の避難場所こそ最優先で守るべきことを申し上げ、次にうつります。
2.2 味噌蔵町小と材木町小の統廃合に関して
[広田]
味噌蔵町小学校と材木町小学校の統廃合ですが、市長の提案説明で「両校の基本的な了承を得ることができた」とありました。私も、この場で地域住民や保護者に理解と合意を得るべきと申し上げてきましたが、広く理解が得られたものなのかあきらかにしてください。
(教育長・答弁)
これまで約2年間に渡って、材木・味噌蔵両校下の各種団体や保護者の方々に、統合の具体的方向を示し、ていねいに説明を行い意見交換を重ねてまいりました。その上で今年5月に両校下で住民説明会を開催しましたが、ともに大きな異論や反対はなかったと思っています。それらをふまえて両校下では地域住民の方々に文書で周知した上で、先般両校下の代表者から、統合について基本的に了承する旨の報告を受けたところであり、地域の理解を得られていると思っています。
[広田]
私も、地域の広い説明の場にいましたので、本当に町会のみなさん、育友会のみなさんの取り組みのご努力はわかっているつもりという立場で、あえて発言いたしますけれども、今回の統廃合は住民の合意があったとしても、これはかなり異例なやり方だと言わざるをえません。来年度は味噌蔵町小学校の場所で統廃合校を開き、将来的には小将町中学校の場所へ移転。小将町中学校は中央地区へ移設という計画を聞いています。つまり、当該の地域だけでなく、他の地域に及ぶ計画であること。しかも小将町中学校の移転はだれの要望でもなく押し出された形です。伝統ある兼六園下のシンボルのようなこの学校が、そのような経過で移転させていいのか、疑問の声があがっています。しかも、小将町中学校通学区域および中央小学校区には、まだ説明も一切されていないと聞きます。子どもや保護者などの住民説明や用地確保など、どのように行われるのか、あきらかにしてください。
(教育長・答弁)
市中心部の通学区域や学校規模の現状から小将町中学校を中央地区へ移転することが必要と考えて、重点戦略計画に盛り込み、その具現化に向け中学校通学区域再編計画を作成したものです。現在、建設場所や整備手法等について検討しているところです。
[広田]
それぞれの計画があるということは、私もわかっておりますが、時間の経過として、統廃合の話がすすむ中で、小将町中学校の移転、中央校下での中学校建設の話がでてきました。そうなると、これから説明を受ける地域の方々は、もう決まったかのような印象を受けるのではないでしょうか。
(教育長・答弁)
ご指摘のように、今後は地域の方々とともに、協議をしながら進めてまいりたいと思います。
[広田]
味噌蔵町小学校と材木町小学校の統廃合、そして小将町中学校の移転という話は、かなり私たちの地域では進んでいます。その現状をふまえて、本当に他地域でどのような受け止め方をするのかが、私は心配です。ぜひていねいな説明を行っていただきたいと思います。
2.3 小中一貫校制度を受けて
[広田]
次は、小中一貫教育について伺います。 現在は特例でしか認められていない小中一貫校を制度化する改正学校教育法などが先月、国会で成立しました。「義務教育学校」を新設し、各自治体などの判断で学年の区切りを「4・3・2」制や「5・4」制などに変更できるというものです。校長は1人で、教員は原則として小中両方の免許が必要で、校舎は同じ敷地内でも離れていても構わない。としています。 国会審議過程の参考人質疑で、3名の学者の方々が意見陳述しましたが、そのうち2名の方が批判的意見。「小中一貫校」の理由としている“中1ギャップ”論について、中学の不登校件数が多いなどの問題は、学力・進学競争や管理教育による面が大きいという意見。 先行実施された品川区の小中一貫校の実態も紹介され、小中一貫校の目的は、学校統廃合や小学校5、6年生の活躍の場の消失、前倒しの詰め込みカリキュラムと行政による教育内容への「不当な支配」の危険性があり、一貫校設置には教育学的根拠もなく、具体的な検証もないという意見もありました。 このように専門家からも批判的意見が出ていながら決まった小中一貫校制度。 教育長。本市教育委員会はこれまで、金沢市は国のすすめる小中一貫教育ではなく、金沢市独自の小中連携を中心とした一貫教育を行うとしてきました。国の一貫校の制度化を受けて、教育長の見解と、金沢市として具体化することがあるのか、伺います。特に、同じ敷地で建設をすすめている、泉小学校、泉中学校はどうなるのか、あきらかにしてください。
(教育長・答弁)
国が示した小中一貫校は、学年の区切りを柔軟に変更できるなどの利点がある一方で、小学校高学年でリーダー性の育成がはかられないなどの課題もあると認識しています。本市が推進している小学校と中学校の連携を強化することを目的とした小中一貫教育は、本年度建設に着手する泉小学校、泉中学校も含め、全中学校区で実施するものであり、国が示す小中一貫教育をめざすものではございません。
[広田]
国会での参考人の言う通り、教育学的根拠もなく、つめこみ教育の助長、学校の大規模化や小学校高学年の主体的成長が損なわれる弊害をもつ国の小中一貫教育はすすめるべきではなく、少人数学級の整備や、教員の増員などで、子ども一人ひとりに寄り添った教育こそ実現すべきと考えますがいかがですか?
2.4 通学区域の変更への対応
[広田]
小中一貫教育と関わって、本市では通学区域再編計画なるものが出されました。 7月3日かから全市の保護者へ説明にまわる、ということですが、すでに地域や保護者からは疑問と不安の声が出されています。 疑問のひとつが、通学区域変更の議論の過程で出された中学校選択制の廃止です。 中学校選択制は、学校の格差や序列化をうむという批判がある中で、「生徒や保護者のニーズに応え、学校選択の機会が拡大する」「特色のある学校づくりや学校の活性化を促す効果がある」として教育委員会がすすめてきたものです。廃止となれば、当初のこの目的と照らして、検証をおこなっているはずですので、検証内容を明らかにしてください。
(教育長・答弁)
本市中学校の通学区域のあり方につきまして、検討会を設けるとともに、児童生徒そして保護者へのアンケート、地域代表者との意見交換、また、学校長からの意見聴取等を行い、検証作業を進めてまいりました。その結果、学校選択の固定化をはじめ、地域コミュニティへの影響、風評による影響、山間地の小規模校への影響について、課題が見られたことから、本年3月指定校変更制度の拡充と中学校選択制の廃止を盛り込んだ、中学校通学区域再編計画を作成したところです。
[広田]
10年前、中学校選択制導入の時に、教育界、専門家からもご指摘が出され、今、アンケートでとられたようなことが、その時にすでに問題として出されています。それにもかかわらず、実施をされ、今やはり検証が必要、そして廃止という状況に追い込まれたのであれば、きちんと教育委員会として総括をし、このような予測をはずれる事態を今後招かないようにお願いしたいと思います。 そして、この中学校選択制の廃止もそうですが、通学区域変更は、小中一貫教育の名のもとに、地域の事情ではなく上からの画一的なやり方ですすんでいるように感じてなりません。そしてなにより、子どもたちが置き去りにされています。今後のやり方として、一律ですすめるのではなく、地域ごとに事情を考慮し、子どもや保護者、地域を主体にすすめるべきと考えますがいかがでしょうか。
(教育長・答弁)
本年4月から、通学区域見直しの対象となる地域や保護者に対して説明をもう始めておりまして、引き続き協議をしていくこととしています。それぞれの地域の方々のご意見をしっかりと受け止め、ていねいな話し合いを行っていきたいと思っています。
[広田]
すでに個別の地域から、問題を指摘する声が届いています。ぜひそのように、進めていただきたいと思います。 3. 妊娠・子育て支援について 続いて、妊娠・子育て支援について伺います。
3.1 不妊治療制度変更への対応
[広田]
来年度から国は特定不妊治療の助成制度について、43歳という年齢制限を設けるなど、大きく制度を変えようとしています。当事者は、複雑な思いを抱えています。わたしは、国がそうだからと当たり前のように本市も制度を変更していくのではなく、限られた時間の中で、より切迫している当事者を、本市として支えるサポートを充実すべきと考えます。来年度に向けて、不妊治療の知識と現場経験も兼ね備えた専門家が対応する相談窓口を設けるべきと考えますし、また石川県で男性の不妊治療について、補助制度が開始されると聴いています。 どのような制度で、金沢市はどのような関わりをするのか、あきらかにしてください。
(市長・答弁)
本市におきましては、福祉健康センター、また健康政策課におきまして、不妊に関する悩みや、医療費助成等の相談を受けています。また、7月からですが、不妊や妊娠・出産などに関する電話相談である「妊娠・出産ホットライン」を新設するなど、支援体制の強化に努めているところです。しかし、治療方法に関しましては、高度に専門的な知識が必要となることから、県の不妊相談センターを照会しており、市として相談窓口を設置することは考えていません。 また、県で始まる助成のことですけれども、県の制度は体外受精または顕微受精の一貫として行われる男性の手術費用に対して、1回の治療につき、15万円を上限として治療費の1/2を助成する内容とお聞きしています。手続き等の詳細がわかり次第、本市としての対応を考えていきたいと思います。
3.2 第3子保育料無料の今後の対応
3.3 子ども医療費助成拡充の周知
[広田]
時間がせまってきましたので少しまとめて言いますけれども、次に今年度からはじまった「保育料の第3子無料化の年齢拡大」についてです。保護者のみなさんのお声によって、いちばん上のお子様が高校3年生まで適応されることになり、たいへん喜びの声が聞こえております。これからもこの制度を維持・継続していくべきと考えますが、来年度以降も保障されるのかあきらかにしてください。 あわせて、「子ども医療費助成制度」ですが、いよいよ本日7月1日から本市でも基本的に現物給付に変わります。これは多くの親御さんの願いであり、子どもの命を守るものです。ぜひ広くお知らせいただき活用していただきたいと考えます。そして、子どもの命を守るという点で、完全な窓口無料化を求める声が多く、他の自治体では完全無料なのにどうして金沢ではできないのかと疑問も寄せられています。改めて、窓口での一部負担を残した理由となぜ500円なのか、あきらかにしてください。
(市長・答弁)
保育料負担軽減につきましては、県と連携して実施している事業でありまして、来年度以降については、県の動向を注視してまいりたいと考えています。 また、子ども医療費の500円負担ですけれども、これは安定した制度の運営と、適正な受診のために一定の自己負担が必要であると考えており、これも県の制度に習いまして1日500円としたところであります。
※一問一答による質問で、時間切れのため予定していた以下の質問はできませんでした。
4.市民のライフラインについて
4.1 下水管破裂事故の対策と課題
[広田]
5月に入江3丁目交差点付近で起きた下水管の破裂について伺います。 交通誘導をされていた方のおかげで人的な被害はなかったものの、8mにもわたって道路が陥没し、汚水が漏れ出すという大規模な事故でした。しかも、破裂した下水管は耐用年数50年と言われていたものが30年目で破裂し、予想もしていないことだったと聴いています。 同じことが繰り返されないよう、原因究明して対策を行う必要がありますが、どこに原因があったとお考えですか。
(市長・答弁)
[広田]
なぜ耐用年数よりも早く破損し、また予想ができなかったのか、あきらかにしてください。
(市長・答弁)
4.2 類似場所の調査
[広田]
そして、同じような構造のところや同種の圧送管を使ったところの安全性は確認したのかあきらかにしてください。
(市長・答弁)
4.3 今後の安全対策
[広田]
事故起こった箇所については、腐食ガスが発生しないような対策が求められます。 今後どのような対策がとられるのか、伺います。
(市長・答弁)
[広田]
今回は、たまたま、二次災害も起きることもありませんでしたが、一歩間違えれば人の命にも関わる事故です。 市民のライフラインについては早急に予算付けも含め行うべきことを述べ私の質問を終わります。