引用元:金沢市議会議事録
平成28年 3月 経済環境常任委員会
経済環境常任委員会記録
1.日時 平成28年3月22日(火)
2.開議時間 開会 午前10時~閉会 午前10時32分
3.場所 第2委員会室
4.出席委員(7名) 下沢広伸委員長、麦田 徹副委員長
広田美代、前 誠一、松村理治、松井純一、
田中展郎の各委員
5.欠席委員(0名)
6.出席説明員 別紙のとおり
7.事務局出席者 三傳調査係長、河口主査
8.審査事件等 別紙のとおり
9.議事の経過等 以下のとおり
委員長の開議挨拶に引き続き、議案審査付託表(一)により本委員会に付託された議案第58号平成28年度金沢市一般会計予算中、本委員会所管分を初めとする議案7件について総括質疑を行い、採決した結果、全会一致又は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決した。次に、請願1件、陳情1件について審査し、採決した結果、請願については賛成少数で不採択とすべきものと決し、陳情については全会一致で閉会中も継続して審査すべきものと決した。引き続き、委員長報告に付する要望事項について協議を行い、閉会した。
△[総括質疑応答]
◆広田美代委員 核店舗誘致促進事業費補助について、9,000万円の予算がついているが、来年度の対象箇所は決まっているのか。
◎江口商業振興課長 新たにできる東急スクエアに入る2店舗を想定している。ユナイテッドアローズが候補の1つであり、もう1店舗は未定である。4月に入ってから審査会を開催して、適切かどうかを審査した上で正式に決定する予定である。
◆広田美代委員 候補としてユナイテッドアローズが既に決まっていて、4月に審査ということだが、ユナイテッドアローズは同じ経営体のもとにたくさんのブランド店がぶら下がっているのが実態である。インターネット上では、同じ企業なのに出店者をかえてもうけを得ようとしていることで結構非難を浴びており、ナショナルチェーンのもとにぶら下がる店舗が初出店として許されるならば、歯どめなくその傘下にある店舗が入ってくることになりかねず、県内、市内の中小企業のお店を脅かすことになると思うが、どうか。
◎江口商業振興課長 この補助金の目的は、核となる店舗を金沢市の中心商店街に呼び込んで、周辺の市町村あるいは県外から客を呼び込むことであり、その波及効果として、商店街のほかの商店に買い回り効果を求めるものである。これは、あくまでも会社ではなくブランドの力で誘客を進めるものであり、その方針を今すぐ改めることは考えていない。ただ、制度期間として平成29年度が一つの区切りとなっているので、その時点で制度全体を見直したいと考えている。
◆広田美代委員 ほかの商店への波及効果を狙うということだが、片町きららができた際に、竪町商店街が今まで補助を受けていた企業も含めてどうなったかということは以前の委員会でも明らかにしたところであり、実態を見きわめた上で、平成29年度にはしっかり議論してほしい。また、あくまでもブランドであって会社ではないとのことだが、大きい会社だからこそたくさんの店舗を進出できるのであり、大企業への利便だという市民の批判は免れないと思うので、ぜひ厳しく対応してほしい。
環境局の組織体制については、収集業務の効率化ということで西部、東部管理センターで2名削減となり民間収集の業務委託化が進むことになるが、今回の民間委託の拡大で民間収集の占める割合が何%になるのか。
◎野田リサイクル推進課長 委託化率の算出方法は2種類あり、ごみの収集量で算出した場合は今年度は54.8%だが、次年度は約57%まで進む見込みである。また、車両台数で算出した場合は今年度は48.3%、次年度は51.6%になると推測している。
◆広田美代委員 行政改革の名のもとでこのような民間委託が年々進んでおり、いずれの算出においても来年度からは民間の占める割合がふえることになる。一方では、震災時などは直営でないと町会のコミュニティーやごみステーションの場所などが把握できないという問題も既に明らかになっているので、我が会派としては直営に戻していくことを改めて求めておきたい。
△[討論]
◆広田美代委員 本委員会に付託された議案のうち、議案第58号平成28年度金沢市一般会計予算と議案第62号平成28年度金沢市工業団地造成事業費特別会計予算について反対である。主な理由として、商店街振興費の核店舗誘致促進事業費補助は、周囲への集客などの波及を狙うとして大手有名店をキーテナントとし、1店舗当たり改修費上限2,000万円、家賃年間1,000万円の補助を行うものだが、この補助金は県内初出店の大手有名店に限られるため、地元企業が対象となるのは難しく、また、店舗名が異なれば、同じ経営体であっても補助対象となる点では公平性に欠けることもあり、県外の大手有名店だけを対象にした数千万円の補助による誘致には反対である。また、東部、西部管理センターの職員定数を2名削減し、収集業務の民間委託を拡大することも反対である。工業団地造成事業費特別会計予算についてだが、金沢テクノパークは先端産業を誘致するとして280億円を投じ計画された工業団地であり、最初の企業立地から20年が経過するが、4分の1に当たる6区画、8.5ヘクタールが売れ残り、その面積は東京ドーム2個分に相当する。これまで立地した企業延べ10社に対し総額25億3,600万円余の助成金が支払われる一方、この8年間、企業立地はゼロとなっており、この予算案には賛成できない。
△[採決]
議案第58号中本委員会所管分及び議案第62号
・・・・・賛成多数により可決すべきもの
(反対:広田美代委員)
議案第59号、議案第63号、議案第75号、議案第77号及び議案第99号
・・・・・全会一致により可決すべきもの
△[請願第14号に対する意見]
◆広田美代委員 先月、「しんぶん赤旗」日曜版の編集部が、北海道内の全108のJAの組合長を対象にTPP問題についてのアンケートを実施した。回収率は6割を超えているが、結果は、米など重要5品目を交渉から除外し、段階的な完全撤廃も含め認めないことと明記した国会決議について、「守られなかった」と答えた組合長が8割いる一方、「守られた」と答えた人はゼロだった。この結果は、安倍首相のTPP合意は国会決議に沿うものだという弁明は全く納得されていないということである。管内の農業への影響についても、「重大な影響がある」が66.7%、「多少の影響がある」が33.3%であり、全組合長が影響があると回答している。安倍政権の農業政策に対しても、8割を超す組合長が評価しないと答えており、「地方創生と言いながら地域社会を壊すTPPを推進するなど、政策が矛盾している」、「強い農業とか国際競争力とか言う前に、日本の自給率をどう考えているのか」などといった怒りの声が記されている。国会でも、TPPが国会決議に違反していることや、農林水産業への悪影響を過小評価する政府の試算のでたらめさが明らかとなっており、TPPは批准すべきではないという立場から、この請願に賛成である。
△[採決]
請願第14号・・・・・・・・・・・・・・賛成少数により不採択とすべきもの
(賛成:広田美代委員)
△[陳情第5号について]
◆松村理治委員 家庭ごみの有料化については、町会連合会、婦人会や1,300もの町会に趣旨を細かく丁寧に説明していくということであり、この陳情については継続審査とすればどうか。
△[採決]
陳情第5号・・・・・・・・・・・・・全会一致により継続審査とすべきもの
△[委員長報告に付する要望事項について]
別紙のとおりとすることに決定。
以上