10月の市民福祉常任委員会でマイナンバー制度について報告がありました。
マイナンバーの現状と自動交付機の廃止について質問をしましたので、以下にまとめます。
マイナンバー関連法が施行されて、先月で1年が経ちました。
昨年は通知カードの配送ミスやトラブル、二人の別人に同じ番号が振られていたり、住民票に勝手にマインナンバーが記載されていたりという行政側の重大な問題も多々起こりました。あげくの果てに、厚生労働省の担当職員がマイナンバー関連の仕事の見返りに業者からお金を受け取っていたり、そもそも多額の税金を使って新システムを導入する制度であり、国民からは個人情報の漏えいや国民監視、税金の無駄遣いとさまざまな批判が巻き起こっています。
そして、具体的な問題が引き続き起こっています。
・通知カードについて
しかも、全国的にはいまだ170万世帯に通知カードが届いていないということがあきらかとなり、ここ金沢市ではおよそ4000人の方に届いていないことがあきらかとなっています。
具体的にはこちら。
当初の送付対象は45万4100人。世帯単位で送付するので、20万1940通が送付されましたが、19万7836通が交付されました。
しかし、1万7402通が市に返戻され、そのうち死亡や転出などを除いて、届かないという世帯が4000あることがあきらかとなっています。
国が勝手に国民に番号をわりふったにも関わらず、全員に通知が行きわたらないこの実態は異常です。
・個人番号カードについて
また、通知カードから個人番号カードに切り替える申請をした方の人数ですが、3万4732件と少なく、申請したけれども結局使う機会がないので取りにきていない市民もいるとのことです。
交付対象人数が45万4100人であることからすると、7.6%の方に過ぎない結果。
やはり1年経っても市民にとっては必要なかったということのあらわれでしょうか。
しかし国は、年金や預金、健診結果との連動を目論んでいます。
今一度、これまでの混乱や全国の現状を見て判断をしていただきたいですし、そもそも個人情報の漏えいやプライバシーの侵害だと訴えられている限りすすめるべきではありませ
ん。
・コンビニでの証明書交付と自動交付機の今後
そして、個人番号カードの導入にあわせて金沢市が取り組んでいることについても市民の安全、利便性を重視すべきです。
個人番号カードを使いコンビニで住民票や印鑑登録、戸籍事項証明などがとれるようになりました。しかし、かねてから議会でも反対をしてきましたが、民間に地方自治体の役割を任せるのはおかしいですし、カードの置き忘れや紛失のことを考えると非常に問題です。コンビニの方からも、「ご高齢の方で、暗証番号と一緒にカードを忘れていかれる」というお声もお聴きしました。市民の安全を守るうえでもコンビニへの導入は引き続き否定的です。
そして、今回の報告では、コンビニでの利用は今年5月から9月までの5か月間で、例えば住民票だと261件でした。
一方、自動交付機(市民センターや庁舎に設置)での住民票は、上期(4~9月)で1万3016件。5か月間だとすると1万846件であり、コンビニの利用とは桁違いに多い状況です。
この状況で、9月末には浅川市民センターの自動交付機を廃止しました。
また、行革方針で30年度までに機械の更新を迎えたところは更新しないという方針になっています。しかし、個人番号カードの申請も少なく、圧倒的に自動交付機の利用が多いこの状況で自動交付機がなくせるわけがありません。
そのことを追求し、局長から次のような答弁がありました。
「いろんなことを注視しながら、最もふさわしい市民サービスを提供するのが私どもの使命であり、その意味では、コンビニはかなりの密度で存在しているが、まちなか周辺部などでコンビニがそれほど立地してないところが市内にはある。そういった条件も種々総合しながら、最もふさわしい市民サービスの提供というものは常に考えたい。」
とまあ、はっきりしない部分もありますが、自動交付機の廃止にこだわってきたこれまでのやりとりとは変わったように思います。引き続き、市民の利用実態を伝えて自動交付機廃止をやめるよう求めていきます。