ブログみよみよ日記

小中学校の大移動案について。

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山野市長が、9月議会の冒頭ではじめて正式に明かした、図書館を含む市内中心部の小中学校の移転、改修、新設の案についてまとめました。

最初に断っておきますが、これは決定事項ではなく9月4日に初めて議会に出された金沢市の案です。議論はこれからです。

実は、市長が出す前に、つまり議会にも知らされていないタイミングで、北國新聞がでーんと記事にしたのですが、市の教育委員会の総務課に聞いたところ、「なんで知っていたんですかね?」ですって・・

新聞社が住民や関係者に聞いたとかっていう取材努力はあると思うのですが、でも記事として載せるなら、市の関係課に裏をとって確かめて正確な情報を載せるというのが通常の報道のやり方ではないのでしょうか。内部告発とかスキャンダル的なものなら、市も知らないうちにということはあるのかもしれませんが、市長が表に出す前にちょっとでも早く記事にするというようなこのパターン、なにを意図しているのか逆に知りたいです。

さて、市長の説明は以下の通り。

「昨年策定した学校規模適正化方針に基づき検討を進めてきた、中央地区での中学校の新設につきましては、玉川子ども図書館の敷地に中央小学校を移転し、現在の中央小学校を中学校の校舎として活用することが、現時点で最善の道ではないかと考えております。このため、旧JTの建物を活用してきた、これまでの玉川子ども図書館を、小学校の建設と併せて改築することなどを含め、当該地区の市有地や市有施設の活用について、近く有識者等からなる懇話会を立ち上げ、検討を開始したいと考えており、併せて、地域や保護者の方々とも順次協議を進めてまいりたいと存じます。」

少し解説

この文中で言う、「中央地区での中学校の新設」というのは、これまで議論してきた経過を擦り合わせると、「小将町中学校の移転」ということですが、あえて「小将町中学校」という言葉も出さず、しかも「新設」と言っています。

ここは今後の議論になるところかと思います。これによって、「小将町中学校」という名称が存続されるかどうか、ということもありますし、まったくの新設であれば、「小将町中学校の廃校」ということにも受け取れてしまうからです。全然意味が違ってきます。また、ここにきて初めて小将町中学校がなくなるの?と知った方も多いと思いますので、その声にも丁寧に耳を傾けなければなりません。

また、「規模の適正化方針」を理由にしていますが、小将町中に通う生徒さんも変わります。今の子どもたちにプラスして、馬場・明成小の子どもたちも通うことになるとしています。規模は、6学級202人→13学級457人となる見込みらしいです。

余談ですが、小将町中が空いたあと、「兼六小学校」が入ることが提案されています。中学校サイズを小学校サイズに改築が必要ですが。ご存知の通り、「兼六小学校」は「味噌蔵町小学校」と「材木町小学校」を統廃合して、味噌蔵町小学校だった建物を耐震化もして「兼六小学校」としたものです。実は、最初に市から出された案は、材木町小学校の建物を壊して(耐震化できないくらい古いとされている)新しい校舎をつくり、兼六小学校にするというものでした。が、それぞれの歴史と誇りのある両学校ですし、距離も近いがゆえに、どちらかの場所に行くということの決着がつかず、将来的に「小将町中学校」の校舎へ行けるからということで折り合いがつき、元味噌蔵町小学校の校舎に両方の地域の子どもたちが通い「兼六小学校」となっているわけです。

しかし、兼六小が入るから小将町中が移転するとなったのか、小将町中が移転するから兼六小が入るとなったのか、小将町中の移転計画が出された時期が兼六小をどうるか議論している時期と近いので、経過を考えると都合がよすぎる感じもします。

で、市長の案に戻しますと、中央小学校を中学校にし、新中央小学校は玉川子ども図書館のところに新しく建設するわけです。しかも子ども図書館もまたつくるということです。言っておくと、玉川子ども図書館は旧JTの建物とはいえ、耐震化してリニューアルしてありきれいです。ふたつの建物をどうやって配置するのでしょうか。市長の言葉の中に、「当該地区の市有地や市有施設の活用」とありますが、隣の玉川公園とか玉川図書館にも影響が出るのでしょうか。関係課に確認すると、「議論次第でわからない」という返答。「近く有識者等からなる懇話会を立ち上げ、検討を開始したい」と市長は言っていますが、どんな方々がなにを協議するのか心配です。やっぱり、地域住民、保護者、学校関係者の意見がなによりですし、今回、学校だけではなく図書館にまで手がつけられるということですから、市民全体の問題です。こんな多くの教育機関、施設の移動、建て替え、新設を行うのにひとくくりで議論できるはずはありません。ひとつひとつ丁寧な議論が必要ですし、既成事実化してことが進まないように注意しなければなりません。

あと、小将町中学校には特学分校が入っています。このスケジュールの中で、ここに通われている子どもたちが置き去りにされてはなりません。市は、芳斉の特学分校(小学校)とこの特学分校(中学校)を併せてセンターをつくるとしていましたが、なぜかどこにつくるかを明言していませんでした。それが、今回の案を皮切りに課長から、芳斉分校の場所で建て替えると知らされました。小将町中学校の校舎の中に、特学分校が存在し、普通学級との日々の交流や、運動会など行事をともにしたりすると言うのは、全国的にもめずらしく誇れるものでした。校長先生もそう語っています。小将町中学校から切り離されること、切り離してどんなセンターにするのか、場所は芳斉でよいのかなど関係者やそれこそ専門家などの意見を聴き、丁寧にすすめる必要があります。そして、芳斉分校には今、学童保育も入っています。この施設もどうなるのか、課題がたくさんあります。

順番的には、①中央小学校、玉川子ども図書館の新設 ②中央小学校の改築 ③小将町中学校の改築 どこの段階からかわかりませんが、並行して芳斉に特別教育が入るセンターの新設が行われるのでしょう。

最初に議論となった「兼六小学校」の移転は③の後ですから最後の最後となるのですね。

 

今回の市長の提案は、建物だけのパズルのような説明でしたが、子どもたちの教育や地域の歴史と伝統、図書館文化などはパズルのようにはいきません。

急いでほしいという地元の方もいるとは思いますし、地域の方も水面下で議論を重ねていただいているかとは思いますが、多くの市民や金沢市の教育に関わることですので、より多くの市民の意見をきき、慎重に丁寧に議論をするべきです。

今回質問にはとりあげられませんでしたが、今後住民のみなさんのご意見を聴き、議会のなかでも取り上げていきたいと思います。

 

続 小中学校の大移動案について。

 

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