まずは、予算については全会一致で可決され、条例について1件わたしたちの会派が反対しました。
さらに、請願・陳情については陳情第22号をのぞき全て不採択となり、その結果に反対しました。
こちらが、それらの討論で12/16に、会派を代表してわたしが行いました。
わたしは、日本共産党市議員団を代表し討論いたします。
ただいま上程されました議案11件のうち、議案第45号「特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正の1件について反対します。
これは、市長や市議会議員の給与の引き上げに関する条例です。
市職員の給与の引き上げに関しては賛成ですが、市民生活に鑑み、特別職については反対です。
つぎに、請願陳情についてです。※タップすると文書が見れます。
請願第15号「国に対し消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書の提出を求める請願」は、金沢民主商工会から提出されたものです。
政府が来年10月から導入を狙うインボイス制度は、商品やサービスごとに消費税額と税率を記載した請求書をやりとりするものです。インボイスがないと買い手は納税額から仕入れで払った消費税を差し引けなくなります。売上高1000万円以下の免税業者も取引先からインボイスを発行できる課税業者になるよう迫られかねません。免税業者は課税業者にならなければ取引を断られるおそれがあり、課税業者になれば納税と課税事務の重い負担がのしかかります。
建設業界のひとり親方、居酒屋、個人タクシー、文房具店、フリーランスなどさまざまな分野の免税事業者に影響しますが、中でも、日本がほこるアニメや声優、演劇、漫画の業界を支える個人事業主・フリーランスの人たちの多くも免税事業者であり、インボイスが実施されたら「廃業」「廃業を検討」と答えた人が2~3割というアンケート結果もあります。インボイス制度は、こうした文化や芸術分野でフリーランスとして働く人たちをも標的に、容赦なく総額2480億円の消費税を搾り取り廃業に追い込む危険のある制度なのです。
政府・与党は各業界団体からの反対の声を受け、インボイス制度の導入に、経過措置を検討しています。しかし、検討されている経過措置は免税業者から転換した課税業者の納税額軽減や、少額取引ならインボイスを不要とすることなどです。しかし、いずれも期間限定です。
インボイス制度の中止を求める税理士の会は、この二つの「激変緩和措置」は、一時的に納税額を減らして免税事業者を課税事業者に誘導しようとする手段で、消費税の仕組みをいたずらに複雑にして「中小事業者にとって根本的な解決策にほど遠いものであり断固反対」だと指摘しています。
現役世代、そして未来の働き手が安心して仕事と生活を維持するため、『緩和』ではなく、インボイス制度の実施中止が必要です。よって、この請願に賛成です。
請願第16号「小中学校の給食費の無償化を求める請願書」は新日本婦人の会金沢支部から提出されたものです。
長引くコロナ禍と深刻な物価高騰が暮らしを直撃しています。とくに、低所得世帯やひとり親世帯、子育て世帯に重くのしかかっています。
その中で、学校給食費は、保護者が負担するさまざまな費用の中で最も重い負担となっています。今年度、本市の給食費は、小学校・年間およそ50,000円、中学校・年間およそ58600円です。
本市が2018年度に行った「子どもの生活実態調査」では、毎月の収支について、保護者全体でも約28%が赤字と答え、さらに、どの年齢の子の保護者でも、「今必要とすること」について「教育にかかる負担の軽減」が断トツで選ばれています。
生活困窮世帯やひとり親世帯はさらに、その割合が増えるわけですが、子育て世帯全体の大変さが滲み出る調査結果です。
政府は少子化対策を言いながらも、若い世代に長時間労働・サービス残業など過酷な労働を強いることで子育てに困難をもたらしています。正社員を非正規雇用に置き換え、若い世代の雇用を不安定にし低賃金に抑え込んだことは、子育ての基盤を掘り崩しています。子どもを産んだ方々の自己責任とは到底言えません。そして、そのしわ寄せが子どもの学ぶ権利に大きな影響を及ぼし、貧困の連鎖につながるのです。
子どもの学びを保障するため、全国で12月初旬時点で小・中学校とも給食費が無償の自治体は254にのぼり、小学校のみは6、中学校のみは11でした。
中核市では、2020年4月に中核市初となる中学校給食無償化が明石市ではじまり、今年度は人口27万人の中核市である青森市がこの10月から、小中学校両方とも無償化が始まりました。市川市は来年度から実施の予定です。さらに、今週12日は水戸市が中学校の無償化を来年度から行うと発表するなど、中核市でも無償化の動きが広がっています。
本来、義務教育は無償であり学校給食もその一環として無償であることが必要です。
よって、子どもの学ぶ権利を保障するために、本市が小中学校の給食費の無償化を行うべきと考え、この請願に賛成です。
陳情第21号「金沢市におけるコミュニティバスの導入促進に関する陳情書」は、金沢市にコミュニティバスを走らせる会から提出されました。
住民の主要な地域交通である路線バスについては、運転手不足やコロナ禍の乗客減による経営難などで、廃止・減便が立て続けに行われています。この7月からは本市5地域でJRバスの路線見直しの影響を受け、住民のみなさんも大変お困りです。
本市には地域運営交通費補助制度もありますが、住民負担も多く、利用が進んでいません。
抜本的な公共交通への国を主体とした支援が必要なのは言うまでもありませんが、住民がどこに住んでいても安心してくらすことができる。その責任は金沢市にもあります。
多くの市民のみなさんから求められている、ふらっとバスのような、地域の負担がなく、金沢市が主体となって走らせるコミュニティバスを交通不便地域はじめ各地域に導入する必要があると考えます。
よって、この陳情に賛成です。
陳情第20号「政務活動費の条例改正についての陳情」は市民オンブズマン石川から提出されたもので、
政務活動費の透明化をはかるうえで、検討を要すると判断し賛成します。
これらの請願・陳情は所管の委員会でいずれも不採択となり、その決定に反対するものです。
以上で討論を終わります。
陳情第22号については、継続審議となりました。
しかし、わたしたちは、その場で決することが必要と考え反対討論を行いました。
こちらは、議会運営員会の場で述べたものです。
陳情第22号の1「民主主義・立憲主義の基盤である思想・良心の自由、請願権等を守るための陳情」について、反対の立場で討論いたします。
報道でもある通り、こうした趣旨の陳情や要望書が、11月から12月にかけて全国の県議会や市議会、首長に提出されているそうです。提出者は地域によって異なるが内容はほぼ同じで、一部は旧統一協会との関係を認めたと記事では書かれていました。
いま、全国で焦点となっていることは、この〔旧〕統一協会という宗教法人及びその関連団体と、地方行政・地方議会との関係です。陳情の主張のように、「宗教団体との関係を遮断する宣言・決議」という言い方で宗教団体一般を相手にしているわけではありません。
つぎに、この陳情は、憲法16条(選挙権と被選挙権の保障)などを例に、〝絶縁宣言〟は請願権、陳情権の「侵害」にあたるとしています。
しかし、反社会的性格に鑑み、「一切の関係を持たない」と宣言することは、住民の生命・財産を守り「住民福祉の向上」をはかる地方行政・地方議会として、当たり前の行為です。日本国憲法等の請願権の規定とはなんら矛盾することではありません。
つぎに、この陳情は、憲法14条が「法の下での平等」を保証しているから、①関係を持たないという宣言や②首長・議員・市民に「信仰の有無」や「宗教団体との関わり」の調査をおこなえば、「信教の自由を侵害する」と述べています。
〝絶縁宣言〟は住民にたいしての啓発(犯罪から住民を守ること〕を目的としたものであり、かつ「調査」を意図したものでは全くありません。
無理やり信仰の「調査」を持ち出し、〝信教の自由への介入だ〟などと、いうのはこじつけに過ぎません。
従って、本陳情については、反対すべきものであると考えます。
意見書についてはこちらが提出されました。