「介護保険料が高い」、「どんどん上がっていくのはどうにかならないのか」
そのようなお声がよく寄せられます。
ここで言う介護保険料は、65歳以上の第1号被保険者の方が払っているもののことです。
介護保険料が高くなるのは、制度の仕組みに原因があります。
介護保険の仕組みから順を追って、ご説明したいと思います。
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介護保険の仕組み
金沢市のパンフレットではこのように説明されています。
介護保険料の決め方
介護保険の運営費用は、主に介護サービスの給付費です。
この給付費は、みなさんの自己負担分以外は、国県市で半分、保険料で半分をまかなっています。
下のグラフのように、国が負担割合を決めています。
公費と保険料の割合は半分半分のままですが、65歳以上の方の保険料の割合(64歳以下の方は50%-65歳以上の割合)は、次の通りに変更されました。
17%(H12-14)、18%(H15-17)、19%(H18-20)、20%(H21-23)、21%(H24-26)、22%(H26-28)、23%(H30-2)、23%(R3-5)。
よって、高齢者が増える⇒介護認定者が増える⇒介護サービス利用者が増えると、円が大きくなり、青色部分も増えて、第1号保険料は増えてきました。
ちなみに、40-64歳の方の介護保険料は、例えば国保なら「介護負担分」という部分にあたりますが、こちらも年々増えています。
金沢市では、2023年度現在の65歳以上の方の保険料は、以下のようになっています。
基準月額は、6,590円ですが、2000年の制度開始当初は3,150円であり2.1倍に膨らんでいます。
3年ごとに見直し
そして、この保険料(介護保険事業計画「金沢市長寿安心プラン」の一部)は、3年ごとに見直しがされています。現在は、第8期(2021年から2023年)の最後の年であり、次の第9期(2024年から2026年)の作成を行っています。
(令和5年度 金沢市介護保険市民フォーラム資料から)
下の図のように高齢者が増えており、
要介護の認定者数も増えると、
介護給付費(介護サービスを実施するための費用)が増えます。
その傾向の中で、先ほどの説明の通り保険料が増えることになります。
「高齢者1人当たりの介護給付費は横ばい」とあるので、それなら保険料も上げなくてもいいのではと思われるかもしれませんが、先ほどもご説明した通り、下図の青色の部分のパーセンテージも毎年引き上げられてきているの、保険料はあがります。
そして、40-64歳の緑色の部分は金沢市の国保で言えば、介護負担分にあたりますが、占める人口が減っているので、こちたの介護負担分も上がっています。
しかも、「介護報酬」という事業者が受け取るサービスの対価が引き上げられると、事業者にとってはよいことなのですが、介護給付費も増えることになり、保険料にとっては懸念材料です。
よって、今後金沢市ではこのような推計がされています。
介護保険料を引き下げるために
しかし、市民の保険料負担も限界です。
私たちは、次のように求めています。
・「介護給付費準備基金」という、みなさんの保険料から積み重なった基金があるので、当面は保険料を引き下げるために使うこと。
⇒市「市民の負担が過大にならないよう、有効に活用していきたい」
※実際に、使われている
・同時に、国の負担割合を引き上げるよう、市としても国へ求めること。
⇒市「自治体の財政負担や被保険者の保険料負担が過重とならないよう、全国市長会を通して、国庫負担割合を引き上げることを要望している」
まとめ
軍需費を2倍に計画していますが、そのお金があるなら医療や介護、福祉にまわすべきです。
わたしたちがそう主張するのは、わたしたちが日々の現実として、国保や介護、病院代などで大変な負担をしており、それを改善しなければ命やくらしがままならないからです。改善するためには、国の予算編成が大企業や軍事のためではなく、国民のために使うよう切り替える必要があります。