わたしは日本共産党市議員団を代表し、ただいま上程されました議会議案第25号「日中友好関係の再構築を求める意見書」の提案理由説明を行います。
高市首相は、11月7日の衆議院予算委員会において「台湾海峡での米中の武力衝突が、『どう考えても存立危機事態になりうる』」と答弁しました。
この発言は特定の国を名指しして、戦争を行うことがありうると公言したものであり、このような発言をした首相は戦後の歴史でも高市氏が初めてです。日本に対する武力攻撃がなくても、米軍を守るために自衛隊が中国に対する武力行使を行う、つまり戦争を行うことがありうると宣言したことになります。戦争放棄をうたう日本国憲法を蹂躙(じゅうりん)し、そして日中両国民に甚大な影響をもたらすものです。
日中両国は、1972年の日中共同声明で、中国政府が『台湾が中国の領土の不可分の一部』だと表明したことに対して、日本政府は『十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第8項を堅持する』としたことで国交正常化が実現しました。
高市首相が、台湾問題への軍事的介入の可能性を公言したことは、中国側の立場を『十分理解し、尊重する』という共同声明を踏みにじるもので、日中両国関係正常化の土台を壊す発言といわなければなりません。
さらに、日中両国は2008年の日中首脳共同声明で、「(日中)双方は、互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」と合意もしています。高市発言は、中国に対する軍事的威嚇の発言であり、2008年の共同声明に反する発言であることも明瞭です。
一方で、この問題を両国の人的交流、文化交流、貿易や投資など経済関係にリンクさせない、中国側にも冷静な対応を求めるということが重要です。「政治的な対立は、あくまでも政治問題として解決する」のが筋であることは言うまでもありません。
よって、いま起こっている日中の対立と緊張は、高市首相が、日本と中国の平和と友好を根本から損ない、日中両国の合意に根本から反する誤った発言をしたことをきっかけにして生まれているものであり、この対立と緊張を解決するには、国会で行った発言をきっぱりと撤回するしかありません。
本市も平和都市宣言を行い、中国とは姉妹都市交流を行っています。その立場から発言の撤回、日中友好関係の再構築を国へ求めることが必要です。
全議員のご賛同をおねがいいたしまして提案理由といたします。