アップするのが遅くなりましたが、
20日は教育会館でTPPのシンポジウムがありました。
なんと300名以上の参加で、会場も大賑わいでした
まずは、農業や貿易の第一人者である東京大学大学院の鈴木宣弘さん
のお話。
開口一番、何を言われたと思います?
「僕の講義を聴く方が気になって集中できないといけないので、
一応言っておきますが、カツラではありません!」
会場中爆笑で、一気に心を掴まれました。
しかし、TPPについてはもちろん真剣です
○ やってみなければわからないから参加表明するという政府の
方針は危険すぎる。
○ 日本は製造業も農業も、既に開国されており、日本人の
原材料は60%外国産。
○ さらに開国すれば、90%外国産になる。
○ 農業や漁業など1次産業が崩壊すると、地域や自然が崩壊する。
大地を手入れしているというのは、国防の意味もある。
○ 1次産業だけでなく、製造・医療・金融など、さまざまな分野で
規制緩和がすすみ、日本の雇用も仕事もますますなくなる。
○ アメリカやオーストラリアなどスケールが違う国と
張り合っても、勝てっこない(1次産業は特に)。
○ TPPと農家の所得補償を両立すると言っているが、
4兆円くらいかかる。
今まで、農家にそんなに出せないと言っておいて
TPPしたからって出すはずがない。
○ 貿易のルールを無くして、大企業が儲けるためだけの仕組みであり、
わたしたちの地域経済は大打撃をうける。
TPPはこのような問題を含んでいるとして、「絶対に阻止しなければならない」
と、力強く発言
「最後には、農家のみなさんもあきらめずに、これからどうするか考えましょう。
覚悟を決めて反対するときです。」
その後はシンポジウム
医療界から城北病院の医師、消費者、生産者は現役農家さん、国会議員 共産党の井上哲士さん。
それぞれの立場から、報告や意見
生産者の方から「若い方に、‘農業なんてなんでするん?スーパーに売ってるやん。‘と言われたのが
ショックだった」と発言がありました
確かに今スーパーに行くと、春夏秋冬、同じきれいな野菜がたくさん並んでいます。
仮に日本でTPPが導入され、農家がなくなっても、スーパーには
農薬まみれのきれいな野菜が並ぶことでしょう
アメリカやオーストラリアでは、まるで工場のように
農作物やお肉をつくります
手間も人の手も要りませんが、安全性が問われています。
私も「いのちの食べ方」という映画で観たのですが、
牛にホルモン剤を大量に打って牛乳を搾ったり、
ヘリコプターで農薬をまいたり・・・
一方、国産は安全性が高いと言われているように、
人手や時間はかかりますが、できるだけ化学物質を使わないような
安全で心のこもった野菜やお肉です
スイスでは、安全で自然にやさしい商品を、少し高くても消費者は納得して
買っていくそうで、小さな女の子が「これを買うことで農家の
皆さんの生活が支えられ、それによって自分たちの生活が支えられて
いるのだから当たり前でしょ」と
わたしたち働くものの給料が下がっている今、「安ければいい」
という思考になりがちなのはしょうがない。
でも、TPPに参加することで、食料はもちろんさまざまな業種で
わたしたちの足元を揺るがす事態に陥ることになり、結局は
高い代償を払わなきゃいけないんだろうと、このシンポジウム
を通して改めて考えました。
そして、シンポジストの生産者の方や、JAの方の発言から、
「みんなのために安全で、おいしいものをつくりたい」という
熱い想いを感じ、TPPに賛成することは作り手のみなさんの
そんな想いを踏みにじることにもなるのではないかと、
悲しくなりました。
私も、各業界のみなさんと連帯し、覚悟を決めて反対します