引用元:金沢市議会議事録
平成25年 2月 総務常任委員会 総務常任委員会記録 1.日時 平成25年2月15日(金) 2.開議時間 開会 午前10時1分~閉会 午前11時8分 3.場所 第1委員会室 4.出席委員(8名) 下沢広伸委員長、高 芳晴副委員長 喜多浩一、広田美代、山本由起子、上田 章、 中西利雄、松井純一の各委員 5.欠席委員(0名) 6.出席説明員 別紙のとおり 7.事務局出席者 橋高調査グループ長、守田主任 8.審査事件等 別紙のとおり 9.議事の経過等 以下のとおり 委員長の開議挨拶に引き続き、所管事務の調査として報告事項の説明を受け、質問応答を行った。その後、その他の事項についての質問応答を行い、閉会した。 | |
△[報告事項] ・「金沢の夜景」映像DVD制作について・・・・・・・・・藤井広報広聴課長 「金沢の夜景」映像DVD制作について報告する。 経緯だが、1つ目は、北陸新幹線金沢開業を控えて夜間の魅力づくりの必要性が指摘されていること。2つ目は、金沢の夜間景観が都市照明の国際的な賞であるシティ・ピープル・ライト賞で第3位となる高い評価を受けたこと。3つ目は、金沢の景観を考える市民会議が2月8日に開催される機会を捉まえたことである。 概要だが、作品名は「金沢の夜景-Kanazawa Night view Museum-」で、4分間の作品である。監督は菱川勢一氏、音楽は宮田人司氏に依頼した。おのおののプロフィールは記載のとおりである。内容だが、夜景スポットのうち、卯辰山からの市内俯瞰映像、ひがし・主計町の各茶屋街、梅ノ橋、金沢城公園などの伝統的夜景、一方で金沢駅もてなしドーム、金沢21世紀美術館、鈴木大拙館などの新しい夜景をあわせて紹介している。制作費は50万円で、イート金沢のつながりにより実費相当分だけの費用で特別に制作してもらった。 活用策だが、北陸新幹線金沢開業を控えて、金沢の魅力を発信する素材として活用を図る。既に2月8日の金沢の景観を考える市民会議、東京でのいしかわ伝統工芸フェア2013での放映や、金沢市公式動画チャンネルで配信を行っているところであり、今後は県内の民放各局で放映、金沢フォーラスや香林坊大和の大型映像画面での放映も予定しているほか、ロケ地を記載した地図--ロケ地マップをつくり観光案内所、宿泊施設、飲食店、土産物店、首都圏の旅行代理店など約200カ所に配布する予定である。 ・市有施設情報データの整備と活用について・・・・・・・・桶田情報政策課長 市有施設情報データの整備と活用について説明する。ホームページを通じての情報提供の話である。 従来、市有施設に関する情報は所管部局や関連団体で独自に管理し、ホームページで公開していたが、これらの情報を集約して一覧性を高めてホームページで提供しようというものである。これにより、市民や観光客の利便性の向上が期待できると考えている。また、各市有施設データの2次利用を認めることにより、金沢の施設情報を必要としたシステム、例えばホームページなどをつくろうとする場合の市民や企業の利便性を向上させ、民間活力による金沢の魅力発信を支援したいと考えている。まず、ホームページでの提供について説明し、2次利用については後ほど説明する。 現在でも市有施設の情報はホームページで提供しているが、いささか問題があると考えている。1点目は、施設数が限られていること。2番目は、地図を備えているものが一部の施設に限られており、しかもその地図は簡略化した位置図が多く、わかりにくいということである。また、施設に関しての具体的な内容、例えば開館時間や利用料金等を知ろうとすると、それぞれの施設のホームページを見る必要があり、若干わかりにくい、一覧性に欠けるという意見もある。それらを改善するために整備したのが今回のホームページであり、既に2月上旬から公開している。 施設数は延べ2,016であり、例えば小学校や公園が避難所を兼ねている場合等もあり重複もあるが、ほぼすべての市有施設を網羅している。 使い方だが、右側上段の図を見てほしい。市役所ホームページのトップ左側に施設案内というメニューがある。そこをクリックすると施設一覧が出る。そのページの上のほうに「地図のよる施設案内はこちら」というメニューがあるので、そこを選ぶと資料に記載してある地図のページが表示される。地図上にオレンジ色のポイントが表示されているが、それがそれぞれの施設の目印である。画面左側のグレーの縦長の帯から施設の種類を選ぶと、選んだ種類の施設が表示される。今、示している図は文化・芸術施設を選んだ状態である。また、例えば観光分野の中に美術館・博物館があり、ここをチェックし、一番下に駐車場というジャンルがあり、あわせてチェックすると美術館・博物館と駐車場をあわせて表示するというように、違った分野の施設を同時に表示させることもできる。地図に関しては拡大縮小でき、表示場所の移動も可能となっている。オレンジ色の施設の目印を選択すると白い吹き出しが出て、吹き出しの中の詳細と書いた部分をクリックすると、施設の詳細な情報を表示する画面が開く。ここでは施設の概要、電話番号などの連絡先、開館時間、休館日、料金が表示される。また、一部の施設では写真も表示する。この詳細情報はすべての施設に共通で表示されるもので手軽に施設の内容を知ってもらえるものと考えている。また、施設固有のホームページを表示して、より詳しく内容を知ることも可能となっている。今回、延べ2,016の施設の情報を集約して提供を開始した。情報の2次利用も許諾しており、これだけの規模で情報提供や2次利用を認めているのは、調べた限りでは全国初の取り組みではないかと考えている。 今後の課題としては、市民、観光客は市の施設、県の施設、民間の施設といったことを意識して利用しているわけではないので、県や民間施設の情報を区別なく提供していくことが必要と考えている。そのためには、県や各種団体に働きかけることはもちろん必要だし、今は市のホームページを通じて情報提供しているが、それでは民間の情報を提供しづらい部分もあるので、来年度は、提供の手段も検討し、便利で使いやすい情報を提供していきたいと考えている。 次に、2次利用について説明する。2次利用とは、資料の注1に記載してあるが、市のホームページに使ってある文章や写真を個人や企業が複製し、自らのホームページに使ったり、印刷物に使ったりすることを言う。市のホームページの写真や文章には市が著作権を持っているので、これを勝手に複製して自らのホームページに使うことは著作権法違反になるが、逆に言えば、市がその利用について許諾さえすれば個人や企業が自由に利用することがでる。そこで、今回整備した市有施設の情報に関してはあらかじめ一括して2次利用が可能であることを明記している。これにより、個人であれ企業であれ自由に使うことを可能とした。効果としては、民間の自由な発想やアイデアで、例えば市有施設と商店街の情報を組み合わせたホームページをつくるなど、さまざまな取り組みが可能となり、民間の活力を用いた金沢の魅力発信が可能になると考えている。市としては本当に必要とされる情報、利用される情報を提供する必要があると考えているので、年度内にも首都圏の広告代理店、出版社、旅行会社等にアンケートをとり、今後、どのような情報を提供すべきかなどを精査して、便利な情報、使われる情報を提供していきたいと考えている。 ・金沢魅力発信行動計画カウントダウン・ミッションの平成24年度実施状況について ・・・・・・・・相川企画調整課長 金沢魅力発信行動計画カウントダウン・ミッションの平成24年度の実施状況について報告する。 昨年の2月に金沢魅力発信行動計画の中期評価を実施し、新幹線開業年度前後に特に重点的に取り組むべき施策をカウントダウン・ミッションとして取りまとめ、今年度から取り組んでいる。 1つ目の都心軸の再整備等の促進だが、重点的に支援が必要なエリアとして、片町エリアと南町・上堤町ビジネスストリートを選定して課題を整理した。具体的には片町エリアで再生基本構想と片町A地区の法定再開発に向けた基本計画を策定するほか、南町・上堤町ビジネスストリートを含めて都心軸の老朽ビルの再整備に向けたモデルプランを作成する予定である。 2つ目の定住促進に向けた取り組みの強化だが、金澤町家の活用と金沢でしか味わえない伝統文化等を日常生活に取り入れた金澤ふうライフスタイルを検討し、クリエーターや作家など30代から40代の子育て世代を提案対象と考え、本市の個性や優位性などを生かした金澤ふうライフを提案する画像を作成している。あわせて、生活拠点を金沢市に移した方のインタビューを掲載する予定である。また、年度内にはインターネットの動画共有サイトの金沢市のチャンネルに掲載し、情報発信していく予定である。 3つ目と4つ目をあわせて説明するが、プロモーションのさらなる強化と開業に向けた機運の醸成について、開業プロモーション、魅力発信事業に対する支援策、開業記念イベント、市民の機運醸成策等を検討しており、具体的な施策を盛り込んだ2つのミッションをあわせた実施計画について作成している。内容については、新年度予算も含まれているので、それにあわせて公表する予定である。平成24年度の実施事業は、記載のとおりである。 ・(仮称)金澤町家の保全及び活用の推進に関する条例の骨子案について(報告) ・・・・・・・・野島歴史建造物整備課長 仮称金澤町家の保全及び活用の推進に関する条例の骨子案について報告する。 目的だが、本市の歴史、伝統及び文化を伝える貴重な資産である金澤町家の保全及び活用の推進について基本理念を定め、並びに市、市民、所有者等及び事業者の役割を明らかにするとともに、施策の基本となる事項等を定めていく。 具体的な条例の骨子案だが、A3横長の資料を見てほしい。まず、この条例のコンセプトとして4点を考えている。まず、金澤町家の価値と活用を通じた維持・保全の重要性をアピールすること。金澤町家を保全及び活用するための施策を継続的に推進するバックボーンとすること。新幹線開業に向けて首都圏を初めとした国内外に金澤町家の情報を発信すること。金澤町家のブランド化を図ることである。 条例の構成として、まずその目的だが、1つ目は、金澤町家の保全及び活用の推進に関する基本理念を規定すること。2点目は、市、市民、所有者等及び事業者の責務を明示すること。3つ目は、金澤町家の保全及び活用を図るための基本事項を規定することであり、これらを通じて金澤町家を次代に継承し、歴史的なまち並みの保全、文化的景観の保存に資すること、個性豊かで魅力のあるまちづくり、それらの推進に資していきたいと考えている。用語の定義だが、まず、金澤町家なるものは、本市の区域内に存する伝統的な構造、形態または意匠を有する木造の建築物--寺院、神社、教会その他これらに類する建築物は除くが、そのうち、本市の歴史、伝統及び文化を伝える建築物で、建築基準法の施行の際現に存していたものである。基本理念だが、金澤町家の保全及び活用の推進は、金澤町家が本市の歴史、伝統及び文化を伝える貴重な資産であることを認識すること、また、市、市民、所有者等及び事業者がそれぞれの役割を認識し、これらの者の相互の理解と連携のもとに協働で行われなければならないとしている。役割だが、市の役割、市民の役割、所有者等の役割、事業者等の役割をそれぞれ規定し、これら4者が協働して作業を進めるというものである。基本方針だが、金澤町家の維持及び修復に関する事項など5点を定めていきたい。また、これらを実現するための基本的な施策等として、金澤町家の保全及び活用を図ろうとする方を支援する活動を行う団体を金澤町家保全活用支援団体と規定し、その団体が金澤町家保全活用支援計画を策定した上で金沢市と協定を締結し、その協定に基づく作業について支援を行うような枠組みを設置したいと考えている。また、金澤町家の維持及び修復に関して関係機関と連携して施策を推進していくなど7項目の基本的な施策を考えている。また、これらの施策に対する諮問に応じてもらう、また、必要な意見をもらうために金澤町家保全活用審議会を置くことも規定したい。 金澤町家を取り巻く各種の経過及び今後の予定だが、平成19年度に金澤町家継承・利用活性化基本計画を策定したのを皮切りに、平成20年度には悉皆的な外観調査、その後、モデル事業などを経て、平成22年度からは、現在も継続している具体的な補助事業である町家再生活用事業などを開始している。また、平成23年度からは、2カ年計画で金澤町家流通コーディネート事業などにも取り組んでいる。年が明けて、この1月16日から昨日2月14日まで骨子案によるパブリックコメントを実施し、期間中7件の意見が寄せられ、いずれも条例制定に対して賛同的な内容の意見であった。これらの意見なども踏まえて、内容の見直しを行い、定例第1回市議会に条例案を上程し、4月からの条例施行を目指していきたい。 ・金沢市歴史公文書保存・公開検討委員会の設置について・・中野文書法制課長 金沢市歴史公文書保存・公開検討委員会の設置について報告する。 本検討委員会の設置目的だが、平成23年4月に公文書管理法が施行され、国の機関において公文書の統一的な管理ルールが法定化された。同法第34条では、地方公共団体においても法律の趣旨にのっとっり、その保有する文書の適正な管理に関して必要な施策を策定し、実施することを努力目標として定めている。地方公共団体においても国と同様に歴史資料として重要な歴史公文書を適正に保存し、活用していくことが求められている。このため、本市においては平成23年6月に公文書選別基準策定委員会を立ち上げて、保存年限を経過した公文書の中から歴史公文書を選別するための基準を策定し、今年度は試験運用を行った。今回、新たに設置する歴史公文書保存・公開検討委員会は、今後、本格的に選別、収集される歴史公文書をより適切に保存し、広く市民に公開していくための手法に関して調査、審議してもらうために設置したものである。 審議事項だが、歴史公文書の適切な保存、公開のあり方、本市における公文書館の設置の必要性などについて審議してもらいたいと考えている。委員構成だが、行政法が専門である金沢大学の教員から1名、本市の近世史料館の専門員1名、そして既に公文書館を設置している国及び福井県の職員2名の計4名構成する。第1回委員会の開催日時だが、来る2月26日火曜日午後4時から予定している。この中では、歴史公文書の保存に係るこれまでの取り組み状況について報告するとともに、歴史公文書を適切に市民に公開していくための方策について審議、意見交換をしていきたい。 今後の方針だが、本年秋を目途として4回程度の会議を開催したい。最終的には、いわゆる公文書館の設置の是非も含めて本市における歴史公文書の保存、公開のあり方について提言を受けたい。 ・金沢市名誉市民故江川昇氏お別れの式について・・・・・・・・北村総務課長 金沢市名誉市民故江川昇氏のお別れの式について報告する。 今月26日火曜日午後2時から文化ホール大ホールにおいて、本市主催によるお別れの式を挙行する。 当日の式次第だが、式の初めに祭壇に花輪の奉呈を行い、その後、全員での黙祷、江川昇氏の経歴紹介、市長、議長によるお別れの言葉の後、参列者が順次献花を行う。合唱は「金沢市歌」と江川昇氏が好きでよく口ずさんでいたという「あざみの歌」の2曲を予定している。最後に遺族代表の謝辞をもらい、閉式となる。 故江川昇氏においては、助役、市長としてその豊富な経験と高い識見をいかんなく発揮し、本市発展の礎を築いていただいた。多くの方々に参列いただく中で故人の功績をたたえ、その遺徳をしのびながら改めて感謝と哀悼の意をささげたい。 ・職員の懲戒処分について(口頭報告)・・・・・・・・・・・・太田職員課長 職員の懲戒処分について口頭報告する。 事案の概要だが、去る1月18日午前零時過ぎに駅西消防署の男性消防士が市内で飲酒した後、帰宅のため代行運転を探したものの見つからず、その後、自家用車で帰宅しようとしたところ、午前3時43分ごろ、犀川大通り笠舞交差点付近で酒気帯び運転で検挙されたものである。 本市の処分は、消防局において本人からの事情聴取の後、2月8日付で本人は停職6カ月、管理監督者である消防長と駅西消防署長は訓告とした。再発防止に向けた取り組みだが、検挙された当日、本市局長級から成る幹部職員会議を招集し、飲酒・酒気帯び運転の再発防止や公務員としての自覚保持等について、職場単位での所属職員に対する指導を徹底したところである。今回の懲戒処分を受けて、消防局においては消防長が各消防署、消防出張所を巡視して訓示を行い、さらに消防総務課の指導員が交通事故現場での活動経験を踏まえた交通事故や違反防止の啓発研修を実施した。 今回の処分を踏まえた各所属長あての通知により改めて指導の徹底を図ったほか、金沢市飲酒運転防止マニュアルに他の自治体の例も含めた具体的な処分事例を追加して研修を実施し、再発の防止と失われた信頼の回復に向け全力で取り組んでいく。各位には多大なる心配と迷惑をかけ大変申しわけない。 | |
△[報告事項に対する質問応答] | |
◆山本由起子委員 金澤町家について聞く。金澤町家の保全及び活用が進むめばよいと思うが、条例の中の所有者等の役割で「金澤町家の状況を把握し、その保全に努める」とあり、「施策に協力するよう努める」とある。所有者が金澤町家の保全に努めたいと思っていても建てかえや補修費に多額の費用がかかることから、これに沿えない場合もあると思うが、どのような対応を考えているのか。 | |
◎野島歴史建造物整備課長 確かに所有者等の役割として、記載のような努力義務を掲げているが、諸般の事情によりそれによりがたいことも当然ある。そういったことについては、具体的な支援として、右側の基本的な施策等の中の6点に金澤町家の保全及び活用の推進を図るための技術的、財政的援助を挙げている。相談が寄せられた際には、技術的な支援や一定の枠組みの中で補助制度も用意しており、諸条件がかなう事案については積極的に対応していきたいと考えている。また、所有者と町家をぜひ使いたいという人をつなぐコーディネートや専門家の派遣などの支援も大変重要だと思っている。支援団体の活動支援を挙げているが、こういった団体の活動はまさに所有者、利用者をつなげていく、また、必要に応じて専門家の派遣などを行っていくことが具体的な活動の中身になると思っている。そういった市、市民、いろいろな活動を組み合わせて、指摘のあったような事例に対してできるだけの支援をしていきたい。 | |
◆山本由起子委員 支援する活動を行う団体の支援とあるが、そういった団体が幾つあるのか。これからそういった団体ができそうなのか。 | |
◎野島歴史建造物整備課長 先ほど平成23年度から金澤町家流通コーディネート事業を実施したという説明をした。これは2カ年のパイロット事業で、NPO法人でこういった研究や支援活動を行っている団体があり、そちらに活動を実践してもらった。そういったNPO団体が今後も活動を続けてくれるようであれば、そういったところが支援活動を行う団体として想定できると思っている。また、今後そういった方面に興味と関心を持つ団体が出てくるようであれば支援していきたい。 | |
◆広田美代委員 歴史公文書保存について聞く。消えた年金などの問題もあって公文書管理のルールが見直され、平成23年度に公文書管理法が施行され、地方公共団体においても努力義務とはいえ公文書の適正な保存と利用が求められている。本市でもこの法律の目的にあるように、公文書は市民の共有財産として適切に保管と公開がされるようにすべきだと思うし、今回の委員会設置もそのために行われるものだと思う。平成23年度に歴史公文書を選別するための基準を策定したということだが、その基準とはどんなもので、第三者の意見を入れるなど恣意的な判断が入る余地がないようにされているのか。 | |
◎中野文書法制課長 平成23年度に公文書選別基準を策定したが、公文書選別の原則を4項目掲げている。市の機関の組織、機能や政策の形成過程について保存していく等々である。個別具体的には、その下に公文書の選別基準を持っており、市が作成する公文書を34のカテゴリーに分類して、その中から後世に伝えるべき歴史的価値があるものを個別具体的に選別をできるような形でマニュアルをつくっており、極力客観的に、主観が入らないような形で策定した。そして、当該基準に基づき、今年度はその試験運用を行った。 | |
◆広田美代委員 34のカテゴリーに分けて、だれでも同じような結果になるように基準を策定したと思うが、後で検証することが公文書管理法では規定され、すべて永久保存でもいいぐらいだと考えている学者もいるほど非常に難しい基準だと思う。 ①試験運用を行った中で職員はどういう感想を持ったのか。 ②本格的に実施となると通常の廃棄業務がどう変わってくるのか。また、廃棄するものを全部チェックすることになるが、毎年、文書はどれほど出ていたのか。 | |
◎中野文書法制課長 ①今年度、2つの課を選定し試験運用を行った。膨大な資料があり、それなりに人手もかかった。また、選別基準は、極力客観的につくったが、客観性が足りないという指摘もあり、さらに検討を加えて、だれが選別しても同じような結果になるようにさらに磨きをかけていきたいと考えている。 ②今後、市役所全体で選別を開始した際の運用だが、現在、毎年1回、秋に文書整理月間を設けて書庫にある保存年限を経過した公文書を一斉に廃棄しており、年間11万1,000件ぐらいあると考えている。これを1件1件、選別基準に合致するかどうか選別を行っていくことになる。大変人手がかかる作業であるが、実際の運用に当たっては、作業の必要性を職員に十分周知徹底した上で遺漏がないように研修会を実施した上で円滑に運用されるように努めていきたい。 | |
◆広田美代委員 毎年11万1,000件の文書を選別していくという膨大な責任のある業務がふえるわけだが、職員の配置は今後どうなるのか。 | |
◎中野文書法制課長 11万1,000件の文書を100余りの課で選別することになる。ただ、この作業は文書整理月間に文書の廃棄を行う前に行うので、通年で発生する作業ではない。したがって、現在の課の要員の中で工夫しながらやっていければと思っている。また、先行市の状況では、運用を開始した当初は結構大変だったが、段々ルーチンワーク化してスキルがたまっていく中で徐々に作業の難易度も下がり、手間がかからなくなってくるという話も聞いているので、極力負担がかからないよう工夫しながら運用していきたい。 | |
◆広田美代委員 国の公文書を管理するときには、人手の問題が議論になったようなので、責任を持ってやり通すということを踏まえて、人手が足りないようであればしっかりやってほしい。 | |
◎谷総務局長 まず、基準については、客観的にということで委員会を設けて他都市の例も見ながらつくってきた。現在、パイロット事業でやってきたものについて検証しているので、より客観性を持った基準にしていきたい。職員の負担という話があったが、1次審査を現課で行い、3次審査まで行って漏れなく歴史的な公文書を残す仕掛けをとっており、究極には文書法制課に非常に負担がかかるのではないかという懸念があるので、検証作業や今後の取り組みなどを通じて人の手当てについても十分検討していきたい。 | |
◆喜多浩一委員 金澤町家について聞く。今まで空襲に遭っていない金沢のまち並みを考えた場合、恐らくこのような上っ面だけのことでは根本は解決しないと思う。先日、新聞に載っていたが、金沢は特殊なところで、公図と登記簿がずれている、隣の家との間にくいがないといった土地が多くあり、町家以前に根本のところがしっかりしていない。そして、その調査自体がとまっているという報道もあった。ここにあるような空き家になっている金澤町家の流通促進とか、30代、40代の子育て世代に住んでもらうということにしても、その根本の条件等が整ってないと、上っ面の古い建物を新しくしても、それだけで保存が進むとは思えない。そのあたりの根本の整備について金沢市全部をしろとは言わないが、町家を保存するために特定の場所を決めて処理しなければいけないと思うがどうか。 | |
○下沢広伸委員長 他の委員会の所管の部分もあるので答えられる範囲、もしくは町家に関する部分で答えてほしい。 | |
◎相川企画調整課長 土地の境界について、まちなかを含めて課題があることは承知している。実際に利用してもらう場合は、所有権も含めて明確にするのが原則であると考えている。建物の外観を保存していくことはもちろんだが、せっかくの町家をどう活用していくかということについて、行政だけでなく、民間の方々も含めて連携しながら末永い取り組みが必要だと考えている。その中で、境界に隣接する所有者の理解が得られるように進めていきたいと思っている。たくさんの町家があり、集中的にできる範囲は限られているが、一つ一つが金沢の財産であるので、町家の保全や利活用を積極的に進めていきたい。 | |
○下沢広伸委員長 財産権の部分をもっとしっかりしてからやらないと引っ越しなどが難しいのではないかという意見だと思うので、所管は違うかもしれないが議論してほしい。 | |
◆高芳晴副委員長 DVD制作について聞く。 ①魅力を発信するには、映像は非常に有効だと思う。今回のDVDの制作は、特に首都圏を意識してつくったのではないかと思う。既に東京ドームシティでのいしかわ伝統工芸フェアで放映されたということだが、その反響について聞く。 ②金沢に住んでいる人にも金沢の魅力を発信することは有効だと思う。200カ所に配布と書いてあるが、資料を見ると市内の宿泊施設や首都圏の旅行代理店とある。小中学校にも配布して子どもにも金沢の魅力を発信したほうがいいのではないか。 | |
◎藤井広報広聴課長 ①東京での反響だが、具体的な件数等は把握していないが、この映像は言葉で紹介するのではなく、映像と音楽で見る人にイメージを膨らませてもらう内容になっており、担当者から聞いた話では非常にイメージが膨らみ、いい印象を持ってもらったと聞いている。 ②市内の人にももっと伝えるようにということだが、小中学校への配布等については検討したいが、今後、県内で放映されている天気予報のバック画面に使うことを想定しており、そうした形で市民に周知を図っていきたい。 | |
△[その他に対する質問応答] | |
◆広田美代委員 先日、経済環境常任委員会で報告があったが、菓子文化会館の取得と一部賃貸で運用していくことが決まった。1階に柳宗理氏に関するスペースを置くという方針が出ていたが、いま一度6,800万円ほどかけて行う改修の中身と具体的な利用計画を教えてほしい。 | |
◎松田財政課長 菓子文化会館については、金沢美大に寄託される日本の工業デザイナーの草分け的存在である柳宗理氏の作品等の収蔵、研究の場として整備、活用することとしている。 | |
◆広田美代委員 昨年、一部報道では耐震化を検討するとあったが、収蔵、研究の場としての改修のみということでよいか。 | |
◎松田財政課長 施設については当面の間、収蔵、研究の場として活用することにしている。 | |
◆広田美代委員 報道では安倍政権の来年度予算案で地方交付税が減らされる見込みということである。それも地方公務員の賃金を7月から7.8%減額することを前提にしており、2012年度比3,921億円も削減するということである。本市でもその影響をまともに受けると、職員の生活はもちろんだが、地域経済にも大打撃だと思う。7月からと言われているが、本市での影響額を教えてほしい。 | |
◎太田職員課長 地方交付税の削減を前提とした予算案が1月29日に閣議決定されたと聞いている。7月からということで試算した範囲ででは、7月から来年3月までの9カ月間で、職員1人当たり平均年間28万9,000円程度の減額、市役所全体、全会計で年間11億6,000万円程度の削減が見込まれる。 | |
◆広田美代委員 年間約30万円、全体で約11億円ということではかり知れない影響だと思う。削減をやめるような国への要望や動きはあるのか。 | |
◎谷総務局長 今回の措置については非常に憂慮している。しかし、全国統一で取り組むことになればやむを得ない措置だと思っているが、全国市長会や各自治体の動きを注視していく状況だと考えている。 | |
◆喜多浩一委員 入札制度について聞く。先日、某社長から電子入札になり、市役所は事務が楽になっただろうが、事業者の提出書類はどんどんふえているという話を聞いた。入札の手続は簡単になったかもしれないが、事業者の負担は膨れ上がっている。そのあたりについてもう少し簡素化できないか。 | |
◎溝口監理課長 我々も事業団体と話す機会があり、そのような話を聞いている。できる限り簡素化できないか、省略できるものがないかということは絶えず精査しており、今年度も少し省略しているが、今後ともそういうことを続けていきたい。 | |
◆喜多浩一委員 国では来週あたりに来年度の予算が通ると思う。金沢市は来月25日が議会の最終日だがそこまで1カ月以上ある。3月25日に議会を通っても、執行部は人事異動や年度末ということで忙しいと思う。金沢市として、予算が適正に民間にも行き渡るような工夫を考えているのか。 | |
◎谷総務局長 国はデフレ脱却が大きなテーマであり、市の予算も補正予算と当初予算を合わせてデフレ脱却が一つの大きなキーだと思っている。指摘の件については、3月議会の中での論議になると思うが、補正予算の議決は少し早いので、国に呼応して間髪入れず、入札などができるように努めていきたい。 | |
◆中西利雄委員 先般、議会の都市間交流で愛知県岡崎市へ行った。岡崎市議会との意見交換の場で素朴な質問があった。岡崎市の議員が金沢へ来たときに、どういったバスかわからないが、乗降口が1カ所しかないバスに乗った。そのバスには外国人が大きな荷物を背負って乗っており、大変混雑していたということがあり、乗降口を2カ所にするべきではないかという指摘があった。それはふらっとバスかと思っていたが、どうもふらっとバスではないようであるが、乗降口が1カ所のバスは今 現在どれくらい走っているのか。何というバスなのか。 | |
◎高橋交通政策課長 路線バスで乗降口が1カ所しかないバスは、金沢市内では北陸鉄道が運行している城下まち金沢周遊バスというレトロな車体を使ったものと考えられる。最新の数字ではないが、4台あると聞いている。 | |
◆中西利雄委員 それは、ワンコインか。 | |
◎高橋交通政策課長 1回200円である。 | |
◆中西利雄委員 それに全く関係ないが、私の住んでいるところは郊外であるので、まちなかへ出ようとすると公共交通機関に乗るためにタクシーで自宅からバス停まで行って、そこからバスに乗車することになる。まちなかへ行くと、バスの交通渋滞のようなもので数分ごとに何台も行列をつくっている。あの姿を見たら、ふらっとバスのようなものを郊外にも走らせるような施策が必要ではないか、そういう時期に来ているのではないかと思う。現行のふらっとバスはいわゆるタクシーだとワンメーターで中心部へ来られるようなところばかりである。将来的にどういった考え方を持っているのか。 | |
◎高橋交通政策課長 郊外部で公共交通への接続が問題になっていることは認識している。以前にこの委員会で説明したが、今年度から地域で支える交通モデル事業として、公共交通が充実していない地域である大浦校下と内川校下で、バスにかわる乗り合いタクシーやマイクロバスを活用した取り組みを始めた。こういった取り組みが金沢市内のほかの郊外部にも普及できるように、今行っている事例を検証しながら交通サービスの充実に努めていきたい。 以上 |