当初予定しない視察をしたのでお昼も食べそこねつつ桜木町へ
駅を降りて、みなとみらいとは反対側に目的の横浜市健康総合
福祉センター(右手)とサテライト横浜(左手のビル9,10階)が
向かい合っています。
まずは、競輪の場外車券売り場であるサテライト横浜へ。
このビルに入っています。
地上からは行けず、駅を降りて地下2階から専用のエレベータであがります。
駅から地下2階に下るエスカレータはサテライトへ向かう方々がほとんどです。
なぜ地上から行けないようにしてあるのかというと、地域住民へのご迷惑に
ならないようにするためとのこと。
駅からエレベータであがってビルの中で競輪を楽しみ、ビルの中で食事をして、
外に出ることなく完結するシステムだそうです。
念のため、周辺や地下道には警備員さんを配置しています。
今回この場外車券売り場を視察したのは、今年度の市議会で大徳地区に車券売り場
をつくりたいとの陳情が出されたからです。
わたしたちの会派は反対をし、議会全体でも否決されました。
しかし一度受け入れた地域での現場を見に行き、経営者や地域の声を聴く必要があると
ったからです。
今回地域の声は伺えませんでしたが、経営者の方々に、約2時間半にわたり懇談をさせていただきました。
特徴的なことをまとめますと次の通りです↓
?サテライト横浜は、地域住民を考慮して、完全会員制にしているほかビルの外
には基本出ないようなシステムにしている。
マイカーではなく、公共交通を使って来ていただき、駅からつながった地下道を通り
専用エレベータに乗って来ていただくことで、地域住民には一切迷惑をかけないようにし
ている。が、念のため周辺には警備員を配置している。
よって地域振興という点では、補助金(収益の0.1%が地域におちている)
以外では与える影響は少ない。
?もし金沢でつくるとなると、マイカーで来られると交通渋滞を招く懸念がある他、
地域振興という点では、その方がそこに住んで生活するわけではなく、ただ競輪を
楽しんで昼食をとって帰るくらいなのでそんなにメリットはないのではないか。
また、地域住民に配慮するならば、客を外に出さないようにする必要も考えられるので、
なおさら地域にはおちない。
しかし、地域に補助金がつくという点でメリットになるかもしれないが、昔ほどの
収益もないので0.1%分がどの程度になるのか。
?競輪はギャンブルであり、以前の八百長や裏世界のイメージが残っていて
イメージが悪い。
来る方々にとっては憩いの場や趣味の場になっているが、受け入れる地域の
みなさんが心配するのは当然のこと。場外車券売り場を受け入れるには、
「首長等が許可をすればできる」
となっているが、地域の同意なくしては、首長や町長もうんとは言えない。
市民の思いがもっとも尊重されるべき。
懇談をして感じたのは、金沢では「地域振興になる」と言って進め
られてきたように思うが本当にそうか議論を深める必要があること。
そして、議員時代は反対していた山野さんが、市長になった途端に反対でなくなった
ことも地域住民の声によるものでは決してないし、議員が陳情提出者にお願いされて
反対か賛成か決めるものではなく、まずは市民、地域住民が十分に説明を受け、議論
できたのかということが重要です。
そして、地域がどこも疲弊していて、企業誘致や補助金に目が行く
のはわかりますがまずはなぜこんな事態になっているのか、本当の解決策はどこにあるの
かを議論する必要があります。
市内の中小企業がなぜこんなに疲弊しているのか、住民が郊外に移り住むのか、
それは地域が独自に考えることも必要ですが、まずは行政が金沢市全体をどう
つくっていくのか考え、地域におろさなくては始まりません。地域住民や商店
街が安心して暮らせるよう、一部の場所に大企業を誘致したり、箱物をつくったり、
郊外に大型店を進出させている現状を見直す必要があります。
除雪の問題1つ取っても、地域や町会が「お金も無く、人もいない」と言って困っている
現状を行政がしっかりと見て、対策を講じる必要があるのではないでしょうか。
経営者の方は賛成・反対の両方の意見や気持ちを熟知しているので、わたしなんかは、
まだまだ勉強不足であることを痛感させられましたが、賛成であろうとなかろうと、
現場に行って話を聴くことの大切さをさらに強く実感した今回の視察でした。