議会質問

10月定例月議会 一般質問

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金沢市議会10月定例月議会 一般質問・答弁(一問一答形式)               

金沢市議会議員 広田みよ

 

質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として、以下数点にわたり質問いたします。

 

1. 子ども・子育て支援新制度

まずはじめに、子ども・子育て支援新制度について伺います。広田画像

 [広田]

①政府は「すべての女性が輝く社会づくり」として、就労や子育ての支援などを盛り込んだ「政策パッケージ」をまとめました。

 子育てであげているのは、「待機児解消プラン」「子ども子育て支援新制度」などであり、本市はこの間、「子ども子育て支援新制度」について、子ども子育て審議会をもち、ニーズ調査や事業計画に取り組み、今回新制度に関わる条例の多くがこの議会に出されています。しかし、この新制度についてはかねてから、実効性の乏しさや、市場任せではないかとの懸念、保育水準切り下げの危惧がされ、保育部会や審議会、そして親御さんからも「金沢の保育水準を下げないでほしい」という要望が多く出されています。市長には何度も確認をしていますが、その要望に応えていただきたいと思いますがいかがですか。

(市長・答弁)

まず、子ども子育て支援新制度についてですが、これまでも本市は、保育所や幼保連携型認定こども園の基準を定めるにあたって、国の基準を上回る居室面積や職員配置等の基準を設けてきたところであり、金沢の保育水準を下げることなく、引き続き子育て環境の充実に努めてまいります。

 

[広田]

そのように、がんばっていただきたいと思います。次に、要望がどのように条例や施策に反映されたのか具体的に伺います。

②まずは、施設について。今までの幼稚園や保育園と並び、今回の新制度で新たに加わる形態として、認定こども園や地域型保育があります。

 認定こども園は、これまで文部科学省管轄の幼稚園と厚生労働省管轄の保育園の両方の機能を持ち合わせているとしているだけに、現場は不安を抱えています。現時点でいくつかの保育園が意向を固めていますが、現行の保育園とは違い、市町村の責任が外れることや、教育時間と保育時間のスケジュール調整が必要なことなど、情報をしっかり与え、市が移行を推奨するというような立場をとらないよう配慮が必要ですがいかがですか。

(市長・答弁)

認定こども園の移行につきましては、それぞれの幼稚園や保育所が、自主的に判断するものと考えており、本市の方から移行を強く求めるということはありません。

 

[広田]

③次に、地域型保育における小規模保育について伺います。

 国が示した資格要件を本市もそのまま条例化しています。A型は全員が保育士、B型は半分が保育士だけどあとは県の研修を受ければよく、C型は全員が無資格で県の研修のみでよいというものです。

 「本市の保育水準を下げない」という言葉からすれば、大きく後退し子どもの安全をおびやかすものです。見直すべきと考えますがいかがですか。

(市長・答弁)

小規模保育事業のB型、C型につきましては、保育の受け皿を拡大することを目的に、国が制度化したものであり、国の基準を基本に条例を制定する必要がありましたので、今回上程をしたものであります。

 

[広田]

引き続き、見直しを求めてまいります。

④また、既存の施設以外にあらたな施設の参入が予想されます。

 事業計画では、保育ニーズを満たすために、既存のストックを活用するための優先度をつける、と審議会では出されていました。

 その確保策をあきらかにしてください。また事業計画にもこのことを盛りこむべきと考えますがいかがですか。

(市長・答弁)

まずは、先ほど広田議員もおっしゃいましたように、既存の保育所ニーズへの迅速かつ柔軟な対応をはかるためにも、一義的には既存の保育所を活用し、受入れ枠の拡大を図っていきたいと思っています。さらに不足する場合は、新たな保育所の設置や地域型保育事業ということも想定はされますが、事業計画への具体的な盛り込み方については、今後、子ども子育て審議会の意見も踏まえ、計画策定の中で整備をしてまいります。

 

[広田]

⑤次に、保育認定について伺います。

 この制度開始以降は、幼稚園や保育園など市が認可した施設を利用する場合は「支給認定」を受けなければなりません。認定要件について、今回の制度化に併せて保護者の要望が取り入れられたのか伺います。

 何度も議場でも出ておりますが、保育認定における育児休業を取得した時の上のお子さんの扱いです。これまで原則3歳児以上しか継続利用を認めず、親御さんからは改善を求める声が相次いでいました。この点はどのようになりますか。また妊娠中の上のお子さんの扱いは、これまで産前8週からのみ入所可能ということでしたがどうなるのか、あきらかにしてください。

(市長・答弁)

子ども子育て審議会・専門部会で議論をいただきました。現在3歳以上児クラスの子どもを対象としている、育児休業取得時の継続入所につきましては、新年度からは、年齢に関わらず、認めることといたしました。また、妊娠を理由とする入所につきましても、これまでは産前8週間の入所を認めていましたが、妊娠中であれば妊娠の週数に関わりなく認めることとしたところです。

 

[広田]

⑥入所要件の拡大は、親御さんにとって切実な要求でありその前進は喜ばれるものです。ただ、需要がそれだけ伸びる可能性があり、施設側の受け入れ体制が盤石か不安の声も聞こえています。そして、保育時間についても標準時間で最長11時間利用できることになりますので保育士の人数確保は急務です。

 現状では半数近くをパートさんで補っており、正規を雇いたくても人がいない、もしくは財政的に困難という事情を抱えています。

 非正規で補うのではなく正規職員を雇えるよう処遇の充実を求めますし、市内保育園の労働実態調査も行うべきと考えますがいかがですか。

(福祉局長・答弁)

保育士確保のための財政支援につきましては、平成25年度から給与の上乗せ分にかかる補助を実施しています。また、来年度から始まる新制度においても、処遇改善について法定価格に反映される予定となっています。保育士の労働実態ですが、毎年実施している市の指導監査、あるいは運営費の算定の中で、それぞれ状況の把握に努めてきておりまして、今のところ、市として調査を行うことは考えておりません。

 

[広田]

⑦次に保育料金についてです。

 新制度に関わらずご要望が多く寄せられているのは経済的負担軽減、保育士さんの待遇改善です。今回の財源は消費税増税10%を見越してのことで、まだ決まってもない中すすめるという無責任な国の対応には驚きます。しかし、本市として親御さんの負担を減らすよう取り組むべきですがいかがですか。そして今回の制度であらたに保育料とは別に、追加のサービスや教材を使った場合などに「上乗せ料金」が徴収できることになっています。払えるご家庭と払えないご家庭が生まれ、お子さんの保育や教育に格差がついてはなりません。上乗せ料金の考え方も本市では見直すべきと考えますがいかがですか。

(市長・答弁)

保育料につきましては、現行の負担水準を考慮し、国が定める基準の範囲内で、来年度の予算編成の中で検討してまいりたいと思っています。また、保育所に導入される上乗せ徴収についてですが、事業者と市の協議の場を通して、適切な運用に努めていきたいと思っています。保護者の負担にできるだけならないように、きちんと話し合いを進めていければと考えています。

 

[広田]

⑧11月から来年の申し込みが行われます。新制度にあわせて手続きが変わるため、すでに各施設では多くの書類に追われ忙しさが増し、行政側も毎晩遅くまで残って準備に追われています。国が都心の待機児童について要望の多い認可保育園を増やさずに、市場任せにはじめた制度設計であるため、本当にお子さん、親御さん、そして現場のためになるのかどうか懸念の声が多いのが実情です。本市は現行の水準を守るとともに、国へ問い直すことも必要です。ぜひ、制度ありきにならないよう、親御さんや現場へ周知徹底、ご意見も伺いながらすすめることを強く要望し、次の質問にうつります。

  

2. 土砂災害対策

 次に土砂災害対策について伺います。

[広田]

①昨年の東京都大島町での土砂災害に続き、今年8月広島市での豪雨による土砂災害では74名がなくなりました。本市でもこの間、森本、神谷内、夕日寺、鈴見台などで災害が起きています。同じ悲劇を繰り返さないよう、本市として土砂災害にどう取り組むかが問われています。

 この間の土砂災害を受けていくつか問題が指摘され、今月14日には土砂災害防止法の一部改正が閣議決定されました。主なものとして、「都道府県に対し、基礎調査の結果を公表することを義務付ける」とあります。都道府県が調査し土砂災害が想定される「土砂災害危険個所」について、実地調査すら行われなかったために「警戒区域指定」や「特別警戒区域指定」がされなかったところが、全国に多数あり、広島では、3万2千か所の危険個所のうち1万2千か所が調査されていなかったという背景によるものです。全国では、約52万か所の危険個所のうち、今年3月時点で調査が終わったのは約38万か所と約68%にしかすぎません。

 そこで、本市の進捗状況と、警戒区域と特別警戒区域がそれぞれいくつあるのかお答えください。そして、改正では地域防災計画にも言及されていますが、本市の指定区域におけるソフト面の対策がどのように行われているかあきらかにしてください。

(土木局長・答弁)

土砂災害警戒区域については、平成18年度から県が指定を行っておりまして、昨年度末までに土砂災害警戒区域は495ヶ所。特別警戒区域は379ヶ所の指定が完了しています。計画区域の指定を受け、本市では土砂災害避難地図を作成し、地域住民に対し、土砂災害の危険性や早期避難の重要性を呼びかけているところです。

 

[広田]

②本市では危険箇所の全てを区域指定しているとのことですが、区域指定の意味合いは、危険であることや避難についての周知がほとんどです。急傾斜地崩壊防止対策事業や地滑り対策事業などのハード面での対策工事については地元の合意や予算的措置が必要となっています。天神町や法島、大桑などでは、地元の理解を得て対策工事がすすめられてきました。しかし、全国でも本市でも抜本的対策工事は3割に満たないと言われています。本市でもなかなか進まない現状について、その要因をどう考えているかあきらかにしてください。

(市長・答弁)

ご指摘がありましたように、地元の合意がなかなか得にくい地域もあるという現状もあります。というのは、個人財産の保全につながる箇所もありますので、一部負担を地元に求めておりまして、その同意を得るために時間がかかるという現実もあることは事実であります。また、整備そのものに多大な費用がかかるということ、さらには工事が長期に渡るということ、それらが相まって、今ご指摘があったように全国的にも3割未満、本市においてもそういう状況であります。地道に安全を訴えていきながら、ご理解をいただけるように努めていきたいと思います。

 

[広田]

③答弁にもあったように地元の負担が大きすぎるということが進まない要因のひとつです。であれば、国への負担を求め地元負担を減らすことを求めますがいかがですか。

(市長・答弁)

急傾斜地崩壊防止対策事業におきましては、がけ地に近接する、先ほど申し上げた保全につながるために、受益者負担の観点から、事業費の一部の負担を求めているところです。市ではすでに、地元負担の一部を負担するなど、軽減を図っているところですので、ご理解をいたければと思います。引き続き、国・県に対しても、整備の促進と地元負担の軽減について働きかけを行っていきます。

 

[広田]

④本市でに実際起こった土砂災害について伺います。本市でここ10年の間に避難勧告まで出した土砂災害は6件あり、その6件どれもが、発生当時は危険個所としての指定もなかったと聞いています。指定はされていないけれど、住民は危険を感じているような場所があるのではないでしょうか。そのような場所をどう把握し、住民からのご相談にはどのように対応されるのか伺います。

(市長・答弁)

これまでも本市は、がけ地防災パトロールというものを行っておりまして、市内の危険箇所の把握に努めているところです。ただ、ご指摘のいうに指定には至らないけれども、危険が感じられる場所、まさに地元の人だからこそ気づくところだと思いますが、そういう場合にも専門職員による相談や対策指導を行うなど、土砂災害に対する市民の不安の払拭に努めているところです。

 

[広田]

⑤ すでに区域指定している地域では、ぜひ地元との連携を強めて周知や訓練、ハード面での対策をすすめていただきたいと思いますし、指定されていない区域についても住民との相談のうえ対応してほしいと思います。そして指定されてない場所でも防災工事が必要な場合、住民負担が重くのしかかり、すすまない現状があります。金沢市独自のがけ地防災工事補助をもっと使いやすく充実されるよう求めますがいかがですか?

 そして、市民の命を守るためにそういう事業こそ最優先すべきではないでしょうか?

(市長・答弁)

ご指摘のように、安全こそが最大の福祉であるという考え方は同じでありままして、土砂災害予防のために本市も、これまでも、今ご指摘ありました金沢市がけ地防災工事費補助金交付制度を設けて取り組んでいるところです。ただ最近、地球温暖化の影響もあるのかもしれません、局地的集中豪雨が続きまして、市民も大変懸念を心配しているところでもあります。助成制度の充実についても研究をさせていただきたいと考えています。

 

[広田]

市長が言われました、最近の気候は以前と比べ変わってきております。その気候にも見合った補助に変わるように、再度要望しておきます。

 

 3. 公共交通施策

 次に公共交通施策について質問いたします。

 [広田]

①先日、21世紀美術館で開催された木梨憲武展では累計来場者5万人以上、一日最多3756人が訪れ大変な賑わいでした。また金沢城でのプロジェクションマッピングでも予想以上の人出で当初の人員配置では誘導が間に合わなかったと聞いています。県内外からこうしてお越しいただくことは大変ありがたいことです。

 しかし、これらのまちなかイベントに共通して見られるのが、車のまちなかへの流入そして渋滞です。木梨憲武展の際は、美術館から広坂の通りに面してびっしりと来場された方々の車がつらなり、来場者ではない方の車が広坂から市役所に向けて左折できない状況でした。プロジェクションマッピングの際も、香林坊や武蔵、兼六園下まで渋滞が続いていたとのことです。そして、連休時は長土塀長町あたりにも観光客の車が入り込み、一方通行を逆走するという事態が横行しています。駅前のショッピングモールのバーゲン時などは金沢駅に近づくことすら困難です。

 まずはこのような現状について本市としてどのように受け止められているか、あきらかにしてください。

(市長・答弁)

環状道路網が充実してきました。また、公共交通の利用促進ということも、県・市・交通事業者合わせてうながしているところであり、多くの方もご理解はいただいていると思っています。ただ、ご指摘ありましたように大きなイベントや、また祝日等には交通渋滞が起きていることも事実であります。このイベントの開催に当たりましては、イベントの主催者にガードマンやさまざまな情報を発信することによって、できるだけ公共交通の利用促進をうながしていただくとか、空き駐車場への誘導も行っているところです。また、事前に混雑が予想されるその時期には、パーク&ライドを実施するなど行っており、引き続きマイカーから公共交通への転換に向けた気運の醸成に努めていきたいと思っていますし、さまざまなソフト的な施策を駆使しながら、交通渋滞の緩和に努めてまいります。

 

[広田]

②今後、新幹線開業に向けてまちなかでのイベントが加速する折、このような交通渋滞は本市の交通機能を麻痺させますし、目的を達成すれば帰るというドライブスルーになってしまえば、回遊性の減少にもつながります。本市では新金沢交通戦略において「自動車に依存したまちから、歩行者と公共交通を優先したまちづくりを目指す」としていますが達成できていません。

 わたしたち共産党市議団では、まずは公共交通の利用を促進するために、料金の見直しやルートの拡充を求めています。イベント時や繁忙期には、パークアンドライドを実施し、まちなかへの車の流入を減らす方向性を提案していますが、どうお考えでしょうか。

(市長・答弁)

路線バスの料金のことやルート拡充についてのご提案もいただきました。あの、確かに効果的だと思いますけれども、一方では利用者が増大しないと、やはり経営的に成り立っていかないという側面もあります。採算の確保という課題もありますので、私は、課題がなかなか多い、しっかりっと慎重に研究をしていかなければと思っています。あの、車だけではありませんでしたが、プロジェクション・マッピングの際、初日でさまざまな課題が見えてきました。迅速に対応して、2日目にはその状況をホームページやフェイスブック等々で積極的に発信することによって、初日の混雑が2日目には大きく改善されました。もちろん、それは歩行者中心のことですが、同じようにさまざまなソフト的な施策を駆使することによって、渋滞緩和に努めていきたいと思っています。くり返しになりますが、事前に混雑が予想されるGWや年末年始といった時期にはパーク&ライドや公共交通のご利用をさらにうながしていけるように、告知にも積極的に努めてまいります。

 

[広田]

③市長がおっしゃるとおり、たしかに民間の公共交通の料金の見直し、ルートの拡充というのは、難しい課題の一つです。ですが今、料金が高いから、そしてルートが少ないので、そのバスを利用しないと。だからこそ、だから料金もあげなきゃいけないという悪循環に陥っていると思いますので、それをぜひ好循環につなげるよう、市としても提言していただきたいと思いますし、また市独自で公共交通拡充できることもたくさんあります。

 それは奥野議員も言いましたが、ふらっとバスです。街をまわっておりますと、このふらっとバスに対する要望は非常に多いです。先日も、金沢駅西の方々からもご要望が出されておりましたし、市長は中心部のものだけだとおっしゃるかもしれませんが、中心部のふらっとバスの拡充ももちろんですし、郊外、今、買い物難民で大変です。その郊外にも目を向けて、ふらっとバスの拡充をしていただきたいと思いますが、改めてご見解を伺います。

(市長・答弁)

ふらっとバスのことですけれども、今、広田議員もおっしゃいましたが、高齢化の高いまちなかや、住民の買い物や通院などの日常的な足としてさらには、中心市街地の活性化という視点から、公共交通優先の街として、ふらっとバスを導入したところであります。ご提案の郊外にまで、ということは、採算性の確保等になかなか難しい課題があると思っています。ただ、今年度からは、その地域地域でバスを活用しながら、その地域の中でバスの活用について、金沢市として応援をさせていただくメニューを作らさせていただいています。すでに、内川地区や大浦地区でも活用していただいておりますので、その施策を積極的にPRしていきながら、、その地域地域の方たちとていねいな話し合いを進めていければと考えています。

 

4. 志賀原発

 最後に原発について質問いたします。

 [広田]

①関西電力大飯原発3、4号機の安全性が確保されていないとして、住民が再稼働の差し止めを求めていた裁判で、福井地裁が住民側の訴えを認め、関西電力に運転再開の差し止めを命じました。

 結論にはこう書いてあります。「原告らのうち、大飯原発から250キロメートル圏内に居住する者は、本件原発の運転によって直接的にその人格権が侵害される具体的な危険があると認められるから」。250キロメートル圏内。これは、当時の原子力委員会委員長がシビアアクシデントが起これば起こるし、福島原発事故の状況を見て出された距離です。裁判所はこのことを根拠にしました。これは志賀原発に当てはめると、金沢はもちろん、石川がすっぽり入る範囲です。同じように、志賀原発で事故が起きれば、金沢にどれほどの被害がおよぶと考えているのかあきらかにしてください。

(危機管理監・答弁)

本市の原発事故に伴う被害想定についてお伺いでございました。金沢市は、国が原子力災害対策指針で定める、半径30kmの範囲UPZの圏外ではございますが、福島第一原子力発電所における事態や対応を踏まえ、放射性プルームが通下する可能性があることを念頭において、金沢市原子力災害計画を策定したところでございます。

 

 [広田]

②今、危機管理監がおっしゃったことは、金沢市はEPA50km圏内に属し、放射性プルームが通下する時の「被ばくの可能性がある地域」であり、30km圏内ではないので、今のところ原発事故の影響は、国の方では考えられていないと、直接的な影響は考えられないということですね。

 ですが、さきほど示しましたように250kmという数字もありますし、福島原発の事故で影響を受けた福島市や郡山市は、風向きによってスピーディの発表も遅れ、影響を受けたとされます。この福島市や郡山市は、本市の45km地点の森本より遠い位置です。30kmを超えた本市でも、原発事故の防災訓練を、避難受け入れや紙面上のヨウ素剤配布だけではなく、被害を受ける当事者としても行うことが必要ではないでしょうか。

 

(市長・答弁)

訓練のことについておたずねがございました。今ほど危機管理監が申し上げました、原子力災害対策計画のそのことを訓練で実施することが必要であると、理解をしているところです。11月に実施されます、石川県の原子力総合防災訓練に合わせて、独自に災害対策本部の初動対応訓練を実施することとなっています。放射線プルームが本市におよぶ怖れがあるとの想定のもとに、まずは地上での模擬訓練をはじめ、実際に北部地区の一部の避難所に安定ヨウ素剤を搬送し、調合する、さらには、簡易測定器によるモニタリングを行うなど、実働訓練を実施する予定となっています。

 

 [広田]

③11月2日、3日と、国の原子力防災訓練が行われます。基本的には30km圏内の避難、そして金沢市では、その避難受入れとスクリーニングが行われると。そこで、今おっしゃったことが新たに追加になったということですね。その中には私が先ほどから申し上げている50km圏内であっても、原発災害を受ける当事者だという視点は入っているのでしょうか。お答えください。

(危機管理監・答弁)

国の方では、先ほども申し上げたとおり、30km圏内ということですが、福島第一原発における事態・対応を踏まえ、金沢市ではプルームが通下する可能性があるということを、念頭において訓練を実施する予定となっています。

 

 [広田]

 30kmは紙面上の言葉です。30kmに壁が立つわけでもありません。金沢市民は、いつ志賀原発の影響を受けるかわからないという危険性をはらんでいるという認識をしていると思います。ぜひ、原発災害の影響を受ける当事者という視点で、今後防災訓練にも参加し、ゆくゆくは金沢市独自でも、原子力防災訓練を一緒に行うようにしていただきたいと思います。

 

④さいごに。原発をめぐっては多くの裁判が行われてきましたが、判決の多くは、裁判所は原発の危険性について科学的に判断することを避け、原発の設置が原子炉等規制法に従って行われたかどうか、すなわち法的に瑕疵があるか否かだけで判断して、原告らの訴えを退けてきました。しかし福井地裁の判決はこうした立場ではなく、人格権は原子炉等規制法の上位にあるとして、自らの判断で原発のかかえる危険性を指摘し「大飯原発3号機および4号機の原子炉を運転してはならない」と命じました。福島第一原発事故に向き合って出された画期的な判決です! 市長にもぜひ福島原発事故を教訓に志賀原発は再稼働すべきでないという立場を鮮明にしていただきたいと思いますがいかがですか。

(市長・答弁)

私はかねがね、この議場でも申し上げておりますけれども。電力会社に望みたいことは、やっぱりなんといっても安全であります。この安全は原子力だけでなく水力・火力においてもあてはまることであります。まずは、安全をお願いしたい。2つ目は、質の良い電気の安定供給であります。これは、、私は金沢市が北電の株主でもあり、株主としても、そのことは申し上げたいと思いますし、金沢市・石川県に生活する人間としても、良質な電気の安定供給は、しっかりと望んでいきたいと思っています。その視点から立って、私は電力のことについて議論をしていく立場だと認識をしています。志賀原発につきましては、敷地内の断層調査をしっかりと進めていると聞いておりますし、その結果を踏まえ、国で厳格に再稼働の是非が判断されるものと考えております。

 

[広田]

市長の言われた安全、そして質の良い電気の安定供給、それは今、原発が全国ですべて止まって1年間、そのことを実現してきています。そして本市では、この質の良い電気の安定供給という点では、全国で唯一公営でダムを使って水力発電をしている事業があります。原発事故以来改めてその存在が見直されていますし、今回水車の取り替えで200キロワットも発電能力が増えました。200キロワットというと120世帯分だそうです。120世帯というと町会ひとつ分の電力が補えるということです。このような大事な取り組みを続けている本市だからこそ、志賀原発は再稼働させず、廃炉を求めていただきたい。それが、周辺自治体だけでなく金沢市民の命とくらしを守る首長のつとめであると最後に申し述べ、質問をおわります。

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