子どもの医療費無料化については、わたしも議員になってから取り組んできた課題です。
お子さんが病院にかかっても、医療費が無料(金沢市では中学校卒業まで)になるのです
が、これが一度窓口で代金を払わなくてはならず、子どもさんが大変なときにATMへ行け
ないとか、お金をもってない夜中とか、そもそも給料日前でお金がないとか、単純にお金
がないとかいう時は、病院にかかれないわけです。子どもの命を守れないわけです。
で、対象年齢の拡充とともに窓口で払わなくてよい=現物給付を求めてきました。
どこに、求めてきたかというと、県に。
あれ?金沢市の制度じゃないがん?と思われるかもしれませんが、実は県の制度でも
あります。石川県は通院で3歳、入院で小学校入学前まで医療費を助成しています。
(月1000円の自己負担、所得制限あり)で、この県の制度範囲内であれば、
県内の市町村が医療費助成制度を実施した場合、かかった費用の半額が出されます。
それを超えて3歳以上であったりという独自の助成制度であれば、その分は
全額、市町村の持ち出しとなっています、というか独自の制度です。
そして問題は、石川県は、償還払い(いったん窓口でみなさんがお金を支払い後で戻って
くる)でないと半分出さないと言っており、これが、各市町村が窓口無料化に踏み出せな
い要因となっています。
その要綱についてはこちらをご参照→以前出された抗議文
これは国が基本的には現物給付を認めていないということであり、さらにペナルティも
あるんです。
現物給付にすれば、「国民健康保険の財政への国の支援が減る」というもの。
このペナルティも県がもつのか、市町村がもつのかが問われます。今のところ、県は負担
しない方針です。
一義的には、国のこうした姿勢を改めさせなければならないのですが、すでに現在、36
都府県が「現物給付方式」を採用しているので、石川県の「償還払い方式」は少数派にな
りつつあります。さらに、「償還払い方式」のところも独自にいろんな工夫をしているの
で、純粋に「償還払い方式」のみというのは本当に少数になってしまいました。
というもとで、私が議員になってはじめての質問ではこんな形の質疑応答↓
2011年6月議会 広田みよ一般質問から抜粋
〇広田みよ
質問の第3は、子どもの医療費助成についてです。
このたび、10月からお子さんの医療費が通院は小学校3年生まで、入院は中学校3年生までと拡大されます。私の周りのお母さん、お父さんも大変喜んでいます。本市の今後段階を追って入院、通院とも中学校卒業まで拡大していくという方針にも、皆さん大変期待をしていますし、医療機関での窓口の支払いをなくし、現物給付になることは以前からの切実な願いです。お金がなくて子どもを病院に連れて行けなかったという親の声、病院に行くとお金がかかるから保健室で診てもらっているという子どもさんの声、私も病院勤めをしながら耳にし心を痛めてきました。その思いを受け、ことしの3月に石川県議会では県医師会が請願し、自民党県議さん24名が紹介議員となった子どもの医療費の完全無料化等を求める請願、及び新しい県政をつくる県民の会が請願し、我が党県議が紹介議員となったこどもの医療費の完全無料化の実現についての請願が圧倒的多数で採択されたことは御承知のとおりです。本市においても、平成21年、石川県乳幼児医療費助成事業補助金交付要綱の改正を求める意見書が、皆さんの意見で全会一致で採択されたところです。また、新たに今月9日、石川県保険医協会から自民党議員が紹介議員となり、石川県の補助金要綱の改正を求める請願も出されました。県民、市民の期待もさらに膨らんでいます。既に全国36都道府県が現物給付化しています。市長としても、子どもの医療費窓口無料化を阻んでいる石川県の補助金要綱の改正を改めて申し入れるべきではありませんか。窓口無料にしてほしいという市民の根強い要望に対する市長の考えや決意をお聞かせください。
〇山野市長
子どもの医療費についてお尋ねがございました。これまでも県に対しましては、現行の償還払いではなく、現物給付についても助成の対象とするよう要望をしてきているところでありますが、市民サービスの向上の点からも、引き続き、要望を続けていきたいと思っています。また、窓口無料化を望む声の多いことは承知しているところでありますが、現時点では市独自で窓口無料化をすることまでは考えてはおりません。まずは助成対象年齢の拡大を図り、引き続き、努力をしていきたいと思っています。
で、この間に、県へ市町村が窓口無料化にふみきっても半額補助をやめないよう、求める
請願があいついで出されました。
しかも4回にわたって採択されているのに、石川県はいまだに何も対策を取ってきません
でした。そして、「なぜ無料化やらないのよ?」という質問に石川県はどう応えてきた
か?というと、
「石川県が県民のみなさんを支援しているという趣旨・ありがたみを理解してもらうために、窓口でいったん払ってもらって、後で返還される制度が必要」
窓口でお金が必要なくて、お金の心配なしに病院に行ける方が「石川県も頑張ってくれて
いるねえ」と思われるはずですが・・・
しかし、請願=県民から「こういうことをしてほしい」というお願いが議会に提出され
て、それを県議会が「OK」と4回もGOサインを出しているので普通は何らかの手が打
たれれるのが普通。それを知事とかが止めてきたのはおかしくないかい?
と世論が拡がり・・
結果、先の石川県議会補選の時に!
【石川県の子どもの医療費助成度についてご報告】(赤旗記者まとめ)
石川県では子どもの医療費について、後から申請で戻ってくる「償還払い」でしたが9月議会で「各市町が判断すれば」窓口払いが必要のない「現物給付」が認められる方針が出されました。
しかし、その際には①現物給付にすれば「県の負担額・医療費の2分の1」が支払われ続けるか②現物給付にすれば、「国民健康保険の財政への国の支援が減るペナルティ」をどうするか―が大きなハードルとなります。
そして、9月議会で示されたのが①の部分を「これまでどおりやりますよ」という県の姿勢の転換です(と言ってもこれをやっていないのは全国で石川県だけの異常なことです)
というわけで、今回②の問題を受け入れてでも現物給付をやろうという市町がいくつか県内に出てきました。これはかなり喜ぶべきことだと思います。
ところが姿勢転換を打ち出した県の様子が少し微妙な状況が続いています。
実施時期はいまだに明言していませんし、現在考えているのは「何らかの一部負担を取る」ということです。県が実施開始する前に各市町が先行実施した時には今のところ全額各市町の負担になってしまいます。
もちろん②のように国の責任もあり、この改善を県として国に求めているのは一定評価ができます。しかし、はっきり言ってやる気が感じられません。
その背景として大雑把に言えば、「県の負担はなるべく増やしたくない。国からのペナルティを受けるのも嫌だ。後は市町に負担してもらおう」という姿勢です。
その結果・・・・(ここ重要)、県が現段階で目指しているのは「幾らかの一部負担を取った上で現物給付を市町の責任で認める。もし国のペナルティが発生するようなことがあれば市町が負担」という制度設計のようです。これにより②のペナルティを回避しつつ、もし一部負担をなくすような市町があれば県の負担になることなく、市町に責任を転嫁できます。
市町や県民にとったら本当に「お茶を濁される」ような制度がこのままではできてしまうでしょう。これからこういう県の都合のいいような制度にさせない運動が必要なのかもしれません。
2014年10月定例議会 森尾議員の質問から抜粋
質問の最後は、子ども医療費の窓口無料化についてです。
本市の子育て支援医療費助成制度は、この10月から通院についても対象が中学校3年生までとなりました。これは、県内19の自治体としては最後に制度化されたものです。既に高校卒業までへの拡充を、通院では11の自治体、入院では12の自治体が実施しています。輪島市では、この11月から窓口無料化を独自に実施するとしています。その他でも実施の検討が始まっています。一方、県の制度は、入院では小学校入学前まで、通院では何と3歳までとなっています。しかも、所得制限まで行うなど、全国最低レベルとなっています。既に窓口無料化が36都府県で実施されていることからすると、最もおくれた県となっています。それだけに、窓口無料化を求める運動が広がり、県議会での4回の請願採択、市町議会からの意見書提出がなされました。谷本知事はこれを拒否してきましたが、この9月県議会でようやく、市と町が月額1,000円の自己負担を前提に窓口無料化を判断すれば、その意向に沿って対応するよう検討すると述べました。この結果、市と町が窓口無料を実施した場合でも、県の補助が行われることになります。子ども医療費の窓口無料化が全国で広がり、県内でもこの制度の充実を図ろうとする自治体や世論が広がっています。改めて、この制度の意義について、市長はどういうふうに受けとめておられますか。
○田中展郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 現物給付化によりまして窓口負担が軽減し、安心して医療機関を受診できるようになりますことから、子育てしやすいまちづくりを進めるための施策として、私は有効であるというふうに思っています。森尾議員から御指摘がありましたように、石川県市長会としても、年齢の拡充とあわせて提案をしてきたところであります。ただ、一方では、適切な受診を促すという仕組みも大切であるというふうに考えていまして、国と連携をとりながらしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えています。
○田中展郎議長 森尾嘉昭議員。