「こんなことを行政と議会が提案すれば、今後金沢の街並みを守っていくという道徳的権
威を失いかねない」
わが市議団の団長である森尾議員が、先日の第二庁舎特別委員会で発言した言葉です。
お電話やFAX、新聞の投稿など、かなりの反響がありました。
第二庁舎建設については、すでにある議会棟を入れる必要はないこと、連絡通路(最初は
地下通路でした)に多額の予算を使う必要はないこと、など市議団として委員会でも議会で
も立場をあきらかにして議論をしてきました。
地下通路建設に市民の税金8憶4千万もかけ、しかも傾斜もあって狭いし、工事のために知事
公舎との間の道を長期間ふさぐなどんど、あきらかになり、「必要ない」という市民世論
が拡がり、ついに8月10日の特別委員会で行政側は新たな提案をしました。
それが空中(上空)通路です。
お値段は5億円!
空中(上空)通路、地下通路(新たなに10億円という提案!)、アーケードという3つ
の選択肢がしめされ、空中通路に◎がつけれられました。
地下道を10億円につりあげて、半額の5億円ですむ空中(上空)通路ならどうですか?
と言わんばかりの提案。
しかも金沢市がこれまで守ってきた景観をみずから壊すようなこの提案に、森尾議員の最
初の言葉があったわけです。
金沢市には、戦災にあわずみ守り抜いてきた伝統的なまちなみがあり、それを守ろうとい
うことで景観条例が存在します。
冒頭にはこうあります。
「私たちのまち金沢は、四季の移ろいを際立たせる恵まれた自然や地形を背景に、歴史や文化に培われた個性豊かで美しい景観を形づくってきた。
この金沢固有の魅力ある景観は、まさに、先人の努力の成果を受け継いだかけがえのない市民共通の財産であり、これを大切にしつつ、潤いのある豊かな生活環境を創造し、人間性あふれる都市として健全に発展していくことが私たちの願いである。
ここに、私たちは、さまざまな主体の参画のもとに英知を結集し、共に美しい景観のまちづくりを積極的に推進することにより、金沢をさらに美しく魅力あふれる快適なまちに育て、これを後代に継承するため、この条例を制定する。」
にも拘わらず、行政自らが、そのまちなみを一変させ、樹齢100~200年の樹木を移
植までして空中通路をつくることが許されるはずはありません。
この条例以外にもさまざまな取り組みをしています。→金沢市HP
新幹線開業にあわせて、市内のさまざまな看板をみなさまのご協力を得ながら、撤去や
改修をされたというのもご存知のことと思います。
先人たちや市民のみなさまのご協力で、さまざまな景観を守ってきたのにも関わらず、行
政自らが空中通路なる提案。
市民のみなさまからたくさんのお声が寄せられるのは当然ではないでしょうか。
そして、そもそもHABの番組でリポーターが歩いてどのくらいかかるのか測り、たった
48秒であるこの距離をなぜ多額の税金を使って連絡通路でつなぐ必要があるのでしょう
か。
この空中通路について、8月29日(月)の13時から、第二庁舎建設特別委員会が開か
れます。傍聴も可能ですので、ぜひお越しください。
※傍聴に来られる方は、事前のご予約などは要りませんが、当日の12時50分までに、6階の議会事務局で受付を済ませてください。