議案第10号北陸新幹線の早期完成に反対討論
日本共産党金沢市議員団 広田 美代
私は、議会議案第10号「北陸新幹線のフル規格による早期完成を求める意見書」に反対の意思を表明し、その理由について、討論を行います。
この意見書は、整備新幹線の重要課題が、あたかもフリーゲージかフル規格だけのように見えるものですが、今一度新幹線整備全体が、巨額な税金の無駄使いの一部になりうるということに目を向ける必要があります。
民主党が「コンクリートから人へ」と、公約で中止を宣言した八ツ場ダムは、今年度56億円の予算計上がされ、建設続行となりました。また、40年間凍結されていた「世界一高い道路」とも言われる東京外環状道路の建設。1メートル1億円の建設にゴーサインが出され2兆円もかかる見通しです。
そんな不要不急の大型公共事業の一部には、整備新幹線の、新函館―札幌間、金沢―敦賀間、諫早―長崎間の未着工3ルート、総事業費3兆円もの巨額事業が含まれています。北陸新幹線で言うと、本市の金沢―敦賀間の工事をさらに進めると、1兆1000億円と巨額な事業となります。 それに加え、並行在来線の経営分離で、すでに県や市で20億の出資、運賃も27%アップし、自治体財政と市民を苦しめることになります。 北陸整備新幹線は在来線の切り捨てにつながり、採算見通しなどの検証も十分されないままで、推進する根拠はありません。
日本の財政状況が大変だといいながら、巨額事業は国と地方の財政に過酷な負担となるだけでなく、完成したあとの運営・維持にも大きな費用がかかり、将来世代の重荷となります。
現在消費税増税法案が出されていますが、大型公共事業を続けながら、国民に大増税を強いるなど論外です。東日本大震災の救援・復興にも巨額の費用が必要な時です。財源の見通しの立たないもの、完成した後も維持によって将来世代の重荷になるような事業には慎重となる必要がある、と考え、この意見書には反対の立場を表明します。