9月議会の最終本会議でした。
会派で精査をした結果、一部の予算において認められないものがあったので、
討論にそのことを組み込み臨みました。
今回は大桑市議が最終討論に立ちました。
以下が、討論全文です。
わたしは日本共産党市議員団を代表して、討論を行います。
わが党は、今議会に提出された議案のうち、議案第21号平成28年度金沢市一般会計補正予算に反対いたします。
この補正予算の中で、駅西におけるインターナショナルブランドホテル事業化促進費に関して反対です。この問題では駅西ホテル計画予定地の土壌汚染の問題があきらかになっていました。
今回、金沢市の土壌汚染調査において、建設予定地全区域で、基準を超える鉛などの汚染が確かめられました。所によって、ヒ素が基準の2倍、鉛が53倍になるところもあり、市民から金沢市の対応に厳しい目が向けられており、土地活用の点からもホテル建設の用地としてふさわしくありません。
さらに、駅西の一等地を安く払い下げ、大きな負担をもって土壌改良を行い、さらには交通調査を経てホテルの利便性をはかるための正整備まで行うとするなど、限りなくオリックス一社に利便を払うことであり、市民の理解を得られるものではありません。計画は見直すべきです。
保育事業についても一言述べておきます。
保育士の配置基準の見直しについては、これまで本市が独自で引き上げてきた基準を後退させるものであることを指摘しておきたいと思います。今後、0,1歳児の年度途中の受け入れや保育士の処遇を改善させるということを着実に行い、各園の関係者のみなさまに理解と納得が得られる責任ある対応を求めます。
次に請願についてです。
請願第20号は、マクロ経済スライドの実施の中止を国に求めるもので、全日本年金者組合金沢支部の代表から出されたものです。
年金は、老後のくらしを支える所得補償の根幹です。しかし、その実態は厳しく現在65歳以上の無年金者が100万人、基礎年金のみの受給者は767万人で、平均月額が49869円です。年金受給者の約半数近くが月額10万円以下という低い年金です。
こうした状況の中で、各種社会保険料の引き上げ、物価上昇の一方で年金の容赦ない引き下げはどう考えても不当です。また年金の自動引き下げ装置ともいうべきマクロ経済スライドによる毎年1%の年金削減は、今後30年も続きます。
マクロ経済スライドは、年金者の生活を悪化させ、購買力の引き下げともつながり、ひいては景気や経済に大きな冷え込みをもたらすことは必至です。
よってマクロ経済スライドの実施を中止し、最低保障年金制度の創設で年金制度を根本から見直すことが必要であり、わが党はこの請願に賛成です。
請願21号は、年金積立金を危険な株式に運用することの中止を国に求める請願で、同じく全日本年金者組合金沢支部の代表から出されたものです。
最低限のくらしを保障する公的年金の積立金は、世界各国が安全運用を大原則にしています。
ところが、安倍政権はアベノミクスの生命線である株高を作るため、GPIFは公的年金積立金の株式運用割合を大幅に拡大し、その結果2015年度は5.2兆円、16年度上四半期は5.3兆円の大幅な損失を出しました。
国民には、年金財政が苦しいと言って、支給削減や保険料の引き下げを押し付けながら、その年金の積立金を大企業の利権拡大のために大量投入するなど本末転倒です。
年金積立金の株式運用の拡大、高リスクの投機的運用をやめ、過大な年金積立金は、国民の年金受給権の安定的な保障のために活用することが求められます。
以上、いずれの請願も付託された常任委員会で不採択とされました。
わが党は、この不採択に対して反対するものです。
以上で討論を終わります。
請願2件については、こちらに載せます。