2018年11月12日 企業会計決算審査特別委員会 総括質疑 討論 採決
広田議員:書類審査におきまして分かったことがありますので一点工業用水の事で質問させて頂きます。まず本市の工業用の現状の施設の能力がいかほどで、そのうちどれだけ利用されているのか、明らかにして下さい。
高橋経営企画課長:工業用水等施設の現在の施設能力につきましては、一日あたりにつきまして1700㎥となってございます。契約水量につきましては655㎥となっております。
広田議員:給水能力から見た現契約量は655㎥と言うことで、およそ4割の契約率ということになっております。そして書類審査で確認したところ、3社5事業所の使用割合についてなかなか難しい状況にあることも分かりましたので、3社の使用割合について教えて下さい。
高橋経営企画課長:工業用水等の給水先3社ございまして、そのうち最も大きいのが日機装でありまして600㎥/日でございます。2社がそれぞれ35㎥、20㎥となってございます。
広田議員:1社、日機装で600㎥でほとんどを占めていることが分かりました。さらに書類審査で分かりましたのは今言われた他の量の少なさ、そして日機装は製造に直接使うような方法ですけれども、他の企業は空調の冷却に使う雑用水ということで利用していることが分かりました。経済産業省の考え方としましては、雑用水の使用は認めていますけれど、本旨ではないというふうに言っています。あくまでも製造に直接使うというのが本来の筋なわけですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
高橋経営企画課長:工業用水道でございますが、具体的に本来生産用に使うものであることが委員のご指摘だと考えておりますが、やはり工場で生産活動を行うのに際して空調等も当然必要であると言った事も含めて工業用水というように考えております。
広田議員:さらに今後のことですが、もしテクノパークにもっと企業が張り付いて頂けたのならば700㎥では排水能力が不足する予測となります。そうすると次なる整備の予定などもあると思うのですが、その点についてはどのようになっているでしょうか。
高橋経営企画課長:工業用水等の整備につきましては、今現在1700㎥でございます。将来的には3100㎥といった計画でございますが、当初、計画地工業用水道を作った計画では3100㎥につきましては平成16年度を目途としていたところでございますが、平成15年度に国の補助事業の関係で事業評価を受けておりまして、その際に平成24年度に見直しをしているところでございます。
広田議員:15年の事業評価で24年度にその計画をずらしたということですけれど、それでも24年度に3100㎥には達していないということが言えます。さらに工業用水道法では需要と供給、そして計画の確実性ということも書かれてあります。給水計画や資金計画、収支見積もりなどが確実であることが許可の基準としていますが、こういった状況を鑑みて経産省からなにか指摘はないのか明らかにして下さい。
高橋経営企画課長:今のところ経済産業省からは指摘はございません。
広田議員:全国的な様子を見ますと金沢市だけではなく全国が当初工業用水を建てた高度経済成長期にはたくさんの企業が給水区域にはりついて工業用水をどんどん使ってもらえると計画を立てたけれど、なかなか景気が良くならないということで先ほど金沢市も契約率4割ということですが契約率3割というところも全国的には3割あるというようなこともあり、全国的な状況も似通ってはいるのでなかなか経産省から金沢だけに指摘ということに及ぶことはないかと思います。しかしながら市民の大事な税金を一般会計として繰り入れていけるという、このままでいいと言うわけにはなりません。需要がないという現状をどう考えるのか、そして今後の打開策をどのように考えているのか明らかにして下さい。
里見企業局次長経営企画部長:企業局としましてはこの3社の方に少しでも水を使って頂けるよう働きかけていこうと思っておりますし、またテクノパークの方は一部分譲があったと聞いておりますけれど、それでも未分譲区画というものが残っております。やはり工業用水道は工事産業を誘致する重要なインフラであると考えております。といった意味からも企業局としましては少しでも水を使っていただく企業が進出して頂けるよう企業部局に働きかけていきたいとと思っております。
広田議員:テクノパークは1/4の区画が売れ残り、東京ドームにすると1.6個分という広さがまだ残っているわけです。その中で行っている工業用水事業がなかなか採算が取れない、市民の税金を補填しているという実態は大変深刻でございますので、設備の更新なども今後在りうるかと思いますが、ぜひ市民の皆さんのご意見をしっかり聞いて本当に地元の企業ためになる施策なのかということを検討して頂きたいと思います。
討論 ←採決を行う前の意見表明です。賛成討論は、ありませんでした。
認定第2号について認定できないことを表明し、主な理由を述べます。
第1点目は、水道事業特別会計についてです。
この間、県水受水について大きな変化があり、その第1は、責任水量制において、契約水量の7割を支払うという点が、平成27年度から6割に引き下げられるなどして、平成29年度の決算では平成26年度とくらべ、年間5億5400万円の削減となりました。
しかし、この黒字額のほとんどを建設改良積立金に回し、建設改良事業の財源としたが、バブル期でもないのに、この豊富な資金が建設改良へと使われていくことになります。本来、公営事業は計画的な事業の推進等をうたっているわけであり、その考え方からすると、建設改良は、年次ごとに計画的なプランに基づく財政計上とすることが本来の公営企業としてとるべき対応でないかと考えます。黒字部分は、水道料金の引き下げに用い、市民へ還元をするべきだということを改めて述べておきたいと思います。
また、現状の水道事業から考えると、変更はされたものの、県水の受水状況はいまだ非常に膨大で、協定水量の6割は支払わなければならず、結果的に、単価が自己水に比べて4倍も高い県水を受け入れて、20万5,000立米の自己水の能力のうち29年度平均では39%しか利用してない現状にあります。したがって、安くておいしい自己水を基本とする水道行政に切りかえるべきとも改めて述べておきます。
第2点目は、工業用水道事業特別会計についてです。先端産業を誘致するとして造成されたテクノパークは、いまだ4分の1が売れ残り、進出した企業への工業用水を供給するとして行われてきた事業の現状は、利用しているのはわずか3社で、そのうち1社だけで全体の9割を占める現状にあり、他の2社は、製造に関する利用ではなく、空調の冷却水に使っている状況です。市には利用料金以外の収入はないので、赤字計上をし、その赤字補填を一般会計から行うことをこの20年間繰り返してきました。平成29年度決算でも、一般会計からの補填は、およそ2,700万円に上っています。一握りの企業のために一般会計から穴埋めし、当初予定していた整備計画すら実行できない状況を考えると、そのあり方は改めて検討する必要があると指摘して、討論といたします。
採決
広田議員、すなわち共産党会派以外はみな賛成で挙手