さる10月17日は、金沢市学童保育連絡協議会のみなさんが市に来年度に向けた予算要望を行いました。
その概要をいかにまとめました。
前半は、要望事項についての市の回答。後半はそれにたいする質疑や現状などの訴えです。
要望事項
1 事業主体たる金沢市に関する事項
1.1 子育て支援課の学童保育担当者の増員
→必要に応じて。
1.2 学童保育の会計・給与計算・求人等総務業務を保護者に従事させることを禁止
→これまでの経過から 運営形態、むずかしい。
1.3 指導員の求人が促進するための取り組み(フェアなど)
→未検討。具体的な提案があれば教えてほしい。
1.4 運営委員会が学童保育を運営しやすくするためのマニュアルの作成
→説明もした。会計の手引きも配ったところ。
1.5 指導員の自主的な情報交換や交流ができるネットワークの整備
→金沢市児童クラブ協議会で支援員の研修など具体的な提案もほしい。
1.6 法令違反、ハラスメント行為を行う運営委員を通報する機関の設置・是正指導・勧告
→子育て支援課が窓口。労務管理などは労働局、労働相談窓口がある。
2 施設・待機児童に関する事項
2.1 学童保育施設の建設
→学童だけでなく、保育なども民間の設置をすすめている。
2.2 借家施設の家賃の全額補助
2.3 学童保育施設の修繕の全額補助
→家賃や修繕費は市で補助している。
2.4 学童保育施設の拡充計画の立案(すべての学童保育で6年生まで利用するため)
→子ども子育て支援計画のためのニーズ調査中。
各クラブの状況が異なるので6年生までの義務付けは無理。
2.5 市による学童保育施設の安全・衛生面の評価の実施調査
→今年度は監査を行っている。
2.6 学童保育を作る時の土地探しの負担を軽減するために利用できる金沢市内の公有財産のリストアップ(保護者が土地探しをすることが多い)
2.7 余裕教室貸し付けなど、公有財産利用の主導(民間施設移転のための一時利用含む)
2.8 民間施設への移転の主導(賃貸契約含む)
※賃貸契約や電話回線の契約などの契約はだれがすべきな(望ましい)のか、市の考えを聞かせてほしい。
→地元で意見をまとめてほしい。
個別に相談に応じる。
2.9 トイレ、手洗い場、台所の拡充・整備
→市の修繕の補助がある。
3 指導員の処遇・研修に関する事項
3.1 基本給ベースアップ(処遇改善)・保育園の制度に準じた平均経験年数による人件費の加算
→行政職給料表を使っている。変更しない。
3.2 キャリアアップ処遇改善事業の満額支給(満額ならば志度押印一人当たり年間12万円のベースアップをできるところを金沢市は6万円に制限している)
→H29から処遇改善を始めている。元々2%、今年度1%で3%に。
国の制度についても研究する。
3.3 開所時間延長事業から国の処遇改善事業への変更(国の「指導員の処遇改善」のための補助金を原資に、金沢市は「開所時間を保育水準にするための事業」として実施し、国の補助金の目的外利用をしている。そのため、国の補助要件である「開設時間6時30分まで(土曜日含まず)」を金沢市は「開所時間7時まで(土曜日)」に引き伸ばしている)
→国は平日6時30分。金沢市は土曜日まで含めている。
その差についてはご意見として伺い研究する。
3.4 研修に参加する指導員の勤務時間外の残業代補助
→未検討。
3.5 指導員の在り方、職務、職責の明示と指導員の標準勤務時間の設定
→職員の働き方に大きな差がある。運営委員で定めてほしい。
3.6 放課後児童支援員有資格者に対するより高度な研修の実施
→支援員資格の経過措置がある。今年度で終わる。
石川県も高度なものを行っているのでご案内したい。
3.7 各クラブを巡回訪問し、指導員にアドバイスするためのコーディネーターの養成
→障がい児の巡回相談は実施しているが、その他は研究させてもらう。
ここからは質疑と現状の訴えです。
・石川県学童保育連絡協議会事務局
金沢市は中核市であり、県内の市町を牽引してきた役割。
しかし、求人しても来ない。3.3の根拠はなにか。
→国では支援員等処遇改善事業。本市の基準は保育所との継続性。
・保護者
2.4ニーズ調査の結果は公表されるのか。
→わからない。
増やさないといけないという結果が出たらどうするのか。
→審議を行いいろんな方の意見を聞く。
計画はいつ出るのか。
→今年度出せればいいな。
・保護者
アンケートはだれに。
→未就学児 6400名、小学生 4400名、未婚・シニア 1400名に無作為抽出でニーズの把握。
・指導員
処遇改善をもっとやってほしい。開所時間は土曜19時のせいでできないところがある。
国は処遇改善がテーマなので是非それを生かしてほしい。
・保護者
2段階補助できないか、というこちらの提案については検討したのか。
→他のクラブのご意見も聞いてまた検討する。
・指導員
学童の運営監督責任は市にあるのか。
→そうした観点で監視している。
・保護者
仕事しながら学童運営は大変であり、市からは社協に相談してと言われたが、社協の方もボランティアだということを知ったので頼めない。
保護者が主体にならなくてもいいようにしてほしい。
会計の手引きをクリアするには負担になる。そこに補填もしてほしい。
・保護者
まず民家でおどろき。耐震もない。修繕してもぼろぼろで、次を探すのも自分たち。丸投げされているのにびっくり。
・金沢市学童保育連絡協議会事務局
学童保育だけなぜ民家なのか。
→必ず民家というわけでもないのだが、ここしかないなどいろんな事情がある。本市は民説民営を基本としている。
・保護者
何も提示されないので民家を探している。それを変えてほしい。
→学校がいいといえば相談に乗る。
地区社協でやれというわけではない。
・石川県学童保育連絡協議会事務局
探すことでもない。野々市や津幡では公設にしている。
・保護者
余裕教室に入れる具体的な方策はあるのか。
→方策には盛り込んでいる。教育委員会なので、話し合いを進める。
・保護者
どんなルールがあれば教室に入れてもらえるか開示してほしい。
→空いているように見えて、空いていない場合もある。
・保護者
学校なら統廃合も進んでいるので空いているのではないか。
・指導員
会計の手引きが厳しい。
→会計の手引きは適正に管理してもらうため、目標にしてもらうもの。
完璧にやれとは言ってない。
金庫の記載があるのは、通帳など持ち帰っているという話もあるので。
・指導員
うちは最初は保護者が作って保護者が運営していたが、それができなくなったので学童保育が主体的にしている。
地区社協にも訴えた方がいい。
・指導員
保護者が大変だからとやめていく。その子どもがグレーゾーンの子が多い。
夏休みは朝から他のこの家に入り浸っている。それは学童の責任か。
10月に50名申請がきたが、25名しか受け入れられない。どうすればよいか。
長坂台は5か所目作る余裕などない。
自分も10年前に学童保育の場所を探した親だが、その時と市の姿勢が変わらない。
本当に民家を探せというのでいいのか。
→方針としては変えられない。市民主体のいい面を尊重してきた