保護者のみなさんや、自営業者のみなさんなどで構成する金沢市教育運動連絡会として、毎年、金沢市教育委員会と要望書を手渡し懇談を行ってきたところですが、今回は新型コロナウイルス感染症対応として、要望書を手渡し、後日懇談を行うことになりました。要望書の内容は以下の通りです。
金沢市教育長 野口弘 様 2020年5月8日
要望書
金沢市教育運動連絡会
日本国憲法は、第26条で「義務教育は、これを無償とする。」と定めています。私たちは「義務教育無償の原則」こそが「子どもたちの教育を受ける権利」を守るための基本という立場から、義務教育の完全無償化などの運動に取り組んでいます。
新型コロナ感染症が広がる中、学校の休校、自粛等の影響から、収入が大きく減っている家庭もあります。また、様々な支援制度を探し、そして書類を作成することが困難な場合もあります。休校が続く中、就学援助制度の申請期間が延長となったことは、良かったと思っています。就学援助制度が、必要としている人に、きちんと届く制度であって欲しいと思います。
私たちは、すべての子どもたちが安心して教育を受けられるように、次のことを要望します。
1. 新型コロナウイルス感染症に関連して
① 収入が減少した世帯に対して、前年度の所得を基準にするのではなく、年度途中の申請でも支給する手立てをとってください
② 臨時休校に伴う給食停止期間分の給食費相当額を支給してください。
③ 臨時休校中のPTA会費、育友会費などの徴収をやめるよう学校に指導してください。
2. 就学援助制度を拡充してください
認定者数について
① 昨年度の児童生徒数および申請者数、認定者数、認定率について教えてください。
認定基準について
① 生活保護基準引き下げに伴う受給対象者の縮小を行わないでください。
② 2度にわたる引き下げ以前の生活保護基準の、1.3倍から1.5倍に拡大してください。
③ 住宅ローン・事業用の借入金返済など、また、家族構成や就学・就業状況を含め、生活実態に即した認定をしてください
④ 入学準備金については、就学援助制度と同じように、子どもの年齢を6歳とした基準で計算してください。
申請書類について
① 簡易な申請方法としてください。
② 認定もれとならないように、全員提出としてください。
③ マイナンバーについては、申請書類への記入、添付を求めることはやめてください。また、マイナンバー記載を拒否する場合の用紙も同時に配布してください。
④ 郵送申請もできるよう、書類提出の封筒に、教育委員会の住所を記載してください。
援助内容の拡充について
① 医療費について、学校からその都度交付される「医療券」ではなく、いつでも医療を受けられるための1年間を通して使える「医療証」を発行してください。医療機関への制度周知の徹底もお願いします。
② 国の基準にある項目(通学用品費・クラブ活動費・生徒会費・PTA会費・卒業アルバム代)についても支給対象としてください。
③ アレルギーで給食を食べることができない子どもたちに、給食費相当分の支給をしてください。
④ 眼鏡および補聴器の実費相当分を支給してください。
⑤ 修学旅行費用について、前倒して、または毎月の積立に応じて支給してください。
支給時期について
① 認定時期を早め、初回支給時期を繰り上げてください。
② 毎月支給にしてください。
広報について
①「経済的な理由でお困りの方に」という表現は、申請を躊躇することも想定されるので、「学校への支払い等に要する費用の一部を支給する制度です」等の表現への変更を検討してください。
② 入学時健診の場で、書類配布だけではなく、保護者へ時間をとって丁寧に説明するように学校に指導してください。特に、「入学準備金」については分かりやすく知らせてください。
③ 就学援助制度について、SNSやテレビ・ラジオなども活用し、広く知らせてください。
受給方法について
- 認定通知の送付の際、認定者には制度の詳細、利用方法についての手引きをつけてください。
3. 保護者の経済的負担を軽減してください
① 学習に必要な教材は、保護者からの集金とするのではなく、公費負担としてください。
② 教材として必要なもの(算数セット・国語辞典・漢和辞典・工具セット・けんばんハーモニカ・アルトリコーダー・しの笛・柔道着)は家庭で購入するかどうかを各学校に任せるのではなく、すべての学校に貸し出し用を設置してください。
③ 部活動に関わる経費を減らし、必要となるものは公費負担としてください。
④ 中学校の体操服のネーム刺繍はやめてください。
⑤ 小・中学校の給食を無償にしてください。