昨日10月22日は、市民福祉常任委員会でした。
今回は、学童保育事業の会計検査院の調査、ワクチン接種、コロナ対策、マイナンバーカードの保険証利用、子ども生活実態調査の進捗を質問しました。
今回は、医療機関等から混乱が予想されると声があがっている、マイナンバーカードの保険証利用について報告します。
マイナンバーカード普及促進に莫大な予算
国が主導で始まっている、マインナンバーカードですが、情報漏洩や必要性がないなどから普及が進まず、国は莫大な予算をつけて各自治体に普及促進のための取り組みをするよう求めています。
莫大な国家予算がこれまで使われ、金沢市でもコロナ禍のR2年度でさえ、翌年度繰り越しふくめ、およそ2億4600万円もの税金が使われました。
中でもマイナポイントと呼ばれる、カードを交付した方に5000ポイント付与する事業に数千億を使い、交付率をあげようとしています。
保険証として利用できる?
そんな中、国や自治体は10月20日から、マイナンバーカードを保険証としても利用できると大々的にアナウンスを始めました。
しかし、10月18日時点でのマイナンバーカードの交付率は、全国で38.8%、金沢市で36%と低迷しています。
さらに、医療機関が使える環境かどうかというと、10月17日時点で、全国7.9%とほとんど使える医療機関はありません。金沢市でみても下記のようになっています。
金沢市でマイナンバーカードが使える医療機関・薬局の数
※10月20日時点
病院 7か所/44か所 16%
診療所 18か所/327か所 5.5%
歯科 13か所/222か所 5.9%
薬局 22か所/232か所 9.4%
と、ほとんど使えない状態なのです。
医療機関も困っている。
いくつかの医療機関に聞くと、患者さんからすでに問い合わせもあり、混乱を避けるためこのような掲示をするとしているところもありました。
「当院ではこれまで通り保険証をご持参ください。」
患者さんの中には、「マイナンバーカードがないと診察を受けられないのか」と不安に思っている方もいらしたそうです。
金沢市へ求めたこと。
そこで委員会では、このような交付段階、準備段階で、市民全体に案内するのはいかがかなものかと抗議したうえで、下記のことを求めました。
①すべての医療機関で使えるかのように広報しないこと。
②医療機関に使えるかどうか問い合わせが続くと業務に支障が出るので、市の方で使える医療機関を周知すること。
③マイナンバーカードと保険証の両方を持って行くように周知すること。
市の担当課は、ごもっともだとし、市とし周知するとのことでした。
国民置き去りのデジタル化への道はだめ。
マイナンバーカードは、国のデジタル化政策の大きな柱です。
2021年9月1日、デジタル庁が発足しました。菅前総理の看板政策である「デジタル改革」の柱の一つです。この「デジタル改革」は、行政保有のデータを企業に開放し、「儲けのタネ」として企業の利益につなげるための「改革」です。
安倍・菅内閣は、「データ利活用」を成長戦略と位置づけ、利活用しやすい仕組みづくりを進めてきました。国・自治体が保有する個人情報は、公権力を行使して取得、申請・届出に伴い義務として提出されもので、企業が保有する顧客情報とは比べ物にならない、多岐にわたる膨大な情報量です。これを利活用するには「行政のデジタル化」が必要であり、個人情報まで「官業の開放」の対象にしようというのです。「匿名加工している」と言い訳したところで、個人情報を守る責務を放棄し、本人同意なく、目的外に流用し、企業の儲けのために外部提供することが、行政の仕事と言えるでしょうか。
デジタル化により、便利になる部分もあるでしょう。しかし、21年通常国会で審議された「デジタル改革関連法」は、プライバシー権の侵害、利益誘導・官民癒着の拡大、行政の住民サービスの後退、国民に負担増と給付削減を押し付けるマイナンバー制度の拡大といった、多くの問題点があるものです。(日本共産党2021総選挙政策から引用)
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