9月議会にとりあげました、GIGAスクール構想にともない、家庭でのネット環境整備に差が出ていること。経済的、技術的問題から家庭でWIFI環境が整備されておらず、オンライン登校にも参加できない、出される宿題にも対応できないという問題をあきらかにしました。
9月議会の中で、夏休み中のオンライン登校の参加状況や、家庭でのネット環境整備状況については調査中であるということで、保留となっていましたが、先週、教育委員会から報告がありました。
それが次の通りです。
教育委員会からの報告
オンライン登校日実施状況
まずは、オンライン登校日の参加状況です。
学校ごとに調査をしていますが、小学校と中学校別のみの集計結果です。
学校ごとのも見せていただきましたが、実施日や実施の仕方・内容はそれぞれであり、7月下旬に実施した学校もあれば、8月後半に実施した学校もあったようです。次期の違いによって生じる差もあり、たとえば、学童保育へ通っている子どもたちは、学童保育ではネット環境が足りないので学校へ行って参加するということになっていましたが、8月後半でコロナ感染が蔓延し学校に行かないことになり不参加となったということも聞いています。
また、低学年はご家庭でおひとりではできないことから、小学校1~3年生の中で参加しない学年をもうけた学校もありました。
なので、単純には比較できませんが、まずは低学年で参加しなかった学校は分母分子から人数をひいて、学校ごとの参加率を出してみると、65%~100%まで学校によって差があることがわかりました。
上記の資料は不参加の理由ですが、ここで注目したいのはネット環境の未整備は137名となっています。しかし、家庭のネット環境はないけど、オンライン登校のときだけ、保護者のスマホのテザリングで行ったり、他の場所で行ったという方は含まれていないとのことです。実際は、ネット環境未整備はもっと多いということです。
次の資料における、家庭でのネット環境の「整備されていない」が778名と、上記表の137名を大きく上回るのはそのためです。
ネット環境の未整備は、家庭の責任ではもちろんなく、これまであきらかにしてきた通り、教育委員会が家庭のネット環境の整備を、家庭にまかせっきりだったということが招いた結果です。
夏休みの当校は、正式な登校ではないとのことですが、オンラインにしたばっかりに参加できない子どもがいるというのは問題です。
家庭のネット環境整備状況
上記は、家庭でのネット環境があるかないかをアンケートしたものです。学校が各ご家庭へ行い、教育委員会が集約しました。
未整備が778名いらっしゃるということですが、なぜか理由を問うていないのです。
理由がわからなければ対策のとりようがありません。
そして、理由も聞かないまま、整備する予定があるかないかを聞いたものです。
しかも、教育委員会や学校は前の資料の5のところで「ネット環境のない世帯には、モバイルルーターを活用する」と対応を書いてあります。これは、9月議会での答弁でも教育長が「SIMつきのルーターを貸し出す」と言った事と同じです。
よって、これを伝えれば整備する予定は変わってくるはずですが、この方針はまだご家庭には伝えていないということです。
あくまでも、家庭に環境整備させようとしているアンケートに思えてなりません。
教育委員会は、4800台(うち3500台はご家庭用)もモバイルルーターを昨年度購入しているのです。
この購入の根拠は、昨年5月の家庭でのアンケートでは、3500世帯がネット環境未整備であったことをもとにしています。であるならば、すぐに貸与すべきなのにずっと家庭への協力を求め続け、9月時点で45世帯にしか貸し出ししていません。
今回の結果で、ネット環境未整備が778名と大幅に減っているのをみると多くの家庭がこれまで自力で環境整備してきたということになります。
ご家庭に対して、あらたな負担をさせるのではなく、ルーターを貸し出すことを周知すべきです。
また、「今後も整備の予定がない」というご家庭が、どのような理由でそう考えているのかもアンケート内では確認していませんが、早急に調査し対応するべきです。さまざまな状況、理由があるのではないでしょうか。
わたしは、基本的にはGIGAスクール構想で莫大な予算を使うより、教員を増やして少人数学級にして、一人ひとりの子どもに向き合えるきめ細かい教育が必要だと思います。
そして、このデジタル化によってすでに教育の格差がでており、そもそも教育の無償化に反して家庭での負担が生じています。このことは是正しなければなりません。