9月10日の市長の答弁をもとに、総務常任委員会で詳細を質疑しました。
9.12総務常任委員会 ※公式議事録ではないので扱いにご注意ください
●整備地域方針について
-広田委員
緊急整備地域の検討会についてですけれども、私も傍聴をさせていただきました。内閣府からわざわざご説明していただいたんですね。地域整備方針については「上位計画・関連計画との整合性が図られているもの」だと重要なご指摘をされていました。であるにもかかわらず、なぜ金沢駅周辺区域については委員さんが「高さ制限を緩和すべきだ」と堂々と言ったりだとか、誰も異論も言わないという不思議な雰囲気だったんです。一方、都心軸区域については「金沢都市計画高度地区の規定を遵守」と書かれました。これは上位計画・関連計画からみたら当然のことを書いてあると私は理解しましたが、こういう内閣府の説明があるならば、駅周辺についても本来は規定を遵守というふうに私は書くべきではないかと思いますがいかがですか。
-本島企画調整課長
まず前提として、金沢市都市計画の高度地区というのは変わりません。高度地区はそのままということです。都心軸地域については、周辺に歴史文化遺産等があることと、委員会でも出てきた居住環境に配慮するということで遵守した都市開発を誘導するということを記載させていただきました。
-広田委員
ルールだと思うんですけれども、上位計画・関連計画をあくまで反映させなければいけないと、それを超えてはならないと言っているのに、なぜ議論で高さ制限を、「除外」じゃないんですよ「緩和」って、ここにも(市の資料)「緩和したらどうか」と書かれていますけれども、その議論はおかしいよということをしっかりお伝えしなければならないです、当たり前に地域整備方針については金沢駅周辺も高度地区の規定を守るということを金沢市が言わないといけないと思うのですがいかがですか。
-本島企画調整課長
内閣府の方からは、この地域整備方針の中に新たな制度を盛り込む、そういうことはできないということは聞いております。今回、骨子をお示しをしました。次回は骨子ではなく素案の形でお示しをしたい。どういう表現にするかということは今回のご意見をいただいたことを踏まえまして、次回にお示ししたい。
-広田委員
少なくとも、高度地区の高さ制限を除外するとか緩和するとかっていう文言は、地域整備方針には書けないっていうことでいいですよね、それだけ最後に確認します。
-本島企画調整課長
既存の制度と違う制度を書くことはできないというふうに内閣府からは聞いております。
●金沢方式あり方検討懇話会について
-広田委員
私も第2回も傍聴させてもらいましたが、今回は会場も広く15名というたくさんの傍聴の方が入れました。そして4回に検討懇話会を増やしたということで、少し議論の場が広がって良かったなと思います。まずは、やはり議論がまだまだ深まるなという印象を受けましたし、議会でもたくさんの議員が取り上げていますので、もう少しタイトになるのか期間を延ばすのかわかりませんけれども、もっと回数を増やしてもいいように思いますがいかがですか。
-本島企画調整課長
以前は3回の予定でございましたが、当委員会の方で、金沢方式における地元負担だけではなく地域コミュニティにおける課題も含めて議論するというご意見もいただきました。で、1回目に地域にまつわる課題をすべて出していただいたことから、課題がいっぱい出てきました。で、回数をとりあえず今は4回にしております。今委員の方から出てきた意見を踏まえて少しずつ進めていきたいなと思っておりまして、とりあえずは次第3回を予定しておりまして、市としては4回目で取りまとめできないかなと思っております。
-広田委員
4回に増やしたということもありますので、状況に応じてまた増やすよう求めておきます。
資料に関してですが、6ページのところに「地元負担感の増大」といふうに「負担感」という言葉が登場し始めました。ただ委員さんは誰も「負担感」とおっしゃっていなくて「地元負担が人口減少、高齢化で増えている」とはっきりおっしゃっているので、ここは今後ちゃんと「負担の増大」というふうに進行していった方が良いのではないかと思いますがいかがですか。
-本島企画調整課長
委員の意見を「負担感」というようにおっしゃったと思います。表の上の方に「地元負担の増大」というようにはっきりと書いてございます。
-広田委員
であるならば、すべてそのように統一された方が、誤解がないかなと思います。
2回目は、「地元負担があるから主体性がもてる」といったことをみなさん口を揃えてという感じでですね、聞いている一般の市民からは「なぜ負担することと主体性がつながるのかわからない」というようなお声を良くお聞きしました。また、前回の委員会で私は、理解を得るためには法的根拠や仕組みについて説明を求めたところ、課長から「2回目に少し整理できる部分は整理をしてわかりやすく説明はしたい」とおっしゃられたんですけれども、2回目で触れていただけなかったと思うんですが、3回目には触れていただけるのか、お願いします。
-本島企画調整課長
懇話会で議論すべきこととしてはちょっと相応しくないかなと。で、法的な整備に関しては行政側の方で少し整理をする必要があるかなと思いました。おそらく地方財政法4条の5の関係かな思いますが、4条の5については自発的な寄附は禁止するものではないというふうに記載があります。まぁ逐条解説になりますけれども。そうしたことから、法令に違反するものではないというふうに考えております。
-広田委員
検討メンバーの方は金沢方式を進める側で、あくまで傍聴者の方とかその他は、どちらかというと「突然町会費から集められる」という、本当に自発的かどうかということを疑問に思っている方が多く、だからこそ議会や委員会でもこうした意見がでているわけで、やはりそこら辺の仕組みとか法的根拠は、今回も避けているのかもしれませんけれども、ここは避けて通れないなというふうに思いますので、ぜひ一度委員会で説明したいっておっしゃっているのですから、説明するように求めておきたいと思います。
しかし懇話会ってすごい力があるんだなと思うんです。委員がシミュレーションを求めたら「やります」ってことですが、私が議会で中核市の状況調査求めてもやってもらえないんですよね。議会って何なんだろうと思って。中核市の状況調査さえできないんですか。検討委員会、懇話会のみなさんの意見はすんなりお聞き入れして、私たち議員の意見はなかなか通らないのかと疑問なのですけれども。いかがですか。
-本島企画調整課長
シミュレーションにつきましては次回、シミュレーションのデータに基づいて議論をしたいということで委員の方からありましたので、これはご提示しようかなと思っております。本会議であった調査の件につきましては、それぞれ施設を所管する課がございますので、今広田委員のご意見をしっかりとお伝えして、それぞれの課で判断していただければなと思っております。
-広田委員
消防は既に必要性を感じて中核市で5都市だとちゃんと結果を前々から出しているにも関わらず、公民館・児童館は議会で質問したってやらないというのは、本当に、会派によるのかわかりませんけれども、私も市民を代表する議員ですから、懇話会だけの意見がすべてではないですし、並行して今同じように議会でも金沢方式について揉んでいるわけですから、ぜひこれは尊重して調査をしていただくようにお伝えしていただきたいと思います。
そこで、今回の本会議では少し地元負担ということについて整理されたかと思うんですけれども、市長はあくまでこれです。「金沢方式は、建設工事等に地元負担が生じることを了承のうえで設置を望む地域の総意に基づいて要望を受け止めて進めている。」ということなんですね。これを繰り返し言っていました。さらに、「地元負担が生じることを了承したうえで事業を進めているので、その了承がない限りは市は事業に着手することはない。」と。途中で何かあった場合も、そこで協議するといったことまでおっしゃっていました。ということで、あくまで「地元の要望、負担の了承が地元の総意として得られなければ進めない」ということを明言されたわけです。しっかりお答えいただいたと思います。
では、この「地元」というのはだれを指すのかということが気になるのですけれども。これはいかがですか。
-本島企画調整課長
公民館・児童館、この金沢方式により施設整備、また運営に密接に関わる各地区の町会連合会、公民館、婦人会、地区社会福祉協議会、消防団などの各種団体の同意が必要ということで、そういったことを地域の総意というふうにとらえております。
-広田委員
懇話会のような話になりますけれども、各種団体だけが求めたからといって、それを総意とは呼べないんではないですか。町会連合会のもとにはいろんな町会がぶら下がっているわけですから。いかがですか。
-本島企画調整課長
今申し上げた通り、各地区の町会連合会、公民館、婦人会等々、各種団体の同意が必要ということを言った、それが地域の総意ととらえております。
-広田委員
後で割当的寄附金の話も出ますけれど、その認識では不十分ですね。
そして、実際に公民館や児童館を建て替えたりする際は、原則、要望書とともに全町会長のハンコがいるそうです。一人でもつかなかったら要望書を出せないというふうに聞いています。それは間違いないですか。
-本島企画調整課長
それぞれの所管課の方でやっておりますが、連合町会に所属する町会長の連名による要望書をいただくということを聞いております。
-広田委員
町会長の連名による書類が必要なんです。なので、連合町会だけではなく、そこに参加する一つ一つの町会、その町会はおそらく加入世帯の合意をとっているだろうということで、おそらくみなさんは受け止めているんではないかと思うんです。もしかしたら、町会での議論はそれぞれ違うので、異議がある住民もいるかもしれませんけれども、市としてはそういうふうに受け止めているんではないかと思います。
消防分団の場合もお聞きをしたところ、これは補助金制度ですけれども、やはり地元了承のうえで、分団長から要望書が最終的に出てくると。それが出てこない限り、工事には着手できないというふうに言っていました。
いずれにしても、地域から要望書が出されだとしても、地元住民の総意があるかということを重要視している、これは間違いないですね。
-本島企画調整課長
本会議で市長が答弁したとおり、要望書をいただいたあと地域の方々と協議をして、了承がないかぎり進めないということを市長も答弁しております。
-広田委員
地元イコール町連であって、町連に参加する町会であって、町会の中に入っている住民ひとりひとりだということでよろしいですよね。
それではたとえば町会長ひとりからでもはんこがもらえない場合は、これは進めないわけです。では、町会加入者の住民が、もしおひとりで市に直接「私はちょっと納得いっていないんですけど」と来た場合も、これも進まないということでよろしいですか。
-本島企画調整課長
個別個別の案件になりますので、公民館であれば生涯学習課、児童館であれば子育て支援課、消防団であれば消防局になりますけれども、そちらの方にお話が行くのだと思います。私の方でその施設を持っていないのでなかなかお答えができないのですが、それぞれの課の方で対応されるものと思っております。
-広田委員
地元要望から始まるのが金沢方式なんで、この地元要望をどうとらえているのかというのは非常に重要だと思うので今質問をしています。おそらく、各課に案内は行くだろうと、その人がちゃんと意思表明できる場を与えるだろうと、そういうことだと思いますけれども。
角度を変えますが、もし「あなたの町会長からはハンコをもらっているので、あなた一人から意見を出されても、もうちょっと止められません」といった場合、これは私は地方財政法の第4条の5に反すると思うんです。それはなぜかというと、地方財政法にはこうしっかり書いてあるわけですね。「地方財政法第4条の5:地方公共団体は住民に対し、直接であると間接であるとを問わず、寄附金を割り当てて強制的に徴収するようなことをしてはならない。」(これは金沢市が)町会に対しとか団体に対しとは言っていない(住民に対してと書いてあることを言いたかった)。そして今回の場合は間接になると思うんですけれど、町会費として集めるから。けれど(法律では)間接の場合であっても認めないとしっかりと書いてあるわけですから、その点、もう一度住民一人の意見でも大事にするよということでよろしいですか。
-本島企画調整課長
その町会とかコミュニティの中で反対かどうかというのはコミュニティの中の判断になりますけれども、反対があれば当然要望書が出てこないものと思っております。同意して要望書が出てきているものと思っております。ただその反対の意見があった場合は個別の案件になりますので、それぞれの所管の方で対応するということになろうかなと思いますし、今あったご意見は所管課の方にちゃんとお伝えしたいと思っております。
-広田委員
今は反対の意見があるならば普通要望書は出てこないだろうと、逆に言えば、一人の意見でも反対があれば要望書は出さないでほしい、市としては困るということだと思いますので、そのように理解しますし、ぜひこの点は各課にもこういう議論があったということをお伝えいただきたいと思います。
次に、消防組織法第8条で「市町村の消防に要する費用は、当該市町村がこれを負担しなければならない。」というふうに書いてあるという点で、私は本会議でも、消防組織法がある中で消防要領の中で地元負担があるように書いてあるのは矛盾しないかということで聞いたら、矛盾しないというお答えでした。あのときちょっと時間がなくて聞けませんでしたが、その矛盾しないという根拠を明らかにしてください。
-本島企画調整課長
基本的には消防局の所管になりますが、消防局の方から逐条解説によりますと、本条は地元からの負担そのものを禁止するものではないと、そういうふうに理解していると聞いております。
-広田委員
禁止するものでないというふうに理解をしているということですね。ただ、中核市では5都市、全国を調べますと、以前はやっていたけれども裁判もあったり、あり方検討会を開いたりしてやめているというのが今の流れなんです。まだ「理解している」という、断定できていない状況ですから、引き続き研究するように求めておきたいと思いますし、本会議で新谷議員がおっしゃっていたとおり、やはり少なくとも命とか災害に関わる消防は公費であるべきだと、だからこそこの消防組織法というのがあるのかなというふうに思っております。ぜひ研究するように求めますけれどもいかがでしょうか。
-本島企画調整課長
消防局の方とも相談しながら進めていきたいと思います。
-広田委員
すみません、行政用語でいうと「研究」は何もしないということなので、しっかり相談して、弁護士さんとも相談してやっていただきたいと思います。
さいごに、今回シミュレーションを行うと書いていましたけれども、これは公民館だけというふうにうつりましたが、おそらく委員さんの要望は児童館であったり消防についても同じようにイメージされているのかなと思いますが、同じようにシミュレーションすべきだと思いますがいかがですか。
-本島企画調整課長
委員の意見は、61館か62館かな、全地域にある公民館をベースにお話をされました。市としてどういうことがシミュレーションできるか、本会議でも想定できる範囲で実施したいということを答弁しておりますので、どこまでできるかというのはこの場でお答えできませんけれども、中の方で少し検討させていただければなと思います。