本日は、10月から行われてきた、2019年度金沢市企業会計決算特別委員会の討論と採決が行われました。
わたしは、ガス・発電事業の民営化問題を含む委員会なので傍聴してきました。
まず、認定するかどうかの採決結果はこちらです。
賛成:上田議員(自民)、上原議員(公明)、喜成議員(みらい)、森議員(みらい)、新谷議員(金沢保守)、宮崎議員(金沢保守)
反対:森尾議員(共産)
わが党の反対討論はこちらです。
令和元年度企業会計決算・討論
2020年11月25日 金沢市議会議員 森尾 よしあき
認定第2号令和元年度金沢市公営企業特別会計決算について、認定できないことを表明し、その主な理由について述べます。
第1に、本市ガス事業・発電事業譲渡方針にかわる点です。
令和元年度の主な取り組みは、本市ガス事業・発電事業の在り方検討委員会が開催されたこと。本市ガス事業・発電事業譲渡方針について、市民からの意見を求めたパブリックコメントが実施されたこと。そして、令和2年3月に、本市ガス事業・発電事業譲渡方基本方針が打ち出された事です。
当決算委員会は、慎重な審議を行い、日程を一日追加し、集中審議が行われるとともに、書類審査を通じてこの問題に関わる二つの資料が当委員会に提出されました。審議を通じて明らかとなったことは、
①本市ガス事業・発電事業譲渡方針とは真逆の内容となった二つの調査報告書が隠蔽されてきたこと。②市民からの意見を求めたパブリックコメントについて、本市企業局が勝手に都合の良い内容にして市議会に虚偽の報告を行ったこと。③本市企業局幹部が10回にわたって、有力ガス・発電の企業を訪問し、本市ガス事業・発電事業譲渡について、意見交換という売り込みを行っていたこと。しかも、それが、本市ガス事業・発電事業譲渡方針について、調査委託を一手に請け負っていたPwcアドバイザイリ―合同会社からの指示によるものだとの事が明らかとなったことです。さらに、本日の総括質疑を通じて、Pwcアドバイザイリ―合同会社から社員があり方検討委員会の4回の開催に全て出席し、会議録を策定していたことが明らかとなりました。特定の企業と本市企業局が深く関わる中で、本市ガス事業・発電事業譲渡方針が示されてきたことになります。
以上の点から、本市ガス事業・発電事業譲渡方基本方針は、到底市民の理解と合意を得られるものではありません。
コロナ感染拡大が急速に広がる中で、考慮することなく、強行されてきた本市ガス事業・発電事業譲渡の方針です。この方針について再検討し、今後の方向についていろいろな角度から検討することを強く求めるものです。
水道事業と工業用水道について、簡潔に述べたいと思います。
まず、水道事業は、令和元年度決算で、10億円の黒字となりました。これで、5年連続10数億円の黒字が続いています。県水の契約水量や責任水量性が引き下げられたことによるものです。本来、水道料金の引き下げを実施し、市民に還元すべきであり、引き続き、県水受水契約の見直しに向けてとり組むよう求めておきます。
本市水道事業は、現状からも、自己水に比べ4倍も高い県水を膨大に受け入れ(契約水量の6割を受け入れる責任水量制)、安くておいしい自己水を排水能力の3割しか使っていません。安くておいしい自己水を基本とする水道行政に切り替えれば大幅に水道料金を引き下げることは可能です。
次に、工業用水道です。これは、先端産業を誘致するとして始まった工業団地造成事業において、立地した企業に供給する工業用水事業です。この金沢テクノパークは、25年が経過しても、いまだ2割が埋まらず、実質3社がこの工業水道を利用しています。使用料金は、開設以来23年間変わらず、事業の赤字は、全額一般会計で補てんし、決算では、年間3268万円に上っています。市政の失敗のつけを市民に負担を押しつけている事になります。
以上の点から、企業会計について、認定できない日ことを表明し、討論といたします。