6月2日から、6月議会がはじまります。
通常ならば、3月に年度初めの予算が示され、6月議会は補正予算を審議する議会のひとつです。
しかし、今年度は3月に市長選が行われたため、市長不在で2月に年度初めの骨格予算(新たな方針や施策は省かれた基本的なもの)が提案され、運用されてきました。よって、新市長が決まったもとでの初めてのこの6月議会は、村山市長の独自の方針や施策が盛り込まれた、骨格に対して肉付け予算と呼ばれています。
ここでは6月議会の日程と予算案の概要をご説明いたします。
これから議会ですので、6月21日までの調査や論戦の中で、さらに分析をし、まだご報告したいと思います。
目次
議会日程
金沢市議会の「議会日程」から見ることができます。
6月2日から21日まで、会議期間20日です。
ここには書かれていませんが、請願・陳情しめきりは6月1日(水)17:30です。
予算案
次に予算案についてです。
実現したもの
まずは、このコロナ禍での物価高において申し入れをし、まったくそのままではありませんが実現したことがあります。
※これが要望内容です。
福祉光熱費助成 6720万円
原油価格や電気・ガス料金の高騰に対応するため、夏期光熱費の一部助成
助成金額 1世帯当たり 11, 000円
生活保護世帯 、住民税非課税の要介護3以上の高齢者世帯、重度の障害者世帯、児童扶養手当を受給している住民税非課税世帯
児童クラブ及び児童館の運営費に夏期光熱費上昇分を加算
加算額 1施設当たり 40,000円
給食費は据え置きに!
保育所等への対応 4750万円
保護者負担の軽減を図るため、副食にかかる食材費高騰分を全額公費で負担
小中学校への対応 1億円
保護者負担の軽減を図るため、学校給食にかかる食材費高騰分を全額公費で負担
※200食/年とすると、
小学校 50,000円/年→52,500円/年にしない
中学校 58,600円/年→62,358円/年にしない
財源はどちらも、国の臨時交付金から
学童保育の拡充
児童クラブひとり親多子世帯支援事業費 1460万円
ひとり親世帯の第2子以降の児童クラブ利用料に対する 支援制度を拡充
対象 児童扶養手当受給世帯の第2子以降
助成額 児童1人当たり (月額上限)
市民税所得割額77, 101円未満 3,000円→ 10, 000円
上記以外 3, 000円→ 5, 000円
新 児童クラブ職員処遇改善費 480万円
職員の有休取得に係る処遇を改善 ※児童館職員 170万円
コロナ対策の拡充
濃厚接触者検体検査強化費 1500万円
自宅待機の濃厚接触者の検査機会を確保するため、抗原検査キットを配布
保健所体制強化費 1000万円
疫学調査等にかかる人員を増員するとともに、業務スペースを拡張
金沢市環境衛生試験所体制強化費 210万円
迅速な情報収集と検査体制の充実を図るため、保健所内に金沢市環境衛生試験所(地方衛生研究所)を設置し、検査機器等を整備
開設日 令和4年5月30日
市立病院の陰圧病床を増床 5950万円 現在6床→10床
子どもの医療費助成について
みなさんとの取り組みで、石川県がようやく動きました。
来年度から、通院対象を「3歳まで」→「就学前」までに、所得制限の撤廃。
これによって、市町への補助が増え、金沢市も8500万円ほど増加の見込み。
よって、
金沢市は、対象「15歳まで」→「18歳まで」、「窓口無料」にすべきです。
としてきましたが、今回の予算案にはありません。
しかし、市長が論戦の中で表明する可能性もあります。
世論を高めていきましょう。
ほかにも、日々の要望の中で求め実ったものもありますが、まずはこれから調査です。
金沢市のホームページに予算案が掲載されていますので、ぜひご覧ください。
※画像をタップしてもご覧いただけます。
調査、議論が必要なもの、これまで追ってきたもの抜粋
これまで、注目してみなさんと取り組んできたものについての予算案もあったので、いくつか紹介します。
公共交通について
①第3次金沢交通戦略(金沢市単独の地域公共交通計画)
②石川中央都市圏地域公共交通計画(4市2町の地域公共交通計画)
③金沢市新しい交通システム導入方針の検討・調査(今予算案で、調査費に2990万円)
コロナ前は、金沢港ー金沢駅ー有松にLRT/BRTを導入するような議論をしていました。
しかし、コロナで北鉄やJRのバスが経営悪化、減便・廃止が起こり、それどころではありません。
石川線・浅野川線の上下分離を②の会議で検討し始めています。
よって、①と③でも、より現実的な議論が必要です。
住民の移動を行政が保障する立場で、住民目線、住民参加で議論する必要があると考えます。
金沢歌劇座建て替え検討
金沢歌劇座建替検討調査費 300万円
金沢歌劇座の建替えに向けて、候補となる敷地の条件に沿った施設規模等について技術的見地から検討するとしています。
現在地と日銀跡地が候補にあがっています。
しかし、そもそも10年前に耐震化など改修は済んでいますし、市民から建て替えの要望があがったわけではありません。そのままの活用で十分ではないかとこれまで論戦してきました。
新市長がどのような舵を切るか試されます。
市民サッカー場整備
城北市民運動公園整備事業費 7億5600万円 ※全体事業費はおよそ100億
令和5年度の完成に向けて市民サッカー場の建設工事を前倒し
みんなのホームスタジアム推進事業費 130万円
市民サッカー場の来場者が楽しめる施設設備の充実を目的とした、クラウドファンデイングを実施
目標額 1000万円
金沢市民サッカー場ネーミングライツ等導入可能性調査費 130万円
ネーミングライツ等の導入に向けて、他都市の事例調査やサウンディング調査(対話型市場調査)を実施
そもそも、現在の市民サッカー場はまだ使えるものであり、コロナ禍でなぜ100億円もかけて作り直す必要があるのか問われてきました。
そして、ここにきてネーミングライツ・・
これから具体的な調査を行いますが、市民の税金をかけてつくったものに、それがふさわしいのででしょうか。
中心商店街大型施設テナント誘致支援
中心商店街大型商業施設テナント誘致支援事業費 3050万円
対象施設 概ね1, 000㎡以上の施設
対象業種 小売業全般に拡大し、生活関連サービス業を追加
奨励金 床面積1㎡あたり2万円 限度額1000万円
制度期間 令和4年度限り
中心商店街大型施設テナント誘致活動支援事業費 630万円
誘致交渉促進支援: 本市への招聰にかかる交通費など 限度額10万円
誘致成約促進支援: 仲介者に奨励金 1㎡あたり2千円 限度額100万円
制度期間 令和4年度限り
片町きららの挽回を意図したものと思われます。
しかし、もともと再開発として多額の税金投入をしてラブロや周辺ビルを建て替えでできたもの。
さらに、出店支援もあり、5000万円を2店舗に出しましたが、期限が過ぎたら撤退しました。
これまでの施策の失敗をさらに税金で補おうとしているようにみえます。
郊外の大型ショッピングモールなどの影響などをまず分析し、これまでのやり方を顧みる必要があるのではないでしょうか。
兼六小学校の移転整備
兼六小学校の移転整備に向けて実施設計に着手 8100万円
場所 小将町中学校(現校舎等を改修)
今後の予定 令和6年 工事開始 令和7年 移転
経過
味噌蔵小と材木小の統合校・兼六小を小将町中に移したい!
小将町中をどこへ?⇒中央小学校は?
中央小学校をどこへ?⇒玉川子ども図書館は?
玉川子ども図書館は?⇒作り直して中央小学校の隣に。
ということで、兼六小の移転要望から始まったことが、中央小学校の移転・新築、玉川子ども図書館の移転・新築などの大掛かりな公共事業を生み出す展開にしていった経過があり、ようやく最初の目的にたどり着くということです。