今朝の北陸中日の金沢面で報じている、「ガス・発電事業の株式会社への譲渡検討」についてのパブリックコメントについて。
わたしもこの結果の出し方をはじめて見たとき驚いた。私の記憶でも前代未聞だし、実際に過去5年間すべての案件のパブリックコメントの結果を振り返ってみたが、「賛成」「反対」のような分類は一度もしていなかった。市は、件数が多いのでわかりやすいようにというが、「ごみの有料化」で101名の公募があった時もしていなかった。
そもそも、パブリックコメントは、市自身が認める通り、賛否を問うものではないし、そんな設問ももちろんない。市民が「賛成」「反対」と書くことはあったり、結果を分析するうえでそのような視点をもつことももちろんあるだろうが、実施主体である市側が賛否でわけて結果を出すことは本来おかしい。
さらにどういう基準で分類したのかも定かではない。701名の個別の記述(個人情報はもちろん抜いてある)をいただいたが、簡単に「推進」「維持」とわけられるものではなかった。「推進」ぽくっても「条件」がかなりついていたり、「ガス」は賛成だが「電気」は反対とか、さまざまだ。だからこそ、市の分類でも最多なのが、「不明・意見なし等」なのだ。
そしてなにより感じたのが、みなさん大変真剣に考えて書いていただいているのだが、一方では「ガス・発電事業が市の事業であったこともはじめて知った」とか、発電事業はダムでの水力発電によるものだが、「太陽光発電なの?」とか、基本的なことの周知が不足している実態もある。そして、ガス事業については「家庭需要の減少で経営が悪化している」かのように受け取っている方も多いが、直近の決算でも純利益が8億円で、債務はあるが資産がそれを上回る優良企業である。家庭の需要は減っていても、新幹線開業でホテルや飲食店開業ラッシュでの需要、そして現在順次設備中の小中学校のエアコンも市ガス利用と、企業局のがんばりもあり盛り返している。発電事業に至っては、毎年2億円の黒字、預貯金が23億円もある。このようなことはパブリックコメントの説明資料には書かれていない。
このパブリックコメントの結果を評価するなら、「民営化」以前に、まずは現状をきちんと説明することが必要だということ。市長は「市として説明会は開かない」としているが、地域単位、個人単位でも説明を行うべきだ。
(参考)